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2012.05.21

山響第221回定期演奏会(山形テルサ)を聴く

2012/5/19、酒田まつりの「宵祭り」と、酒田フィルの定時練習に多少後ろ髪を引かれながら、診療終了後すぐに昼食を摂り速攻で山形へ。

Photo第221回の山響定期演奏会。
今回の超目玉は何と言っても昨年のチャイコフスキー国際コンクールピアノ部門の覇者、ダニール・トリフォノフ氏。「氏」と言っても若干21才なので「君」と呼びたくなる感じ。
そしてもう一つの目玉は、山響のコンポーザー・イン・レジデンス西村朗氏作曲の新作「弦楽のための悲のメディテーション」。山響創立40周年を記念して委嘱された曲なのです。
後半のメインはブラ2。ブラームスの4つの交響曲の中では、比較的明るく健康的な印象のある2番ですが、「これはブラームスの『田園』だ」と評されたこともある様に、牧歌的、アルプス的雰囲気も持つ美しい曲です。

Photo_2プレトークの冒頭、「山形代表」(サン&リブ)のエプロン姿の飯森さんは、山響とモンテディオ山形と「山形代表」のコラボのお話。会場で6本入り1300円のジュースを売っているので是非完売にしたい、とアナウンス。
続いて演奏の話(笑)。
1曲目が弦楽だけで、2曲目がピアノ協奏曲なので、1曲目のあとに2曲目と3曲目の話をするということで、1曲目の西村氏委嘱作品の話。5/18,19の2日間に渡ってのコンサートでしたが、西村朗さんは2日とも会場におられました。
ステージに招かれ二人でトーク。というより、曲の持つ意味、内容を穏やかにしかし熱く語る西村氏。「まるでN響アワーみたいですね」という飯森さんの発言に会場からも笑いが(好意的な)。
弦楽だけの名曲として、バーバーの「弦楽のためのアダージョ」やチャイコフスキーの「弦セレ」が有名ですが、現代の音楽として特徴を持ちつつ19世紀〜20世紀前半の「人としてむしろ幸せだったかもしれない世紀」と今の「文明は発達したが人としてはたして幸せなのか」という時代の事などが作曲の着想の元になっているとのこと。
途中で非常に早いパッセージで複雑に絡み合う部分などは、高速に過ぎて行く現代の時間に人間がむしろ追い立てられている様を表現しているとの解説。簡単に演奏出来て、簡単に理解出来る様な曲は作らない、全てを解説しては味気なくなるので、あとは聞いた人が自分で感じて欲しいというようなことを言った様に思います。

演奏の解説、感想というのは個人の印象なのでこれから書く事は「balaineの遠吠え」とお心得下さい。

ということで、1曲目。
打楽器、管楽器はすべて降り番の弦楽のみ。コントラバス4本が後方に立ち、下手からVn1(10)-Vn2(8)-Va(6)-Vc(6)の一般的配置。ヴィオラが前面に出てくる部分も多く、私的には好みの曲。
一回聴いただけで解説は困難ですが、まだ山響も飯森さんもつかみきれていない印象有り。ポルタメントもパート内でずれていて、要するにアンサンブルするのに容易ではない曲のようですが、なかなかに芯のある硬派な音楽の印象でした。

配置転換の間に飯森さんが出てきてトーク。ピアノを設置するだけではなく、下手からVn1-Vc-Va-Vn2の「古典配置」に。Cbは弦4部から少し離れて管楽器の後ろでティンパニの下手側に4本並びました。

チャイコフスキーのピアノ協奏曲は説明するまでもない超名曲。演奏するトリフォノフ氏は2010年のショパンコンクールで3位になった時点で、山響への出演交渉。ところがその後2011年にルービンシュタインピアノコンクール優勝、そしてチャイコフスキーで優勝(しかも全部門グランプリ)という快挙。いきなり付加価値付きまくりで山形に来た訳です。
素晴らしいピアニスト、50年に一人の逸材と飯森さんも大絶賛。

演奏そのものは、balaine的にはそれほど強烈な感動はなかった。ピアノの音の美しさ、fffや早いパッセージの機関銃の様な激しさはさすがと思うけれど、「若いな〜」(その通り21才)という感想。ダイナミクスの幅、アーティキュレーションの自在さ、演奏は凄いけれど、まだ「この曲」で感動させられる程ではない(というか、上原彩子さんの素晴らしい演奏を聴いたことがあるとどうしても比較してしまう)。
観客は大満足で凄い拍手。何回ものカーテンコール。そしてアンコールは2曲も演奏。
1曲目はショパンの「華麗なる大円舞曲」と、あれ?もう一曲は何だったっけ。思い出したら書きます。オケとの協奏は、ピアノのスケールの大きさに山響が着いて行けてない感じも多く、特に一部の木管の出来が不満でした。弦も、5型だとちょっとピアノの音量に負ける感じかな。。。

