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2009年7月

2009.07.31

「脳とこころと音楽と」

私の好きなジャズピアニストであるビル・エヴァンスのディスクにも収められた名曲で、『あなたと夜と音楽と』という素敵な曲があります。

そのパクリではありません。
明日の午後、クリニックの「ジョンダーノ・ホール」において、クローズドの会なのですが、脳に関する講演会とミニミニ演奏会を行います。

演奏する曲目は、ピアノ伴奏でエルガーの「愛のあいさつ」と中田喜直の「夏のおもいで」。チェンバロ伴奏で、JSバッハ作曲のフルートソナタ 変ホ長調 BWV1031から第2楽章「シシリアーノ」を演奏する予定。
続いて、スライドを使いながら「脳とこころとおんがくと」というタイトルでお話をします。

このタイトルの様なことを明確に、わかりやすく、説明出来るならば、本を書けば売れるかもしれません。実際は、そんなに容易な事ではありません。

「脳」に関する研究はかなり進んでは来ましたが、まだまだわからない事だらけです。
「こころ」にしても、その定義から迷う様なものです。「精神機能」という風に考えれば、たとえば「うつ病」や「統合失調症」などの病態や治療からアプローチすることも出来ます。外傷や脳卒中などに伴って、人格や性格が変わる事があり、その障害部位と変化の関係から「精神機能」に関連する部位を考察することはできます。
「音楽」については、これまた様々な考え方やアプローチがあります。
「音楽療法」という言葉がありますが、必ずしも世界共通のしっかりした概念や方法論があるわけではありません。音楽が、こころに、そして脳に良いだろうとは誰もが考える事です。その音楽が、何か病気に効くのか、、、と言われれば、可能性はあるがわかりません、と答えるしかありません。

モーツァルトの音楽がα波を増やして脳の働きを高めるとか、音楽を聴かせた野菜がすくすく育つとか言われていますが、医学的に実証された事実を私は知りません。

世の中には、モーツァルトの音楽だって「不快」に思う人もいると思います。ガンガンのヘヴィメタでリラックスできる人もいるでしょう。演歌が大好きな人もいれば、民謡が好きな人もいます。ジャズ以外は聴かないという頑固な人もいるでしょう。
だから、「こういう音楽は、こういう症状にいい」とか「こういう音楽によってこういう効果がある」というのは、一般化出来る話ではなく、「そういう場合もある」位に考えた方がいいと思います。

そうだとしても、やはり「心安らぐ音楽」とか「気持ちの落ち着く音楽」とか「安眠を誘う音楽」というのは存在すると思います。ただ、それが万人に適応出来ないだけのことです。

脳の中には、情動に関する部位、感情、特に快・不快や好き嫌いに関係する部位があります。活性を高める、行動を惹起する部位もあれば、鎮静する部位もあります。これらの働きが全てわかっている訳ではありませんが、ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンという神経伝達物質(脳内ホルモン)によって、感情、情動、欲がコントロールされている事は事実です。

さあ、明日の講演までにもう少し自分の頭を整理して楽しい話をしたいと思います。

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2009.07.29

プロムジカ体験、第3回目

「最後の、、、最後の、、、最後で〜す!」

Photo平成21年7月28日(火)、酒田市民会館希望ホールでは、ほぼ満員の聴衆の嵐の様な拍手、ブラボーの声も飛び、2曲目のアンコールの前に指導&指揮者のサボー・デーニシュ氏の十八番の発言が飛び出し、聴衆も爆笑し大拍手。
2曲目のアンコールは、日本の歌「ふるさと」。
「一緒に、、、うたいましょー!」というサボー氏の言葉で、会場全員が歌うという壮観さ。

「プロムジカ女性合唱団」は、ハンガリーの伝統ある合唱団。
これまで酒田、遊佐方面には2回3公演していてそのどれも聴くチャンスがありました。
プロムジカの初体験は「プロムジカ体験」で、2回目は2007年でした。

映像付きで彼女達の歌声が聴けるサイトを見つけました。
こちら「プロムジカ女性合唱団の映像が届きました」を是非ご覧ください。フランツ・ビーベルのAve Mariaです。
探せばたくさんあるんですね。
こういう(↓)、ハンガリー、ハンガリーした曲は特に楽しく彼女達の本領発揮という感じです。
Pro Musica Girls' Choirをご覧ください。民族衣装が可愛らしいですね!

コンサートは、いつも通り、素晴らしい歌声、和声が響きます。
前半は全員お揃いの白いドレスを着て、何種類かのAve Mariaやハンガリー人作曲家によるミサ曲(キリエ、グロリア、サンクトゥスなど)を歌います。
希望ホールのステージ一杯に広がり、舞台上手下手の袖にも立って響きを広げます。私は2階席で聴いたのですが(到着時には1階の自由席はほぼ満席だった)、2階のバルコニー席の上手、下手両方に4名が立って、そこでソロを歌った時はまるで教会の響きの中で天空から聴こえて来る天使の声を聴いているようでした。

後半は、緑、茶色、紫、赤など色とりどりの民族衣装を着て、聴衆が「かわいい〜」と声を出すような雰囲気の中、バルトークやコダーイ、バールドシュ、コチャールなどのハンガリーの作曲家の歌も交えます。男の子が村祭りに女の子を誘いに出かけるという歌が面白かった。
そして、日本の歌の数曲交えます。

「わたしたちは、にほんごが、へたですが、いっしょうけんめい、うたいます、、、」
「ソーラン節」では、舟を漕いだり、網を巻き上げたり、と動作も入って盛り上がります。
「さくらさくら」ではその天使のような歌声のハーモニーが、まるで宗教曲のような雰囲気すら醸し出します。

とにかくレベルの高い歌声、合唱、ホールを研究した配置(2階のバルコニーで歌うのは計4曲程あったように記憶しています)、そして最後は指揮者のサボー氏がステージで日本人の少女から受け取った大きな花束をばらして一本一本花を合唱団の少女達に渡し、少女達は歌いながらステージからフロアに降りて、その花を観客に渡し、挨拶をして、時に握手をして去って行きます。

演奏会に満足して帰り道についた所、ホールのホワイエにずらりと並んだ彼女達がぞろぞろ帰る観客を見送ってくれていました。近くで観ると、一人一人、まだあどけなさの残る少女から20代の淑女まで、皆、可愛らしく中にはビックリする位綺麗な子もいました(モデルかと思うくらい、手足が長くて顔が小さかった!)。チェコ語で「ありがとう」は「デュクイ・ヴァム」だが、ハンガリーの言葉まじゃアール語で何だったかな〜。
「乾杯」は「エゲシェ・グングレ」だった、と思いながら、なんでこんな時に「乾杯」しか思い出さないんだ、、、俺、、、と思いながら、可愛らしい彼女達に見送られながら帰途につきました。

3回目の体験なので、初めての時のような衝撃、2階目の時のような驚きはありませんでしたが、その素晴らしさに聞き惚れました。
悔しいのは、いくら合唱の盛んな庄内地区、岸洋子や市原多朗を生んだ酒田だからとは言え、指定席も自由席もほぼ満席で、3階の後ろの方が少し空いている位で優に1000人は入っていたんじゃないでしょうか。先日の飯森&山響は7割(800人)入っていたかどうかという感じでしたので、合唱には負けるんだな〜と思いながら家に帰ったのでした。

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2009.07.28

林静一展と山形弦楽四重奏団定期演奏会

結局、7/26(日)のことは今日になりました。
昼過ぎまでのんびり(といっても脳ドックのレポートを一件片付け)して、お昼は鶴岡のファイヤーボールで摂り、高速に乗って山形を目指します。

山形市美術館で7/25から始まったばかりの林静一展。
Photo家内が観たいと言わなければ私は特に強い興味はない分野なのですが。
ロッテの「小梅ちゃん」もTVCF位は知っていてもおそらく一度も買った事もなければ食べた事もないと思います。でも、可愛らしい絵は印象的です。
「春夏秋冬」季節に応じた、可憐な少女や妖しい熟女などが展示されていました。一番興味を持ったのはアニメ「源氏物語」のセル画。とても美しい。源氏物語はやはり世界に誇る日本の文化だと思います。

初日の7/25と2日目の7/26は、林静一氏によるトークショーとサイン会があったらしいのですが、到着したのが15:00を回っていたのでとっくに終わっていました。

ゆっくり見て回ってもまだ16:30。
山Qの演奏会開場まで45分。
ということで、お茶でも飲もうと思ったのですが、山形美術館の喫茶部は終了していて、文翔館も16:30で閉館。仕方ないので七日町方面に少し歩いて、「シャンソン物語」に行ってみると、なんとなんと定休日。ドトールでもいいかな、、、と思ったら、すぐ近くに「レオン」というお店があったのでそこでアイスコーヒーなんか注文。

雨が降ったり止んだりで、和装の家内はちょっと大変。
17:25頃会場に到着。
まもなく「アンサンブル・トモ’ズ」のお二人によるプレコンサートが始まりました。文翔館議場ホールの木造にあったやわらかい、優しい音色が響きます。とてもステキでした。

Q_218:00の15分も前に、チェロの茂木さん登場。「前説」を始めます。
メンデルスゾーンのリハ中に雷鳴があったそうで、妖しい天気の中本番はどうなるかお楽しみに、ということでした。

