鳥海山の恵み〜水〜
今日の夜は、鳥海山のお膝元、遊佐町でコンサート。
映画『のだめカンタービレ』にも出演されたという、チェコ人のヴァイオリニスト、パヴェル・エレット氏のリサイタルです。
えっと、、、どのシーンに出てたんだっけ?チャイコのヴァイオリン協奏曲?
遊佐町は「湧水の里」と呼ばれ、標高2260mの鳥海山山頂から吹浦などの海岸(つまり海抜0m)までを持つ酒田の北隣の町。音楽文化活動も盛んで、酒田フィルがハンガリーのソルノクに2回行ったのも遊佐とソルノクの交流(チサ民族舞踊団、合唱団、農業関連の交流などすごく盛んなんです)があったからこそ。
実は今日の夜遊佐に行くのに、昨日9/19(月・敬老の日)は遊佐をぐるぐる回ってきました。
これは「神泉の水」。
「かみこのみず」と読みます。
先日テレビでも特集された遊佐の数ある湧水の中でも有名なもの。「女鹿」(めが)という、遊佐町の中でも最も秋田より、県境の町ですが、集落の中に鳥海山もわき水がコンコンと出ています。
立て札のあるところが一番高い部分で、ここから凄い量の湧き水が出ています。
この部分は飲料用、食料用に使えるものです。
お賽銭用と竹の筒がありますので、夫婦で200円納めてきました。水槽などの掃除道具を購入したり管理費用として地元の人が使っているそうです。
2段目の水槽には野菜などを冷やす為か、ネットに入れておいてありました。1番上の水槽で野菜を洗っていた地元の女性(おばあちゃん)に挨拶をして、少しお話をしながら、有り難い鳥海山のお水をタンクに頂いてきました。
右の写真が6段ある水槽の全景です。上から飲料用、野菜など洗う、食器などを洗う、洗濯、農機具などの洗浄、と言う風に不文律で役割を分けて昔から共同で利用して来ているそうです。
遊佐町は、ここ以外にもコンコンと水が湧き出る場所が数えきれない程あり、民家の玄関脇、庭の中、食堂の入り口脇、酒の醸造所、さらには釜磯海水浴場の様に砂浜から冷たい水がわき出していて、海水浴客はそこにビールやスイカを置いて冷やす事ができるのです。
ここは同じ遊佐でも、月光川(がっこうがわ)流域の超有名な「胴腹滝(どうはらのたき)」。
映画「おくりびと」で有名になったもっくんが河原でチェロを弾いていたのが月光川です。そこの脇を通り抜けて、どんどん山の方に入って行きます。
実は、酒田に暮らして都合6年半(旧県立日本海病院勤務時代を含む)なのですが初めて行きました。そのため、道に迷った、というかどこにあるのかわからずかなりウロウロしてようやく見つけました。見つけてみたら、こんなに大きな看板があったんです。
少し林の中に足を進めると、すぐに鬱蒼とした杉木立。滝までの道は途中に木の板が敷かれてそれなりに整備されています。左の写真には鳥居も見えます。そこをくぐると厳かな気分になってきます。フィトンチッドだらけ、森林浴の世界。
そして200mほど歩くと、2筋の中規模の滝が見えます。これが胴腹滝です。
ものすごい水量でザーザー流れています。
水汲み場は綺麗に整備されていて、滝の前に祠とお地蔵さんの像があります。お賽銭箱があったので、また100円入れて手を合わせ、パイプで4カ所作られた取水口の一つからお水を頂きます。
冷たくて、すごく美味しい!
取水口の傍に、胴腹滝不動堂の説明と「神の瀧のおいしい水」という解説の立て札がありました。
「岳人に水筒要らず」と言われる鳥海山。山のそこここからおいしい水が湧き出ているのです。
本当においしい水です。
頂いて帰った水で、珈琲、お茶を淹れてみましたが、先入観がはいっているにしてもまろやかでおいしく感じました。さらにkanonが夕食にご飯を炊く水とお味噌汁をいれる水として胴腹瀧の水を使ったのですが、いつもに増して明らかにご飯もお味噌汁も美味しかったですね。
balaineも大震災以降は多少は災害時非常時の準備を心がけようと思っています。この「メデタンク」は、光触媒による殺菌効果を持っているポリタンクで、水道水を5〜7年くらい(飲料用としては3年と書いてありました)保存可能だということで購入。
しかし、湧水には苔や藻などの成分が含まれていることが多く、タンクで長期保存すると藻が繁殖したりして緑色に変わるらしく、「湧き水は不適」と書いてありました。
天の邪鬼のbalaineとしては、「チョロチョロ出てくる湧き水ならいざ知らず、コンコンとドバドバと溢れ出る鳥海山の湧水なら大丈夫なんじゃないか?よし、鳥海山の湧水を汲みに行って試してみよう!」と思ったのが昨日の鳥海山湧水の旅だったのです。
メデタンク2つ購入したので、1つには自宅の水道水、1つは女鹿の「神泉の水」を保存して経過観察フォローアップという訳です。
胴腹滝の水は大きなペットボトル(2.7リットル)に汲んできましたが、昨晩と今朝の食事や珈琲、お茶などでほとんどなくなりました。
毎日、水道から使いたいだけ水を使っている現代人。大震災の被災地では未だに水道が復旧していない場所もあるのですが、どうしても水の有り難さを忘れそうになります。
災害に備え、水の大切さを再考し、本当に美味しい身体に良い水の有り難さを実感しました。
最後に、恒例のおまけの写真。
鳥海山の湧水で麺をうち、スープをトビウオと鳥海山の湧水でとっている「サンセット十六羅漢」の「夕日ラーメン」。
あおさ(岩のり?)がたっぷり入っているので、これを混ぜると味の方向性は同じ(海のものと海のもの)なのですが深みが変わり、ググッと海深く潜る様な感じの味(は?)なんです。
要するに、美味しい!ってこと。
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コメント
先日はサロンコンサートに行けず、残念でした。昨日のコンサートも娘の部活のからみで行けなかった…。そしてあろうことか、酒フィル定期の前日に生涯学習センターで演奏会ですと!ゲネプロの日に練習に行けないかもしれない…はぁ。
19日は近くにいらしたんですね。寄ってくれれば良かったのに~。連休とはいえ、娘は部活で(笑)、どこにも行かず家でじっとしておりました。「翠」には行かれませんでしたか?鳥海山を真正面に見ながらお茶が飲めるお奨めのティールームです。
投稿: librarian | 2011.09.21 11:33
librarianさま、「あ、Y家の近く」とは思いましたが、湧水探索が優先で(笑)。地元ですからお分かりでしょうが、女鹿から胴腹ですから結構な距離がありますね。
あの日は天気が悪く鳥海もあまり見えませんでした。今度、「翠」探してみます。
投稿: balaine | 2011.09.23 01:15