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2010.11.09

ヴァージョン・アップ

このブログは、balaineのプライヴェイトなブログで(それじゃ、公式ブログがあるのかと言うとないのですが)、趣味である音楽の話を中心に、最近では猫の話、地元のイベント、地元の美味しいもの、などなどをグダグダと書き連ねています。
時間がない割には、タイプが速いので大量の文章を書きますが、ほとんど推敲することも無くすぐにアップしているのが実情で、後から読んで明らかな誤字脱字を訂正する意外は、まったく垂れ流しの様な駄文で読まれる方には申し訳ないとすら思います。
そこでたまには仕事関係の話などを。

タイトルの意味ですが、、、
Osirix381OsiriX(英語発音で、オーザイリックスと読みます)日本語版が本日バ(ヴァ)ージョン3.8.1にアップされました。
OsiriXって何?という方、ご興味があれば「OsiriXオンライン解説文書」をご覧下さい。

DICOM(ダイコムと発音します)って何?という方、ご興味があれば「DICOM-Wikipedia」をご覧下さい。Digital Imaging and COmmunication in Medicineの略なのですが、一言で言うと全世界的に医療現場で扱うデジタルデータの共通語ということです。

0001医療現場で扱うデジタルデータというと(実は今はほとんどがデジタル化されていますが)、CTとかMRIが真っ先に頭に浮かびます。写真の様な単純レントゲン撮影(胸の写真とか腰の写真というもの)も、今や放射線を当てて銀塩フィルムで感光させるのではなく、デジタルイメージングでフィルムを使わない病院医院も増えて来ました。

Photo拙クリニックもその一つですが、これを「フィルムレス化」と言います。すなわちフィルムを使わない放射線学的検査です。電子カルテ(写真右寄りの黒い枠のWindowsパソコンがそれ)とはちょっと違います。
PACSと言って、Picture Archiving and Communication Systemsの略ですが(略語ばかりでスミマセン)、要するにフィルムとシャーカステン(写真左側の奥に蛍光灯を仕込んだ白い不透明なガラス状のフィルム読影用器械)で画像診断を行うのではなく、コンピュータの画面上(写真真ん中の30"Cinema Displayと机の下に置いたMacPro)でこれを扱うのです。

0001_2このシステムには、銀塩フィルムを使わないため環境に優しい、大量のデータを保管する倉庫が不要、コンピュータの利点である瞬時に検索して画像を呼び出せる、紹介先にもフィルムではなくCD-Rにデータを落とすことで画像を送れる、などたくさんの利点があります。(写真は、当院の0.4T MRIの海馬条件画像、FLAIRの冠状断(海馬に直行する角度)のリバース(白黒反転)です)

脳ドックをはじめとする脳の精密検査を行うにあたって、もっとも優れた点の一つと考えられるのは、コンピュータ上で動画が扱える点です。脳のMRA(MRI装置を使った血管撮影)などに威力を発揮します。

3d_vr_image3d_vr_image_2フィルムはもちろん二次元平面そのものですし、コンピュータ上であっても「静止画像」では二次元の世界に留まるのですが、これを「動画」にすることで三次元の世界に発展させられます。
(写真は脳MRAの正面および上方やや後方から見た二次元の「静止画」です)

ヴィデオのようにただ流れて行く動画ではなく、3d virtual reality imagingにすると、手元でマウスを動かすことによってコンピュータ画面上の脳の血管をクルクルと望む向きに回転できるのです。地球の周りを回っている人工衛星を使ってあらゆる位置から地球を眺めるのに似ています。それを自由自在に、拡大したり縮小したり動かしたり停めたりできるのです。

(このブログ上では、実際のパソコン上の様にマウスを使って血管像を回転させる事はできません。よって▷をクリックすると勝手にクルクル回ります)

この手法を用いる事によって、脳MRAの診断精度は上がったと思います。MRI装置附属のコンピュータで作成する3次元MRA(通常の病院で行っている脳MRAはこれです)も同じではあるのですが(原画像が同じデータなのですから)、OsiriXを用いた3次元virtual reality画像は本当に素晴らしいものです。

できれば、1.5T、3.0Tという超高磁場のMRIで撮像すればもっと驚く程美しいMRAなのですが、一台3億とも4億とも言われるそんな高額な装置は購入出来かねます(うちの0.4Tだって、定価?は1億5000万円という話です)。


こういった3次元画像処理を可能にしてくれるアプリケーションの一つがOsiriXであり、なんと全世界に「無償」で配布され、(医師や医療職に限らず)誰でもネット上から自由にダウンロード出来、どんどん無料でヴァージョンアップされ、めぼしい国に担当者がいるので、日本でも日本語版が逐次ヴァージョンアップされて行くのです。

このシステムを構築するのに、数台以上のパソコンを購入した事と、医院にLANを構築した事と光 B Fletsを導入した事にはお金がかかりましたが、ソフトウェアの準備、インストール、そしてヴァージョンアップには「一銭」もかかっていないのです。

素晴らしいことですね!

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コメント

私のところでも、いまやPACSなしでは仕事になりません。
最近ではフィルムにプリントされた画像を読むのは苦痛です。(ろー眼の所為もありますけど。)

普通の写真もほとんどがデジカメになり、医療用画像も銀塩からどんどん離れていきますから、この潮流に乗り遅れたフィルムメーカーは青息吐息ですね。生き残りに必死になっています。ポラロイドやコダックはどうなったんでしょうね。

投稿: Teddy | 2010.11.10 12:23

Teddyさん、PACSソフトウェアとしても優秀なOsiriXですが、有料版ではない無償配布バージョンはFDAの認可を受けておらず、OsiriXによる3dMRAだけで診断は避けなければなりません。
MRI装置附属WSで作成されたMRAも併用(元データは同じでも、見てくれはかなり違います)している状況です。

フジ、コニカミノルタに限らずコダックもポラロイドもデジカメを作って販売していますよね。PACS業界でも生き残りを計っているのでは。

投稿: balaine | 2010.11.10 13:49

今PACS技術が普及していく、私の働く先も導入されました。PACSなしで仕事にならないのは私も同じです。

投稿: PACS | 2011.11.29 16:18

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