コンサートの解説は、いつもながらnarkejpさんのブログが詳細で的確ですので、「電網郊外散歩道」をご参照下さい。

1曲目、ハイドンのOp.20-2の四重奏曲。別名『バグパイプ・メヌエット』と言われています。
3楽章のドローンと呼ばれる保続音がバグパイプの演奏に似ている事からこの名がついたそうです。この曲は、ハイドンがまだ40歳になったばかりの頃に書かれた作品で、プログラム最後の「皇帝」と呼ばれる第77番から観れば、20年以上前の作品です。しかし、聴き比べてみても古くささを全く感じさせない、ハイドンらしい作品だと思いました。

2曲目はメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第6番ヘ短調。
最愛の姉ファニーが亡くなり、嘆き悲しみ、メンデルスゾーンの心がそのままストレートに音楽になっているようです。ちなみに、姉の亡くなった数ヶ月後の同じ年にメンデルスゾーンも亡くなっています。死因は脳卒中と伝わっていますが、38才の若さだとすると、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血ではなかったかと勝手に想像しています。深い悲しみがストレス源となって瘤を大きくし破裂したのではないでしょうか。
半年後に自分も死んでしまう程の深い悲しみに襲われた姉の死。この曲は、すべてがその嘆きのようで、唯一の緩徐楽章である3楽章さえ、苦しみの中の諦めのような、安らぎの感じられないアダージョでした。
チェロ、ヴィオラ、第2、第1バイオリンと断続的に繋がる苦しみの音楽、激しい悲しみの感情がほとばしる印象でした。山Qの皆さんの鬼気迫る演奏に引き寄せられたのか、天候は一挙に悪化し、雨がザーザー振り出し、ついにはゴロゴロゴロ、ドドーンと雷鳴も轟きます。ホールの外の音というのは、たいてい音楽には邪魔なものですが、この時ばかりはメンデルスゾーンの嘆き悲しむ声が弦楽四重奏曲と一緒になったようで、とても効果的(?)な雑音だったように感じました。

休憩後、後半はハイドンの有名な「皇帝」。
67才の老成したハイドンですが、曲は緻密で新しさに満ちていて、しかも「ああ、ハイドン、、、」という安心感を聴く者に与えてくれるような旋律や進行。
特に第2楽章の、現ドイツ国家の元となった曲は美しく、変奏曲も楽しめました。
個人的には、この曲の4楽章が印象的でした。

男性3名は、7/24,25と2日続けての山響定期でブルックナーの3番を熱演したばかり。いくらプロとはいえ、疲れた体に鞭打ってと勝手に思っていましたが、やはり音楽の力でしょう。まったく疲れなど感じさせない激しい演奏でした。だちゅさんもいくつかのオケの掛け持ちや依頼演奏など多忙な日々が続く中、美しい響きを奏でておられました。「皇帝」の2楽章のソロの部分、新しい(?)ヴァイオリンの音色はとても甘くてウットリさせられました。

アンコールは、モーツァルトの「コシ・ファン・トゥッテ」から『アリア』。あれは、元々はフルート+弦3本の楽譜を、フルート譜を第1Vnで演奏したのだそうです。私は演奏した事がなかったので中爺さんに言われるまでは知りませんでした。


演奏会が無事終わっても、まだ雨はザーザー降っておりなかなかの天気でしたが、熱い3曲+αでした。特にメンデルスゾーン生誕200年とハイドン没後200年を記念したものでしたが、死を意識させる曲もあり、雷鳴も轟き、激しい演奏に胸が熱くなりました。

山Q庄内演奏会、特に幸松肇作曲『弦楽四重奏のための最上川舟唄』庄内初演を画策(?)して、終演後に「打ち上げ」に混ぜてもらいました。しかしそこで判明したのは、酒フィル定期が終わる10/25以降で、土日に庄内に来てもらえる日程はほとんどない(山響の演奏会、音楽教室、その他にだちゅさんの怒濤のスケジュールのため、4人共空いている日はほとんどない!という状態)ということ。
もう少し可能性のある日を広げて考えてみたいと思っています。

静かな絵画展と激しい演奏会、そしてその後のホルモン焼き(ただし、酒は飲めず、、、悲)。
充実した日曜日でした。

本日のオマケ。
山形に行く前によった、鶴岡のファイヤーボール。
Photo_2午後1時過ぎに行ったのですが、待って並んでいる人がいました。予約して行って正解。
家内は、豚トロとパプリカのスパゲッティ。私は写真の、メジマグロとアボガドの冷製スパ。
普通、冷製スパというと「エンジェル・ヘアー」などの細い麺を使う事が多いが、おそらく1.2〜1.4mmの普通のスパゲッティの麺でした。
味は、とても美味しい。マグロが生臭くなく、スープが絶妙で、醤油が少し隠し味に入っているかな?皿まで舐める勢いで美味しく平らげました。

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2009.07.27

7/25と7/26の演奏会の事(2日分も書けるか?)

Photo_57/25(土)は、山形交響楽団庄内定期第9回酒田公演でした。
午後4時、希望ホールに向かうと、すでに実行委員の方々がプログラムにチラシ挟み込みの作業中。私も加わり4時半頃までに1000部を超えるプログラムにチラシを挟み終わりました。

フルートの足達先生を捜そうとバックステージに向かうと、7/20にクーセヴィツキーのコントラバス協奏曲で素晴らしい演奏を披露して下さった柳澤さんはじめ、GPを終えてくつろぐ団員の方々にお会いできました。トランペットの井上さんが「足達さんはこっちですよ」と『練習室③』と名前のついている楽屋(「管楽器首席控え室」との張り紙あり)に案内して下さいました。

この秋の酒フィルのメインである「ドボ7」を見ていただく約束になっていたのです。
足達先生の指導は実践的。いつも「歌心」と和音やその進行を指導されます。逆に言えば、私はただ「楽譜を見て吹いているだけ」で、音の並びによる和音とかその進行に対する注意力が「0」の上、「歌心」が足らないのです。
まだまだ練習が足らないというか、レベルの低い練習しかしていなかった事を思い知らされました。「フレーズ感」とか「旋律の流れの中での歌(心)」などを注意されました。また、第3レジスターのHの音、つまり普通のフルートで出せる最高音のC(ド)の一つ下の「シ」の音をpやmpで抜けよく出せる《替え指》を教わりました。足達先生のレッスンでは、春の「ピーターと狼」の『小鳥』を見て頂いた時もそうでしたが、有効な替え指をいろいろ教えて頂いて本当に勉強になります。教わった事に注意しながら練習をして行きたいと思います。本番の10/25までは3ヶ月あるのですが、必死に頑張っていい演奏をしたいなーと思っています。10月に山響が音楽教室で酒田方面に来る予定があるので、またその時に見て頂く約束もしました!

緊張しながらレッスンを受け、終わったら結構ぐったり〜。その時点で17:30頃。
ホール受付近くに戻ると、山響事務局の方に「1階のドア係をお願いで来ますか?」と言われました。ドア係になるんだったら、スーツとかジャケットとかもうちょっとまともな格好してくるんだった。。。

〜〜〜〜〜
17:45、開場です。
18:30開演なのですが、18:20より少し前にマエストロ飯森の「プレ・コンサート・トーク」が始まりました。今日のプログラムであるバルトークのビオラ協奏曲とブルックナーの話、特にブルックナーがアイドルとして憧れていたワーグナーにやっと会えて舞い上がってしまった時のエピソードなどが面白かった。
そして、飯森さん、山響、希望ホールといえば、「この話題」ということで当然映画『おくりびと』の話になりました。酒田定期を飯森さんが振るのは仲道郁代さんと共演した昨年5月以来。『おくりびと』の封切りは昨年9月、米国アカデミー賞受賞は今年の2月でしたから、賞を獲ってからは初めての酒田でのコンサート。

ということで、プログラムに必要のない、シュタインウェイのグランドピアノがステージの上手に準備してあり、客演首席のチェロ奏者を呼び入れて、飯森さんのブログに予告した通りのサプライズ。飯森さんがピアノを弾いて「おくりびと」のテーマ曲の演奏で酒田の聴衆にサービス!

