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2010.05.28

昨晩のコンサート、そしてサロン・コンサートの準備その2

Photo昨晩は希望ホールで横山幸雄さんのピアノリサイタル。
ホールに到着するや、携帯に電話。クリニックへの電話が転送されて来たもの。患者さんからではないが、仕事の関係の話であった。これからコンサートというムードをぶちこわしにする内容なのでやや不愉快になる。

1300席の希望ホール、全席自由ということで左側の前から5列目に座る。
鍵盤も手の動きもよく見える位置。

Photo_219時開演予定を5分程オーバーして、横山さんはマイク片手に軽やかに登場。何でもFM番組パーソナリティも務めておられるようでお喋りは得意とみた。御年38〜39才。歌舞伎俳優を思わせる端正は顔立ちと、優しく落ち着いた口調で前半のベートーヴェンのピアノソナタを解説。

「悲愴」と「熱情」という定番。これに「月光」が加われば、巷に言うベト様の3大ピアノソナタ。
どちらも大好き。特にバックハウスの弾く「悲愴」は私の最も愛するピアノソナタの一つ。

横山さんのテクニック、指の回り、ピアノフォルテのダイナミクス。やはり並のものではない。
パリのコンセルヴァトワールを19才で卒業し(のだめは入学したのが21才?)、その年で日本人では最年少でショパンコンクールに入賞し、「天才」の呼び名を欲しいままにしたピアニスト。
それから20年。最近は「弟子」の方が有名になってしまったが、あの辻井伸行さんを指導した事でも有名になった音大の教授先生でもある。

私は、その超絶技巧に目を奪われながらも、どうしても最後まで「好き」になれなかった。申し訳ないけれど、音楽性とかの話ではなく「好み」の問題である。希望ホールのまだ若いシュタインウェイ君がいけないのか、音も「ああ、、、うつくしい、、、」と心奪われる様なものではないように感じた。調律も完璧ではなかった様な気がする。
座った位置が悪かったのかな、、、とも考えた。

ピアノはやはり蓋をオープンしたその反射がまっすぐ来る位置あたりがいいのだろうか。しかもいくら天才で超絶技巧を持つ人でも、フルオケが演奏する大ホールでのソロである。希望ホール小ホールか、響ホール大ホールで聴けばもっと感動したのかもしれない。

でもアゴーギグ、ルバート、テンポ感がなんとなく肌に合わないのだから、「好み」があわないのだろう。休憩時間にCD販売に群がる人達を尻目に、いや実際はゴールドベルク変奏曲とベートーヴェンのピアノソナタのCDを手に取ったのだが、買わなかった。

ベートーヴェンのピアノソナタは30年以上前に、はじめてバックハウスの全集を聴いて心奪われてから、なぜかなかなか私的にはバックハウスを超える演奏にお目にかかれていない。ベートーヴェンのピアノ協奏曲だって、やはり30年くらい前にルドルフ・ゼルキンの全集を聴いてから、他にもいくつか持ってはいるもののそれより「好む」ものをまだ知らない。

これでも某K音楽教室の「小学生」ピアノコンクールでは、地区大会を次点で勝ち上がって(笑)、上野の文化会館大ホールで開催された第2回の全国大会出場経験を持つ元ピアノ少年である。その時の演奏が録音されたSPレコードを持っているので出場を証明出来る。そういう輝かしい(苦笑)経歴の持ち主として、今回のピアノリサイタルは、「すごいなぁ〜」「はげしいなぁ〜」「じょんだのお〜」とは思ったものの、CDを買ってまた聴きたいという気になれなかったのである。

後半のショパンは、先日ショパンのピアノソロ曲全166曲を、一人で1日で演奏すると言う「ギネス記録」を打ち立てたばかり。
さすがのテクニックで「幻想即興曲」は耳が着いて行けない位速い!ペダリングの問題なのか、ピアノの問題なのか、会場の問題なのか、座った位置の問題なのか、それら全てが原因なのか、音が粒だって聞こえずに濁ってボワンボワンと聞こえてしまう。「英雄ポロネーズ」もなんだか荒々しさが目立つ印象。
唯一スケルツォの2番だけは私の好みに近い演奏だった。

アンコールのワルツ(私の最も好きな作品64の2)とバッハ=グノー作曲アヴェマリアの横山編曲版は素晴らしかったが、練習曲「革命」も確かにショパンの祖国を思う荒々しい感情や慟哭を表現しているとは思うのだが、「あらっぽいなぁ、、、」と感じた私の感性がおかしいのだろうか。。。

ピアノ・リサイタルってやっぱりそれにあった箱があるのではないだろうか。
響ホールで上原彩子さんを聴いたときは本当に感激した。ラファウ・ブレハッチも良かった。
ところが希望ホール大ホールでは、H21年3月の佐藤七菜子さんのソロ・リサイタルでも少し物足りなさを感じた私。もしかすると希望ホールのシュタインウェイが今イチなのか、ホールがピアノソロに適さないのかもしれない。
ホールは大きくて人がたくさん入ればいい、というものではないのは当然。
だから、秋田アトリオンや山形テルサは700席とか800席という規模で設計されているのだと思う。

〜〜〜〜〜
さて、7/3(土)のサロン・コンサートに向けての準備第2弾。
Photo_3チマローザのト長調協奏曲で出演させて頂くので練習を開始する。今日ようやくムラマツから楽譜が届いた。また練習する目標が出来て嬉しい。
11/21(日)の酒フィル定期までは、まだ半年近くあるのだから、いくら難曲でも先が遠くすぎて緊張感がまったくないのである。

頑張ろう!


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コメント

こんにちは。

私も全く同感です。いつも2階で聴くのですが、今回は1階の中央よりやや前列の左手側に(席番?)

確かに2階の方がいいのかなとも思いましたが、それだけではないのでしょう・・・。

技法は素晴らしいと思いましたが、心にしっとり入って来ませんでした・・・・。先日の山響での河村さんのピアノがはるかに良かったと感じました。

最近、私も聴く耳が出来て来たのかしら・・・・。

批判はいたしませんが、感動が少なかったリサイタルでございました。(ごめんなさい。)

投稿: けん | 2010.05.29 17:07

けんさん、ショパンコンクールでは19才という、日本人として最年少で入賞の経歴があり、30台で音大の教授先生なのですから、もしかすると演奏家としての経歴は10年くらい前の方が「旬」だったのかもしれません。
演奏家も人間ですから、時が経つに連れて変化しますよね。ブーニンやチマーマンなどもその例でしょう。生涯を通して常に素晴らしいパフォーマンスを披露出来るというのはむしろ奇跡的なことで、そういう音楽家は本当の意味でのプロ中のプロ、ほんの一握りなのだと思いました。

投稿: balaine | 2010.05.30 18:03

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