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2010.02.26

学会への演題応募を準備する

開業してから、全国学会に参加する機会が減りました。参加して勉強するのはもちろんですが自分で全国学会に臨床研究などの演題を応募する事も「0」になってしまいました。

大学病院勤務の時は、普段の仕事が研究そのものであり、国際学会、全国学会、地方学会などに数多くの演題を応募して発表し、特にシンポジウムでシンポジストになって中心的な話題のセッションで発表する事が大学人としての当然の務めと考えていました。多い時には年間20を越える学会で発表をしていました。


開業すると、まず学会に参加する事が大変です。

週末を利用して土日に開催する学会もありますが、大きな会場を占有するために平日開催も少なくありません。特に日本脳神経外科学会総会や日本脳神経コングレス総会などは火〜木とか水〜金などという平日3日連続の開催もあり、それに参加するために平日の診療を「休診」にして出かけなればなりません。1日学会に参加するために、前日の午後から休診にして、2日半休まなければスケジュールが合わなかったりするのこともあり、なかなか大変です。
当然ですが、開業医にとっては「休診」=無収入です。

大学病院勤務医の場合、学会に参加する、発表することが大学人としての仕事ですから、公休扱いだったり、出張扱いだったりします。公立の大病院勤務時代には、年間に一定限度額上限がありますが、学会出張の費用が病院から出ます。東京に2泊3日、飛行機での往復の旅費も含めて「出張費」が出る上に、病院は公休扱いですから、収入減もありません。医師が自分の専門の学会に出張するのですから当然と言えば当然です(それでも、国立大学の場合は、出張費も出ず、学会出張のための休みは年休を使ったりするのです!)。

開業してまだ1年や2年では、患者さんも定着しているとは言えない不安定な要素があり、そう簡単に「休診」にして、今月は東京、来月は大阪、次は九州と言う感じで学会に参加する訳にも行きません。
それでも脳外科総会のような大きな全国学会には年に1つ位は参加し、脳外科の東北地方会や山形県レベルでの学会は行けるものがあったら行くという程度、後は地元医師会開催や共催の研究会、勉強会など診療を終えて参加出来る平日の夜だけのものや、土曜の午後の研究会などにやっと参加しているといったところです。

開業して、メスを握らなくなった自分は、脳外科の手術の技術や手法や手術治療成績を発表する「ネタ」はなくなりました。代わりに、脳ドックや頭痛などの日頃診療しているものが研究対象の「ネタ」になる訳です。
開業後、庄内地区の医師が集まる「庄内地区医師集談会」には積極的に参加しました。

一昨年(H20年)は、開業後9ヶ月の間にMRI検査を行った全患者の内訳、どのくらいの有所見者がいたか、どんな重大な疾患が見つかったか、診療所でMRIを行う事がどのような意義があると思ったかなどを発表しました。その中で、病院と診療所、診療所と診療所の連携などについても考察しました。院長ブログの「庄内地区の脳外科医・神経内科医の分布と患者さんの動向」を参考にしてください。

昨年(H21年)は、「頭痛の外来診療 特に薬物乱用頭痛について」というタイトルで、庄内でも決して少なくないMOH(=Medication Overuse Headache)の話題を提供しました。これも院長ブログの「頭痛の先生」を参照ください。


開業するまでは「脳ドック」のネタは持っていなかったのですが、今年初めて「日本脳ドック学会」に演題を応募しようと今準備中です(演題締め切りは来週の3/2!急がなくちゃ、、、)。
今年の日本脳ドック学会総会は、私の母校、古巣の山形大学医学部脳神経外科が主催で(会長嘉山孝正先生です)、山形市にて6月に開催されます。

「第19回日本脳ドック学会総会」のHPを参照ください。

拙クリニックではH20年の7月から脳ドックを始めて、コツコツと受診者を増やし、現在のところ1年7ヶ月で160名の脳ドック受診者を得ております。その中で、「他の脳ドック」と大きく違うところを強調して発表したいと考えています。

一般的に「脳ドック」をきちんと行っている施設でも、検査直後には3次元MRA画像はまだ出来ていない事が多いのです。それは大きな病院では、MRI装置は放射線部が管理していて放射線技師が撮像しているので、MRAの原画像を出すところまでは出来ても、脳ドックを受診した人が脳ドック担当の医師の前に座った時に、全ての画像が準備されている訳ではありません。
そして、最終的には、3次元MRAなどを「読影した医師」(ここが問題で、必ずしも脳外科医や脳卒中専門医ではなく、普通の放射線科医だったり神経内科医だったりします)がレポートを書いて、それを受診者に郵送などで結果を届けると言うスタイルが一般的な脳ドックでしょう。

高いお金を払って脳ドックを受診した人も、「結果は後日お届けします」と言われてその日はお金を払って帰るだけというところが多いのではないかと思います。
当院は規模の小さな診療所である事を利点として、すべての検査、すべての診察、すべての説明を院長である小生が行うので、「検査当日」の「検査終了直後」に「3次元MRA画像」を含む「検査結果」の説明が可能なのです。それはシステムの問題でもあります。

その状況は、、、
28_mra_3dtof_10001当施設の脳ドックでは、MacOS X + OsiriX IIIを使った院内LANによるPACSを活用しており、MRIコンソールで「今」撮像されたデータは、すぐにMRI操作室以外には「診察室」と「院長室」で観れるようになっています。(写真は1mmスライスの原画像を16枚並べたもの。原画像はこれが120スライスあるわけです。)

Meacom3d_vr_image1上記原画像からほんの2秒弱で「3次元MIP画像」によるMRA(3次元立体の脳の血管像)が作成出来ます。
(原画像から作成された3d MIP画像=ステップ1)

Meacom3d_vr_imageprecut原画像には、頭皮の脂肪や眼球後方の脂肪、皮下の血管、太い静脈、動脈の周りの静脈叢などが一緒に写っています。写真は、その一部を切り取ろうとしているところ。必要な部分を削らないように不要の部分を緑色の線で囲んでいます=ステップ2。

Meacom3d_vr_imageaftercut緑色の線で囲んだ部分を「削除」すると、写真のようになります。これをいろいろな角度で何回か行っていって、3次元的に大切な脳の血管の部分だけを残すようにします=ステップ3

Meacom3d_vr_imagefinalその結果、この写真のようになります=ファイナルステップ。
実際はこれは「3次元画像」なので、マウスを使って3次元的にくるくる回転させたり、ズームアップしたりズームダウンしたり、非常にスムーズに操作できます。
この方は、未破裂の脳動脈瘤が前大脳動脈に見つかった方です(血管内治療専門医によってGDCで脳動脈瘤は処置して頂きました)。

脳ドック受診者がMRIの台から降りる前に、PACSによって診察室のパソコンに接続した30"大型シネマディスプレイに一番上の原画像が現れます。受診者が台から降りて着衣を直している間に、瞬時に3次元画像が作成されます(これは、世界最高速パソコンMacProでほんの2秒弱で出来ます)。そして上の写真のステップ1、2、3の作業は慣れれば2、3分で出来ます。

最終的なファイナルステップの3次元画像が出来るまで数分なので、脳ドック受診者を診察室に呼び入れる時には既に最終的な画像が出来ていて、それを30"シネマディスプレイ上で患者さんや脳ドック受診者の目の前でクルクルと回転させてみせる事が出来ます。

当院のシステムではとても簡単に出来る事なのですが、これが大きな病院の脳ドックのシステムでは以外に簡単には出来ない事のようです。
さて締め切りの3/2までに早く内容をまとめなければ、、、

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