サービスと言えば、Photo_27/20に発売されたばかり(先行的には、東京の「さくらんぼコンサート」でも発売したらしい)なのに、すでに第3刷になったという売れ行き絶好調の本。
熱烈な飯森さんの追っかけでなくとも、買って読む価値のある本ではないかと思う。少なくとも、山響を愛する人、オケを愛する人、音楽に興味はなくても「起業家」やビジネスで頑張っている人、行き詰まっている人にもヒントになるような事がたくさん書いてある。

飯森さんは常日頃「音楽家はサービス業です」と言っている。真意の程を完全に理解している訳ではないが、いわゆる安直な意味での「サービス」ではないと思う。
「今日は、サービスで一品多く付けといたよ」と居酒屋の店主が言うのもサービス。それも「顧客を喜ばせる」という意味では正しいサービスだと思う。しかし飯森さんが言っている「サービス」というのは言葉の原点に立ち返れば、「serveすること」なのだと私は思っている。元々、オケ団員が燕尾服を着ているのは、雇い主である宮廷の貴族に「仕える」立場の音楽家が、食事を給仕する係と同じ立場だからと言う説がある。つまり偉いから燕尾服を来ているのではなく、偉い人の前で働くからきちんとした身なりとして燕尾服を身につけた被雇用者と言う事なのだろう。
「給仕する」とは、英語で"serve"。その名詞が”サービス”。
だから、貴族社会の崩壊した現代の民主主義国家において、時間を工面してお金をはらってコンサートを聴きにくるお客様こそが、雇い主である貴族と同じ立場。その雇い主に精一杯の給仕をするのが被雇用者である音楽家、と言うことになるのだと思っている。

だから、常に今と先を観て、「雇い主」が喜び続けるような、「給仕する者」として雇用し続けてもらえるような、場合によってはお手当を増やしてくれる気になるような、サービスを提供し続ける事が現代の音楽家にも必要なのだと言っているのだと思う。オケ団員や指揮者が「雇い主」に「給仕する」ものは「音楽」である。よって質の高い、聴衆が「おっ!」とか「おや?」と思うような、かつ本質的な音楽を提供する事が、最高のサービスであり、何も揉み手に笑顔で接待する事ではない。

まだ全部を読み終えた訳ではないが、私が座右の銘とする『敬天愛人』に近い思想も書かれている。
「苦境の時こそ次へのステップと考える」とか「嫌な思いをしても『ありがとう』と思う」というのは、今でこそ啓発本などによく書かれているが、古今東西を問わずに人生の真理だと私も思う。
そして「当たり前のことを当たり前にやる」という話。
まるで、飯森さんと同じ横須賀出身である私の師で元上司である山形大学医学部長のような発想だと思う。神奈川県人、横須賀市民というのは、こういう人たちが多いのだろうか(元首相もそうだが)。

〜〜〜〜〜
さてさて、話が大きくずれてしまったので元に戻す。

プログラムは、前日山形テルサでの第198回定期と同じ。
バルトークのビオラ協奏曲とブルックナーの「3番」。
ビオラの清水直子さん、素晴らしい演奏。ビオラの先入観(なんとなく、くぐもった音で渋いけれど暗い?)を覆す。
力強く、しなやかで、時に軽やかに、時に重苦しく、本当に表現の幅の広い楽器だと思う。その音域からも人間の声に近いし、まさに楽器を通して歌っているようだった。ベルフィルのビオラ首席ということだが、オケの団員でもトップクラスの人はこういう風にソリスティックな事でも何でも出来ちゃうんだな〜と思った。ただ、私個人の問題だが、直前の足達先生のレッスンで頭と体の疲れていた私は、あんな魅力的な音楽なのに少々まどろんでしまった。

後半のブルックナーは、確かに完成度からすれば「4番」の方が上だと思われるが、まだ「スケッチ」のような第1稿にあえてアプローチした飯森さんの考えが分かるような気がした。山響の10型(第1バイオリンが5プルト=10人)の編成で、第1と第2ヴァイオリンが向かい合う対向配置というバランスが難しい構成で、あのアンサンブル、そして弦楽器の中を移動して行くフレーズやピッチカートの妙味。今回の客席が1階中央前よりだったことも幸いして、スコアに書かれた複雑なリズムやフレーズの移動がとても楽しく面白かった。
特別首席コンマス(記載の間違い訂正しました)の高木さんの音は、やはり群を抜いている。ヴァイオリンが乱れそうになる所をぐぐっと引き寄せて統率していたし、その音色がまた全体をきっちり締めていたと感じた。

そしてやはり井上さんはじめ金管群の素晴らしさが光る。もちろん木管も良かったが、金管の見事さ(もちろん小さな事故のようなものはあるけれど)は秀逸だったと思う。ホルンも素晴らしかったがホルン全体のアンサンブルとしては物足りないところも感じた。その分、山響にはまだまだ伸びシロがあると言う事だと思う(失礼な言い方で申し訳ありませんが)。

「へぇ〜、山響、なかなかやるな〜」という感想を持たれる時期を過ぎて、「山響って凄いんだね」と聴きに来るお客さんが増えて来た訳ですから、常に当たり前に質の高い音楽をサーブしなければならない。ハードルが上がっている訳だから、飯森さんはじめ山響の指揮者陣も、オケ団員も高くなったハードルをなんなくクリアしながら走り続ける必要がある訳である。
山響FCの一人として、特別なことはできないけれど、プログラムにチラシを挟むとか、ドア係を手伝うとか、それくらいの事はどんどん手伝ってサポートして行きたい。

Photo_3終演後の「交流会」。
飯森さんは、1曲で1時間を超える「3番」を演奏し終えたばかりなのに、客席から出てくる観客よりも速い位にロビーに登場。いつものJS先生が所用でいらっしゃらないのか、インタビューは地元の芸文協関係の先生。ちょっと盛り上がらない話だったが、飯森さんが気を使ってお話しされていた。
Photo_4着替えた清水直子さんをお迎えしてのトークも、イマイチ盛り上がらない話になってしまったが、桐朋の先輩後輩の関係もあり、清水さんはマエストロと山響のブルックナーのことを絶賛していた。しかし、ヴィオラ協奏曲なんて生で初めて聴いたけれど、やはり私にとっては弦楽器の中でもっとも魅力的な楽器だと思う。


実は、ちょっと前から、コンサートの翌日に某高校吹奏楽部の指導のため酒田泊との情報を聞きつけていたTpの井上さんを囲んで、打ち上げをという企画が出来ていた。加えて、Obの麻咲さんも同じ仕事で酒田泊とわかり、加わっていただく事に。地元酒田の山響FCメンバーだけでなく、鶴岡市、山形市、仙台市など方々からいらした方も加わり、最後にはKさんがマエストロまで連れて来られた。
そこでいろいろな話が出る中、「山響が山形にあることを当たり前と思っちゃ行けない」という発言があった。確かに、日本において、たった人口120万の県に、たった人口25万人の県庁所在地にプロのオーケストラがあるなんて、山形だけ。
人と金が溢れ返る東京にプロオケがたくさんあるのは、まあ当たり前だろう。
札幌、仙台、広島などは政令指定都市。小さな町としては、石川県金沢市のOEK。でも金沢市は加賀百万石の城下町で人口も45万人を超える、伝統と文化の香り高い北陸一の都市である。
翻って、山形は、サクランボ、ラ・フランス、蕎麦、温泉は有名だが、文化の香りが高いかと問われると「、、、、」となる。そこに、今や日本中の音楽ファンから注目を集めるオケがある。その実力を引き出し、高めたのは、上記の本にある通り、マエストロ飯森の手腕(企画立案実行の力)に他ならない。
しかし、一番最初に「田舎にオケがあってもイイじゃないか。ヨーロッパでは当たり前のことだ。なんで山形にオケがあってダメなんだ?」と考えて山響を創った、村川千秋さんがやはり凄いと私は思う。「地方の子供達、田舎の子供は音楽を聴く権利がないのか?地方の人間はクラシック音楽を生で聴けないのか?」と考えて、オケを創り、コンサートを開き、自らトラックに楽器を積んで運転して地域の小中学校を回り「音楽教室」を開いた、先駆者である村川千秋氏の事を決して忘れてはいけない。

「山形には山響がある」。これは山形の人には「当たり前」。
山形の人間がそう思う事は、おかしなことではなく、実は素晴らしい事なのだと思う。
「え?他の県にはプロオケってないの?」と不思議にすら思う感覚。
これはヨーロッパの歴史ある地方小都市には、人口が10万人足らずでもオーケストラがあるのが当たり前。ちょっと大きな都市になればオペラハウスがあるのが当たり前(日本で言えば歌舞伎座が大きな地方都市には必ずあるようなものか)。そういう感覚に近いのではないかと思う。

今回も素晴らしいコンサートを聴いて幸せだった。
音楽監督の秘密ノートによれば、来シーズン(2010-2011年)のコンサートも決まりつつあるらしく、先日の記事に書いた上山出身の永田美穂さんが定期演奏会に初登場するとか、希望ホールで「アルプス交響曲」をやるらしいとか、ドボルザークの7番(酒フィルの今年の定期のメイン!)もあるとか、なんだか聴いただけでワクワクどきどきするような秘密が少しばらされた。
まあ、これはあくまで秘密。未公開(?)。プログラムは計画段階ということなので、今後変更されることは大いにあり得るのでしょうが、更なる期待を寄せるものである事は確か。

長くなったので、7/26(日)、山形弦楽四重奏団第32回定期演奏会 in 文翔館議場ホールは明日以降に書く事にします(明日の夜は、「プロムジカ合唱団」酒田公演なので、明後日になるかも、、、)

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2009.07.24

今後の演奏会、ほか

今週は月曜日が休日だったこともあって火曜、水曜とクリニックはいつもより患者さんが多くて慌ただしく過ぎてしまった。考えてみれば、その月曜日、酒田中央高校のコンサートに出演させてもらったのだったが、たった4日前の事とは思えない位、昔の様に感じるのはどうしてだろう。。。

ブログにでも載せようと思って撮っていた写真を少し並べてみようかな。
Pピアニスト永田美穂さんが、故郷の上山でコンサートを行う。
永田美穂さんは高校から桐朋学園に進み、同大学を卒業後、パリのエコール・ノルマル、イタリアのイモラ国際ピアノアカデミーで学び、数々のコンクール入賞歴、オケとの協奏曲、室内合奏団との共演、ソロ・リサイタルを経験し、まだ若いけれど活躍中。今後も更なる大活躍が期待される。

