日曜日も仕事:休日診療所に出勤(+先週の記録残り)
酒田市の休日診療所は、酒田市の依頼を受けて酒田地区医師会会員である医師が持ち回りの当番制で日曜や祝日の診療に当たっています。
本当に緊急性の高い疾患(交通事故、脳卒中、心筋梗塞、急性腹症など)では、日本海総合病院の救急部と同酒田医療センター(旧市立病院)の時間外外来受付を受診して頂きたいのですが、軽症で点滴や傷の処置なども必要としない程度の、つまり熱が出てだるい、風邪で咳が辛い、下痢した、打撲した(骨折はなさそう)、そんなに重症ではないが一般の診療所や病院の外来は休みでどこに行ったらいいのか分からない、、、という患者さんを積極的に診療するところが「酒田市休日診療所」と私は理解しています。
酒田、遊佐、庄内町で開業している診療所や病医院の医師会会員医師が診療に当たるので、皮膚科が専門の先生や産婦人科が専門の先生や整形外科が専門の先生や私のように脳外科が専門の先生が、ただ機械的に割り振られた当番表に従って地区医師会員としての義務として診療に当たります。
新型インフルエンザ騒ぎの時は、ちょうどピーク時に当番になっていた先生は本当に運が悪かったとしか言いようがないくらいでした。半日(9:00から17:00まで8時間)で医師二人で200人を超す患者を相手にしなければならなかったのです。
逆に暇な時は、同じ時間医師二人で30人、一人当たり10人ちょっとという日もあるようです。
急に寒くなって、体調を崩したという方がいるかもしれません。
正直な気持ちとして、あまりたくさんの患者さんが来ない方がうれしいです。
さて、お出かけです(朝8:30)。
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雪がちらいついたり、寒かったり、陽射しが結構暖かかったり、まだ天候不順な中、貴重なお休みの日曜日に朝の9時前から夕方17時まで働いて来ました。
同時に休日診療の小児科を担当するペアになる先生は、大学医学部のテニス部の2年先輩で市内でも有名で評判の良いO先生でした。日曜の日中、やはり小児科の方が患者は多くO先生はそれなりに忙しそうでした。
私の方は、数えるのを忘れましたが、約15名、下は17才から上は98才(!!!)まで診療しました。多くは、急性上気道炎(=風邪)か急性胃腸炎でした。20代男性で一人だけアッペ(急性虫垂炎)疑いの人がいました。風邪症状を伴わない微熱と腹痛、吐き気、そして右下腹部の圧迫痛を認めました。デファンス(医師の触診、指での圧迫に対して防御反応によって腹壁の硬くなる反射)もありそうでした。
休日診療所では、採血が出来ません。レントゲンは撮れますが、ポータブルの線量の弱い器械であまりキレイに撮れないそうです(私は休日診療所では撮ったことがありません)。
この患者さんは、虫垂炎が否定出来るならば急性胃腸炎として対症療法の飲み薬を2、3種類処方して経過をみて頂けばいいのですが、万一虫垂炎であった場合、もしも腹膜炎を起したりすれば生命にも関わることなので、日本海病院の救急外来を紹介させて頂きました。そちらですぐに採血や腹部X線検査が行われた事と思います。
結果はどうだったんだろう。。。。
98才(明治44年生まれ!)のおばあちゃんが、発熱と痰と鼻水で来院。自分ではしっかり歩ける様な状態ではないので(膝とか腰とか)、家族二人がかりで連れて来られました。私が一番気になったのは顔面の打撲の跡。最近転んだそうです。2年前にも転倒が原因で慢性硬膜下血腫の手術を受けているとのことでした。
この患者の受付の段階で、休日診療所担当看護師さんが「先生、診察されますか?(このような超高齢者の場合)最初から病院に送る先生もいるのですが、、、」と聞いて来ましたので、「診ますよ」と答え、診察しました。それで転倒や打撲を繰り返している事の方が、脳外科医としては気になったのです。
症状は軽く、熱も37.2℃程度でした。口腔〜咽頭には唾、痰が絡んでいるようです。肺野は聴診上もクリアで、肺炎や気管支炎の心配はありません。普通に風邪薬を処方しました。
家族に、
「こういう高齢の方は、症状が軽いと思っても急変したりするのだから、最初から病院に連れて行った方がいいですよ。」と説明(指導)したら、家族のうちの女性から
「じゃ、休日診療所はなんのためにあるんですか?」
と言われました。明らかにこちらを批判している様な言動です。
超高齢の方は、症状が軽くてもすぐに肺炎になったり、脱水症状で具合が悪くなったりと急変しやすいのであまり軽く考えない方が良いと家族に言ったのです。家族は「おばあちゃんは丈夫で普段風邪もほとんどひかないので、、、」と言い訳していました。
休日診療所に来て下さって全然構わないのです。休日診療所で対応出来る体制の中で出来ることをさせて頂きます。しかし、それでは十分でない場合もありうることを伝えたかったのですがご理解頂けなかったようです。
明らかに「コンビニ受診」の人も数名いました。
