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2012.08.01

サロン・コンサート第21回の報告

ぼんやりしていた訳ではないのですが、今日から8月になりました。
7/26(木)のサロン・コンサート第21回の報告を書く余裕が少なく、あっという間に1週間が過ぎようとしています。

Photo_8Photo_97/24(火)に山形テルサで開催された『フランスのエスプリ〜永田美穂・高木和弘・中木健二アンサンブルコンサート』は、なんと600名を超える観客を集めたとのこと。それに引き換え、「ジョンダーノ・ホール」は満席で70程度と小さな演奏会場。

Photo平日ながら木曜なので13時に診療を終え、まもなく到着されたお三人+αとbalaine&kanonの計8名で「ル・ポットフー」でランチ。ゆっくり食事をして寛いで頂き、15時過ぎからホールでのリハ開始。
(写真は、ジョンダーノホールのピアノに慣れるため練習する永田美穂さん)

Photo_2人が全く入らない状態と、満席の状態では響きが大きく変わってしまうことをお伝えして、まずは永田美穂さんがピアノソロのリハーサル。続いて高木さんと美穂さん、中木さんと美穂さん、最後に三人でと順調に響きになれて頂き、リハが終了したのは17:30を回っていました。
(写真は、ラヴェルのピアノトリオのリハ。開演前から三人とも非常に高いテンションでした。)

Photo_319時過ぎに開演。
まずは高木さんのVnと美穂さんのPf。
一曲目はモーツァルト。ヴァイオリンソナタの第29番イ長調 K.305。高木さんの美しいヴァイオリンをすぐ傍で聴ける歓びに観客もニコニコしながら聴いていました。高木さんだからこそ、仙台市、山形市、秋田市、お隣鶴岡市など、平日の夜にもかかわらず仕事の都合をつけてわざわざ聴きに来られた方もたくさんいらっしゃいました。
二曲目はフォーレのアンダンテ変ロ長調 Op.75。モーツァルトから一転、まったく違う音楽で、別人が演奏しているのかと思う様な高木さんの弓の動きと左手のヴィブラートの掛け方が印象的でした。

Photo_4永田美穂さんのピアノソロで3曲。
ショパンのワルツから第14番ホ短調「遺作」と「子犬のワルツ」として有名な第6番変ニ長調。
ホールのピアノは改造されたとは言え、元は50年物の中古グランドピアノ。キータッチの反応にやや難があるかな?と不安に思っていたのですが、そこはプロのピアニスト。演奏するたびに違う楽器を使わなければならない宿命を背負っている訳ですから、2日前の山形テルサとはまったく違う環境、ピアノ、響きを克服して素敵な演奏をされました。
前半の6曲目はスケルツォ第2番変ロ短調 Op.31。4曲のスケルツォの中でbalaineも一番好きな曲です。ヤマハのG7を基に改造したピアノは、100平米、70席程度のジョンダーノ・ホールにはややオーバースペックなのですがペダルを微妙にコントロールしながら見事に演奏されていました。

Photo_5中木さんと美穂さん。
7曲目はフォーレのシシリエンヌ ト短調 Op.78。
8曲目はサン=サーンスの「白鳥」
9曲目はドビュッシーのチェロとピアノのためのソナタ。
全て文字通りフランスもの。中木さんは、名門パリ管にエキストラ出演経験もあり、現在はボルドーのアキテーヌ管弦楽団で首席チェロ奏者を務めています。昨年2月(大震災の1ヶ月前)には日本チェロ協会主催の「チェロ・コングレス」のオープニングコンサートで、岩崎洸、鈴木秀美といった日本のチェロ界のビッグネームとともにp「6人の奏者によるバッハ無伴奏組曲全曲演奏会」に出演し、5番を演奏した鈴木秀美さんの前に第4番を演奏されている実力は折り紙付きの若手気鋭チェロ奏者です。
評判どおりに、集中力の高い、歌心溢れた演奏を聴かせてくださいました。

