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2014.06.13

サロン・コンサート第36回「バリトントリオコンサート」終了しました。

2014年6月7日、ジョンダーノ・ホールで36回目のサロン・コンサートとなる、「バリトン・トリオ・コンサート」が開催され、遠くは、仙台、秋田、山形市などから熱心な音楽ファンがいらしてくださいました。

Photobalaineも"Baryton"(バリトン)という楽器は生で初めて見、初めて聴きました。
ハイドンの雇い主であったハンガリーの貴族エステルハージ侯爵がお気に入りの楽器で、自分でも演奏するため、ハイドンに自分が楽しむためにも作曲を依頼し、ヴィオラ、チェロとのトリオが126曲のこっているとか、失われた楽譜も含めると300曲近くあったのではないかと言われているそうです。

その中から6曲を演奏して頂きました。
Photo_2バリトンという呼び名の由来はいくつか説がありはっきりしないそうですが、フレットのある六弦の擦弦楽器で、ヴィオラ・ダ・ガンバの兄弟のようです。
大きな違いは、「共鳴弦」と呼ばれる、弓では弾かず、左手の母指で裏側で弾いて音を出す弦が9〜12本ついているところ。

Photo_32左の写真は、ネックの裏側をペグの方から足下の方へ眺めたところ。ネックの裏に張ってある9本の共鳴弦は、ネック裏のトンネルを抜けて、楽器の表板の駒に繋がるのですが、その上に六弦が張ってあるので、まるで「跨線橋」の様に駒板がその9本の弦を跨いで付いています。
右の写真は、指板の上に張ってある六弦が通常の駒板の上を通っているところと、その下を地下鉄のように裏側の共鳴弦9本が通っている、いわば「二層構造」を見せるために撮りました。

こんな面白い発想の、やや複雑な構造の、弦が15本もあって調弦も面倒なら、メンテナンスも、製作も困難であろう弦楽器が、17~18世紀に存在していたのです。ハイドンが作曲したバリトン三重奏曲は18世紀中頃のほぼ10年の間に書かれたそうです。


Photo_4バリトン三重奏曲で最も高音部を受け持ち、時に旋律、時に伴奏を奏でるのがヴィオラ。
オーケストラ・リベラ・クラシカ(OLC)でコンマスを務め、バッハ・コレギウム・ジャパンでもコンマスやセカンドVnトップをつとめる若松夏美さんは、酒田初、ジョンダーノ・ホール初でした。しかし、実は、彼女はbalaineの仙台時代の中学の同学年で40ウン年前から知っている仲でした。3年程前には、東京の白寿ホールでフルート三重奏、四重奏のコンサートがあった時のVn以来でした。

Photo_5バリトンのライナー・ツィパーリング氏はドイツ在住のヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ奏者。
故アバドが、「そこに彼が立っているだけでいい!」と言われる、モーツァルトオケとのブランデンブルク協奏曲全曲演奏時には、第6番でヴィオラ・ダ・ガンバを担当している姿がYoutubeで観られます。
酒田はもちろん初めてでしたが、とてもフレンドリーで、美食家で、お箸を上手に使って、お寿司はもちろん、焼き魚や煮魚も食べていました。
バリトンは、典雅で、時につややかに、時に物悲しく鳴るのですが、共鳴弦を左母指で弾くと「ビョ〜ン」「ピョ〜ン」「ミョ〜ン」という、何とも愛らしい、シタールや大正琴のようなエスニックな響を奏で、一瞬にしてホールの雰囲気が安らぎます。
この共鳴弦の響は以外に豊かでしたが、ジョンダーノ・ホールかそれよりやや大きめ、せいぜい300名程度のサイズの音響の良いホールでしかその特徴ある音色を十分に味わうことはできないでしょう。

Photo_6そして我らが鈴木秀美さん。ジョンダーノ・ホールはこれで4回目と、もはや常連です。
最初の2回は、JS Bachの無伴奏チェロ組曲を、1・3・5番と2・4・6番とわけて全曲演奏。3回目は今年の1月に「鈴木秀美のガットストリーム」と題して、チェンバロの上尾さんとイタリアの主に17世紀のチェロ独奏曲を演奏されました。今回は、音域の近いバリトンとのアンサンブルでしたが、通奏低音として、また時に旋律をとってヴィオラ、バリトンと絡んだ音色はとても柔らかく心地よいものでした。

Sc36_3Sc36_4当日のプログラム。左は表側、右は内側。
前半4曲、後半2曲という構成で、6曲目はバリトン三重奏の中では最も有名で、エステルハージ候パール・アンタルの跡継ぎ、ミクローシュ・ヨージェフ(エステルハージ宮殿を建てた人?)が生まれた事を祝う為に作曲された第97番(7つもの小さな楽章からなる)ニ長調。
バリトンの音色は表現の幅が広く、ポロネーズの楽しさ、アダージョの物哀しさが物語を語るように演奏されました。

Photo_7盛んな拍手に花束で、3回程カーテンコール、挨拶をされたものの、アンコールは用意していなかったということで休憩を入れて2時間を超えるコンサートは終了。
CD&本販売とサイン会が行われ、終演後は恒例の打ち上げへ。

Photo_8Photo_9Photo_10前の日の夕方到着したので、前日夜と当日昼はお寿司屋さんへお連れし、打ち上げは市内の人気の居酒屋へ。
お魚がみな新鮮で美味しく参加された(親しい常連の観客3名を加え)皆さんも大満足の夜でした。

来年あたりに、鈴木秀美さんのガットストリームその2が開催出来るかもしれません。
告知をどうぞお楽しみに。


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