何年か前に、山響のコンサートの後、音楽監督の飯森さんや特別客演首席コンマスの高木さん達と山響FCメンバーを交えて一緒に写真を撮ったことがあった。
Fc写真は小さめにしました。
飯森さんの奥に座っている可愛らしい美人さんが永田美穂さん。私は後ろに立っています。
話をすると愛らしい女の子だが、演奏になると凄い。
今、日本にはこういう有能、優秀な若手ピアニスト、若手音楽家が唸る程いますね。

パリなど海外で活躍中の彼女の演奏を山形で聴ける機会は少ないので、8/30(日)、頑張って行ってみようかな。

そういえば、山響は今日が山形テルサで第198回定期演奏会。
明日は、酒田希望ホールで庄内定期酒田公演です。私は酒田定期の実行委員(つまり裏方手伝い)なので、プログラムへのチラシ折り込みとかチケットもぎりとかドア係とか終演後の片付けとかそういう仕事もあります。「酒田定期」の法人会員にもなっているので、招待券が全部で6枚あり、会員年会費相当の格安チケットとして配布しています。
プログラムは、
前半がバルトークのヴィオラ協奏曲(遺作)で、ベルフィルのビオラ奏者清水直子さんをソリストに迎えます。
後半は、ブルックナーの交響曲 第3番 ニ短調(第1版)です。

飯森&山響で、今年の1月にブルックナーの「5番」を山形テルサで聴き、先日7/6には新潟「リュートピア」で「4番」を聴き、そして明日は希望ホールで「3番」です。
同じ作曲家の交響曲を半年の間に、同じ指揮者&オケで3曲も聴けるなんて、そんなにある事ではないでしょう。明日の酒田公演も本当に楽しみです。

清水直子さんは、昨年バボちゃんと一緒に遊佐公演に来たベルフィルビオラの超ベテラン、シュトレーレ様(「のだめ」のシュトレーゼマンみたい)の同僚ですから、チャンスがあればそんなお話もしてみたいものです。

そして、明後日、7/26(日)は、山Q(山形弦楽四重奏団)の第32回定期演奏会。いつもの文翔館議場ホール。
今年は、ハイドン没後200年、メンデルスゾーン生誕200年なのでその二人の作品の予定。
(今年の酒フィル定期のプログラムを決める際に、メンデルスゾーンの生誕200年を記念して、私はメンデルスゾーン作曲交響曲第3番「スコットランド」を推していたのですが、選曲委員会の意向で「ドボ7」になった訳です。でもフルートの出番が多くて大変だけどいい曲です。)

「山Q庄内定期」in 《ジョンダーノ・ホール》の打ち合わせもしなくっちゃ。

〜〜〜〜〜
(余談)
もうすぐ7月が終わります。
今、庄内地方は庄内メロンの収穫期。メロン農家の方は多忙を極める時期でしょう。
Photo秋田でもメロン栽培は盛ん。家内がかつて奉職した地域の八竜砂丘メロンは有名です。先日家内の両親から送られて来たメロン。甘くて旨いです!
マンゴーがなくなってもメロンがあります。朝ご飯にメロンが出てくる日もあります。糖尿病にならないように気をつけなくちゃ。

最近、あまりパッとしない天気が多く、自転車通勤が出来ません。
朝方から雨が降っていたり、日中は雨との天気予報のため車での通勤になってしまいます。
でも季節は確実に夏で、うちの近くをうろつく、「外」ネコの白サンズ二匹は時に家の庭やベランダでくつろいでいます。
Photo_2ある朝、出かけようとしたら二匹ともだらしなく伸び切って寝ていたのでカメラを構えた所、気配を察し「ちいさいさん」(と家内が勝手に名前を付けた)が起き上がってあまり可愛いとは言えないその面相で見送ってくれました。(^^
 最近、夜遅く帰っても、車のエンジン音などで分かるのでしょう。どこからともなく現れて、玄関の真ん前にちょこんと座って、まるで「ハチー約束の犬」の如く御主人(?)の帰りを「お帰りなさいまし。お待ち申しておりました。」とばかりに出迎えてくれるのです。
写真で伸び切っている「おおきいさん」は、図体と顔はデカイのにとってもちっちゃなハートの持ち主で、ちょっと脅かすとピュ〜っと逃げて行ってしまいます。


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2009.07.22

ブランデンブルグ協奏曲に挑む!

今日は、クリニック終了後、「ジョンダーノ・ホール」でブランデンブルグ協奏曲の第4番を練習しました。いろいろ皆さん、予定があるので、第2フルートとヴィオラが不参加でした。
第1フルートは私。
それにヴァイオリン・ソロ、ヴァイオリンの1番、2番、チェロ、コントラバス、そしてチェンバロの7人で練習しました。
「YouTubeのブランデンブルグ4番」をご覧下さい。

今日の所は、テンポの確認、合わない部分の確認、などなど「初合わせ」のため、確認作業が中心でしたが、ダイナミクス、トリルの処理、楽章の最後の終わり方などに課題がたくさん残りました。ちょっと勉強しないとダメですね。

でも、こういう日(練習がある)に限って、開業後、最大の患者数、最大の新患数、最大の午後新患数、最大のMRI検査件数、最大の午後のMRI件数を全て更新し、当然最大の医業収益でした。昨日も忙しかったですが、さらに忙しい日でした。一日の患者総数52名、新患総数15名、MRI検査数16件(昨日は14件でしたが、脳ドックが3件入っていたのでMRIとしては昨日の方が大変でした)。
大学の同級生の整形外科医などは、一日の患者数が250名を超えるとか。後輩に内科医は一日の患者数は軽く100名を超えるとか。数で比較すれば、「まだまだ」です。

しかし、新患は受付の問診の後にさらに診察室で結構しつこく問診して、病状や病態を推測するため、診察に結構時間がかかります。今日は、さらに転倒して顎を切った患者さんを4-0ナイロン糸で7針縫合処理をしたりして、途中外来がストップしたりで午前中も忙しく、午前の診療が終わったのが午後1時半を回っていました。それから昼食を摂って、ちょっと休んだら、すぐに午後2時からの診療で、途切れる事なく午後6時40分までかかってしまいました。

「ジョンダーノ・ホール」での練習は、18:30集合、音だし、18:45頃から揃いしだい合わせ練習と言っていたのに、自分が笛を吹く体勢になれたのが18:50を回っていました。
でも、楽しい!ブランデン!
ヴァイオリン3名、チェロとCb各1名、酒フィルの名手が集まったので、練習とは言えとっても楽しんでしまいました。

おかげで、新患を15人診たストレスが吹っ飛んでしまいました!
やはり、「音楽は 喜びの友 悲しみ(&疲れ)の薬」ですよ。

そういえば、今日は46年振りの皆既日食でしたね。
こちら(NHK online)で見れます。
「あ!今日は日食だよね、、、」
と気がついた時には、もうお昼を回っていましたよ、、、

あ〜、大変な一日でした。。。

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2009.07.21

酒田中央高校音楽部第37回定期演奏会に出演

緊張したけど楽しかった!
中央高校の学生さん、まだバイオリンやチェロに触れて2年ちょっと、短い人で3ヶ月半(1年生)なのに、凄い上手い。お世辞抜きで上手かった。

写真は、すべて家内が撮ってくれたものです(私は出演者なので撮れません)。
一応、写真や録音は禁じられていますが関係者だからいいですよね?>Mさん


Photo第1部。
ロビーコンサート。
まったく学生だけ。指揮もなし。
「プリンク・プランク・プルンク」なんて、難しいピチカート奏法なのに、凄い上手。
「酒フィルより上手いんじゃない?」って聴きながら皆で言ってた。

Photo_2第2部は、「モツ肉」、もといモーツァルトの交響曲第29番の第1楽章から。
指揮はM氏で、弦楽合奏の学生のみ。なかなかの出来。
続いて、エルガーの「弦楽セレナーデ」。いい曲だが難しい。よく弾きこなしていた。

そして、待ってました!クーセヴィッツキーのコントラバス協奏曲。
ソリストは山響Cb奏者の柳澤さん。
素晴らしい演奏!

Photo_3私もフルートで出演。
コントラバスはどんなに頑張っても低音なので、響いてはいても音の直進性が弱い。
管楽器のアンサンブルは、コントラバスを消してしまいがちなので、mf=pくらいのつもりで演奏。
ppやpの表示は辛かった。
でも楽しかった。
柳澤さん、ブラボーです!

