学会まであと3日。
大学勤務の時代、「臨床医」として外来や入院患者さんの診療にあたり手術をするのは当然の仕事であったが、「教官」として学生の教育にあたる仕事や会議に出席する事と並んで大事な仕事は「研究」だった。
特に新しい手術法の開拓やそれによるより良い治療成績を学会で発表することは大学病院で仕事をする外科医また研究者としての務めと考え一生懸命やっていた。多い時は年間20を超える学会で発表し、ドイツ、オランダ、アメリカ、オーストラリアなど海外での国際学会にも積極的に参加していた。
開業医となって2年3ヶ月。一日中外来診療をするのが仕事となり、それなりのやりがいを感じながらも日々の仕事に追われる毎日。国際学会への参加など「夢」、国内の学会に参加するのさえままならない。休めば「無収入」になるからだ。
地区医師会の集談会には積極的に参加発表しているものの、専門の脳外科の学会で自らが演者となって発表することも久しくご無沙汰になっていた。
今週の金土、山形で行われる日本脳ドック学会総会に演題を応募し、幸いシンポジウムに取りあげて頂くことになった。
発表準備の追い込みをしているが、大学病院時代との立場の違いを大きく感じている。
大学病院勤務医時代は、上記のように「医師」であり「教官」であり「研究者」であったため、診療と教育の合間を縫って、日中から「研究」または「研究発表の準備」に時間を割くことが出来た。それでも「半徹」しながら学会発表のために手術ビデオの編集などをしていたが、とにかくそういう「準備」にかける時間はたくさん作れた。
開業医は日中診療をするのがメインの仕事。というよりそれだけが仕事の様なもの。学会発表の準備のための時間は、診療が終わって夜やるしかない。または休日にやるしか時間は作れない。
昨晩も、クリニックの院長室でサッカー・ワールドカップの日本対カメルーン戦を横目で見ながら、MacでKeynoteを使ってプレゼンテーションの準備を深夜0時過ぎまでやっていた。
今日も拙クリニックのスタッフに頂いたおいしいケーキ(写真、鶴岡のル・メランジェ)でパワーをもらって、夜中まで追い込みである。
脳ドック学会のシンポジウム3『有所見の説明法』のセッションの中で、当院のMacで構築したPACSを活用した3d-MRAの作成と受診者への詳細かつ丁寧な説明の試みを紹介する予定。
西日本では梅雨入りしたらしいが、庄内、山形は昨日も今日も蒸し暑い。日中雲に覆われていた鳥海山も、夕暮れ時に空気が冷えて雲が消え、しばらくぶりにクリアな視界。残念ながらすでに日没直後で暗いため今ひとつではあるが雲のかからない綺麗な鳥海山を臨めた。
EF-S 55-250mmの望遠側で撮った鳥海山の頂上。雲もガスもかからないクリアな視界が得られた。いつか明るい時間帯でもう一度撮りたい。
さて、ブログで遊んでいないで、限られた時間を有効に学会準備をしなければ今日も睡眠を削る事になる。
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