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2013.09.03

冷岩寺音奏会

お寺の名前は字の通り「れいがんじ」さんですが、そのうしろ文字は「おんそうえ」と読みます。
2013年8月31日(土)、庄内町狩川の冷岩寺さんでkanonのチェンバロとともに演奏をさせて頂きました。

PhotoPhoto_2冷岩寺さんは曹洞宗の名刹ですが、浄土真宗の僧侶を招いて講演会を行ったり、宗派などにとらわれない活動をされています。
庄内町は、余目町と立川町が合併して出来た、細長い町で狩川は旧立川町にあります。右側の地図の赤い丸で示した場所にあり、ウィンドーム立川の隣にある「楯山公園」のすぐ麓にあたります(青い丸がうちのクリニックがある酒田市富士見町)。

Photo_3Photo_4仙台の林チェンバロ製作所の林さんに来て頂いて、クリニックのジョンダーノ・ホールから二段鍵盤フレーミッシュスタイルのチェンバロを運び出し搬入セッティング調律をお願いしました。土曜でしたので、balaineは通常13時まで診療のところを、少し早めの12:35頃に切り上げて追いかけて行きましたが、車で片道30分近くかかる場所ですので到着したら13:30近くになっていました。
 冷岩寺さんの本堂の畳の上にチェンバロをセッティングし、フルートなど笛族の楽器を並べて準備完了。コンサートは、演奏の間に、曲、曲の背景、そしてチェンバロやフルート族の楽器の説明をしながら一時間程行いました。

Photo_5kanonはチェンバロ演奏用にドレスを着ていますが、下は畳なのでヒールのある靴などもっての他、ストッキングを履いただけの裸足状態といういつもとはかなり勝手の違う状況。
JSバッハの平均率曲集1番の1番や、ラモーの「三連符」「エジプトの女」の3曲のソロ演奏をしました。

Photo_6balaineは、まずフリードリッヒ大王(フリードリッヒII世:1712-1786)の「フルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調」を全曲(繰り返しをほぼ省略して9分弱)演奏しました。
フリードリッヒ大王は、フルート(当時はフラウと・トラベルソ)の名手と知られ、「無憂宮」と和訳されるポツダムのサン・スーシ宮殿には、CPEバッハ、クヴァンツ、ベンダなどの音楽家が傅き、作曲や演奏のレッスンをしたり、一緒に演奏をしていたのです。

Photo_819世紀の画家メンツェルによるこの有名な絵には、中央でフルートを吹くフリードリッヒ大王、チェンバロを演奏するCPEバッハ、右端で壁に身を寄せ大王の演奏を静かに見守るかの様なクヴァンツ、バイオリンを持ちながらソロを吹いている大王を見守るベンダ、シェンデリアの灯りの下でソファに優雅に座る姫(奥方?)の後ろに立っているフランスの詩人ヴォルテールなどが描かれています。
こうした環境の中で大王自らが作曲したとされるホ短調のソナタは、下降系の音形たっぷりの美しくやや物悲しい緩徐楽章Graveから始まる特徴的な名曲で、大好きです。

Photo_10一旦演奏を終え拍手を貰った後、用意して行った通称「蛍光灯」と呼ばれる塩ビ製のトラベルソのレプリカを取り出し、A=415Hzで上記ホ短調ソナタの冒頭4小節程を演奏しました。(写真一番上が、スティンズビーJrモデルのアウロストラベルソ)。
その際、チェンバロもA=440Hzから415Hzに変更する必要があるのですが、これがちょうど「半音」の違いに当たるので、現代チェンバロには鍵盤全体を半音スライドさせる機構が付いていて、balaineが周波数の説明をしている間に、kanonが鍵盤をスライドさせて415Hzで演奏致しました。

Photo_7管体18金製のフルートも「木管楽器」と呼ぶ由来であり、木製のフルートをお客様にお見せして、また同族の楽器である尺八や龍笛なども見せ、尺八もちょっとだけ吹いてみました。
そして、パウエルの木製管フルートの頭部管をパールの18金管体フルートの頭部管と交換して、宮城道雄の「春の海」を演奏しました。
この際チェンバロは「バフストップ」という機構を用いて、二段鍵盤の上段をフェルトで響を曇らせる様な音色にして、ちょっとだけ筝に近い音にして演奏してみました。昼間部のAllegroのところは、下段のダブル8フィート弦でのやや華やかな音にして違いを楽しんで頂けたかと思います。

この他に、「浜辺の歌」、「夏の思い出」を演奏し、アンコールにはJSバッハのフルートソナタBWV1031からSicilianoを演奏し、ちょうど一時間程の演奏とお話を終えました。


Photo_950名強のお客様の大半が、チェンバロは聴くのも見るのも初めて、という方が多く、終演後、kanonと林氏によりチェンバロの説明会。
生まれて初めて聴いたチェンバロの、繊細で雅な音色に魅せられて、次回のサロン・コンサートでのチェンバロ演奏には是非来たい、とおっしゃって頂く方もおられ、忙しい中で練習し準備したかいもありました。
聴きに来て下さった方々には本当に感謝申し上げます。
そして、この「音奏会」を企画運営された冷岩寺のご住職、奥様、ご家族には大変お世話になり有り難いことでございました。本企画の橋渡しをして下さり準備を手伝って下さった酒フィル仲間のY氏ご夫妻にも大変感謝申し上げます。

いろいろな方々のお知恵とご協力を頂いて、縁が繋がって実現した、お寺のお堂でのフルートとチェンバロのコンサート。我々夫婦にとりましても大変に忘れがたい一生の宝物になったと思います。


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