Photo_4満員とはいかない、ちょっと寂しい聴衆ながら、盛んな拍手に応えてアンコール。
曲名は秘密。
コントラバスで朗々と謳っていただきました。

Photo_5第2部の後半は、シューベルトの「未完成」。
交響曲ですが2楽章しかないので30分どころか、20分くらいで終わってしまいます。
セカンドでファーストに寄り添う楽しさ、クラやオーボエとのアンサンブルを気持ちよく感じました。

Photo_6最後はエルガーの「威風堂々」第1番。
ピッコロで出演。これも楽しかった。
オケの中で一番小さな楽器で、一番高い音を出し、指揮者やティンパニなどとともにオケを引っ張っている感じがして面白かった。
〜〜〜〜〜

今日は、大変忙しく(昨日が休日だったから)、新患が10名+脳ドックが3名。MRIは全部で17件と開業以来、一日で最大検査数となった。そんな状況なので、演奏会の感想は、写真中心で極めて簡潔に終える。

診察室での全ての仕事を終えたのは19時を回っていた。
それからアポイント1件を済ませ、脳ドックの頸動脈エコー検査画像をパソコンに取り込み、息つく暇もなく、フルートの練習。
今度は、8/16の「街かど音楽祭」でやる、JSバッハの「ブランデンブルグ協奏曲第4番」。
家内のチェンバロとフルート1本のみの合わせ。およそテンポを決める。
ブログを書いたのは21時過ぎてから。これから帰宅してお食事。

さあ、明日は、ジョンダーノ・ホールで、集まれるだけの人で初合わせ練習である。

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2009.07.19

アンサンブル

Wikipediaより。
「アンサンブル(ensemble)は、フランス語で、「一緒に」(副詞)または「一揃い、全体」(男性名詞)と言う意味。英語では前者はtogether、後者はset, wholeに相当。」
「アンサンブル(ensemble)とは、音楽用語で2人以上が同時に演奏すること。
合奏、重奏、合唱、重唱の意味、あるいはそれらの団体の意味にも用いられる。オーケストラ(管弦楽団)というと規定の楽器編成を満たした大人数の演奏団体(大体50-100人前後)を意味するため、これに含まれない室内楽の演奏団体をアンサンブルと呼ぶことが多い。」

ここに書かれているように、50名を超す様な大所帯のオーケストラ「全体」にはアンサンブルという言葉は使われないようである。しかし、つまるところオケもアンサンブルに違いない。
弦5部のトップ奏者、少なくとも前の方に座る第1・第2バイオリン、ビオラ、チェロの4人が、オケの中でソリ(ソロの複数形)になって演奏することがある。あれなどは典型的なアンサンブルで、それを抜き出したのが「弦楽四重奏」という演奏形態なのだろう。

木管楽器も、中央よりに座るフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ちょっと離れたホルンが揃うと「木管五重奏団」である。敬愛する『アフラートゥス五重奏団』(「アフラートゥス庄内公演」参照)もそれぞれベルフィル、チェコフィル、プラハ響で活躍する若手〜中堅トップ奏者で構成されている。
交響曲の中でも、たとえばブラームスとかドボルザークなど、曲の途中に木管だけのアンサンブルとか金管、特にトロンボーンによるコラールとかそういう手法を取り入れている音楽も珍しくない。

つまりオケの中でも、ところどころで小さなアンサンブルが演奏されているし、そういう小さなアンサンブルの積み重ねや広がった形がオケそのものだとも言える。弦楽四重奏や八重奏や木五や金管八重奏などと違うのは、オケには一般的に「指揮者」が存在する。もちろん、8〜12名くらいの小さなアンサンブルでも指揮者がいて行けない訳はないし、バロック時代のようにチェンバロ奏者が指揮者を兼ねて真ん中に座り、演奏しながら指揮をしてアンサンブルをまとめるという演奏形態もある。

いや、話の展開を間違ったようだ。
本来の音楽は、ソロ演奏からアンサンブル(一人で歌うから二人、三人、四人と合唱に発展)へ、そしてより大人数での迫力ある編成の音楽へと発展する途上において、「指揮者」という特別職を生み出したのだろう。ドイツ語で指揮者の事をleiterというが、ドイツ語が使われる医学界にいる身としては結構なじみのある言葉である。

(教授)「おい、この手術、お前がleitenしろ(またはleiterやれ)。」
(小生)「はい、わかりました。」

若手の医師に手術をさせる場合に、横に指導する立場の上級医がぴったり付き添って、基本的には若手医師に執刀させるものの、横からアドバイスしたり、危ない場面では代わったり(顕微鏡手術の場合は電動椅子に座る執刀医と交代する)して、高いレベルでの手術を実践しながら若手を教育し養成するということは世界中で行われているはずである。私も若い頃はたくさんの先輩医師に横についてもらって手術を覚え修行したし、ある程度の立場になってからは自分の執刀手術以外に、指導医、上級医の立場で若手医師の横に突いて「お目付役」「指導者」をやった経験がある。

leiterという言葉には、そういった「指導」という意味合いが含まれているのだが、指揮者と演奏者であるオケの団員の関係は、必ずしも「指導者」と「指導を仰ぐ立場」という上下関係ではない。指揮者とは、オケ、または大型のアンサンブルをまとめる「調整役」とか、一緒に音楽を創る上で中心的存在ではあるものの、「アンサンブル」の中の一人と考えることも出来る。

しかし、オケの中で実際に演奏をする立場で考えると、指揮者(指導者)に言われたからするのではなく、近くに座るものとして自然に「アンサンブル」を形成する必要性がある。フルートは隣りにいるオーボエと寄り添い同じメロディを奏でたり、木五のような感じで入れ替わり立ち替わり旋律を演奏する楽器が移動しながらアンサンブルを形成して行く事が少なくない。だから、自分がフルートのトップを吹く際には、横に座るセカンド・フルートよりも、アンテナはオーボエやうしろに座るクラ、ファゴットの方に向いて立っている感じである。もちろんセカンド・フルート以下を無視するものではなく、フルート・パートをまとめあげる技量や指導性もトップ奏者には求められるが、やはりオケの中では旋律楽器の一つとして弦や他の楽器との調和を保ちながら、ソリスティックな部分では歌い、アンサンブルの中で一つのパートとして機能を果たすという仕事が大きい。

日付も変わり、酒田中央高校音楽部の定期演奏会はもう明日のことになる。
昨日、土曜日、診療終了後急いで昼食をすませ、13:45頃すでに始まっている練習に参加した。
クーセヴィツキーのコントラバス協奏曲ではフルート・トップを吹くが、ソロのコントラバスを活かしつつ、オケの中では隣りのオーボエや後ろのクラ、そしてセカンド・フルートとのアンサンブルがどんどん出てくる。自分の思う様な感じでアンサンブルが決まると気持ちがよい。leiterである指揮者が望む形、ソリストであるCb奏者が望む形になっているのかどうかは、今日、明日の練習で確認しなければならない。
シューベルトの「未完成」では、セカンドを吹くが、トップに寄り添い、合わせる感覚が少しは分かって来た様な気がしている。自分がトップを吹くと分かるのだが、トップ奏者には「おいしい旋律」があったりする代わり、オケの中でかなりの緊張がある。オーボエなど他の楽器とのアンサンブルに神経を集中させる部分もある。フルートのセカンドはそういうトップの心理的な重圧を思いやりながら、自分をやや抑えて一緒に音楽を創るために「合わせに行く」という感覚が必要であろう。

特に音程には気を使う。
自分の音程感覚だって自信がないのであるが、自分だけではなく他の楽器の音程も気になるものである。隣りに座るフルート・トップがいつも完璧な音程で吹けているとは限らない。むしろ高音での「上ずり」は気になる(自分が吹いていてもそうなるのだが)。
そういう場合は、しかし、トップ奏者の音程に合わせてアンサンブルを創らないと、フルートパートの中だけですでに音楽が崩壊しかかることになる。昨日の練習では特にそういう面に神経を尖らせた。

そして昨日の夜はいつもの市民オケの定時練習。
先週まで3週続けて、合唱団の伴奏練習で、10/25の酒フィル定期の練習は4週間ぶり。メインの「ドボ7」のみの練習だった。4週ぶりの鬱憤を晴らす(?)かのように、まずは全楽章通しての練習から始まった。参加者は皆気合いが入っていたようで、そこここに問題はたくさんあるものの、なかなかの熱演だったように感じている。フルートパート内の話し合いで、ようやく私が「トップ」を吹かせてもらう事に決まって初めての練習だったので、特に気合いが入った。この曲も、隣りのオーボエとのアンサンブルがたくさんある。まったく同じ旋律をず〜〜っと二人で演奏する部分もある。

うまく決まると美しいし嬉しい。
逆に、ずれたり決まらないと悔しいし残念である。
フルートのセカンドは仕事の都合で少し遅れて練習に参加したが、このオケの中では私の先輩にあたるし(年は下だが)、昨年の定期の「シベ2」ではトップを吹いた人。しかし仕事の関係で「ドボ7」の練習に参加するのは今回でまだ3回目くらいのはず。私自身は、3月のファミリーコンサート(あの『ピーターと狼』の小鳥を吹いた)終了後から、今日までにオケ全体練習は12回目(加えて管分奏トレーナー練習もあった)になっているが、まだまだ練習が足らないので、うまく吹けないどころか、きちんと音が出せない部分もある。本番まであと3ヶ月もあるのだから、まだまだこれから頑張ればいいのだが、「トップ」を吹く事が決まった以上は普段よりも練習に緊張を覚える。
「ドボ7」はやりがいのある曲だが、なかなかに難曲だ。フルートにも相当高い技量が要求されている。その分、「おいしい」ところも満載である。団内指揮者の棒をよく見て合わせつつ、弦の音程や音量を考えながら、そして隣りのオーボエや周囲とのアンサンブルを十分念頭に置いて、「トップ奏者」としての力量を見せなければ、と多少力むところもあるのは偽らざる心境である。
さらに、来るべき本番指揮のマエストロ井崎氏による「指揮者練習」を想像しつつ、どんな棒にも自在について行けるように演奏するシミュレーションも考えながら、難しいパッセージに苦労しながら(シドロモドロになりながら、とも言う)吹いていたら、途中から胃の辺りが苦しくなって来た。
苦しいというか、多少むかむか、吐き気もするような痛み。

