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2011.07.23

楽しい音楽の時間でした

昨日、H23年7月22日は、鶴岡で山響のコンサート。山形交響楽団庄内定期第17回鶴岡公演でした。

Photo第16回は、3月11日。
そう、ちょうど大震災当日、山響は鶴岡でゲネプロやっている最中にあの巨大地震。演奏会はちゅうしになってしまい、「幻の第16回」となったのです。
ちなみにその時のプログラムは、指揮イジー・シュトルンツ氏を迎え、メインにドヴォ7(一昨年の酒フィル定期演奏会で演奏、balaineはトップを吹かせてもらいました)、コンツェルトはソリストに遠藤真理さんを迎えマルティヌーのチェロ協奏曲、前プロはドヴォルジャークの「我が祖国」より『モルダウ』となっていました。
うう〜〜〜、聴きたかった!

さて、昨日の山響鶴岡公演。
開演が18:30。
金曜とはいえ平日の夕方に17:45の開場時間に来れる社会人ってどのくらいいるでしょうか。

私は、平日の診療が18時までなので間に合わないだろうと観念し、kanonを自分の車で先に行かせておりました。
それでも「できれば最初から聴きたい。最悪、後ろから入って一曲目は立っていてもいいから。」と考えていました。

17:30〜18:00台の予約患者さん二人が幸い早めに来てくれて、新患もおらず、17:50時点で患者さんは誰もいないので10分早いけれどクリニックを閉めてしまい、さっさと片付けをして17:55に飛び出しました。有料に戻っている山形自動車道を使って、多少前の車を煽りながら(失礼!)、鶴岡市文化会館近くに着いたのがなんと18:27。会館脇の駐車場が満車の場合、別の駐車場を探して、、、となると確実に遅刻すると思い、少し離れた市の公園の駐車場に車を停めて小走りで会場を目指します(結果的には文化会館脇の駐車場はまだ数台分空いていました)。

会場入口に着いた時、18:31。
「あ〜、もう始まったか。。。」
と思った瞬間、山響事務局のGさんから「始まりますから、とりあえず入ってください」と言われ、kanonからはメールで座席番号を知らせてもらっていたので、会場に突入。
ちょうどコンミス犬伏さんがチューニングで立っているところでした。小走りに席を目指すと、kanonが驚いた表情で「よく間に合ったわね」と。

座って大きく深呼吸した瞬間に、下手袖から秀美さんが愛用のチェロを抱えて笑顔でステージへ。
「あれ?一曲目ってシューベルトじゃなくて、ボッケリーニのチェロ協奏曲だったんだ。ああ、ラッキー!」と言う感じでした。
Photo_3写真は4/2のサロン・コンサート第13回の時のリハ中ですが、このようにエンドピンを使わず、脛(ガンバ)で挟んで支えて演奏される秀美さん。
指揮台兼チェロ演奏台に愛用の専用椅子に座って正面を向き、犬伏さんとアイコンタクトの後、呼吸をするように自然に音楽が始まりました。

ソリストであり、指揮者な訳ですが、小編成のオケ(対向配置で下手からVn1が6人、脇にヴィオラ2人、続いてチェロ2人、そしてVn2が6人、チェロのうしろにCb1人という17名)の中心で、共に旋律を奏でたり、内声に入ったりしながら、ぐいぐいオケを引っ張って行きます。

この演奏会のために秀美さんが用意されたオリジナルの楽譜に基づく演奏であったとプログラムノートには書かれています。
1楽章、3楽章のカデンツァは、秀美さんの温かな音色にテクニックが加わり、目にも止まらぬスピードで動く左手の指に驚嘆。出色は2楽章。目の前(席は8列目)に秀美さんがいるのに、目を瞑って静かに音楽に酔うのが心地よい。


2曲目はシューベルトの交響曲第1番。
サリエリに作曲を師事していた16才の頃の作品とのこと。
シューベルトの交響曲は未完のものが多いようですが、知っているのは7番「未完成」と8番「ザ・グレート」ぐらい。1番は生まれて初めて聴きました。
弦5部は人が増えて、下手からVn1が8名、ヴィオラ6名、チェロ5名、Vn2が8名、モーツァルト定期と同じように最後方にCb3名の30名。

