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2011.06.21

「酒田場所Vol.4」報告〜その2<試奏会&Q & A>

プロムナード・コンサートは、予定を超過して17:35頃の終了となってしまいました。
10分程休憩して、イベントの後半です。

まずは試奏会。
今回はムラマツフルート新宿店のご協力で5種類のフルートが届いていました。一番高い(基準はどうしても価格になってしまいます)のは、管体18金+メカ9金。「ムラマツ」のサイトで見ると、H足の場合440万円となっています。日本車なら結構な格の乗用車が2台買えますね。

balaine的には、総銀にプラチナメッキ(PTPと呼んでいる)が好みでした。吹いた感じが余裕があって深みのある音色が得られる感じがしました。C足で98万円するそうです。
でも今年の試奏会で人気があったのはなんとこちら↓でした。
Photo_2Photo_5Photo_4
先日も庄内での仕事のついでに笛持参で遊びに来てくださった4月から山形市民のOさんが持って来られた、「アキヤマ」のアルトフルートとバスフルートです。アルトフルートは、普通のフルートとそれほど違いなく吹くことが出来ます。息の量がたくさん必要ですが、これをきちんと鳴らすためには唇に余計な力をいれず(力はいつでも少しは必要)、息をなるべく無駄にしないため(フルートという楽器は常に息の1/3のは捨てながら音を出しているが、それ以上無駄にしない)ちゃんとしたアムブシュアが要求されます。
バスフルートはもう別物です。
息のスピードが速すぎると鳴りません。ゆっくり「ホ〜ッ」という感じで楽器が反応するのを待つという感じです。初めて手にする人がほとんどの様で、バス(左2枚)やアルト(右1枚)に参加者の注目を集めていました。
Oさん、ありがとうございました。

フルート族には、この上に「水道管」と呼ばれる数字の4のような形をして床に置いて構えるコントラバス・フルートがあります。Oさんに今度はコントラバスもよろしくお願いしましょう。(笑)

Photo_6今年もムラマツ新宿店の修理室長伊藤さんにお出で頂き、午後3時前から講習会が終了するまで、予約された方に楽器の無料診断調整会を行って頂きました。
伊藤さんは酒田出身で国立音大では上坂氏の後輩にあたるのですが、私が仲良くしてもらっているチェコフィルのフルート奏者ロマン・ノヴォトニーやピッコロ奏者&製作者のスタンダ・フィンダとも非常に親しくしておられ、なんと酒田にくる3日程前に東京でスタンダと奥さんの志保子さんと飲んでいたとのこと。
なんだ、連絡くれれば良かったのに、、、とは思いましたが。(苦笑)

楽器試奏会では、不肖balaineのピアノ伴奏でショパンの「子犬のワルツ」フルート編曲版(右手の旋律を半音下げたフルートが担当)を演奏。5本のムラマツフルートの中では、18金+メカ9金が人気があったようです(音の鳴りとか迫力とか、、、)。こればかりは好みの問題で、何が一番とか、これとこれではこっちが上、というようなものではありません。
まあ、balaineのピアノ伴奏が練習不足で酷かったのであっさり終了です。

続いてメインイベントである「フルートQ & A」です。
0618東京でも大阪でも、そして酒田でも上坂氏がもっとも力を注いでいるのは、この企画。専用のテキストをいつも作って持って来てくださいます。フルートを吹くのに悩んでいる人、楽しく吹けていない人を助けたい、もっとフルートを好きになってもらいたいという「エヴァンジェリスト」的な発想です。
今年は、コンクールやコンサートなどのイベントをなるべく外した日程にしたにも関わらず、昨年まで3年連続で参加してくれていた酒田S高校のフルート隊の参加がなく(来年から4校を一つに統廃合するのでS高校は消滅してしまいます)ちょっと残念。今年から顧問の先生が変わったということで、もしかするとそういう影響もあったのかな〜。

「学生」の料金設定を安くしているのは、中高はもちろんフルートを吹く学生さんにたくさん参加して欲しいからなのですが、スケジュールが合わなかったのか学生の参加が少なくて(全部で3名)少しガッカリでした。

0618_2それでも熱心なフルート吹き16名に残って頂けて、今回も「どうやったら楽にいい音が出るか」の実践です。
balaineも未だに体得出来ていないのですが、もっとも重要なのはリッププレートの当てる位置。下あごの歯の付け根より下の「凹み」にリッププレートの曲面が当たり、下唇を下から潰すようにして、要するに唇で出来る穴(空気の出口=アパチュア)をフルートのリップの向こう側のエッジになるべく近づける。しかし穴は強く塞がない、およそ1/3~1/4程度は下唇がリップの穴をカバーするけれど塞ぎすぎては音がこもったりかすれてしまいます。

0618_3勇気を持って前に出て来た受講生は直接指導を受けられます。
「息が続かない」「高音がかすれる」「吹いていると疲れる」「肩に力が入る」などの問題点をちがった角度から責めて行きます。

