第3回「佐藤久一氏が愛した音楽と料理・お酒の夕べ」
昨晩は酒田が誇るレストラン「ル・ポットフー」に行って来ました。表題のお食事会。
第2回は昨年の11月でした(ちなみに第1回は知らなかったので行っていません)。ブログ記事「佐藤久一氏が愛した音楽と料理の夕べ」を参照ください。
第3回は、一昨日から本日7/29の夜まで3日間限定ということです。こちらの「レストラン企画」の部分をご覧下さい。
左は本日のメニュー。
3日間限定の特別メニューで、今回は肉類が全くなし、海鮮主体で構成されています。
右の写真は我々が案内されたテーブル。実は昨年11月の会でも同じテーブルでした。ワインや日本酒のグラスが並んでいて、これをみるだけでどんなお酒を飲ませてもらえるのかわくわくします。
「アミューズ」は、酔っぱらいエビ。お客にプレゼンするため、小野寺シェフが生きたエビをプラスチックケースに入れ、そこになみなみお酒(何のアルコールだったか?)を注ぎます。それを持って各テーブルを回ってみせて歩きます。お酒の中で暴れるエビ。ちょっと残酷な感じですが、「なるほど〜」とは思います。エビは手で剝いて小皿に入っている古酒に付けて頂きます。
合わせるお酒は、タケダワイナリーの「サン・スフル」。
ソムリエールTさんによると「亜硫酸がはいっていない」という意味で、酸化防止剤無添加で無濾過の白ワイン。酸味が強く、例えて言えば「ゆず」の絞り汁のような強い酸味と発泡性があります。口に含む度に発泡性のワインで口の中がリフレッシュされる印象でした。
2皿目「オードブル」は、庄内産岩ガキです。ただレモンを添えただけ、何の手も加えておらず素材勝負。貝柱すらはずしていません。給仕してくれたソムリエKさんが「貝柱を外してお召し上がりください」と説明してくれました。
合わせるお酒は東北銘醸「秘蔵初孫」。爽やかで口当たりもよく喉越しの軽いお酒。岩カキにぴったりでもちろんどちらも美味しかった。
今回のメニュー。庄内の海鮮を中心です。うちのワイフは海鮮は好きなのですが、なんと貝類とウニが苦手。昔あたったことがあるのか生カキもだめなのです。
そこで、前もってお願いしてワイフだけ違うメニューにして頂きました。ひらめのカルパッチョです。
3皿目「お魚料理」。
甘鯛の粕漬け。故佐藤久一氏がこだわった粕漬けだそうです。古代米が添えてあります。普通のご飯ではなく、固めに炊いた古代米というのが添え付けの野菜の様でよかった。「初孫」の酒粕を使ったものでしょう。合わせるお酒は「初孫」の親戚である、旧八幡町の麓井酒造の「フモト井夏純吟」。
スープは、夏を意識して「ウニのフラン」。どこにもスープがありません?!
コンソメスープをゼリーにしてウニの風味のフランの回りに飾り、上には生ウニが乗っています。ジュレにした冷製スープというわけです。ジュンサイが添えてあります。
ウニが苦手のワイフ。お寿司屋さんで「おまかせ」でウニが出てくると私が「処理」する役目を任されることになります。
そんなワイフに用意してくださったのは「がさえびのスープ」でした。
こちらも美味しいそうです。手を伸ばしたいところですが、、、
メイン料理は「あわびのロースト」。普通ここはお肉なのですが、今回はあえてお肉を使わず地物のアワビ。一人一人に丸ごと一個大きなアワビ。安定させるための土台に使っている岩塩にお酒を注いで火をつけ給仕されます。メニューにも「素材の良さをご堪能ください」と書かれている通り、ローストした以外には何も特別な事がされていません。
合わせるお酒は「シャルドネ」。爽やかな口当たりにフルーティな香りですが、けっしてアワビの旨味を殺さないやや控えめな印象でした。いい取り合わせだと思いましたが、この辺でbalaineはけっこう酔って眠くなっていました。頭がぼんやりしていましたが、生よりも火を通したアワビ大好きなのでこれはしっかり味わいました!
なんと「罰当たり?」なワイフはアワビも苦手。立派な貝料理ですから。
代わりに山形牛のロティ風。ちょっとだけ分けてもらいましたが、柔らかく深みのある甘さすら感じる美味しいお肉でした。
デザートはクレープ・シュゼット。オレンジとオレンジ風味のアイスクリームが添えられて、海鮮を5品食べた後のお口をさっぱりしてくれます。
今回は18:30のお料理スタートに間に合ったので(昨年は19時頃にレストランに到着でした)、最初にオーナーの挨拶、ソムリエから今日のお酒の説明、シェフからお料理の紹介、そして本日のシェフ5名の紹介、最後に食事中のBGMを担当する関矢順さんの紹介がありました。
そう、前回と同じく「佐藤久一氏が愛した音楽」を担当したのはいつもお世話になっている関矢先生でした。久一氏がまだ「ル・ポットフー」で中心になってやっていた頃、当時高校の教師だった関矢先生が教え子達にテーブルマナーを教えようとこのレストランにやって来て、ピアノを弾いたり歌を歌ったりしていたら、「レストランでピアノを弾かないか?」と久一氏に言われたそうです。
そして久一氏が好きだったフランスもの、映画ものなどを中心に食事の雰囲気を壊さない味のある演奏をされていたのです。今回は、酒田市と姉妹都市であるロシアのイルクーツク州ジェレズノゴルスク・イリムスキー市に行って来たばかりとの事で、ロシアもののBGMも。
ワイフのお母さんが好きだという「緋色のサラファン」も流れました。私もメロディは知っていましたが歌の名前までは知らず。
ワイフのお母さんは
「バラ色染めたその頬も やがては色も褪せてゆく」
という部分が好きなのだそうです。
3階のレストランは平日の夜にもかかわらず満席でした。この催しも定着して来たようです。
故佐藤久一氏と縁のある方も少なくないでしょう。年配の方から若者、お子様まで幅広い年齢層のお客さんでしたが、タイトルの佐藤久一氏の愛した「音楽」「料理」「お酒」に思いを馳せながら、それを部分的に復活させて新たな創作をするという、単なる思いつきのアイデアではなく、レストラン側の気持ちが伝わるようなお食事でした。
昼間でも閑散としている酒田駅前。
そこに建つ背の高い東急プラザビルは、高い建物のない酒田市内では目立ちます。東急プラザ撤退の噂もありますが、レストラン「ル・ポットフー」はいつまでも残っていて欲しい名店だと思います。
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