山響庄内定期第12回酒田公演
あまりにイベントが多く、毎日ブログを書く暇がありません。
12/17(金)に山形交響楽団庄内定期の酒田公演がありましたが、その記事を書こうと12/19(日)中に写真をアップしていましたので、そのまま12/19の記事とします。
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今回のコンサートは、指揮に藤岡幸夫、ヴァイオリン独奏に二村英仁を迎え、
1)ヴォーン・ウィリアムス:トマス・タリスの主題による幻想曲
2)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 作品26
3)ウォルトン:交響曲 第1番 変ロ短調
という意欲的(?)なプログラム。
はっきり言って、2曲目のブルッフのVn協奏曲以外は知りませんでした。
こちらは超有名曲。特に3楽章のあの躍動する様なリズムと旋律は一度聴くとなかなか耳から離れません。
Vnの二村さんは、プログラムの写真からはちょっと濃いめのイケメンかとおもったのですが、実際はどちらかというといわゆる「優男(やさおとこ)」の雰囲気。演奏の姿勢も弾き方も礼儀正しく端正な(硬いという意味ではなく)感じでした。
1曲目の「トマス・タリスの主題による幻想曲」、生まれて初めて聞きましたが、ディスクではなくホールで聴かないとこの曲の個性の半分もわからないと思います。
弦楽器奏者だけ2群に分け、まず前方の普通に弦5部が座る位置に、下手から第1Vn8名、第2Vn6名、チェロ4名、ビオラ4名、コントラバス3名が座り、もう一群は通常クラなど木管の座る位置に、下手から第1Vn2名、第2Vn2名、その後ろにビオラ2名、チェロ2名、そしてコントラバス1名の計9名という極めて変則的な編成です(弦の数は今うろ覚えなので、後でプログラムにメモしたものを見て書き直す予定です)。
前方の1群目のコンサートマスターは高木さん。後方の2群目のトップに犬伏さんが座っています。第2Vnのトップはヤンネさん、ヴィオラトップは成田さん、チェロトップは首席に決まった土田さん。この4人がソロ奏者としても活躍します。
前方の弦と後方の弦が別々に機能して、まるでこだまのように、または残像のように奥から響きを生み出したり、音に「遠近感」が作られています。前方でトップ奏者が個々にソロ演奏をまるで会話するように奏でてそれを後方の弦の響きがオルガンの伴奏の様に支えたり、、、本当に「刮目して見よ!」というような構成で楽しめました。
とても素敵な音楽だと思いました。ヴォーン・ウィリアムスって才能のある人だったんだなぁと改めて思いました。
3曲目のウォルトン。これも初めて聞きました。
まずなりよりティンパニが2セット置いてあり、平下さんがメインのティンパニを叩いていますが、南さんがもう一つのティンパニでじっと出番を待っている姿を見ただけで、なんだかワクワクして期待が高まります。
プレトークで藤岡さんが「サンダーバードとかそういう世界」と例えた様な音楽がどんどん溢れてきます。第2楽章の表題は『悪意を持って』というものだそうですが、確かに奇異なやや気持ち悪い音楽ですが、大変に魅力的でもありました。
最後、4楽章もエンディングに近づいて、ようやく2セット目のティンパニとスネア、ドラ、シンバルといった打楽器群が活動を始めます。最後の最後にようやくシンバルをジャンジャン、ドラをゴ〜ンと鳴らし、そして2台のティンパニが連打で躍動します。フルオケの大音量を凌ぐ打楽器の咆哮に、金管群のファンファーレが響きます。チューバとバストロの柔く太い音ががオケ全体を包む様に響きます。そしてやはり井上さんのトランペットが光ります。40分という演奏時間が、あっという間で全然長く感じませんでした。エンディングはベートーヴェンも真っ青というくらいあくまでしつこく、「いや〜、肉食民族なんだなぁ」と思いました。
凄い音楽です!
