« 「村川千秋の世界」 | トップページ | 加藤家のお雛さま »

2010.02.01

山形Q第34回定期演奏会、ほか

2日続けて酒田ー山形往復になりました。

まずはタイトルの演奏会の事から。
いつも通り「文翔館議場ホール」で山形弦楽四重奏団の定期演奏会。
今回のプログラムは、
(1) F.J.ハイドン/弦楽四重奏曲 ヘ長調 Op.50-5「夢」
               ~プロシャ王四重奏曲
(2) 林  光/LAMENT(悲の曲)
(3) H.ヴォルフ/イタリアのセレナード ト長調(1886)~生誕150年記念
 〜 休憩 〜
(4) S.プロコフィエフ/弦楽四重奏曲第1番 ロ短調 Op.50

ハイドン以外はあまり聴き慣れないカルテット作品です。
Q17:45開場後、いつものように18:00過ぎからプレコンサート。Vn茂木さん(Vc茂木さんの奥様)、Va田中さん(Va倉田さんの奥様)二人の「ともこ」さんによる、Ensemble Tomo's、「ハイドンのヴァイオリンとヴィオラのための6つのソナタ」から第5番、Es-durでした。
たった2本のアンサンブルなのに、とても豊かで変化に富んでいて愉しい曲でした。知らないとハイドン作曲とは思われない様な、あまり古典的ではない手法が使われていた様な気がします。よく覚えていないのですが、、、(苦笑)。
スゴく記憶に残ったのは、茂木智子さんが演奏曲の紹介をした時に、最後に「Es-durでした」と言ったその言葉が何故かとてもかっこよく印象的に聞こえました。

プレトークの担当はVaの倉田さんです。
サービス精神たっぷりに開演時間の18:30ぎりぎりまで、これまでの山形Qの歩み(活動10年目に入ったこと)、前日の「村川千秋の世界」と山響の活動の話、今回のプログラムの4曲の事など話して下さいました。特にあまり知られていない(私が知らないだけ?)ヴォルフは合唱曲は結構残しているものの、もともと天才肌と言うか神経質なタイプな上に梅毒による脳症で精神を病み、最後は精神病で亡くなった(梅毒による脳内の腫瘤は昔は決して珍しい病気ではありませんでした)ため、作曲活動は実質10年程度で残された作品も多くはないようです。
プロコフィエフも、ロシア革命の混乱を避け、日本を経由してアメリカ、そしてフランスに渡り、その間結婚して子供も設け、ある程度の成功を収めていたものの、「赤の作曲家」というレッテルを張られたこと、ロシアに対する思いなどからソヴィエト連邦になったロシアに戻って行ったこと、今回の作品はロシアに戻る前のいろいろな悩みのある時期のものであることなど、プログラムの開設と倉田さんのお話で知る事が出来ました。

Photo_14さて、演奏は左から1st Vn中島さん、 2nd Vn駒込さん、Va倉田さん、Vc茂木さんという並び。2/20に「ジョンダーノ・ホール」にこの4人をお迎えするので、つい座っている椅子の種類や高さなど普通は余り目が行かないところに注目してしまいます。2ndの駒込さんの方が1stの中島さんより椅子の高さが高く(ヒールを履いているせいかな?)、その結果、譜面台の高さも少し高いこととか、いろいろ雑念がはいります。

1曲目のハイドンは、ハイドンらしく調和のとれた、ところどころに遊びの見える作品。チェロの低音の響きが印象的で、2nd VnとVaの生み出す内声の和声が音楽に落ち着きと彩りを添えます。4楽章での1st Vnのグリッサンド(と表現していいのでしょうか)、あのヒュ〜〜ンが特徴的でいかにも「夢」という感じでした。当時としては結構衝撃的なモダンな作品だったのではないでしょうか。

2曲目の林光は、今回の4曲中で最も気に入りました。確かに古典的な調性ではなく無調的な音楽ですが、作曲家の心の優しさが表面の怒りとか悲しみを包んでいる様な印象でした。

3曲目のヴォルフ。面白い曲ですが、個人的にはあまり印象に残りませんでした。カルテットの醍醐味を引き出し切れていないというか、オーケストラで言えばあまり上手なオーケストレーションではない様な、そんな勝手な印象を持ちました。当時の音楽家の「派閥」争いでしょうか、私の大好きなブラームスを批判する急先鋒だったというプレトークが「偏見」を生み出したのかもしれません。でも、演奏自体は熱気に満ちていて、山形Qの皆さんは結構演奏していて楽しそうな印象を持ちました。

