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2012.09.04

サロン・コンサート第22回「山形弦楽四重奏団第6回庄内定期演奏会」、終了しました。〜その1

2012年9月1日(土)、残暑厳しい中、16時開演。

Q酒田は早いところでは中学校の運動会。その他、週末の行事と重なったのか、残念ながらチケットの前売りは今ひとつ伸び悩みました。
開演前まで、ジョンダーノホールのエアコンは室温19℃に設定してガンガン下げるのですが、人が入って約24℃位。待合室などのエアコンも19℃に設定して、少しでも室温を下げるよう努力してもあまりにも好天続きで下がりません。
「残暑の中のひと時の安らぎ」となったかどうか。

Q_2プログラムは、確認ミスで写真の様に印刷してしまいましたが、1曲目がベートーヴェンで3曲目がドビュッシーです。
ベートーヴェン弦楽四重奏曲チクルスの6回目は、それこそ第6番。
生誕150年にあたるドビュッシーが1曲だけ残した弦楽カルテットを生で聴くのは初めてでとても楽しみですが、もっとも楽しみなのは2曲目の佐藤敏直の弦楽四重奏第1番。

Qプレトーク担当は、1st Vnの中爺こと中島光之さん。
庄内定期ではベートーヴェンの弦楽四重奏曲の全曲演奏を目指している事、佐藤敏直さんの作品の特徴をおそらく皆今日初めて聴くであろうお客さんに理解しやすいように簡明に解説、そしてドビュッシーの音楽とたった一曲だけ残した弦楽四重奏曲の事について触れていました。


さて、いよいよ演奏開始。
Q_2男性3人はノーネクタイの黒シャツ。紅一点の今井東子(はるこ)さんは、鮮やかな青地に少し和服を連想させ一見音符にも見える様な素敵なデザインのノースリーブのロングドレス。
16時を回っても外はまだ30℃を超しており、室内は演奏中はエアコンを停めるため、演奏者と観客の熱気で直ぐに暑くなってしまいます。室温計は27℃あたりを指しています。

ベートーヴェンの第6番(1800年作)は、いかにも古典派というような始まり。ちょうど交響曲第1番を作曲した頃なので、出だしはまだ後の大交響曲のような雰囲気よりも、躍動的なハイドン風を思わせるようにも聴こえます。ところが2楽章、3楽章と進むうちに、次代の交響曲3番「英雄」(1804年)や5番「運命」(1808年)を予感させる様な堂々とした構成となり、4人の奏者による「こじんまり」とした音楽ではなく、弦4部のアンサンブル、時に管弦楽の大曲のような厚みを感じさせます。
軽快な3楽章から一転4楽章はゆったりした出だしで「あれ?まだ中間楽章だっけ?」と思わせる様な雰囲気。"La Malinconia"(憂鬱)と標題が付けられている通りで、「このあと、どう進んで行くんだろう?」とやや不安感を聴くものに感じさせます。チェロが「ああああ〜」と嘆き、ヴァイオリンが「おお〜」と応える様な曲想が一転明るいロンドになります。その後、憂鬱とロンドが行き来して行きつ戻りつ「悩めるルードヴィッヒ」だなと思ったら、最後は倍速のロンドでアッチェラレンドし疾走して明るくパッと終わります。

Q_32曲目は、個人的に最も楽しみにしていた佐藤敏直作品。
山形弦楽四重奏団の庄内演奏会第1回となった2010年2月に弦楽四重奏のためのモルト アダージョ(1970/1981改訂)を演奏して以来、2年半振りに生まれ故郷庄内で聴く佐藤敏直作品。
1964年とまだ青年の時の作品で、実験的な要素もある印象ですが、1楽章は東洋的?、島国日本よりは大陸的な旋律でヴィオラソロから始まりチェロ、2nd Vn、1st Vnと拡がってどんどん大きくなって行く感じ。「西洋人にはかけないでしょう?」という、とてもオリジナリティ溢れる良い作品だという事を最初から知らされます。ピチカートがとても有効に使われています。
2楽章はなんとなく黒澤映画の挿入歌を思わせる歌が流れます。そういう意味で武満的とも言えるのでしょうが、ショスタコービッチ的な短調の行進曲的な音楽に続いて、悲しげなヴィオラの響きがリードして悲劇的な印象の旋律が重なって行き、また最初の主題に戻ってきます。「これ、絶対、何かの映画に使えるな!」と真面目に思いました。
3楽章は、プレトークで中島さんが述べた「ロック音楽」のような要素が確かにふんだんにある、ちょっと懐かしい次代のロック、グループサウンズの雰囲気が弦楽四重奏で奏でられてもあまり違和感は感じません。途中のピチカートがとても「かっちょいい!」です。
佐藤敏直が武満徹より6年遅く生まれ(1936年生れ)、6年遅くこの世を去って(2002年没)、同じ66才で逝去しているのはたんなる偶然なのか。二人とも清瀬保二という1900年生れの作曲家の弟子であったのだから、共通のものを持つのも宜なるかな。

私もこの曲(弦楽四重奏第1番)を今回初めて聴いたのですが、敏直28才の時の若い作品ですが、秀作、いや素晴らしい曲だと思います。もっともっと世間に知られてもいい曲だと、今回の演奏を聴いて確信しました。

(さて、長くなったので2つにわけることにします。後半のドビュッシーその他は次回へ。)

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