「スタッカート」はどうするのか?短く吹くということは、息を短く出すのではなく、息を出している最中に止めること。「息を止める」とはどうするのか。止めるために、お腹や喉の筋肉に力を加えて緊張して止めてしまうのではなく、「息を吸えば」息が出るのは止まるので音が切れます。つまりスタッカート。
「お腹の支え」とは?よく横隔膜をコントロールするなどと言われるが、横隔膜は横紋筋だけど容易に随意運動がコントロール出来る筋肉ではない。腹筋など横隔膜と連動する筋肉を意識してお腹の動き=つまり息の出し入れをコントロールする。
どうやってコントロールする?みんな声を出して話す時は、興奮したり大声を出したりしない限り、通常はある程度のスピードの息をコントロールしながら持続的に息を出している。それが出来るから一息で長いフレーズの言葉を話したり、持続的に会話が出来る。ということは誰でもフルートを吹くために息をコントロールできる力を持っている。ただその意識が足りない、または意識するところが正しくない、というようなこと。。。


Photo_7そして最終的にはやはりフルートの当て方。
疑問のある人、一人一人に直接指導。「息が足りない」「疲れる」「肩に力が入る」などなどの問題点は、つきつめると「当て方」に行き着きます。
正しい位置に当てて、それをぐらつかせずに持続するためには、正しい構えが大事。構えが正しければ力も入らない(左手の人差し指の付け根あたりがフルートを支える支点になる)。右手は楽器を「持つ」ようにするのではなく、ただスッと添えるだけ、右の親指がアゴに当たったリッププレートと左人差し指の支えとを安定させるために軽く楽器の手前下側から添えるように支えるだけ。
楽器を掴むように持つから力が入り、肩に力みが出て、吹いていると疲れる。持つように掴むから指の自由度が低下して、スムーズな運指が行かない。。。

すべては、姿勢、構え、楽器の当て方(持ち方)に行き着くのです。
その上で、体格も、腕の長さも、指の長さも、アゴの形も、唇の形や厚さも人それぞれなので、基本を押さえてあとは自分で体得するしかありません。ですから「正しいことを教えてくれる人」(=正しい先生)にチェックを受けることが大切で、そのためにレッスンというのがある訳です。

全イベントを終了したのは20時少し前。なので保護者同伴ではない中学生達は途中で帰ったりして、最後は少し人数的に寂しくなりましたが、今年も合計で4時間弱に及ぶ「フルートを楽しもう!」は成功だったと言って良いでしょう。

その後、打ち上げに移動。
balaineはCPE Bachの演奏と「子犬のワルツ」のピアノ演奏で結構一杯一杯だったため、打ち上げ参加希望者も「フルートQ & A」が始まる直前に募り、それから会場を選んで予約。
土曜の夜なので、候補4カ所のうち1カ所しか空いておらず、駅前のN店へ。なんだか疲れがどっと出て、ビール3杯くらい飲んだら猛烈に眠くなり、写真もなしです。

皆さんは23時過ぎまでいろんな話で、和気あいあいと盛り上がりました。
今回は、フルート・クライス関係者が2名(明日以降の記事に登場します)に、山形から泊まりがけでご参加くださったOさんを加えて10名で打ち上がりました。

6/19(日)の個人レッスンとその後のグルメ&観光は明日以降に続きます。。。

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コメント

第1弾、第2弾とお忙しなかをアップ、ありがとうございます。会場の雰囲気がよくわかります。

中高生の参加が少ないのがちょっと残念でしたね。中学校のブラスなどでは、先輩の教えるのが一番で、下級生はそのまま鵜呑みにして…などということがありますから、チェックする良いチャンスなんですけど。もったいないなぁ。
あるいは試験中とか?

デュエットにピアノ伴奏に、おつかれさまでした。

最近は立て吹きのバスフルートもありますね。普通のバスはステッキをつかっても結構重いですから、無理をしなくてもよいのかもしれません。

投稿: Teddy | 2011.06.21 18:21

フルートって、いい楽器はやはり高価なんですね。リコーダーは1本の木から手作りしているのに、30万円以上出せば、かなりいい楽器が手に入ります。お買い得な楽器であることが分かりました。トラヴェルソも同じような値段です。

balaine先生の説明を読むだけでも、私は勉強になりました。腹筋の使い方、息の出し方、姿勢と構え、どれも納得できました。それらがきちんとできるようになるためには、毎日地道に練習し、かつ先生にチェックしてもらうしかないですよね。

長丁場、ご苦労さまでした。

投稿: MrBach1954 | 2011.06.21 21:20

balaine先生、山形市民のoさんです。

素敵なイベントありがとうございました。打ち上げも含めて楽しませていただきました。

アルトとバス、お役に立ったようで何よりです。
(正確には、頭部管だけアキヤマで、胴体はアルトはアルタス、バスはマルカート)

