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2011.05.16

山響庄内定期第13回酒田公演

最近、お出かけなどが多く、ブログも2日に1回以下のペースになってしまっています。

5/15(日)は、飯森監督にVnの名手シュロモ・ミンツ氏を迎えての意欲的なプログラム。
Photo_6酒田公演実行委員として、13時からのチラシ挟み業務を手伝い、15時15分開場直後の受付ヴォランティアも人が少なかったのでお手伝いしました。
といっても開演間もなく15:25頃から、ホワイエで山響が誇る弦5部トップ奏者9名によるプレ・コンサートが始まるので、演奏が始まった段階で受付の手伝いはパスさせて頂きました。

PhotoPhoto_2Photo_4

第1Vnが2人のコンマス、高木さんに犬伏さん、第2Vnがヤンネ舘野さんに本来アシスタント・コンサートマスターの蜂谷さん、Vaに成田さんに倉田さん、Vcが小川さんに渡部研多郎さん、そしてCbに柳沢さん。

Photo_5この写真にある様に、その日のお客様をもてなすための演奏とはいえ、大震災の義援金を募るのが本来の目的のようです。balaineもしっかり寄付させて頂きました。
ホワイエはそれほど残響がある訳ではありませんが、これだけのメンバーが揃うと本当に美しい響きでppからffまでダイナミクスの幅の広い、感情表現の豊かな「プロの演奏」。そして9名というアンサンブルなので、個々の奏者の音も聞き分けられ、その個性の違いがハッキリ分かるのでとても面白い。せこい感想でしかありませんが「儲け儲け」という感じ。
演奏して下さった曲は、
エルガー:弦楽セレナーデ 第1楽章
グリーグ:過ぎし春
チャイコフスキー:弦楽セレナーデ 第3楽章 ワルツ
〈アンコール〉見上げてごらん夜の星を
だったと思います。

ホワイエ(一部は中2階のベランダ部分にも)に集った観客から盛んな拍手を受けて、15:40頃にプレ・コンサートは終了。
15:50頃からは飯森音楽監督のプレトーク。
今回のプログラム、選曲の意味などについて簡単に解説され、ミンツ氏の山形の2日間での素晴らしい演奏を讃えて「今日もきっと素晴らしい演奏を聴かせて下さいますよ」と。

前半は、
1)ボロディン:歌劇「イーゴリ公」より・だったんの娘達の踊り・だったん人の踊り
2)プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 作品19

飯森さんはプレトークで、ロシア5人組のことに触れ、「名前を言いますから覚えて下さいね」と。しかし、ムソルグスキーとボロディンとリムスキー=コルサコフは有名でも、残りのバラキレフとキュイは未だにWikipediaでも見ないと正確には思い出せません。
1)のボロディンは、本職は化学者・医学者と言われており、自らを「日曜作曲家」と称して片手間で(?)素晴らしい作品を残しています。その代表作の一つがオペラ『イーゴリ公』。その中から今回演奏された2曲ともにとても有名。特に「だったん人の踊り」では、ティンパニ&バスドラにチューバ、バストロンボーンの迫力のある低音が、空気をビリビリと響かせていました。

2曲目、いよいよミンツ氏の登場です。
若い頃より(と言ってもbalaineと同じ年なのですが)、やや横幅が広がり、風格が更に落ち着きを増した感じ。でも客席や団員に向かう姿はなんとなく腰の低い印象。

多くの演奏家が来日をキャンセルされる中で、よく東北へ、山形へ来てくださいました、という山形テルサでの「交流会」でのインタビューに答えて、「それが人間としてやるべきことだと思った」と言われたとのこと。うーむ、この辺りから並の音楽家ではないことが伺い知れます。

