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2009.09.27

銀週間旅日記第三日(9/22)、その2

2つにわけた第3日目。
いよいよ浜松です。
掛川からは高速道路で20kmちょっとなのですぐです。10時過ぎに掛川城前を出発して11時前には浜松駅前、アクトシティにある「浜松市楽器博物館」に到着しました。
充実した館のHPはこちら→「浜松市楽器博物館」

Photo_9ここの存在は結構前から知っていましたが、強く意識したのはNHKのクラシック倶楽部でフランスの名工ブランシェのチェンバロを修繕調整して、それを中野振一郎氏が演奏した模様が公開されたのを観たからです。
今から244年前の1765年作(kokutanさんの嵐牛蔵美術館で見せて頂いた数々の作品の中に「十返舎一九」のものがありましたが、その「一九」が生まれた年、明和2年が西暦1765年です!)という、歴史的、国宝級の作品です。楽器でありながら美術工芸品と言うべきものです。

私よりもチェンバロ弾きの家内の方が当然ながら興奮していたようです。
Photo_18Photo_151階の展示物から順路順にゆっくり見て回る私。展示品の音はヘッドフォンで聞く事ができるので、あまり耳にした事のない、東南アジアやアフリカ、モンゴルの楽器の音などチェックして行きます。
Photo_12Photo_13家内は途中から観覧の速度が上がってきました。早く地下1階の展示、特に鍵盤楽器を観たいようです。
ちょうど12時から1時間おきくらいに行われている楽器のデモ演奏と解説が「チェンバロ」となっていたので、私はその時間を計算しながら鍵盤楽器展示室以外を比較的丹念に見て回りました。

笛吹きである私は、当然笛に特に興味があります。
Photo_10Photo_11日本の笛、中国、その他のアジアの笛、アフリカ、アメリカの笛、そしてヨーロッパの笛。。。
動物の骨を土に埋めて、中心の骨髄部分を地中動物/虫に処理させて「管」を造り、そこに指穴を開けて笛を作った様式は、古代のヨーロッパやアフリカ、中南米にも見られました。適当な動物がいなかったのかアジアにはそういう作りの笛が見当たりません。
Photo_14最初から笛に適した中空のもの、そうです、「竹」があったからだと思います。木製の笛は曲がったり歪んだり割れたりしますので、ヨーロッパでは造るにしても黒檀、紫檀という重くて固い木が使われたり、象牙が使われたりしたようです。
Photo_16一方、和笛は篠笛、竜笛、能管などすべて竹製です。素材が手に入りやすく、加工しやすく、漆を塗って内部や穴を保護すれば丈夫なものです。竹が植生分布していない西洋には竹製の笛がないのはやはり興味深いものです。

Photo_17ヴィオロン族の多種多様な楽器も興味深いものでした。
いわゆる古楽演奏に用いられる楽器のその祖先達や系譜を並べて見比べる事が出来ます。現代のオーケストラで使われる弦5部の楽器が整って来たのにはそれなりの訳があるでしょうが、こういった古い楽器が一度廃れかけ、今また復興の光を浴びているのも興味深いものです。

Photo_19Photo_20左の写真の左側は、手前のポストホルン、ホルン群からずらっと管楽器が並んでいます。
右の写真はその並びを反対側から見たところで一番手前にはファゴットが並んでいます。

Photo_21そしてついに鍵盤楽器群の展示室へ。
地下1階の鍵盤楽器群展示室には、ずらりとピアノ、ピアノフォルテ、チェンバロなど鍵盤楽器の歴史を見せる圧倒される様な楽器達が並んでいます。

Photo_2212時からチェンバロの解説とデモ演奏がありました。館の学芸員(?)の女性がヘンデルの『調子のよい鍛冶屋』の一部を聴かせてくれましたが、その演奏はちょっと耐えられなかったです。ごめんなさい。チェンバロ弾きの演奏ではなくピアノ弾きと想像致しました。家内と苦笑するしかなかったです。
しかも解説に使用したこの楽器は、ロンドンのカークマンのものですが、ペダルが2つついていて音色がいくつか換えられる機構を持ったものでした。デモンストレーションとしては面白かったのですが、チェンバロを知らない人達にとってあれがチェンバロの標準だと誤解されないかと家内は心配していました。

集まった聴衆に「チェンバロの弦を弾くこの部分は何で出来ているかお分かりになる方?」という質問をしていました。遠慮しているのか知らないのか、誰も答えません。カラスや白鳥などの比較的大型の鳥の羽の軸を削って使っているのですが(家内も修理用に鳥の羽を持っています)、ご存知ない方々が多かったようです(連休中の観光客ばかりですから)。