朝から午後1時まで休みなく働いて、急いで昼食を摂り、また休む間もなく高校音楽部の賛助出演の練習に参加し、午後4時から「ジョンダーノ・ホール」でプロのオーボエ奏者の指導を受けているMS嬢のために「店番」をしてくれていた家内と交代するためクリニックに戻り、そこでオケの練習計画表を作ったり、脳ドックのレポートをチェックしながら午後6時過ぎまでいて、急いで自宅に戻り簡単な夕食(最近このブログにコメントはないが、時々は見てくれているはずの酒フィル元団員のKS氏が届けて下さった鮎がメイン、旨かった!)を済ませて、午後7時からの練習に参加するためでかけ、上記の様な事を考えながらみっちり2時間練習をしたのである。
ちょっと無理したかな、という反省はあるが、夜9時過ぎに家に帰って最初にした事は、「胃薬」を呑む事だった。その後はベッドに倒れ込んだ。

タイトルと、ずいぶん離れた内容になってしまったが、アンサンブルってものはまじめに考えると「胃が痛くなる」ことなのかもしれない。

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2009.07.15

次のコンサートと現在取り組んでいる曲達

来週の月曜日、7/20は「海の日」で国民の休日。
Zu1041_2その日に、酒田中央高校音楽部の定期演奏会があります。いつもは8月が多いのですが(昨年は、第2回庄内国際ギターフェスと重なってしまい聴きにも行けず)、今年は7月20日です。

顧問で酒フィルCb奏者でもあるM氏のブログから情報を拝借。
〜〜〜〜〜
日  時:平成21年7月20日(月) 海の日18:00開場
会  場:酒田市民会館「希望ホール」
入場料金:一般/小・中・高生 300円(当日400円)
《 プログラム 》
第1部 (18:30開演)
・ロビー・コンサート─弦楽アンサンブル
  ムーンライト・セレナーデ(G.ミラー)
  手紙(アンジェラ・アキ)
  プリンク・プランク・プランク(L.アンダーソン)
第2部 (19:00開演)
・交響曲第29番イ長調 K.201(186a) W.A.モーツァルト
     より第1楽章 アレグロ・モデラート
・弦楽セレナーデ ホ短調 作品20 (E.エルガー)
・コントラバス協奏曲 嬰へ短調 作品3(S.クーセヴィツキー)
   <Cb独奏 柳澤智之(山形交響楽団)>
・交響曲 第7番 「未完成」 ロ短調(F.シューベルト)   
・行進曲 威風堂々 第1番 ニ長調 作品39の1(E.エルガー)
〜〜〜〜〜

今回のコンサートの目玉は、クーセヴィッツキーのコントラバス協奏曲です。
山響コントラバス奏者の柳澤さんがソリストを務められます。エキストラで出演する身。決して「お手伝い」という気分ではなく、「一緒に演奏させて頂く」という心でいます。

何回か演奏した事がある曲も演奏に参加できる事が楽しいし幸せです。もちろん、初めての曲は、それだけでワクワクします。クーセヴィッツキーのコントラバス協奏曲なんて、市民オケをやっていても一生に何回演奏するチャンスがあるでしょう。
短いけれど魅力的な曲です。
コントラバスは図体はでかいですが音が低いので、独奏の場合、バイオリン程のインパクトはありません。柳澤さんが、そのけっして大きいとは言えない体格で、コントラバスを激しく演奏する姿を観るだけでも面白いと思います。
お時間のある方はどうぞ7/20夕方、「希望ホール」においで下さい。私は協奏曲はトップで乗ります。交響曲はセカンド、威風堂々はピッコロと様々な演奏が出来るのも楽しみです。


ということで、これから演奏会などがあるため現在練習している曲達の備忘録
1)クーセヴィツキー コントラバス協奏曲嬰ヘ短調 トップ
2)シューベルト 交響曲第7番ロ短調「未完成」 セカンド
3)エルガー 行進曲第1番ニ長調「威風堂々」 ピッコロ (以上3曲は7/20本番)

4)J.S.バッハ フルートとオブリガートチェンバロのためのソナタ ロ短調BWV1030(8/1「院内講演会」で演奏予定)

5)J.S. バッハ ブランデンブルグ協奏曲第4番 トップ (8/16「街かど音楽祭」に出演)

6)本居長予 「白月」 (10/4備前音楽スタジオ発表会に賛助出演予定)

7)ドボルザーク 交響曲第7番ニ短調 トップ
8)ニコライ 喜歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲 セカンド&ピッコロ
9)ブラームス ヴァイオリン協奏曲ニ長調 (降り番予定も練習はしている)(以上3曲は10/25、酒フィル定期演奏会で本番)

10)ヴェルディ 歌劇「イル・トロヴァトーレ」より『鍛冶屋の合唱』 ピッコロ
11)ヴェ ルディ 歌劇「ナブッコ」より『行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って』
12)マスカーニ 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より『間奏曲』
13)同上より 『緑に囲まれてオレンジが香り』
14)ヴェルディ 歌劇「椿姫」より『乾杯の歌』 (以上5曲は11/15合唱団「コーロ・プリモ」創立60周年記念演奏会に出演)

この他にも、10/14(水)に日本脳神経外科学会総会(東京)の開会式典で演奏予定(ベートーベンの交響曲第6番「田園」から1、5楽章の予定)。

我ながら、よくもまあ、こんなに練習する気になるものだ。
でも、楽しいからやっているのです。仕事だったら、できないかも。
(もちろん、演奏会が間近だとか、まだ先だとかで、練習にかける時間や思いの軽重に差はあります)

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2009.07.14

いただきもの

先日、山形の誇る「佐藤錦」を親・兄妹・親類・知人に送りました。
寒河江のサクランボ農家の知人が手塩にかけたサクランボは一級品です。贈答用のような、桐箱にピンセットを使って軸が見えないように美しく並べると、手作業人件費が加わって値段が倍近くになります。私は「バラ」を送りました。見栄えより味で勝負!です。
知人のサクランボはその旨さ、甘さから考えればそんなに高くないのです(と言っても、自分が食べるためには買いませんが)。

宮崎に親戚を持つ身。
Photo「お返し」にこんな立派な「いただきもの」をします。
東京に住む日向出身の従姉妹、延岡に住む従兄弟、そして日向に住む従兄弟からマンゴーだけで4つも頂いています。写真はありませんが、家内の秋田の両親からは立派なメロンが5つも届きました。

Photo_2いくら「サクランボ」が高級フルーツと言っても、マンゴーには敵いません。「エビで鯛を釣る」ではありませんが、本当にほっぺたが落ちそうでした。
御馳走様でした〜!
庄内弁で言えば「んめっげの。もっけだ!」

こういう美味しいものの写真は適当に撮っても美味しそうなのですが、これは難しい!
Photo_3先日、誕生日にスタッフからプレゼントされた高級納豆「二代目福治郎」の中でも、もっとも高い『秘伝』。2食分1パックが500円!!!です。
大粒です!豆一粒が十分おかずになります。
でも納豆って、ねばねばしてて、けっして見栄えがキレイじゃないので、美味しそうに見えないかも。。。

Photo_4こちらは今日のお昼に頂いた『光黒』という大粒黒豆を使った納豆。
まるで干しぶどうのようにも見えますね。
(綺麗に見えないと折角の美味しい納豆がかわいそうなので、写真は小さくしました)

Photo_5食べる前にはよ〜〜〜〜くかき混ぜてご飯に乗せて食べます。
でも、4パック100円くらいの納豆の方が食べやすかったりするんです。粒が大きくて、主張が強くて、味にインパクトがあって、美味しいのですが、食べやすいとは限りません。

ということで、最近の食生活は「いただきもの」で満ちています。あ、名古屋出身の知人からは「鰻・ひつまぶしセット」も頂きまして、日曜の夜に御馳走になりました。


そういえば、日曜の夜、夕食の後、三川イオンシネマに出かけて『劔岳 点の記』を観て来ました。
感想を述べにくい映画でした。
内容が素晴らしい事はもちろんですが、どうしてもその迫力の映像に、素晴らしい俳優達がやや負け気味なんですね。剣岳やその周辺の厳しい環境、美しい自然、それを命をかけて撮影した監督・スタッフ達、命をかけて演技した俳優達。素晴らしいと思いましたが、山そのものが役者なので勝てないんですね。


そして先週から始まっている新田次郎城山三郎原作のドラマ『官僚たちの夏』。
(『劔岳 点の記』が新田次郎原作でした、ごっちゃになった)
私の琴線に触れます。役者も佐藤浩市、堺 雅人や北大路欣也など私好みの俳優陣ですが、内容がとにかく熱く、グッと来ます。原作、脚本の面から言えば『天地人』より上だと思います(『天地人』の脚本・演出は、どこかくさいというか、幼稚さが鼻につくところがあります)
『官僚たちの夏』、3話以降も大変楽しみです!

