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2009.10.26

「情熱と愛」〜演奏会終了〜

昨日の定期演奏会後に、酒田市の芸術文化協会会長などのお歴々を招待し、マエストロ井崎氏、ソリストの久保陽子さんを交えた「打ち上げ」がいつものように盛大に行われました。
その席上、来賓やマエストロ、そして久保陽子さんの口から共通して出て来た言葉が、「情熱と愛」でした。

『天地人』の地、山形(米沢ばかりではなく、庄内も昔は上杉領だった)だからと言う訳ではなく、「音楽には、芸術には、情熱と愛が必要」「情熱と愛には、プロもアマもない」というような表現が使われました。

我が市民オケ、酒田フィルの演奏に「情熱と愛」がどのくらい注入されていたか、それは団員それぞれ違いはあるでしょうが、最終的には一枚岩になって強い想いを注ぎ込んだ演奏が出来たと思います。演奏の上手い下手ではなく、そういう「心」というのは聴いておられた方にも伝わるのだと思います。

久保陽子さんには「打ち上げ」の二次会までお付き合い頂き、楽しいお話をたくさん聞く事が出来ました。マエストロには三次会までお付き合い頂き、来年(第38回定期演奏会は2010年11月21日と決まっています)のプログラムについて、希望、夢も含めていろんなアイデアが出ました(ショスタコの5番とかサン=サーンスの3番とか、、、)。既にソリストは、チェロの岩崎洸氏に内定しており、ドボコン、エルガーなどなどこれまたチェロ協奏曲は何がいいかという話も出ていました。

〜〜〜〜〜

さて、既に「遠い記憶」になりつつある、昨日の演奏会を振り返ってみましょう。
今回の演奏会、まずは、大きなハプニングから始まりました。

10/23(金)の夜にマエストロから連絡があり、ハンガリーからドイツ・フランクフルトへの飛行機が遅れたために予定の成田行きに乗れず、いろいろ検討してみた結果、結局10/24(土)の午後に成田着のJALしかないという結論。それから酒田に向かうと、どんなに早くても土曜の夜に着く事になり、10/24(土)の14~21時の枠で予定していた前日リハには間に合わないということが判明しました。

こうなった以上は、もうジタバタしても始まらない。
団内指揮者のTS氏の指揮でやるしかない。至急に久保陽子さんにも連絡を取り、団内指揮者でもいいから予定通りに練習しましょう!というお言葉を頂き、まずはちょっと安心。少しでもマエストロの棒に馴れるために、当日GPの予定10:00~12:00を大幅に変更。
集合9:00, 9:15日程説明、9:20練習開始、12:20頃まで最終リハということにしました。マエストロは10/24(土)の午後9時半過ぎに、キャンセルの出た羽田ー庄内最終便でようやく到着。皆、とりあえずはホッとしました(本番に間に合った!)。

そして、昨日、10/25(日)の朝を迎えました。私はやや興奮気味で早く目が覚め、8:40過ぎに家を出発。フランクフルトでダブルチェックしたにも関わらず、スコアとタクトの入ったバッグまで無くなってしまったマエストロのため、念のために昔家内が中学でブラバンを振っていた時の「棒」を借りて行きました。マエストロの愛用の「棒」はコルクが丸くて大きかった(似てるんじゃないか?)のを覚えていたのです。
スコアは団内指揮者のTS氏の物を、そして棒はTS氏の棒2本と私が持参した家内の棒を比較検討した結果、家内の棒を使う、ということになったのです。

9:20、まずはメインのドヴォルジャークの7番のリハからスタート。弦が弱小である我が市民オケ。前日から、中には当日初参加のエキストラ(プロ、セミプロ)もいらっしゃいます。希望ホール大ホールの響きの中で、6プルト半に増えた第1バイオリン、3プルトに増えたコントラバスなど、弦の響きが更に大きく変わりました。
満席1287の広い大ホールの中で、音を飛ばすように、響かせるように、というマエストロからの指示。特に、管楽器は音が指揮者までは届いているがその先に飛んで行っていない、3階席の一番上の奥に飛ばす様な気持ちで、と言う指示を頂き、みんなの音が変わりました。
弦も、いろんなフレーズの中で、音が1階席の途中で落ちて行っている。それをまとめて奥まで飛ばす様に弓を使って響きを創って、、、そのようなイメージをもつだけでオケの音って変わるものなんです。

交響曲に続いて、アンコールを練習し、続いて序曲を練習。11:30過ぎから久保陽子さんに入って頂き、協奏曲の練習。ちょうど12:20に終わりました。
開場を13:20としたため、休憩と昼食と着替え、準備で1時間しかありません。かなり慌ただしい「昼休み」でした。

