サロン・コンサート第32回、八百板正己チェンバロリサイタル vol.3、終了しました。
ジョンダーノ・ホールでの2013(平成25)年最後のサロン・コンサート、昨日無事終了しました。
今回は、プログラムの4/5は「二台」「四手」の曲を集めました。
写真向かって左側が、久保田彰2000年作の八百板正己氏の二段鍵盤フレミッシュ。
右が、同じく久保田彰2010作のkanonの二段鍵盤フレミッシュ。
同じ作家によるチェンバロで、同じフレミッシュスタイルですが、鍵盤数、サイズ、音色など微妙に違います。特に八百板氏のは、弦を弾く爪をデルリンから白鳥の羽根軸に換えて、また音色、発音等が変わった様です。
そして、今回は、この二台の大蓋を外し(後ろに並べておいてあります)、縦に二台を並列に並べ、客席はチェンバロをグルリと取り囲む様に半円状に並べました。八百板氏の強い希望で、3列以上にはしないということで、面白い配置になりました。
写真左は、二台による演奏。右は一台を四手で連弾です。
プログラムは、前半に3曲。
クープランの「2台のチェンバロのためのアルマンド」、ハイドンの「4手連弾のためのソナタ ヘ長調「先生と生徒」 Hob.XVII a/1」、そしてヘンデルの「2台のチェンバロのための組曲 ハ短調 HWV446」でした。
後半は、まず八百板氏のソロで、バッハの平均律クラヴィーア曲集第2巻より「前奏曲とフーガ ニ長調 BWV874」と「前奏曲とフーガ ハ短調 BWV871」。
二台のチェンバロで弾き分けるという工夫をしていました。
最後は、バッハの「2台のチェンバロのための協奏曲 ハ長調 BWV1061a」。これは「協奏曲」ですから、弦楽合奏と二台のチェンバロの演奏の楽譜がある訳ですが、元々二台のチェンバロのために作曲され、後に弦楽合奏を付け加えたと思われ、それを戻して二台のチェンバロだけで演奏されることもあるのだそうです。
盛んな拍手に応え、アンコール。
ゴルトベルクのアリアの最初の8音の低音主題に基づく種々のカノンの中から、二台用に一曲演奏したのですが、写真は「カノン」は、主なフレーズをひっくり返して後ろから演奏すると永遠に繋がるメビウスの輪のようになる、ということ身振り手振りで説明しているところです。
最後に鳴り止まない拍手に応え、ゴルトベルク変奏曲の有名な最初のアリアを演奏し、リサイタルは幕を閉じました。
kanonのチェンバロの師匠ということで、無理を言って、忙しい12月に3年連続新潟から来て頂いている上に、今回は前日の夕方新潟市で本番があり、そこから自分の楽器を軽のワゴン車に積んで自ら運んで来て、セッティングしてリハーサルして、、、と大変なご苦労をかけました。
が、主催者のbalaineが期待していた通りの演奏会となり、予想を上回るお客さんにも来て頂いて、大変素晴らしいコンサートとなりました。
八百板正己氏にはまた、ぜひ、来年も、続けて、コンサートに来て頂きたいと思います。
酒田およびその周辺地区でチェンバロを習いたい方、いらっしゃったら是非ご連絡下さい。
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コメント
今回は、現代望みえる最上のサロンコンサートではないでしょうか。まず二台のチェンバロを使う豪華さです。おそらく山形県初ではないでしょうか。次は子弟コンビの共演で、かつ弟子がサロンのホステスであること。まさしく、19世紀的なサロンの再現といってもいいかもしれません。
集まった人たちも、決して名前に釣られて来た訳ではありませんから、ほんとうの室内楽好き、チェンバロ好きですよね。
酒田市でこんなみごとな「音楽の場」ができるとは!これもbalain先生と奥様の努力と音楽に対する情熱の賜物です。それを共有できて、とても幸せでした。ありがとうございます。
追伸:塩白湯ラーメンも美味しかったです。
投稿: Mrbach1954 | 2013.12.10 18:00