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2009.07.11

誕生日の食事、そして+α

ということで、昨日は誕生日でした。

Photo子供の頃から、私の誕生日には、「鶏のモモ焼き」と「スイカ」は定番でした。
なぜか鶏のモモ焼きが好きだったんです。
昭和30年〜40年代、団地に暮らす普通のサラリーマンの家庭では、子供一人に鶏のモモ一本なんてかなり贅沢だったと思います。和牛のステーキだとか、ジューシーで身厚なとんかつなどが好みではなかった訳ではなく、おそらく高校生になる位まで食べた事がなかったと思います。

今に比べれば、「贅沢だな〜」と思うのは、博多の団地の中のスーパーで普通に紙の皿か何かに売っているので、ふぐ刺しとかフグチリ、そして鯨の刺身、ベーコンなどは食卓にのぼりました。福岡時代の子供の頃によく食べていた記憶があります。

もう一つ、子供の頃、外食もたまに(月に1回くらい)はしましたが、福岡の天神の大丸とか岩田屋に行った時、デパートのレストランで食事をするのも相当に贅沢な感じでした。小学生の私にとっては、「マカロニグラタン」は最高級の憧れの食事でした。しかし、レストランの入り口でその値段を見て、子供は食べては行けない値段の食べ物と考えていつも我慢していました。代わりに何を食べていたかはよく覚えていません。

日向市で公認会計士事務所を経営していた伯父(母の兄)が仕事で福岡に出てくると、たまに一家を食事に連れて行ってくれました。
「◯◯ちゃんは、何が食べたいね?」(日向弁)と問われ、私は
「ラーメン!」と答えていたそうです。

「こん子は、金のかからん子じゃね!」と伯父に言われた記憶があります。

もちろんラーメン(当然、とんこつの博多ラーメンたい!)は大好きでしたが、ラーメン以外にも、オムライスとかハヤシライスとかグラタンとか、食べたいものがない訳ではありませんでしたが、あさましく「◯◯が食べたい!」というのは恥ずかしく、遠慮していた、小学校低学年の私でした。

月給当時数万円(?)のサラリーマンの家族にとって、伯父が家族全員を食事に招待してくれるなんて(年に1、2回のことですが)千載一遇のチャンスでしょう。私の意見で、みんなで「長浜ラーメン」になっては仕方ないので、確か高級中華料理屋さんに行って、私はラーメンのようなタンメンか何かを食べ、皆でテーブルをぐるぐる回して楽しく食事した記憶があります。


と言う訳で、大人になった今の私の誕生日の食卓には、家内が「マカロニグラタン」を用意してくれるのです。子供の頃からの憧れの食事です。
さらに「鶏のモモ」をオーブンで焼くというのも大変なので、菜食主義者の故マイケル・ジャクソンでさえ大好きだったと言われる「ケンタッキー・フライド・チキン」も用意してくれました。食後には当然、「スイカ」です。

私の誕生日のディナーは昔を懐かしみながら(歳取ったもんだ)楽しく過ごしました。
ある程度予想していたサプライズですが、クリニックでの仕事を終え、脳ドックのレポート等を書き、20:30頃自宅に戻った私を迎えた家内の格好は「女給さん」でした。
Photo_3先日、家内が自分の書いているブログの関係で、着物好きな方々が集まり、写真を載せて喜んでいたのですが、安く購入した女給スタイルの白い前掛けが可愛かったので褒めたのでした。
(あまり顔が分からないように、写真は小さくしました)

〜〜〜〜〜

本日、土曜。
Photo_4近所の蕎麦屋「めだか」で「天もり」を頂きました。
ここの親父さんは、蕎麦屋の前は居酒屋をやっていたそうで、蕎麦も絶品ですが天ぷらも旨いです!
カボチャ、ホクホクで甘くて旨かった。

昼食を摂ったらそのまま中央高校に直行。音楽部の定期演奏会に賛助出演するので合同練習。
クリニックが終わったのが13:30を回っていて、片付けして昼食を摂ったら、すでに14:30。急いで駆けつけ16:00まで練習に参加。
本番はいよいよ7/21(月・海の日)なのであと10日しかありません。
明日の午後には、クーセヴィツキーのコントラバス協奏曲のソリストを務められる山響Cb奏者の柳澤さんとの合わせ練習です。

B市民オケの練習まで少し時間があるので、クリニックに戻ったら、山形新聞の夕刊が届いていました。
「え?!今日だったの?!」
掲載する日を教えます、という連絡は頂いていたのですが、その連絡が来る前に、新聞記事になっていました。先日、クリニックで山形新聞の記者から取材を受けたのですがどんな風に載るのか、楽しみなような恐いような気持ちでおりました。
まあ、写真も悪くないし、ちょっと「しょし」ですが、嬉しいです!

私の後ろの家内のチェンバロには
「行いは 人を 現す」
というラテン語と
「音楽は 喜びの友 悲しみの薬」
と書かれています。

いろいろ楽しく、驚いた、誕生日とその翌日、でした。

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2009.07.10

「納豆の日」

この日を迎えるたびに思います。

「もうすこしまともな大人になろう、、、」

「少しでも未熟さを克服しよう、、、」

「人から信頼される様な人間になろう、、、」

40才代から思ってはいるのですが、なかなか未熟なままであります。
「論語」でいえば、『天命を知る』年を既に過ぎているのですが、まだ『惑わず』すら到達していませんね。惑ってばかりです。
同じ「亮」の字を両親に名前として付けてもらっているのに、情けないですね。
南洲翁の『敬天愛人』を自宅玄関と診察室の壁に飾ってあるのですが、ちゃんとその教えを守って行動しているだろうか。。。

と言う訳で、ただ年を重ねているだけで、人間としての成熟のない不甲斐ない自分に嫌気を覚える日として「嬉しくない」日なのですが。。。
朝からスタッフに驚かされました。
Photo8:30の朝礼の際に、隠し持っていたクラッカーを鳴らされ「お誕生日、おめでとうございま〜〜す!」と嬉しい祝福。そしてプレゼント。
スタッフの育てたお庭の野菜畑から朝穫りのきゅうりと手作りの篭、そして「納豆」!

この納豆、有名らしいのですが、納豆好きの私も知りませんでした。
Photo_2え?!一食分500円!!!
値段が全てではありませんが、「日本一高い納豆」と書いてありました。
お昼に、大切に頂きました。
いつもより50回はかき混ぜる回数を増やしました。

というより、醤油をかけたり、かき混ぜたりする前に、まずそのまま味わいました。
いい大豆を柔らかく煮たという感じで、豆そのものが美味しい。いつもように掻き込んで食べるのも勿体ない感じです。ゆっくり味わいました。
小袋一つに2食分入っているので、16回(自分一人で食べる訳ではありませんが)分あります。賞味期限が7/18なので、しばらくは毎日美味しい納豆が頂けます。
感謝!です。

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2009.07.07

新潟往復グルメ旅

7/5(日)、新潟の「りゅーとぴあ」に山響を聴きに行く道すがら、貧乏性の私は、「折角行くなら、さらに何かプラスアルファを、、、」と欲張りました。

前から見聞きして気になっていた、鼠ケ関の寿司屋「朝日屋」。
Photo鼠ケ関マリーナの目の前にあります。
酒田からは車で丁度1時間ぐらい。12:30到着を目論んで予約。
予約なしでも入れたでしょうが、予約のおかげで2階の窓側の席。写真のように、目の前にマリーナと日本海が見える、いい場所に座る事が出来ました。

Photo_2お客さんは結構いたようで、寿司を頼んでも少し待たされるとの事。
待つ間に、、、ということで写真の「岩ガキ」を注文。どこで獲れた岩ガキだろう。
庄内の岩ガキの中でも、最も旨いとされているのは遊佐の吹浦漁港にあがるヤツ。先日、「てんしさま」と行った道の駅「ふらっと」で売っているヤツらです。秋田県側に入った象潟あたりのも旨いです。要するに、鳥海山からの伏流水が海中から湧き出るとこが旨いのです。
Photo_3殻を獲って写真もう一枚。写真を撮っている間に、口の中にwaterが溢れて来ます。
サイズはそれほど巨大ではなかったので、レモンだけかけて半分パクリ。残りは岩ガキ用の汁が用意してあったのでそこにくぐらせてパクリ。合計2秒ほどで完食です!