休憩のあとのブラームスの2番。
これは何年か前に酒田市立中央高校(今年から酒田光陵高校として4高校が一つに統廃合)の弦楽部定期演奏会で出演させて頂いた思いでの曲。あの時は練習不足、実力不足もありあまり思い出したくない出来ではあったものの、曲は大方頭の中に入っているので、しょっぱなの南ドイツ〜スイスの山々を思い起こさせる八木さんの素晴らしいホルン、とっても目立つフルートの旋律、オーボエのソロなど頭の中で歌いながら聴いてしまいました。途中の木五のようなアンサンブルの妙、弦5部の響き、特にチェロ〜コントラバスの低音は4楽章通して効いています。


Photo_3終演後のお楽しみ、「交流会」。
まずは西村さんにインタビュー。FM山形に自分の番組「Sunday Prism」を持つTpの佐藤裕司さんと、もう一人の男性は、あれ?某国営放送のアナウンサーさん?チャイコフスキーもブラームスも作った曲は当時としては先鋭的、革新的で評価されないどころか酷評されて後々ようやく評価されるようになったものがほとんど。ご自分の曲はまだこれから評価され成長して行くもの、というようなお話。

Photo_4珍しく着替えて来た飯森シェフのインタビューは飛ばして(笑)、ダニール君。
そんなに大柄ではない。繊細で細い。まだ本当に若く、学生さん!という印象。
山形交響楽団の事を高く評価していたけれど、かれはまだ日本の楽壇にデビューしてプロオケと共演したのがこの山響が初めてのはず。これから多くのオケと共演して行くであろう、その最初が山響だったと言うのは誇らしい反面、ちょっと心配なところも。
というのも、最近の山響はトップレベルの人とそうではない人の技術や音楽性の差がちょっとはっきりして来ている感じを受けるからです。アンサンブルとしては高い能力を持っていていいのですが、特に管楽器にややアンバランスな麺を感じるのは私だけでしょうか。。。


Photo_5こちら当日の戦利品(といっても全部購入したものですが)。
上のジュースが、プレトークで飯森シェフが言っていた「山形代表」。山形県民には「サン&リブ」の方が通りは良いかも。すべて果汁100%無添加のジュースです。たしか、私が買ったこれが最後の1セットで飯森さんの願い通り売り切れたはず。
左下は、山響独自のレーベルのでCD。なんと今年既に3枚目のリリース(ブルックナーの6番と鈴木秀美さんのハイドン、シューベルトに引き続く)は、年初の「山響ニューイヤーコンサート」でのライブ収録(+セッション録音)らしい。
弦のみのレスピーギはとても美しい。山響の弦の音の透明感がよく出ているいい演奏。
山響アマデウス・コアの合唱は素晴らしい。これが加わった「タンホイザー」や「アイーダ」は鳥肌ものの演奏。balaine的にはいまだ決まっていないセカンド・フルート&ピッコロ持ちかえをこのとき誰が吹いたのか気になります。ピッコロ大活躍のヴェルディですから。

しかし、素晴らしい録音ですが、やはり音楽は生が一番だなぁ。。。
右下はトリフォノフのCD。CDとプログラムにサインをもらって握手もしました。シュタインウェイが壊れるんじゃないかと心配になるくらいあの迫力の演奏をしたその手の、指の、なんと華奢の事。細くて柔らかい。軽く握ってその女性の手以上の柔らかさに驚きました。

これからどんどん活躍して行く事でしょう。
彼自身は演奏活動と共に昔から作曲に興味を持っていて、初日のアンコールでは歌劇「こうもり」序曲をピアノ用に編曲したものを披露したそうです。物腰も丁寧で好青年と言う印象。山響団員さんも「あいつ、すごくいい奴なんですよ〜」と。
でも、次に会う時は簡単に握手したり写真撮ったり出来ない雲の上の存在になっているかもしれないですね。


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コメント

ようやく出張から帰りました。19日ということは、二日目の演奏会ですね。トリフォノフさん、期待の星と思います。山響を始まりに、どんどん活躍してもらいたいものです。今年のニューイヤーコンサートのCDは、飯森さんにサインしてもらって、妻にプレゼントしました。車の中で、聴いているようです(^o^)/

投稿: narkejp | 2012.05.24 20:36

narkejpさん、コメントとTBありがとうございました。
今度は7/19の「復活」ですね!
実はこの日、酒田希望ホールで新日本フィル+小山実稚恵のコンサートがあるのですが、前々から楽しみにしていた山響&仙台フィル共演を優先する事にしました!

投稿: balaine | 2012.05.25 11:52

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平日の夜、花の金曜日にもかかわらず、高速で車を飛ばして、ようやく19時の開演に間に合いました。山形テルサホールで行われた、山形交響楽団の第221回定期演奏会です。本日のプログラムは (1) 西村朗 「弦楽のための悲のメディテーション」(山形交響楽団創立40周年記念...... [続きを読む]

受信: 2012.05.24 20:17

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