13:45過ぎから、マエストロによる「プレトーク」。
Photoなんでも、山居倉庫のところで農産物フェアをやっていて、それに行く人たちが市役所と希望ホールの駐車場を使っているため、希望ホールに酒田フィルの演奏会を聴きに来た人たちの駐車場がないらしく、皆、清水屋などの少し離れた駐車場に回っているという情報が入りました。
そこでプレトークはたっぷりお話して頂く事に。プログラムの3曲について優しい口調で分かりやすく解説されていました。私は、お客さんの入りも心配だったので1階の一番後ろに行ってみました。案の定、最初は300~400くらいしか入っていないようだったのですが、プレトークの間に続々とお客さんが入って来ました。
「ドヴォルジャークの7番を生で聴いた事がある人」「CDやFMなど、何でもいいから聴いた事がある人」「一度も聴いた事がない人」という各質問に対し、遠慮した人もいるでしょうが、上がった手の和は、それぞれ「2、3人」「2〜30人」「2~300人」という感じでした。やはり8番や9番に比べると今一ポピュラーではないのです。

13:05、5分押してステージのドアが開きました。
Photo_2(写真は全て2階バルコニーから家内が隠れて撮影したものです)
1曲目は、O. ニコライの喜歌劇『ウィンザーの陽気な女房たち』序曲です。
私は第2フルート&ピッコロです。はっきり言って、気持ちは交響曲に行っていましたので、なんとなくいつの間にか序曲が始まり、いつの間にか終わってしまった感じで、注意力散漫な演奏になってしまったかも知れません。最後の方で、第3レジスター(フルートの第4レジスター)のミからラまでの速いパッセージがあり、勢いで吹きました。

Photo_32曲目、ブラームスのヴァイオリン協奏曲。
名曲です。
久保陽子さん、熱いです。
まさに「情熱と愛」です。
(たぶん)ジュゼッペ・ガルネリから紡ぎ出される力溢れる響き、豊かで、渋くて、聴く者の心を鷲掴みにします。軽い、甘い、音ではありません。ppでも心に突き刺さって来る様な感じ。ホールで聴いていた家内の感想では、まずステージに登場した久保陽子さんの、その優しい笑顔で会場のお客さんもなんだか「ほんわか」とした気分にさせられ、曲が始まった途端に「曲に入り込んだ」その表情に惹き付けられ、久保さんのヴァイオリンから最初の一音が発せられた瞬間に、お客さん全員の心をグッと掴んでしまい、全員吸い込まれる様な表情で演奏を聴いていたとの事。
私はブラームスは降り番だったので、隠れて3階席の一番上の通路に行ってみました。
Photo_4これは前日練習(団内指揮者TS氏)の時に2階席中央あたりから撮った写真。3階後方の通路というのは、自分の水平の目線がちょうどステージの高い高い天井とほぼ同じ高さになる位です。
そんなところでも、久保陽子さんのヴァイオリンの音は豊かに響いて届きます。ppでも全然小さな音ではなく、静かに、しかし溢れる様な豊かさを持って響いて来るのです。

協奏曲が終わり、花束贈呈があり、数回のカーテンコール。
久保さんは、また登場した時と同じ様な、「満面の笑み」で見ているこちらが笑顔になってしまいます。素晴らしい演奏でした。。。

15分の休憩後、ついにメインです。
Photo_5団員の集中力も更に高まります。
ハプニングを乗り越えて、マエストロと演奏が出来る幸せに喜びを感じます。
私は、フルートトップですし、結構ソロも多い曲なので緊張もしましたし、いくつかの小さなミスもありましたが、集中力が保たれたため、結構いい演奏が出来た様な気がします。
Photo_6フルート同士や隣のオーボエとのアンサンブルはもちろん、後ろクラ、ファゴット、そして弦とのアンサンブル、掛け合いも本番が一番良かったように感じました。
4楽章の華々しいフィナーレ。

ブラボーの声こそなかったようでしたが、満場の大拍手。
一回下手に下がったマエストロが、再びステージへ。ところが指揮台に向かわず、まっすぐ木管の方に向かって来ます。
「え?!」という感じでしたが、真っ先にマエストロが握手を求めて来られたのは私でした。マエストロに促されて、立ち上がって観客の拍手を受けます。嬉しい瞬間でした。
手前味噌ですが、確かにいい演奏だったのではないかと思います。

マエストロへの花束贈呈。
そして、アンコールへ。
Photo_7ドヴォルジャーク作曲「スラブ舞曲」Op.46の3番変イ長調。
メインの交響曲に合わせた選曲です。ニ短調の交響曲から、変イ長調の明るい曲へ。最後は弾むように終わって、「ドヴォ7」を聴いた後の暗く重い感じを軽く明るくして家路に着いて頂きたいという気持ちも込めました。

このように、今年の定期演奏会は、ハプニングで幕を開け成功裏に終わった(?)ということになります。ハプニングによって団員に生まれた危機意識が集中力を高め、団結力が高まったとも言えると思います。そして何よりも、冒頭に書いたように、アマチュアといえど、仕事の合間の片手間の趣味と言えど、熱い想いを込めて7ヶ月かけて「手塩にかける様に」練習を積み、音楽が出来る喜び、お客さんに聴いてもらえる幸せを感じながら、音楽に対する「情熱と愛」を演奏で表現出来たと思っています。
聴きに来て下さった方々、ありがとうございました!

