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2011.12.19

サロン・コンサート第16回、無事終了!

前日からの雪は小振りになったものの、寒さ厳しい冬の中、土曜の午後遅くにも関わらず、ジョンダーノ・ホールには幸い53名のお客様を向かえる事ができました。
都合で予約をキャンセルした方が2名居たにも関わらず、当日券も出て、主催者側としては当初の予想(40名超えればいいな、、、)を大きく上回るお客様に気分も盛り上がります。

Photo「今から遡ること300年と少し、ピアノという楽器はまだ試作第1号機ができたか、という時代、ヨーロッパの宮殿や貴族の館では絢爛豪華な装飾を施されたチェンバロという楽器がこのような音楽を奏でていました。。。」
コンサートは八百板氏のこのようなナレーションによって紙芝居でも観る様に始まりました。

Photo_2演奏中の写真は残念ながらありません。
チェンバロは音量が大きくない楽器であり、デジイチではバカでかいシャッター音がするため、演奏の合間にしか写真を撮りませんでした。その代わり、ビデオから静止画像を取り込んでみましょう。

2前半の最初の3曲は2段鍵盤で演奏しましたが、続く2曲、ギボンズとバードは1段鍵盤チェンバロをわざわざミーントーンという調律で演奏し、今から400年前のルネッサンスの世界に観客を誘いました。
16世紀後半から17世紀初め(日本で言えば戦国時代、安土桃山時代から江戸初期秀忠までの頃)に活躍したイギリスのルネッサンス期を代表する作曲家バードの「ホーンパイプ」では、演奏が興に乗って踊る様に弾いていたら、振動で譜面台が徐々にずれて来て後半楽譜が床に全部落ちてしまうというハプニングまで起きましたが、一瞬ハッとしたのですが最後まで楽しく聞く事ができました。

15分の「休憩」とは言っても、演奏する八百板氏はその時間の大半を調律に使いますので、1分ぐらい休んだだけで後半です。

バードと同じ時期の音楽家ダウランドはリュート奏者であったため、そのリュートのための曲をチェンバロ用に編曲して1段鍵盤で演奏。鍵盤楽器であるチェンバロが、撥弦楽器のリュートと同種の楽器だということを再認識させる演奏でした。

2_2そして、今回の目玉の一つ。バッハのゴルトベルク変奏曲です。
1段鍵盤から2段鍵盤まで、ほんの5、6歩で100〜150年現代に近づき、バロック期です。
ゴルトベルクはアリアと30の変奏曲からなり、全曲を通して演奏するとそれだけで1時間20分はかかる長大な曲。
これを1回の演奏会でやるのは、演奏する方にとっても、聴く方にとっても、楽しみより苦痛を強いる公算が高いという考えで、今回はあえて聴きやすい、心穏やかになる変奏曲だけを抜粋して演奏しました(3,9,15,24,25 & 30variation)。
「カノン」という言葉の意味、1度、3度、5度と言った音階の違い、そしてそれが奇跡の音楽になる、まさに天から与えられた様な音楽になることを解説した上で演奏されたので、ゴルトベルクに詳しい人もそうでない人もより曲に対する理解が深まったことと思います。

Photo_3盛んな拍手を受けてアンコール。
なんと八百板氏作曲のゴルトベルク風ごちゃまぜ歌変奏曲。アリアの主題に童謡「赤とんぼ」をごちゃ混ぜにして演奏したのですが、これが素晴らしい完成度の曲で感動すら覚えました。
花束贈呈に対して「よそ者をこんなにも温かく迎えて頂きありがとうございます。自分の使命は、東京の大きなホールで演奏することではなく、地方にチェンバロ文化を広めること」というような発言に対しても大きな拍手。

Photo_4Photo_5アンコールのもう一曲はkanonの登場。
モーツァルトの幼少期にはまだピアノは広く普及しておらず、モーツァルト家にもピアノフォルテはなかったはず。姉のナンネルと弟のヴォルフガングが連弾して遊んだのは二段鍵盤チェンバロだったはず。
ということで、師弟睦まじくモーツァルトの連弾でしめました。
(ルネッサンスやバロックがよく分からない?お客さんの中には、最後のモーツァルトが良かったという評価を下された方もいたそうです)。

終演後もお客様は二台のチェンバロ取り囲み、携帯などで盛んに写真を撮って、楽しそうに談笑され、お帰りになりました。

「サロン」の雰囲気が具現化できたコンサートとして大成功であったと思います。
八百板先生ありがとうございました。kanonもお疲れさま!