有名ですがフルート吹きのbalaineにとってはそれほど馴染みのないVn協奏曲の1番。
出だしはppもオケの弦のさざ波の上に、静かに入って来るアンダンティーノ。1楽章が緩徐楽章というところもプロコフィエフらしい。
ミンツ氏の演奏は、ただ素晴らしい。しかも、あまりにも自然体。これ見よがしのテクニックではなく、ステージの上で、今そこから音楽が創られて生まれて来ていること自然に感じさせる様なテクニックでした。
心をわしづかみにされる様な情熱的な轟音や激しさは、ない訳ではないけれど控えめで、pやppにこだわりがあるようでした。山響団員も飯森さんも、音量のバランスなどに非常に気を使って演奏されているよう。
フルートとの絡みが多いのですが、首席の足達さんもppくらいの気持ちで合わせているよう。しかも足達先生の特徴である輝かしいヴィブラートも抑えめでVnに合わせていました。
Vnってスゴいなあ、と思います。フルートでああいう演奏、表現は出来るだろうか。。。

盛んな拍手を受けて、酒田でもアンコール。
テルサでの初日はクライスラー、2日目はパガニーニだったと聞いていましたので、どちらかをやるのかなぁと思っていたら、なんとバッハでした。無伴奏ヴァイオリン・パルティータ3番から「プレリュード」。なんの気負いもなく、弾き始めから弾き終わりまでほとんど一定のテンポで一音一音正確に丁寧に揺るぎなく、しかし力まず、本当に「流れる様な」演奏でした。
balaine的には本プロのプロコより、アンコールのバッハで唖然呆然溜め息でした。

酒田公演では、終演後の「交流会」に参加されず(噂では風邪気味で体調が万全ではなかったのですぐに山形?東京?に戻ったらしい)残念でしたが、山形の「交流会」では、「最高の演奏家や最高のオーケストラというのはありえない。」「音楽はそこで生まれるものであって、常に最高ではありえないものだ。」また、「自分にとって音楽とは、届かない真実への追求であり、聴衆は演奏家がそれを追求する過程を共有するものだ。」と言われたそうです。
お話ししたことはありませんが、この言葉達と昨日の演奏からは、非常に誠実で真面目な方で、でもちょっと凄く親しくなるには時間を必要とする方なのかな、などと勝手に感じました。


後半のプログラムは、
3)グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
4)ストラヴィンスキー:3楽章の交響曲

おそらく4)が非常に短いため、ペテルブルグ音楽院系列の作曲家で「五人組」に大きな影響を与えたグリンカの序曲を3)に持って来たのでしょう。

酒フィルでは、石井理恵さんをソリストにチャイコのPコンをやったH20年の序曲にこのグリンカの序曲をやりましたが、プレトークで飯森さんが「疾走感をお楽しみください」と言われた様に、我々の演奏の1.2〜1.5倍くらい(?)のスピードながら第1&2 Vn18名の一糸乱れぬ、まるでコンピュータで管理しているのではないかと思われる素晴らしい技に凄いなぁ〜と見とれておりました。

ただ、希望ホールの場合、残響が長いので金管や打楽器が活躍する後半部分では、疾風怒濤の演奏だけ意に一つ一つの発音が聞き取りにくい、ちょっと濁った感じを受けました。

4)は産まれて初めて聴きました。
予習もしていなかったので、真の意味で初体験。交響曲にハープのみならずグランドピアノがかなり主張しながら入り、コントラファゴットにチューバも入れて来るところなんかもストラヴィンスキーらしい。

たった20分ちょっとの3楽章のシンフォニーですが、極めて内容の濃い作品だと思います。1楽章はいきなり大音量のtuttiで始まり、ピアノが活躍します。2楽章はフルートが大活躍。そこにハープも絡み、昨年5月のサロン・コンサート第8回の足達先生と内田奈織さんのデュオを思い出させます。
3楽章へは切れ目なく続き、オスティナートという(初めて聴きました)技法(同じ音、同じパターンをくり返し執拗に反復させる作曲手法)が非常に印象的です。
Photo_7オスティナートは決して新しい技法ではなく、バロック期からあるようですが、このストラヴィンスキーはもちろん、ラヴェルのボレロや伊福部昭の「ゴジラのテーマ」などもオスティナートと考えられます。聞いていて「これは吹奏楽曲用に編曲されても良さそうだな、、、」などと考えていましたが、強い印象を与えながらあっという間に強烈に過ぎ去っていて気がついたら終わっていた、という印象でした。
写真は、左側が今回のプログラム。右側が大震災当日3/11に行われるはずだった幻の第16回鶴岡公演のプログラム。記念?に置いてあったので一部頂いてきました。

