« 酒田場所VOL.5レポート3;翌日「個人レッスンと山形観光」 | トップページ | 出羽遊心館と土門拳記念館の紫陽花 »

2012.07.11

山響モーツァルト定期 in 酒田

山形交響楽団の庄内定期演奏会酒田公演は年2回行われます。

Photo_3これまでは山形市での定期演奏会のプログラムと同じ内容で行われてきましたが、今回、7月7日(土)の第15回酒田公演で、初めて「アマデウスの旅」のいわゆるモーツァルト定期が実現しました。
写真はそれを知らせる7/6(金)の山形新聞の記事です。

15_2こちらは山響のHPからその部分を拝借。
メインは「ハフナー」。
先日県アマオケ連木管クリニック(天元台)で、オケスタで指導を受けたばかりの曲。
そして一番の目玉は、コンマスの犬伏亜里さんとヴィオラ首席の成田寛さんの二人による、サンフォニー・コンセルタンテ(協奏交響曲)です。

犬伏さんは酒田フィルの弦楽器トレーナーもして頂いている関係ですし、ソロ演奏をお聴きしたことがありますが、成田さんはチェロの鈴木秀美さんとのアンサンブルでそのソロの音をお聞きしたことがある位で、本当のソリストとしての演奏は初めてです。

13時までの土曜の診療を、12:50で終了させ急いで希望ホールへ。13時からの酒田公演実行委員によるチラシ挟み作業は既に始まっていました。それを手伝い13:45に作業終了。
近くの名店「欅」へ。そこにはMTさんとMAさんが待っていて下さいました。

おいしいランチの後は、ホールへ。15:15開場、そして16:00開演です。
Photoいつも通り開演10分前位から、音楽監督飯森シェフのプレトーク。私はドア係も手伝ったので半分も聞いていませんでしたが、飯森さんは酒田でもモーツァルト定期が「初」であることを忘れていたのか、それについては触れられませんでした。
庄内町響ホールで1回、遊佐町生涯学習センターホールで1回やったので、酒田でもやった様な記憶だったのでしょうねぇ。
ですから、ナチュラルホルン、ナチュラルトランペット、バロック?ティンパニ、木製管のフルートを使用すること、女性奏者が色とりどりのドレスを着て演奏することなどは、以前に説明したものと考えられたのか、まったく説明がありませんでした。
弦の演奏方法がノン・ヴィブラートなので音を揃えるのに高度の技術と練習が必要なこと、ハーモニーにごまかしが利かないことなどをお話しされました。

実際の演奏は、1曲目の交響曲12番 K.110があまり特徴のない曲というか、優美で楽し気な曲というだけのインパクトの少ない曲という印象でしたが、躍進した山響の弦楽器群の見事な演奏でした(管はオーボエ2、ホルン2、ファゴット2だけ)。オーボエの「フルート持ち替え」はフルート1で別の奏者(首席の足達さん)を用意したようです。
弦は、下手からVn1(8)、Vc(5)、Va(6)、Vn(8)、そして最後列にCb(3)でした。

1曲目のインパクトが薄いのは、すべて2曲目のコンセルタンテのせいです。
見事な演奏でした。
ソロ・コンマスの高木氏率いる山響のアンサンブルに、犬伏&成田のソリが素晴らしい演奏。もう引き込まれっぱなしでした。2楽章は感動的で、私は自分のお葬式にはこの2楽章を流してもらおうかな、などと考えながら聴いておりました。
3楽章は一転して軽快に流れ、二人のソリも緊張がやや溶けたのか体の動きも少し大きくなりオケと一体化して演奏はいかにもモーツァルト終止という感じで終わります。
「ブラボー」の他に「イェーイ!」というような掛け声も聞こえた様に思います。大拍手。
犬伏さんと成田氏は合計3回のカーテンコール。オケのみんなも嬉しそう。
素晴らしい演奏でした。個人的にはこれまでのモーツァルト定期の中で、足達さんの「フルートとハープのための協奏曲」と並ぶ感動を味わいました。

「追加」この曲で、ソリの成田氏のVaはすべての弦を半音上げて調弦される「スコルダトゥーラ」を楽譜の指示通り採用したそうです。これはすべて半音上げて調弦することで、本来の鼻詰まり気味のVaの音がやや金属的な特異な音色になることをモーツァルトは狙って書いたとのことでした。私には慢性副鼻腔炎気味のVaが急性咽頭炎で声が高めに枯れて少しキーキー言っているように聴こえました。すべての弦楽器の中で、ソリのVaだけ一人やや異質な音を出して目立っているようでした。「追加終わり」

ソリが2人いることもあって、弦はVn1(7)、Vc(3)、Va(4)、Vn(6)、そして最後列にCb(2)でした(Vaは、4名を2人ずつの2パートに完全に分かれているそうです)。