P.S.
チェンバロは繊細な楽器。現代のピアノの様に頑丈な金属フレームに太い金属弦を力強く張ってある訳ではないので、室温、湿度、演奏などでどんどん狂います。
冬の乾燥にも弱いので、湿度を保とうとジョンダーノ・ホールに2台の加湿器を導入したのですが、湿度60%に設定して一晩以上つけっぱなしにしていても、30〜35%くらいからなかなか上昇しません。室内のいろいろなところが乾燥しきっているからでしょう。丸1日くらいつけっぱなしにしてようやく40%くらいと、まだまだ乾燥していました。
しかし、お客さんと演奏者、我々主催側をいれて55名の人の発する熱、湿度は偉大で、演奏会が始まるとあっという間に室内湿度計は55%位まであがりました。呼気に含まれる水分がほとんどだと思いますが、加湿器よりもたくさんの人を入れればいいのだと言う事がわかりました。

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コメント

すばらしいサロン運営に、いつもながら感銘を受けました。
無理のない範囲で、酒田の地にサロン音楽文化を定着させてください。
私もたまに立ち寄らせていただきます。「よそ者」ですが、よろしくお願いいたします。

P.S.: 八百板正己の世界をご理解いただけたようで、弟子のひとりとして、とてもうれしいです。

投稿: MrBach1954 | 2011.12.20 09:15

MrBach1954さま、年末の忙しい時期、スケジュールを調整して雪の中を新潟から泊まりがけで往復。まさしく「弟子の鏡」ですね(笑)。打ち上げのお酒もおいしかったですね。ありがとうございました。
私としては、サロン・コンサートを楽しんで主催してはいますが、一人では大変です。kanonの協力、皆さんのご協力ご理解があってこそ成功させられるものです。自分の喜びの為なので苦痛や大変さは感じませんが、「別にこんなことしなくてもちゃんとした演奏会があるでしょうに、、、」とか「目立ちたいんだろうか、、、」などと思う人も世の中にはいるかもしれないとは考えています。MrBach1954さんのように、一人でも理解者が居てくだされば、まさに「百人力」です。
「いいコンサートをありがとうございました!」とか「次を楽しみにしています!」とか「こんな贅沢な思いをさせてもらって嬉しいです!」などと来て頂いた方に感想を言って頂くと、「千人力」「万人力」です。これからも、東北の片田舎、地方都市の片隅で、音楽によるサロン文化確立を目指してやって行きたいと思いますので、スケジュールの合う時はおいでいただけると嬉しいです。よろしくお願いします!

投稿: balaine | 2011.12.20 13:43

サロンコンサートの成功おめでとうございます。

神奈川の田舎からだと酒田はちょっと遠いのが残念です。
シンフォニーオーケストラよりはサロンの音楽の方がずっと性にあっているので、いつもうらやましく思っています。

忙しい仕事、学会、酒田フィルの練習をされつつも、着実にコンサートを主催されるそのエネルギーに、そしてそれを支える周囲の方達に、いつも敬服しています。末永く続きますように。
ジョンダーノホールにコンサートを聞きに行ける日をなんとか作りたいと思いながら、この文章を書いています。

投稿: Teddy | 2011.12.21 12:24

Teddyさん、今年もいろいろお世話になりました。母も、、、
さて、ジョンダーノ・ホールは逃げて行きません。私が廃業にでも追い込まれない限りは酒田にあり続けますので、どうぞいつでも都合のつく時においで下さい。
来年もチェンバロやりますよ。「酒田場所」も継続しますよ。どうぞ!

投稿: balaine | 2011.12.21 17:29

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