Photoちょうど隣りにチェンバロが音を出す仕組みが模型で解説されていました。これは触って音を出す事ができるのです(当然展示されている楽器は触っては行けませんが)。
鍵盤を押すと上に跳ね上がる棒の横に鳥の羽の軸を削ったものが付いていて、それが弦を弾くのです。ギターの弦をピックで弾く様な感じです。弦をハンマーで叩く(だからハンマークラヴィアという)ピアノとはまったく発音の機構が違うのでまったく違った音がするという訳です。そのため、チェンバロでは鍵盤を強く叩こうが弱く押そうがほとんど音量の変化が得られません(実際は少し変わるのですが、鍵盤を叩く強さではなく押すスピードで変わることになります)。

Photo_2Photo_3フランス、イタリア、ドイツ、イギリス、ベルギーなど様々な楽器が並んでいて、チェンバロ弾きの家内は「萌え〜〜〜」状態。ちなみに「ジョンダーノ・ホール」所有のチェンバロはフレーミッシュタイプ(ベルギー)です。

ここでショックなことに気づきました。
今回の博物館訪問の引き金なり実物を見たかったフランスの名工ブランシェの国宝級とも言えるチェンバロの写真を撮るのを忘れたのです。その美しさに見とれてしまった故と申しておきましょう。
家内のブログ「カノンのお稽古帳♪」では古い携帯のカメラで色は悪いですがブランシェの写真も撮っていました。
PdfPhoto_4Photo_5仕方ないのでネットからブランシェの映像を探しました。
NHK-BSクラシック倶楽部で観た中野振一郎さんの演奏会(解説付き)の映像が、楽器博物館のサイトで公開されておりそれを画面キャプチャーで取り込みました。
猫足の装飾、側面や大蓋の絵や塗装など溜め息ものでした。

ネット検索中にこんなのを発見。「浜松市楽器博物館見学ツアー報告」
ブランシェのチェンバロに実際に触れた方もいらっしゃるのですね。うらやまし〜。
私は、CDやDVDで見聞きするしかありません。

Photo_6ピアノのコーナーにはこんなものもありました。
ベートーベンのライフ&デスマスクです。
ピアノを愛し名曲を数多く創り自らも名ピアニストであった楽聖ルードヴィッヒ。この展示をしている博物館の人の想像力と言うか企画力というか発想に感心しました。

ピアノの元祖といわれる、クリストフォリのピアノの復元モデルもありました。
17世紀後半から18世紀前半にかけて、ピアノを開発(発明?)したといわれるバルトロメオ・クリストフォリ。「ハンマーによるチェンバロの発明家」と言われています。
世界中に現存する本物のクリストフォリのピアノはニューヨークのメトロポリタン美術館などに3台しかないそうです。ミュージアム・ショップで家内が購入したCDを聴くと、音色はチェンバロに近く現在のピアノや少し前のフォルテピアノなどとはまったく違う音色で、優しい音をしていました。

さてさて、2時間程楽器博物館を堪能し、出口の脇にあるミュージアム・ショップでは「敵の思う壷」にどっぷり入った二人でしたが、ニコニコ顔で満足してここを後にしました。

ーーーーー
今回の旅の主目的を果たしたので、後は帰るだけです。
名古屋廻り、中央道から上越道、北陸道、日沿道新潟経由で酒田に戻るか、実家のある横浜戸塚に立ち寄って帰るか(この場合は東名で行くしかない)。
食いしん坊の私が考えていたのは、昼食には「1: 浜松で餃子」か「2: 焼津でまぐろ」です。(笑)
浜松の餃子は宇都宮の餃子と並ぶくらい有名なのですが、この際まだ行った事のない焼津行きを決定。ということで東名で東京方面に向かうことになりました。

昨日、今日と市民オケの定期演奏会(あと4週後!!!)に向けて、本番指揮の井崎正浩さんいよる指揮者練習をしています。ということで、今日も日中はびっちりドヴォルジャーク漬けなので、この続き(焼津のマグロ、実家経由の酒田まで)はまたあらためて書きましょう。

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コメント

いよいよメインの楽器博物館ですね。
拝見しているうちに、また行ってみたくなりました。

ショップのCDも魅力ありますね~~。
kanonさんのお気持ち・・・解かります解かります(笑)。

投稿: kokutan | 2009.09.27 14:35

kokutanさん、コメントありがとうございます。
2日間の指揮者練習が終わって、今、どっと疲れが出ています。ドヴォルジャークの7番は本当に大変な曲です。フルート1番は休みなく吹きっぱなしの感もあり、ソロを取る所も多くてやりがいはありますし、練習でいろいろ指摘されて改善されて行くのが自分でも分かるので楽しく楽しくて、、、でも疲れました。
今日は、朝9:30に出かけて、今しがた17:30に指揮者の井崎先生をホテルに送り届け、ようやく自分の時間がもてるというところです。
続きのマグロの話は、明日かな〜。(^^;;;;

投稿: balaine | 2009.09.27 17:41

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