15分の休憩後、4曲目のプロコです。
いきなり出だしから緊張感が走ります。
「あれれ?これ、プロコなの?ショスタコみたいだな、、、」という印象を持ちます。例えて言えば、ショスタコーヴィチの交響曲第5番の出だしの様な緊迫感とリズムを持って始まったのです。
音楽を正しく評論する能力を持たないので、ネットで見かけたこの第1番の解説を載せます。

「プロコフィエフがソ連への帰国移住を模索していた時期の作品。
 この時代のプロコの様式を凝縮したような作品であり、四重奏曲としての完成度も高いのだが、一般に演奏されることは少ない。プロコ自身、この作品のためにベートーヴェンの四重奏を研究するなど意欲を燃やし、また、のちに第2楽章(弦楽合奏)・第3楽章(ピアノ独奏)を編曲するなど、この曲に愛着を持っていたらしいのだが。
 第1楽章は、「いかにも」的なヒステリックな楽句によって惹きつけられる。叙情的な第2主題は、第2楽章の冒頭や第3楽章全体に大きな関わりを持つ。
 第2楽章は、アンダンテの序奏を持つスケルツォ。「ロメジュリ」の決闘シーンを思わせるような超速の走句が印象的。
 第3楽章は、深遠なアンダンテ。オスティナートされる八分音符のテヌートが、名状しがたい漂泊感を醸し出している。曲はときおり激情のほとばしりを見せながらも、詠嘆と諦念を残して終結する。」

的確な表現ですが、やはり文字だけでは音楽は伝わりません。
古典的な調とかリズムとかカルテットの特徴(ソプラノ、アルト、テノール、バリトンの4声の役割分担)を完全には壊さない程度に破壊して新たな音楽を模索している感じがしました。
でも好きですね、こういう弦楽四重奏もいいです。

たくさんの拍手に応えて、アンコールもハイドン。
1st Vnが大活躍する曲で、楽しく明るく締める事が出来ました。
アンコールが終わって拍手で送られる中、中島さんが挨拶。たくさんのお客さんへの感謝の言葉、来シーズンの、直近の定期演奏会の予定、そして2/20の拙クリニック「ジョンダーノ・ホール」での山形Q庄内演奏会Vol.1の事も話して下さいました。ちょっと気恥ずかしくて思わず下を向いてしまいました。


いつものように演奏会の感想はnarkejpさんのブログが私のものよりずっと完成度が高いので、是非そちらをご覧下さい。2つに分かれた大作。「山形弦楽四重奏団第34回定期演奏会を聴く(1)」「同(2)」です。


演奏会が終わってご挨拶や2/20の打ち合わせをしていたら、あっという間に20:30。それから急いで酒田に戻りました。

〜〜〜〜〜

この日、演奏会開演は18:30と遅かったので、折角山形に行くのだから、、、いろいろ計画を立てて行動しました。
午前中、脳ドックの仕事を片付けて午後ゆっくり出発することに。
まずは昼食。日曜日に「プチポア」でランチは初めてです。家内はAランチ(鶏肉の香草焼き)、私はBランチ(お魚のムニエル)。
PhotoPhoto_2左がAコースの野菜スープ、右はBコースのカボチャのスープ。どちらも美味しいですが、特にカボチャのスープはシンプルで濃厚。甘みを抑えたカボチャのケーキがスープになったみたいに濃い味でした。

Photo_3Photo_4左がAコースの鶏の香草焼き。添えられた野菜もとても美味しかったそうです。右がBコースのお魚のムニエル。今日は鱈。バターの利いたソースが旨ウマです。
Bコースはこの他にオードブル(この日はスライスしたフランスパンにマグロ?のタルタルにピクルスが乗ったもの)にチーズケーキ(ドイツ的な本格的焼チーズケーキ)が付き、両コースともライスまたはパンにサラダ、そしてコーヒーがつきます。味もボリュームも大満足!