数日前から風邪症状、昨日1回風邪薬を飲んだ、熱はそれほど高くないがまだ咳と鼻水がでる、常備薬の風邪薬は今日は飲んでいない、医者の薬の方が効くと思って来院した、明日(月曜)から仕事なので今日のうちに医者にかかっておきたいと思った、、、
こういう感じの方が少なくとも2名いました。
それでも丁寧に診療し、急性上気道炎としての治療薬を処方しました。
「ここは休日診療所ですので、お薬は2日分ほどしか出せません。症状が改善しない時、薬が足りなくなるようでしたら、かかりつけ医などどちらかの医院にかかって下さい。」と説明も付け加えました。
今日の様な不安定な天気の日には、風邪症状の人がたくさん来るだろうと覚悟して行った割には受診患者さんは少なく安堵しました。おそらく上記のような「コンビニ受診」を控えて、お家で薬を飲んだり暖かくして休んでいた患者さんがたくさん居たのだと思います。
市が運営する休日診療所では、山形大学の救急部でやっている様ないわゆる「コンビニ受診」抑制策を取っていません。休日に救急外来を受診しなければならない程の、重症、急性の疾患ではない場合、医師の判断で「特別追加料金」を徴収する事ができるというものです。施設によって違いますが、7,000円程度の追加料金を徴収しているようです。
37℃あるかないかで、症状も軽く、ただ数日続いていて明日が月曜だから、というような理由で受診するのも、医師としては応召義務があります。診療を拒否は出来ません。都会に比べたらまだ酒田のような土地では、いわゆる患者の我が侭故に夜間や休日に受診するという人は多くないと思います。
医師側は明日からも普通に仕事があるのにも関わらず、当番制とはいえ日曜日にどこにも遊びに行かず診療しているのですから、患者さん側にもそれなりの思慮が求められても言いのではないかと思うのですが、これは「医師の傲慢」なのでしょうか。。。。
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さて、17時までの診療を終え、戻ってきました。
先の日曜日の天童、山形の話の続きです。
天童の「腰掛庵」を後にして、山形市街地に戻ります。霞城公園で、桜はまだまだですがお花見前夜最適にお茶会の様なものをやっていると新聞記事で読みました。
そこは後で行く事にしてまず昼食。
一度出かけた(その時はお蕎麦を頂いた)「紅の蔵」のイタリアンの方「990」です。
お蕎麦屋さんと同じ屋号ですが、前は電気屋さんだったそうで古い感じのタイルばりの床や柱、壁などはそのまま活かしているそうです。写真の格天井は、実際に使われた天井の更に奥にあったものだそうです。
素晴らしい格天井です。
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990は山形市の郵便番号の最初の3桁。「ククレ」と読むのでしょうか?
パスタランチを頂きました。(写真は、家内のセットの前菜)
なかなか流行っていて、昼食時は結構待つと聞いていたので覚悟して向かったのですが、ちょうどタイミング良くランチを終えたお客さんが出た後で、テーブルが一つ空いていましたのですぐに座れました。ラッキ〜!
(写真は家内のセットのクリームスパと私のパスタセットのカニのトマトソースパスタ)
ランチを楽しんだ後は、先程の霞城公園へ。
午後3時を過ぎて、ちょうどお琴(箏)の演奏もお茶会も終わったところでした。う〜ん、残念!
宿泊したホテルのレストランから見えた市立病院済生館の、旧本館の建物を移築保存してあります。
正式名称は「山形市郷土館」ですが、その建築学的構造から「三層楼」と呼ばれています。1階部分は上から見ると八角形の特徴的な木造建物。
額に「済生館」と書かれたのは三条実美公だそうです。この三条氏の末裔で高倉家に養子に出られたのですが、前の東京女子医大学長で脳外科オケでヴァイオリンを演奏されている高倉公朋先生。
以前、大分前になりますが、始めて高倉先生が奥様を伴って山形に脳外科の研究会にいらした時に、嘉山教授(4月からがん研究センター理事長)がここにご案内した時、びっくりしたというエピソードがあります。
この額を眺めていた奥様が、突然、
「あら、あなた、お爺さまの書よ」
と仰ったのだそうです。皇位継承権第◯◯位とお聞きしたことはあったのですが、本当にそのような止ん事無きお方だったとは!という驚きでした。
三層楼のすぐ脇に紅梅白梅の林があります。桜はまだまだ固い蕾でしたが、梅は香しく咲いていました。
そこから直ぐのところに山形城趾の発掘再興調査の結果、二の丸が再現されているところがあります。二の丸前の橋の上でパチリ。
そしてこの後、鈴木秀美さんと山響のコンサートに向かったのでした。
(実は、今日の夜、「のだめ」映画を観て来てしまったのでした。その件はまた後ほど。)
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