これはシューベルトなのか?知っているシューベルトの音楽とはやや異質な明るさ。
しかし、楽しい。
特に3楽章のメヌエットなどは客席で踊りだしたくなるような、思わず体が揺れてしまいじっとして聴いていられない様な音楽でした。

15分の休憩。
ここでロビーに山響事務局のS氏と鶴岡定期実行委員のK氏を発見したので近づいて行きあいさつ。
そして「平日の18:30開演では、鶴岡の中心部に住んでいる人しか余裕を持って聴きに来れない。鶴岡公演はいつもこの時間だが、開演時間を考えて欲しい。もしくは土日祝日のコンサートをお願いしたい。」と訴えてきました。

後半は今日の目玉、ハイドンの100番「軍隊」。
今日は3曲とも「長調」の曲。明るく、楽しい(だけではありませんが)。
3楽章はメヌエットで始まり、シューベルトの1番と共通点あり。この3楽章がまた踊りだしたくなる様な音楽でした。
特にここでは管楽器が大活躍。特にトリオではフルート、オーボエ、ファゴット、クラリネットで楽しい旋律を交互に演奏したり、共奏したり、1番奏者と2番奏者が違うことをやって、なんかガチャガチャやってるような楽しい感じでした。

2楽章コーダのトランペットは、第2奏者のS氏のどソロ。難しいナチュラルトランペット。
最初、タタタターンと来るとメンデルスゾーンの結婚行進曲か?!と思う感じでしたが「軍隊信号」だということ。これがこの曲に「軍隊」とついた所以らしい。ちょっと「マーラー?」となりかけたところもありながら、見事に吹かれました。

しかし、これを考えると、8月のJAO福岡大会でのペトルーシュカのフルートのどソロ(マジシャンが笛を吹くシーン)は、30秒ほどのフルート一人旅なのでもっと強いプレッシャーがかかりそう。緊張して楽譜が見えなくなってしまうかも。失神して倒れないようにしなくては(普段の練習でプレッシャーのイメトレが必要ですね)。

軍隊用打楽器というのが、前の方に座っていたのでよく見えませんでしたが、シンバル、大太鼓、トライアングルの他に、何かバシャーンとかパチーンとか鳴っていた様な(違うかな?)。
とにかく聴いていて笑顔に鳴る様な演奏。

指揮をする秀美さんの後ろ姿をみていても、きっと表情は笑顔なんだろうな、目を丸くして、微笑みというよりは愉快な笑顔を讃えて指揮していらっしゃるんだろうと想像していました。

決して多くはない観客(鶴岡公演はいつも5割程度の入りで困ったものです!)でしたが、盛んな拍手。ブラヴァの声も飛び、秀美さんがこちらを向くと更に大きな拍手。

山響定期ではふつうやらないアンコールあり。
ハイドンのチェロ交響曲第13番の第2楽章。
管楽器はtacetで、弦の軽い伴奏に、チェロが独奏するという、チェロ協奏曲の姜徐楽章の様な音楽。とても美しい音楽。前の方に座ったので、残響の乏しいドライなホールである鶴岡市文化会館でも、秀美さんのチェロは朗々と鳴り、広いホールにその音を満たしていました。

〜〜〜〜〜
終演後は、まずフルートのTさんを探します。
実は今月で退団され実家のある関西の方に戻られるということ。いつも足達先生の横で2番奏者として、ピッコロ奏者として、1番フルートを支え、時に音楽の中心になりながら30年(?)のご活躍。土日の山形テルサでの演奏会で山響での音楽家生活に別れを告げられるとFacebookで指揮者佐藤寿一氏(仙台一高の2年後輩ですが)より伺っていたのです。

うろうろしてようやく女性奏者控え室を見つけ、Tさんを呼び出してもらって、用意して来た花束をお渡し出来ました。Tさんは演奏だけでなく、山響FCとの交流会、芋煮会、忘年会などでも裏方としてこまごまと働いてお世話をしてくださいました。もうあのピッコロの音が聴けないのかと思うととても残念です。
今後の人生に幸多かれ!と祈ります。