(終演直後の交流会の写真)
指揮の藤岡さんは、「オレと飯森は親友だから」と以前から何度かお聞きしていますが、今回も指揮者のプレトークで同じ事を言っておられました。
「大体、指揮者って言うのは仲の悪いのが多いんだけど、オレとイイモリは本当に親友なんです」
ファンからは”サッチー”と呼ばれる藤岡幸夫氏。こちらもまるで「仮面ライダー」の主役を務めてもおかしくない様なちょっと苦みばしったイケメン。長い足をいつも皮のズボンで包んでいますがこの日は違ったようです。
隣の二村さんがひょろっと見えました(終演後の交流会の写真)。
ブルッフのVn協奏曲では、独奏の二村さんが演奏しながら状態を反らして指揮者の方に体を捻るようになることがあり、サッチーが独奏者の方を向くと「すぐそこに二村君の顔があるんだよね」と言っているところです。
二村さんはご自分でその状態反らしを「イナバウアー」と言っていました。
今回の庄内定期と12/18(土)の県民会館での定期演奏会の練習のため12/15から山形入りしたサッチーを交え、山響団員と山響FCの「忘年会」が12/15(水)に山形市内で行われました。私も誘われましたが平日の夜では参加もかなわず。
しかし、写真の様に酒田公演の終了後、市内某所(映画『おくりびと』がアカデミーを穫った時に小さなくす玉を割ってお祝いしたシーンが全国放送で流れた、あのR亭)で「懇親会&忘年会」が行われました。
金曜の夜なので、開演が19時。終演は21時で、それからファン交流会とサイン会があり、終わったのは21時半。それからの懇親会ということで、参加された藤岡さん、二村さん、山響団員は皆さん酒田市内にお泊りということでした。
山形公演がテルサではなく県民会館のため、響きの優れた希望ホールでの酒田公演を聴きたいと、わざわざ山形市周辺の内陸のファンも4名程酒田まで聴きに来て、懇親会にも参加されました。
いくら山響を愛し、クラシック音楽を愛するとはいえ、この雪の季節に月山新道を越えて酒田公演を聴きにくるという熱意には頭が下がります。でもこの日のコンサートは、プログラムが素晴らしく、さらに山響の演奏がスゴくて、危険を冒して山を越えて来るだけの価値のある素晴らしい演奏でした。
(サッチーも、「山響は本当にスゴいです!」とくり返し言っておられました)
藤岡、二村両氏に山響団員、酒田の山響FCや関係者全部で27、8名という賑やかな懇親会でした。
懇親会の主催者でもなく、誘われた立場の私でしたが、なぜか主催者側の下働きとして、ビールのピッチャーを運んだり、おでんをお皿についで回したりで、最初に座った椅子は後から来た人に奪われてしまったので、カウンター脇で立ち飲み立ち食い。結局遅れて参加した人たちと6名ほどでちょっと離れた小上がり席に移動して飲み食いという形になってしまいました。
藤岡氏は酔ってはいてもそういう我々にも気を使って「どう?」と素敵な笑顔で話しかけてくださり、小上がりに一緒に上がって談笑するなど、ファンを大切にし、周りに気を使っている姿が印象的でした。
写真は、カウンター席の前に置かれた焼酎などのボトルに混じって「発見」した、今は亡き酒田のアイドルグループ「SHIP」のラベルが貼られた炭酸飲料。思わず嬉しくて写真を撮りました。
(参照;「NHKドラマ『スキップ』、実在した地方アイドルグループ、”SHIP”を題材にした架空のドラマ)
次の日に山形でコンサートがあるのに、遅くまで盛り上がって楽しく酒を飲んだ山響団員の皆様、お疲れさまでした。
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結構、飲んで、疲れて帰って、24時近い遅いご帰還の我々に一人遊びをして待っていた千代丸。
kanonのバッグに入ったので撮った写真。ややぶれ、です(笑)。
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コメント
山響定期、良かったですね~。ヴォーン・ウィリアムズの、オルガンのような弦の扱いも良かったし、ブルッフの協奏曲も、二村さんのソロも山響のバックも見事で、堪能しました。初体験のウォルトンも、なかなか好印象でした。庄内演奏会も、地道に少しずつ広がりを持っていければいいですね(^o^)/
千代丸クン、大きくなりましたね。手のひらに乗りそうな子猫だった頃がウソのようです(^o^)/
投稿: narkejp | 2010.12.21 19:44
narkejp様、コメントとTB有り難うございます。
ヴォーン・ウィリアムスは私のツボにはまりました!
県民会館では二村さんはアンコールされたんですね。酒田ではなかったです(;;)。
藤岡さんは、翌日Gホテルでばったりお会いした時も、「山響は本当に素晴らしい!」と仰っていました。あれだけ何回も言われるのですから、お世辞ではなく心からそう思っておられるんだと思います。
何でも天童にサッチーファンクラブが誕生したそうです。
千代丸、体はデカイですが、態度は子供。臆病で恐がりで声は「猫撫で声」。みゅ〜、とか、ほわ〜、と変なニューハーフの様な声を出しまする。
投稿: balaine | 2010.12.21 20:15