低音楽器、コンサートフルートよりずっと緩い息が必要です。
「息のスピードが大切」の意味がより理解できると思っています。

さすがにコントラやFバスは持ってないですが、機会があればまた遊んでいただけたら幸いです。

よろしくお願いします。

投稿: tooba | 2011.06.21 23:06

Teddyさま、地元位置の進学校酒田H高校の吹奏楽部のコンサートが日曜日にありましたが、それ以外はコンクールや演奏会は外した日程を選んだんですが、土曜日の夕方、地元の吹奏楽団のフルートパートも案内したにもかかわらず来て頂けませんでした(例年参加してもらっていたのです)。いろいろとスケジュールが重なったのでしょう。
フルートの練習(に限らず楽器の練習)って、頭を使ってやるものなんだ、ということが理解出来る講習会なんですけどね。初めて東京で聞いた時は、まさに「目から鱗」でありました。
Teddyサンにもいつの日にかGiondano Hallにお越し頂きたいと思っています。

投稿: balaine | 2011.06.22 02:13

MrBach1954さま、密度の高い加工しやすい材料というのが、金や銀なので、貴金属価格が反映されている訳です。実際、金の相場で楽器の値段が多少変動することがあります。
最近は木製の現代楽器も一種のブームになっていて、持っている人も結構います。私も食指は動かしたことがあるのですが、まずは今の18Kをちゃんと吹けるようになってから、と思っています。
楽器が鳴るようになったというか、鳴るポイントが理解出来て来た、という感じで最近響きが豊かになったと自分では思っています。
リコーダーやトラヴェルソは楽曲によっていくつかの楽器を使い分ける必要が出てきますから、一本一本は高くなくてもそれなりですよね。さらにメンテナンスが気を使うと思います。金のフルートは錆びませんから、余程の扱いをしない限りほとんどメンテナンスが入らないので、その点気楽です。
楽器の演奏の極意はいかに自分の体をコントロールするかですから、「歌」に通じるものが多い、と今日の市原多朗リサイタル in 希望ホールを聴いていて思いました。楽器は声帯と違って疲れを知らないので、正しい使い方をしていれば2時間でも3時間でも吹けますが。

投稿: balaine | 2011.06.22 02:20

toobaさん、ご参加頂き、またアルトにバスフルートを供出頂きありがとうございました。「ダニーボーイ」も素敵でした。
地元に笛吹きはいますけれど、高いレベルで演奏出来る知り合いは家庭を持つ女性が多く、なかなかカルテットなど気合いを入れて声をかけないと出来ないのです、気軽に集まってうち(ジョンダーノ・ホール)で練習なんか出来るといいんですけどね。
フルートカルテットをやるという時はお声をかけて頂ければ嬉しいです。ちなみに私はピッコロなら2本持っているのですが。。。

投稿: balaine | 2011.06.22 02:29

balaineさま

>リコーダーやトラヴェルソは楽曲によっていくつかの楽器を使い分ける必要

まさにその通りですね。それにリコーダーは、ソプラノからバスまで1セット持っていなければならず、さらに各管に415Hz、442Hzが必要です。アルトはヴェルサイユピッチ392Hzの楽器も必要です。今目の前にある楽器を数えたら、14本ありました。他にも使っていない楽器が何本かあります。トータルすれば、そんなに安い楽器ではないですね。

投稿: MrBach1954 | 2011.06.22 05:56

MrBach1954さま、そうですよね。私もスイス製のソプラノリコーダー(中学生の時にブラバンの顧問の先生に買わされた)を持っていますが、kanonはソプラニーノもアルトも持っております(プラスチック製ですが)。
木製のそこそこの楽器を10種類以上揃えれば、総銀製フルート1本よりは上ですね。総14金製までは行かないでしょうが、管体14金+メカ銀ぐらいの値段と等しくなるのではないでしょうか。
まあ、チェンバロ2台持つよりはずっとずっと安いでしょうけれど(笑)。
しかし、そういう金額を超越したこころの財産の様に思っています。

投稿: balaine | 2011.06.22 18:30

「下あごの歯の付け根より舌の「凹み」」

これって

「下あごの歯の付け根より下の「凹み」」

ですね。読んで「わからない」と言う方が
いそうなので。

投稿: ほん | 2011.06.23 12:31

ほんさん、ご指摘ありがとうございます!早速訂正致しました。下あごの歯が納まる部分の少し「下」を指で触ると少し凹んでいるように感じる部分です。
しかし、グループ名をイタリア語ではなくドイツ語音階にすると「DHCD」になりますが、あの会社と何かご関係がおありなのでしょうか?

投稿: balaine | 2011.06.23 17:07

すみません、DHCD ってどういう会社ですか?
DHCD という音階になることは意識してて、
そのうち誰かがグループのテーマ音楽を
作曲してくれるんかないかと期待はしてますcoldsweats01

投稿: ほん | 2011.06.23 19:12

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*全て 40D + EF-S18-55mm F3.5-5.6 ISプロムナードコンサートに続き、ムラマツ主要モデルの試奏会と吹き比べ、そしてQamp;Aです。ムラマツから用意して頂いた試奏用の楽器は以下の通りです。・EXストレートリング、C足部管:頭部管銀製、他部分洋銀銀メッキ・DSストレートリング、Eメカニズム、C足部管:総銀製・SR・PTPストレートリング、Eメカニズム、H足部管:総銀製プラチナメッキ、トーンホール半田付け・14Kストレートリング、Eメカニズム、H足部管:頭部管・管体1... [続きを読む]

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