お腹を満たして次に向かったのは寒河江です。
山形Qの演奏会は、開場17:45なので途中でどこか興味のある寄り道を探していたら新聞に出ていた、慈恩寺近くの雛飾りに目が停まりました。
Photo_5「やまがた雛のみち」パンフレットにはこの時季、県内各所で行われている雛飾りが紹介されています。その先陣を切って1/30(土)から展示の始まった「慈恩寺陣屋」。

Photo_6Photo_8名前の通り、寒河江の名刹、慈恩寺の近くにある料亭。外から見た風景もユニークですが、中は写真右の通り、薄暗い通路の両脇に人形が飾られ、お蔵などを活かした展示室が3つ。

Photo_9Photo_10左は18世紀(明和時代)の古今雛。小作りで上品なお顔に装束、装飾品の保存状態も素晴らしいものです。右も18世紀(宝暦年間)の立雛。まるで現代の作品の様な保存状態です。

こういった作品が多数飾られています。こちら→「慈恩寺ひなの隠れ家」をご覧下さい。
目黒雅叙園で展示が始まった「山形ひな紀行」。本家の山形県内でも各地で雛飾りの展示が始まります。全県の雛人形展示をまとめたのはこちら→「やまがたの雛」をご覧下さい。


慈恩寺陣屋の雛飾りを見終わってもまだ16:00過ぎでした。
山形Q演奏会開場まで1時間45分あります。
折角の慈恩寺に来たのだからと、
Photo_11Photo_13左は有名な三重塔。残念ながら仁王門や本堂は冬の荒天から保護するためか補修中なのか、白い天幕が張られていましたが、この県指定文化財の三重の塔は堂々と聳えていました。
右は慈恩寺の鐘です。1683年(天和三年)建立と言われる鐘突堂です。昨年の大晦日の「ゆく年くる年」の中継は、ここ寒河江の慈恩寺から始まりました。

この後、山形市の文翔館を目指す訳ですが、まずは「チェリーランド」へ。
Photo_15家内に呆れられながら目指したのは、「さくらんぼ館」の有名なアイス。
280円で二色好みの組み合わせを選べます。
私は左の秘豆(枝豆)とブルーベリー、家内は右のえごまと米。どちらも原材料の味や香りがしっかり主張していて美味しいのです。「米」のアイスには「はえぬき米」が入っていて、そのガリガリという食感がまたいい。えごまは食べると、エゴマ油の味と香りがします。
ちなみに人気第1位は「ごま」、2位が「米」だそうです。

演奏会のレポートを先にするため順番が前後しましたが、アイスで血糖値を回復させた後、久しぶりに国道112号で(いっつも高速ばかりなので)山形市内を目指しましたが、寒河江や中山町、そして旧国立療養所の山形病院のある内表あたりを懐かしく感じながらドライブして、17:35頃文翔館裏の駐車場に到着しました。

充実した1日でした〜。


|

« 「村川千秋の世界」 | トップページ | 加藤家のお雛さま »

コメント

コメント、トラックバック、それに記事のご紹介をありがとうございます!
連日の酒田〜山形往復、お疲れさまでした。でも、いい演奏会でしたね。奏者の椅子や譜面台の高さに目が行くのは、さすがに主催者!なるほど、です。初の庄内演奏会まであと19日、ご成功をお祈りいたします!

投稿: narkejp | 2010.02.01 20:55

narkejpさん、コメント、TBありがとうございます。
庄内演奏会、是非「定期」にしたいと思っています。自分が楽しむのが一番の目的ではありますが、一人でも多くの方に素晴らしい音楽を聴いてもらい、また山形Qの活動を応援するのが喜びでもあります。

投稿: balaine | 2010.02.01 22:30

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74618/47448993

この記事へのトラックバック一覧です: 山形Q第34回定期演奏会、ほか:

» 山形弦楽四重奏団第34回定期演奏会を聴く(1) [電網郊外散歩道]
1月最後の日曜日、31日の夜6時半から、山形市の文翔館議場ホールにて、山形弦楽四重奏団の第34回定期演奏会。午後、夕方に近づいてから親戚の親子が来訪し、大学入試センター試験の結果などを聞きました。まずまずの成績だったようで、第一志望の地元大学に出願する予定とのこと、励ましてやりました。 そんなこんなで、出発がやや出遅れて、会場に到着した時には、アンサンブルともズのプレ・コンサートが始まっておりました。本日は、ハイドンによる「ヴァイオリンとヴィオラのための6つのソナタ」の第5番。茂木智子さん(Vn)... [続きを読む]

受信: 2010.02.01 20:56

« 「村川千秋の世界」 | トップページ | 加藤家のお雛さま »