サロン・コンサート第36回「バリトントリオコンサート」終了しました。
2014年6月7日、ジョンダーノ・ホールで36回目のサロン・コンサートとなる、「バリトン・トリオ・コンサート」が開催され、遠くは、仙台、秋田、山形市などから熱心な音楽ファンがいらしてくださいました。
balaineも"Baryton"(バリトン)という楽器は生で初めて見、初めて聴きました。
ハイドンの雇い主であったハンガリーの貴族エステルハージ侯爵がお気に入りの楽器で、自分でも演奏するため、ハイドンに自分が楽しむためにも作曲を依頼し、ヴィオラ、チェロとのトリオが126曲のこっているとか、失われた楽譜も含めると300曲近くあったのではないかと言われているそうです。
その中から6曲を演奏して頂きました。
バリトンという呼び名の由来はいくつか説がありはっきりしないそうですが、フレットのある六弦の擦弦楽器で、ヴィオラ・ダ・ガンバの兄弟のようです。
大きな違いは、「共鳴弦」と呼ばれる、弓では弾かず、左手の母指で裏側で弾いて音を出す弦が9〜12本ついているところ。
左の写真は、ネックの裏側をペグの方から足下の方へ眺めたところ。ネックの裏に張ってある9本の共鳴弦は、ネック裏のトンネルを抜けて、楽器の表板の駒に繋がるのですが、その上に六弦が張ってあるので、まるで「跨線橋」の様に駒板がその9本の弦を跨いで付いています。
右の写真は、指板の上に張ってある六弦が通常の駒板の上を通っているところと、その下を地下鉄のように裏側の共鳴弦9本が通っている、いわば「二層構造」を見せるために撮りました。
こんな面白い発想の、やや複雑な構造の、弦が15本もあって調弦も面倒なら、メンテナンスも、製作も困難であろう弦楽器が、17~18世紀に存在していたのです。ハイドンが作曲したバリトン三重奏曲は18世紀中頃のほぼ10年の間に書かれたそうです。
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