アメリカへの同時多発テロは2001年9月11日でした。もうあれから10年経つのです。
「9・11」と「3・11」はちょうど半年の違いで、人的大災害と自然大災害の違いはあるけれど、人類史上に長く記録記憶される大事件となりました。
今回の大震災は人類史上最大級で未曾有の自然災害と言えますが、ここまでの大地震や大津波(1000年に1回という、起こりうるが稀なもの)を「予想していなかった」ことによる人災の面(特に原発事故や防潮堤)もありますし、緊急時における国や政府や公的機関の備えが万全ではなかった点、すべて後手後手に回っている点などシステム上の問題もあるのではないかと思います。
こういう事態において、誰かを責めるとか非難するというつもりはまったくありませんが、しかし、現場では今でも生死の境で避難し、働き、寒い中を救援復旧活動につとめている多くの人々が、政府や国などの公的な支援救援を望みながらまだ不十分、場所によってはほとんど見捨てられた状況にすらあるようです。
マスコミが伝える状況は、逆に言うとマスコミが入れる場所です。
原発事故による避難勧告が出ている地域には、東京電力の作業員、自衛隊、東京消防庁、特殊車両関係者しか入っていない訳で、現実はもっと酷い状況が今も続いていることは中々伝わりません。
そんな中、大きな被害を受けた三陸沿岸の地域を自分の目で見て回り、現場の声を聞いて来た方の、声を振り絞って叫ぶ様な、悲痛なメッセージがありますのでご紹介したいと思います。
岩手医科大学の学長である小川彰先生が、大学のHPに載せているメッセージです。小川先生は、脳外科医なので私も以前からよく存じ上げております。仙台二高出身で東北大学の脳外科では私の直属の上司であった山形大学脳外科教授で現在国立がん研究センター理事長も兼ねる嘉山先生の1年先輩にあたります。そういうご縁で、オーストラリアの学会などに出かけた際には少しご一緒させて頂いたりお話もしたことはありますし、嘉山教授が公務多忙のおりに私が名代として小川先生のご関係の方の盛岡でのご葬儀に参列させて頂いたこともあります。
そういう、比較的良く知っている方からのメッセージなので、読んでいると胸が熱くなってきます。
岩手の、三陸の、被災状況の現実を多くの方に知って頂きたいと思い、小川先生や岩手医大には無許可でこのブログ記事にリンクさせて頂きます。
「岩手医科大学学長小川彰先生からのメッセージ(第3報)」
最後に「未だ現場は危機的状況です。重ねて政府の迅速な危機管理体制の発動を強く要望致します。」と書かれています。まさに現場を見た人からの、救援支援を求める悲痛な叫びです。
これより少し、まだ口調がマイルドであった、第1報(3/15)と第2報(3/17)も合わせてお読み頂ければと思います。1週間でどんどん事態が深刻化しているのがよく理解出来ると思います。
「小川学長のメッセージ第1報」
「小川学長のメッセージ第2報」
どうぞお読み頂き、マスコミでは伝えきれていない、現場の医療活動の状況を知って頂きたいと思います。
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