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コメント

素晴らしい演奏をありがとうございました。

大変だった裏話を教えて頂き、それにも増して団員のみなさまの結束のすごさ、息のあったハーモニー・・・言葉では表せない感動をいただきました。

マエストロもプレトークでそのお人柄を知ることができ、益々ファンになりました♪

また、ドボの7番を私は聴いたことがありませんでした。その点でも今回は貴重な体験もさせて頂きました。

お疲れ様でした。そして、ありがとうございました!!

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

投稿: けん♪ | 2009.10.26 22:33

けん♪さん、コメントどもっす!
聴きに来て頂きありがとうございます。アマチュアといえど、聴いて下さるお客様がいてこその演奏会です。
ドヴォ7、いい曲でしょう?ものすごくよく考えて創られていると思います。

マエストロ、実は私と同郷、福岡市の出身でなんと私よりも年下なのですよ。貫禄というか、人徳というか、年上に見えますけどね。(笑)

次ぎは、11/3の市民音楽祭、11/15の「コーロ・プリモ60周年記念演奏会」、そしてソルノク響の来日公演、、、
まだまだイベントは続きます。
よろしくお願いしま〜す!

投稿: balaine | 2009.10.27 02:37

演奏会、お疲れ様でございました♪
そして、ご成功おめでとうございます♪♪

手に汗握って読んだ前半(^_^;)
マエストロって、綱渡り的なスケジュールで演奏会をこなされているのですね!
並みの精神力や体力では出来ぬお仕事。。

オーケストラの皆さんが一丸になって本番を作り上げて大成功♪
読み進んでいき、我がことにやうに嬉しい気持ちになりました。

それにbalaineさまの酒田フィルへの愛をひしひしと感じました。

あぁ~、聴きたかったな・・。
特にbalaineさまのソロ。。。


投稿: ゼラニウム | 2009.10.27 17:27

ゼラニウム様、コメント、応援、有り難うございます!
私のソロ、上手だったですよ〜(笑)。聴かれてなければなんとでも言えますです。
映画「おくりびと」ロケ地ツアー&「天地人」ツアー&山形の「んめぇもの」ツアーで酒田に入らして下されば良かったのに。(^^)

来年、今回の定期のDVDが出るまで待って下さい(笑)。
当日GPの録音はありますが、人に聞かれても問題ないかどうか、ちょっと編集してから「自惚れ、、、」の方にアップすっかもすんねぇし、さねかもすんねぇ(するかもしれないし、しないかもしれない、これは山形内陸弁だず)。
失礼しました〜。

投稿: balaine | 2009.10.27 20:07

お疲れ様でした。
いい演奏会でしたね。
余韻冷めやらぬところですが、私は今日から国民文化祭参加のため浜松です。
マエストロ(大学ステージ指揮、私たち一般は黒岩英臣さん)に会えるっかな?

投稿: librarian | 2009.10.30 10:52

ああ、librarianさん、浜松の国民文化祭は今週でしたか。
頑張ってください!(もう出かけちゃったかな、、、)
楽器博物館、楽しんで来てくださいね。

投稿: balaine | 2009.10.30 16:01

遅くなってしまいましたが、お疲れさまでした。
すばらしい演奏会になったご様子、おめでとうございます(^^)

いろいろなハプニングも大変でしたね。
飛行機が遅れるのはありそうなことかなと思いましたが、スコアとタクトが入ったカバンまでなくなってしまうってどういうこと?!とびっくりしました。
外国を飛ぶ飛行機って、怖いんですね。
でも、マエストロに使っていただいたタクト、奥さまにとっては一生ものの記念品になったのではないかと拝察いたします。

balaineさんのドヴォ7の美しいフルート、聴きたかったです。
本当にお疲れさまでした。

投稿: えがお | 2009.10.31 17:53

えがおさん、本当に「災い転じて福となす」でした。
今、ちょっと「燃え尽き症候群」的です。
プロって毎日のように、毎週のように、違うプログラムを演奏し続けて行くんですから、凄いですね〜。

投稿: balaine | 2009.10.31 23:21

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