3曲目は「ハフナー」。
2楽章のテンポがやや早めで軽めに感じましたが、全体を通して流れる様な音楽。軽快かつ祝典的気分に満ちた躍動感溢れる曲を山響は飯森シェフの指揮の元、柔軟に演奏していました。
前2曲と違って、ティンパニにナチュラルトランペット2本、フルート2本、クラリネット2本と木管が全部2管編成で揃いました。弦はVn1(9)、Vc(5)、Va(6)(7)、Vn(8)、そして最後列にCb(3)でした。
「追加」そうそう、Vaの倉田さんからコメントでご指摘頂いたように、なんと2曲目のソリを務めた犬伏さんと成田さんが、「ハフナー」では一団員としてTuttiで演奏に参加されていたのも驚きました。「追加終わり」

Photo_2土曜の午後、雨も上がって、条件はそれほど悪くないのですが、お客の入りは6割行かなかったでしょうか。音響が良いことが知られている2階席真ん中より前方と、両サイドのバルコニー席は一杯だったのですが、1階席後方と後ろよりの両サイド、それに3階席はガラガラでした。
終演後の交流会でも、演奏を讃える声とともに飯森さん、犬伏さんなどから、今日来た観客が次は一人ずつ知り合いを連れてきて下さい、というお願いまでされてしまいました。
成田氏は2曲目のコンセルタンテでの「スコルダトゥーラ」の話もされました。半音上げずにいつも通りの調弦で楽譜の音をすべて半音上げて演奏する人も多いのだそうです。モーツァルトの指示通り半音上げて演奏することは実はそう多くはないそうで、成田氏も初めてスコルダトゥーラを採用したそうです。飯森シェフによれば、それによりいつもは控えめで抑えめのヴィオラが「悪魔の金切り声」的な音色に変わるとのこと。成田氏によれば、作曲者モーツァルト自身がスコルダトゥーラのヴィオラを自ら演奏することによって、普段と違う音で目立つことにより自分を売り込む作戦もあったかもしれないとの話。確かに、「俺はこんなに弾けるんだぞ!」というモーツァルトらしい宣伝を兼ねた演奏をした可能性は考えられますね。
(スコルダトゥーラは、たとえば昨年4月のジョンダーノ・ホールでのサロン・コンサートでバッハの無伴奏チェロ組曲を演奏された鈴木秀美さんが、5番ハ短調で楽譜の指示通りA線を2度下げたGに調弦して演奏されたように、バロック時代にはよく使われた手法でした)
その鈴木秀美さん、実は「お忍び」で酒田/山形の2公演を聴きにいらっしゃっていましたが、写真の様に交流会ではインタビューに引っ張りだされてS先生から感想を求められていました。飯森シェフの話では、来シーズンに秀美さんにまた山響に大きく関わって頂く企画があるのだそうです。楽しみです!

山響の演奏は見事でした。
プログラムも悪くありません。
もしかすると、庄内ではモーツァルトよりも古典派、それよりもロマン派が好まれるかもしれません。ブラームス、ドヴォジャーク、チャイコフスキーの時はもう少し入ったと思います。
山響ファンクラブ関係か、山形テルサまで定期演奏会を聴きに行っている様な熱心なファンでない限り、山響の8年間に及ぶモーツァルトへの取り組み『アマデウスの旅』のことをよく知らない人がまだ多いのかもしれません。山形テルサでの全公演を録音していて、2006年から取り組み始めたので予定では再来年2014年春にはモーツァルトの交響曲全曲録音が完成する予定です。

今後、山響庄内定期(鶴岡と酒田の両公演)の観客を増やすために、地元の我々ももっと積極的に勧誘活動を展開する必要がありそうです。こんな素敵な演奏会が酒田で、鶴岡で、開催されているのに知らない人がいるのは勿体ない!

|

« 酒田場所VOL.5レポート3;翌日「個人レッスンと山形観光」 | トップページ | 出羽遊心館と土門拳記念館の紫陽花 »

コメント

こんにちは。ご来場ありがとうございました。
そして誕生日もおめでとうございます。

メインの「ハフナー」はN氏が加わりましたので、7人で演奏しました。

そして、協奏交響曲のヴィオラパートは、完全に2パートに別れていますので、第1ヴィオラ2、第2ヴィオラ2で、私は普段と変わらないところで演奏していましたが、第2ヴィオラのトップでした。隠れすぎのトップです。笑。

投稿: らびお | 2012.07.11 23:21

らびおさん、ありがとうございます。
そうでした!犬伏さんと成田さん、3曲目のハフナーではTuttiとして普通に演奏されていましたね。驚きました。
そしてVaは4名で2パートに分かれていたのですね。一部に本文を書き直しました。

投稿: balaine | 2012.07.12 02:03

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74618/55165154

この記事へのトラックバック一覧です: 山響モーツァルト定期 in 酒田:

« 酒田場所VOL.5レポート3;翌日「個人レッスンと山形観光」 | トップページ | 出羽遊心館と土門拳記念館の紫陽花 »