山響の「ドヴォ7」、いつか聴きたいですね。

〜〜〜〜〜〜
この数日間、本当によく外食しました。
東京から家族が3年振りに酒田に遊びに来たもので、昼に「欅」、一緒にコンサート、夜に「鈴政」、もう一度昼に「新月」のラーメンと外食ばかり。
その他にも最近はたまたま外食する機会が多かったものですから、ちょっとおとなしく家食を、、、と思っていたら今週は「酒田まつり」。5/19〜21の3日間、酒田市の中心街には普段の100倍と言っても過言でない程の人が集まります。
来週も研究会や世話人会などの集まりが多く、外食が続きます。

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コメント

アンコールはバッハでしたか。それも聴きたかったですね~(^o^)/
ミンツ氏のサインの入ったCDは、当方の宝物になりました(^o^)/
プレコンサートのほうも、聴いてみたかったです(T-T)
今年の多忙さは、半端ではありませぬ(^o^;)>poripori

投稿: narkejp | 2011.05.17 06:30

narkejpさん、コメント&TBありがとうございます。
お気づきでしょうが、ミンツ氏のコメントなどは貴ブログ記事から勝手に借用致しました。事後承諾でよろしくお願い致します。m(_)m
バッハよかったですよ。私的にはカプリースが聞いてみたかったです。山響FCには、3日間全部聴いたという強者がおりましたですよ。

投稿: balaine | 2011.05.17 08:58

balaine先生

先生の報告で定期演奏会の様子が手に取るようにわかりました。それにしても、山形交響楽団の活動はすばらしいですね。山形の誇りです。東京のオーケストラの演奏を定期的に「消費」しているどこかの町とは大違いです。

もちろん消費も悪くありませんが、文化が輸入に転じたときどうなるかは、18世紀から19世紀前半までのロンドンとパリを思い浮かべれば歴然としています。歴史に名を残した作曲家がいったい何人いるでしょうか?特にロンドンは悲惨ですが、ヘンデルの時代から今に至るまで欧州最大の音楽市場です。

おじゃまいたしましたm(_ _)m

投稿: MrBach1954 | 2011.05.17 22:37

MrBach1954さま、本当に山響は山形の宝です。
これを1972年に自費も使って立ち上げた村山市出身の「創立名誉指揮者」村川千秋先生には感謝の気持ちで一杯です。
来年は、創立40周年を迎える山響。飯森監督は、来年にむけていろいろなアイデアを持っていると言っていましたのでこれも楽しみですね。
その山響は、昨日今日明日と3日連続酒田市の小中学校に音楽教室(体育館などで生徒の前でオーケストラ演奏をただで聴かせる、これも村川氏が始めた事)で来られているようです。
我々ファンとしては、その活動をヴォランティアで少しでもお手伝い出来れば、自らの喜びとするところですね。その縁で、山響の奏者にうちでもサロン・コンサートに出て頂いています。これからまだまだ出て頂いていない方をお呼びしたいと考えています。
パリにもロンドンにも優れた音楽学校があるのに、そういう感じなんですか、、、その辺は私、疎いもので。

投稿: balaine | 2011.05.18 17:06

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平日の金曜日、山響第213回定期演奏会に出かけました。土曜日も同じ曲目で演奏会があるのですが、残念ながら近所の親戚の法事が予定されており、たぶん出かけることはできないだろうと予想し、花の金曜の夜という悪コンディションをものともせず、山形市のテルサホールへ...... [続きを読む]

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