15分程長めの休憩。
演奏中は雑音を避けるためエアコンを切るのですが、お三方の熱い演奏と聴衆の熱気でジョンダーノ・ホールは室温も湿度も上がってしまいました。休憩中、室温設定を21℃に下げてガンガンに冷房をかけます(もちろん前室となる待合室はずっとエアコンをかけているのですが)。

Photo_6後半はラヴェルのピアノ三重奏曲 イ短調一曲だけ。
といっても一曲で25分程かかる大曲です。これまでに著名な音楽家による名演が数多く録音されています。名前は知っていましたが、生の演奏を聴くのはbalaineも初めて。
序盤の不安げな微妙な和音、敢えて弱音の高音で奏でる危うさからどんどん熱くなっていく様子や、バスクや中近東風の音楽を交えた旋律は、「オーケストラの魔術師」の異名を取るラヴェルの真骨頂という感じ。70名弱の観客はどんどん音楽に惹き込まれて行き、そこには演奏する3名ではなく、音楽を共有する70名程の人間の想いが、目には見えないものの交錯しているように感じられました。

Photo_7技巧的にも難しいピアノに、高木さんのVnと中木さんのVcが信じられない程の集中力で絡み合い、最後は高揚してフィニッシュ(の写真が一つ前)。
大拍手。
ピアノの前にチェロとヴァイオリンが座るので、いつもよりも観客席の最前列を一列後ろに下げた形になりましたが(演奏者の「客席が少し近すぎる」という要望で)、予定していながら来れなかった人も少しは居たものの、ブラボーのかけ声も飛び、凄い拍手でした。

Photo拍手は2分ほど鳴り止まず、高木さんから「ありがとうございます。美しいお花を頂きましたので、花の様に美しいドビュッシーの小品をアンコールに演奏します。」とご挨拶がありました。
本当にうっとりするような美しい演奏でした。

^^^^^^^^^^
Photo_2終演後はホールの前室でもあるクリニックの待合室にソフトドリンクとワインなどを用意して、乾いた喉を潤して頂き、高木さんのCD「tokyo.panda」の販売とサイン会、演奏者とお客さんの交流の場を設けました。
21時を回る遅い時間にも関わらず、たくさんの方がCDを購入され、サイン会に並び、記念写真の撮影をされたりと、盛り上がりました。

永田美穂さん達が着替えて、諸処の事が終わり、クリニックを後にされたのは21:30を回っており、そこからはbalaineとkanonで、翌日(平日の金曜なので普通に9時から診療開始)のために片付けられるところは片付けました(コップや飲み物を片付け、診察室や検査室、事務受付、待合室の椅子を復元するなど)。

気がついてみたら、お昼に皆さんと「ル・ポットフー」でランチをしてから何も食べておらず、家に帰ったら22:30を回っていました。私もこういうコンサートを主催して、それなりの役得というか楽しみはありますが、金銭的には一銭の儲けにもならないどころか会場費、電気代その他を除外してもすでに「持ち出し」(チラシ作成、チケット作成、その他の出費あり)。チケット取り置きを希望されながら当日の都合で来なかった人も複数名居て、計算上は赤字になります。

ただ、自分の趣味的なものが半分以上ではありますが、庄内地方ではこれまで演奏機会の多くない、プロの音楽家によるソロ演奏や小編成アンサンブルを生で聴くシーンを増やしたいという思いで、なんとかkanonの協力も得てサロン・コンサートは今後も続けて行きたいと思っています。

次回は9/1(土)に山形弦楽四重奏団第6回庄内定期。
次次回は9/22(土)に「トリフォーリオ」ピアノ三重奏演奏会。
さらに、昨年もお願いしたkanonの師匠八百板政巳氏のチェンバロ独演会などなど、計画しています。
来年3月には、くろき脳神経クリニック開院5周年記念ということで「曽根麻矢子(cemb)・高木綾子(Fl)コンサート」を予定しており、すでに日程は確定しております。
詳細は徐々にブログやFBなどで告知致します。

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