何人かの団員にご挨拶。チェロのM氏には頼まれていた4/2のGiondano Hallでの秀美さんのリサイタルを収録したヴィデオDVDをお渡し、ホルンのY氏にはわずか4日前の酒田中央高校音楽部とのホルン協奏曲も収録したコンサートのヴィデオDVD(すでに編集済み!)をお渡しし、ようやく秀美さんの控え室へ。

2お酒のお好きな秀美さんに、山居倉庫「夢の倶楽」限定販売(?)の「酒田の七蔵飲み比べセット」をプレゼント。これで演奏の疲れを癒し、酒田を思い出して、来年1月の無伴奏チェロ組曲の残り2、4、6番のリサイタルへのモチベーションを上げて頂きたいという狙い(苦笑)。
(写真は4/2の本番のヴィデオ映像からキャプチャー)

=====
タクシーで山形まで戻られる秀美さんを見送り、4月にも酒田にお出で頂いたマネージャーのA氏が鶴岡泊だということで、kanonと3人で食事へ。
「柏戸銀寿司」で楽しく談笑、食事をして楽しい一日を締めくくりました。

ああ、楽しい音楽の時間、でした。


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コメント

楽しい音楽の時間と、その後の交流の時間と、十分に堪能されたようで、うらやましい限りです。

week dayのコンサートはほんとに時間との勝負に鳴りますね。横浜のはずれにある2つ病院に勤務した、この20年間、week dayの夜のコンサートは数えるほどしか行けていません。

ハイドンのよくわからない音とはムチでしょうか?ちょっと調べてみたくなりました。
ハイドンはウィットとサービス精神に富んだ作曲家ですから、もっともっと演奏されてもいいと思うんですが…。むかし、学校の音楽室の壁に張ってあった古典時代(バロックがまだ再発見されるまえ)の5大作曲家のうち、バッハ・モーツァルト・ベートーベンはいろいろ取り上げられるのに、ヘンデルとかハイドンは今イチ演奏される機会が少ないですね。

投稿: Teddy | 2011.07.24 09:35

よくわからない音について調べてたらこんなのを発見しました。

http://blog.goo.ne.jp/ogawa_j/e/61ef6a1f95167f3670332e14efb211a0

下の方に

なお、「軍隊」の打楽器奏者の中に、鈴木秀美の名が見える!

ですって。このCDは93年に発売されていますからまさに…。

投稿: Teddy | 2011.07.24 10:23

山形で土曜日の演奏会を聴きました。当方初の、鈴木秀美さんの演奏と指揮を、堪能しました。ハイドンの不明な音というと、大太鼓の奏者が、片手でドスンドスン叩きながら、他方の手で、バチだか張り扇だか(^o^;)を、大太鼓に打ち付けて、軍楽隊ふうに盛り上げていました。この音かな?

投稿: narkejp | 2011.07.24 20:31

Teddyさん、情報ありがとうございます。
ヘンデルとハイドン、確かにいい曲がたくさんありますが、「大衆」「民衆」を意識した作曲が少ないからでしょうか。
私が応援していて庄内定期も主催している山形弦楽四重奏団(現在活動11年目)は、ハイドンの弦楽四重奏全曲演奏をひとつの目標にして活動を継続しているのですよ。
しかし、打楽器奏者鈴木秀美とは。今度会ったらお話を伺ってみます。

投稿: balaine | 2011.07.25 02:16

narkejpさん、ありがとうございます。山形テルサならバルコニーか、2階席前の方で聴くと思いますが、鶴岡の会場は残響が乏しく響きもドライなので、今回かなり前の方で聴きました(秀美さんのチェロの音色を間近で聴きたかった)。
そのため、ヴィオラ、チェロの2列目より後ろはほとんど見えませんでした。打楽器奏者も音だけしか聞こえず、「ああ、上手にいたんだね」という感じでしたので。
確かにムチのようなだったと思います。この場合の軍隊はトルコ軍でしょうから、騎馬隊、トルコ軍の行進をイメージした音だと思います。

投稿: balaine | 2011.07.25 02:19

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受信: 2011.07.24 20:33

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