Photo_4ちらし好きの家内が注文したのは、朝日屋オリジナルの「義経弁慶ちらし」です。
二段になっていて、上段には美味なる刺身だけ(ご飯なし)、下段は薄くしいた酢飯の上に、いくらが大量、あとはカニと卵焼きとたくあんとガリ。寿司まるの「宝石チラシ」のかき混ぜる前みたいな感じです。

Photo_5私は、岩ガキも食べた事だし、少し控えめに「地魚中心の握り」。
ふぐが2種類(名前を説明されたが忘れました)に写真のようなラインアップ。あまりガツンとは来ない、繊細な味わいのお魚達(サザエを除いて)でした。
夏だからか、酢飯の酢がちょっと強めで、ややべたついた感もあり、もっとあっさりが好みの人には厳しい評価が出るかも知れませんが味は満足です。
まあ、岩ガキ、鮨の旨い店の多い酒田からわざわざ車で1時間かけて通うかというと、どうでしょう。。。ちょっと微妙。でも明朗会計ですし、払った代金相当の味は保証します。

鼠ケ関から新潟へはいくつかの経路がありますが、もっとも単純な7号線(笹川流れではなく)経由。中条からは高速道路があるので、新潟市内まではピュ〜ンという感じですね。
〜〜〜
そして、コンサートは午後4時まえから始まり、終わったら午後6時20分。
そこで、飯森さんのサイン会があったので、まだ購入していなかった今年発売していたブルックナーの「5番」のCDを購入し、CDとハース版のブル4のスコア(昨日の記事の写真)にサインを頂きました。

地元新潟の人、山形から来た人、酒田から「いなほ」で来た人達は皆でどこかに食事に行く様子だったのですが、私には最初から計画があり、会場でお別れ。

向かった先は、有名なソースカツ丼(というか新潟ではわざわざソースなどとは断らず、かつ丼です)の「とんかつ政ちゃん」。医学部の学生時代、テニス部の試合(新潟大学との定期戦)の時、みんなで行った、当時は別にふつうの食堂のようだったお店。
今や大きくてきれいなお店に変身しています。

Photo_6家内は「三枚かつ」を注文。私は「並かつ丼」のサラダセットを注文するつもりが、声になって出て来たのは「特製かつ丼」。「え?」と家内の呆れたような、非難するような声(苦笑)。
写真のように大盛りです。

Photo_7「並かつ丼」でさえ5枚のカツが乗っているのに、「特製」は何枚なのか数えられません。カツを乗せるために、ご飯はギュ〜っと押し込まれています。そこにカツをくぐらせた甘辛のソースがかかっています。卵やタマネギはもちろん、キャベツも入っていません。

Photo_9食べかけの汚い写真で「もっけだども」、二段になっているカツを見せるために、上方のカツを外し、上段のご飯を少し食べたところ。上に4枚、中に3枚、計7枚のカツが乗っています。ご飯はコシヒカリでお米も美味しい。ギュ〜と押しつぶしても米粒が潰れていないところが素晴らしい!

カツは柔らかく歯で噛み切れます。薄めで脂身の少ない柔らかいカツなので7枚乗っていてもスイスイ行けました。ご飯はちょっと多かったのですが、みそ汁をお代わり(お代わりは無料)して完食!
大満足です。

考えてみれば、酒田は「平田牧場」の本拠地。本店や本店近くの「とんや」では、三元豚や桃園豚の素晴らしい美味な脂身の豚カツが食せます。痛み止めの飲み過ぎに寄る「薬物乱用頭痛」ならぬ、「豚カツ乱食メタボ」にならないように、数ヶ月に1回程度しか行っていません。
しかし、「政ちゃん」のかつ丼はまったく別の食べ物だと思ってもいいです。

食べ終わったら午後8時を回っていました。
夜の7号線は、村上を過ぎると前後にまったく車が走っておらず、すいすいと2時間半ちょっとで酒田に戻りました。さすがに、お出かけ時間約12時間、往復+αで5時間50分程度、ぐったりと疲れた私は、そのままベッドに倒れ込みうつ伏せのまま寝込んでしまいました。

美味しい食事に、いい音楽。
満足な日曜でした。

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2009.07.06

山響 in 「りゅーとぴあ」

平成21年7月5日(日)、新潟市の誇る素晴らしいコンサートホールである「りゅーとぴあ」に行って来ました。酒田の「希望ホール」と違って音楽「専用」の、ワインヤード型の素晴らしい音響と設備のホールです。
ここで演奏会を聴くのは2回目。
初体験は、昨年の「もぎぎオケ」。そのブログ記事は「いまだかつてないコンサート」をご覧下さい。ただし、超長文注意!です。(笑)
昨年のオペラ『ラ・ボエーム』酒田公演で酒フィルのゲストコンミスを務めて頂いた神谷未穂さんに会って来たコンサートです。「もぎぎオケ」には美人の高木姉妹(姉=フルート、妹=バイオリン)も乗っていて、楽屋でちょっとご挨拶だけはしました。

開演16時ですが、15:30から山響団員によるロビーコンサートありとの情報があったので午後3時過ぎには着くように午前11時過ぎ出発。計画通り、鼠ケ関の寿司屋に寄って(このレポートは明日以降に)、予定通り午後3時6分に「りゅーとぴあ」の駐車場ゲートを通過。
電話で予約した「取り置き」のチケットを受け取ってワクワクする気持ちを抑えながら、大ホールへ。

P今回は、”東響定期+α「日本のオーケストラ・シリーズ」ということで、我らが山響が登場なのですが、東響定期会員にチケット販売が優先されていて、電話で問い合わせた時にはS席はほとんど無い状態でした。A席でも音はいいのですが、2階後方か3階席、または2階の横の上の方しか空いていませんでした。P席を聞いてみると、なんと一番前の真ん中が空いているということでそこを予約。
P_2前はトランペット、ホルンの楽譜が読める位。コントラバスやトロンボーンの真上に座っている感じ。うしろは振り向くと、写真の如く、デデ〜ンとパイプオルガンが迫って来ます。
パイプオルガンのある音楽ホールは山形にはまだありません(教会には置いてあるところがありますが)。近い将来、山形県民会館が新築となる時には、是非にパイプオルガン付きのホールを造って頂きたいものです。

新潟の音楽ファンにとっても、山響をりゅーとぴあで聴くのは初めてのはず。
実は新潟県内にも熱心な山響ファンはいらして、山形テルサとか酒田希望ホールなどまで遠征して聴きに来られる事もある。今回は、山形市近郊から7、8名、我々のように酒田からが4名、遠く仙台からも1名、そして地元新潟市近郊在住の山響ファンも数名はいたけれど、ほとんどの観客にとっては山響お初。
Photoということで「初見参!」を印象づけるべく、まずは「ウェルカム・ロビー・コンサート」が1530から。
写真のように、山響の誇る金管群団9名(第2トランペットとチューバはトラの方)での演奏。チューバは今年度から特別首席になられた松下さんです(さる方からご指摘頂き書き直しました)。
ロビーといってもここの音響の素晴らしい事、ビックリしました!
Photo_4写真のように、結構大勢のお客さんが熱心に聴いていました。チケット受付の直ぐ目の前でやっているので、演奏会を聴きに来た訳でもない普通に歩いている人にも聴こえるはずです。山響の素晴らしさが伝わったと思います。

恒例の飯森さんのプレトークでは、山響モーツァルト定期の時のように、トランペット、ホルン、トロンボーンの現代楽器とピリオド楽器およびピイオド楽器もどき(フルートは、木製でも現代の楽器で本当のピリオド楽器ではない)の音を観客に聞かせて違いを説明されました。

1曲目。「魔笛」序曲。
これは先日、「式典チャリティコンサートは成功!」で自分がフルートトップを吹いたので、暗譜する位練習しました。いつもと違って、足達先生を真後ろから観るのも、P席から山響のモーツァルト演奏を聴くのもすべて新鮮でそれはそれでいいものでした。
いつも、テルサや希望ホールの客席で聴いているのとの一番の違いは、音の「時差」でした。
指揮者や観客から観るとオケより後ろに座っているので、ティンパニやコントラバスの音が最初に届きます。つづいて金管楽器、その次に木管、そして弦楽器が一番遠いので一番最後。ワインヤード型とは言っても、音は四方八方に均等に広がるのではなく、設計上はメインの客席側に広がるように考えられているはずですし、天井からつり下げられた反響板もそのように調整されているはずです。
ですから、弦が遅れて聴こえます。
ティンパニやトランペットとは大分「時差」があるのです。

「あれれ?大丈夫?昨日もここでリハしたと聞いたけど、まだここの音響に慣れていないのかな?」と疑うような雰囲気もありました。実際、なんとなくまだ手探り状態の演奏であるような印象もありましたが、おそらく通常のS席で聴いている人にとっては、素晴らしく揃った演奏だった事でしょう。

2曲目、モーツァルトの交響曲ヘ長調 K.76。
いわゆる「第◯番」というのがついていない曲です。フルートはなし。ホルンも2本だけ。
第1バイオリンが8人という小編成です。ティンパニはピリオド楽器。ホルンもトランペットもピリオド楽器。聴き慣れていない新潟の聴衆には、ノンヴィブラートの弦楽器とピリオド楽器の響きがどのように感じられたでしょう。「モーツァルト定期」と同じく、女性団員は各々思い思いの華やかなドレス姿で観るにも鮮やかでした。
私も、4年前でしたか、まだモーツァルト定期が始まる前に飯森さんの企画でノンヴィブラートを聴いたとき、ちょっと違和感がありました。あの当時は楽団員もまだ慣れていない感じもあり、ヴィブラートをかけない「難しさ」というのがあったはずです。実際、P席から眺めると聴衆の表情とか聴いている姿勢がよく見えて、「うん?なんだ、これ?」的な表情の人もチラホラ見えたと思います。

20分休憩。
Photo_6ついに「ロマンティック」です。
これを聴くために、酒田から片道160km、3時間(中条から高速あり)かけて来た訳です。
2年半前に山形テルサでの山響定期で初めて「生」を聴きました。その演奏は録音され、山響レーベルのCDも出たので買いました。
ブルックナーの「4番」は、特に山響に合っているように思います。宮城県境に蔵王、内陸と庄内の間に月山などの出羽三山、秋田県境に鳥海山、新潟県境に朝日連峰、福島県境に吾妻連邦、、、と本当に「山」に囲まれた「山」「形」です。ブルックナーの音楽は、生まれ育ったオーストリアの気候、風土の影響を大きく受けていると思います。オーストリアの冬季オリンピック開催地インスブルックと姉妹都市である山形市は、蔵王という本州最大級のスキー場を控え、どこか似たような風土だと思います。
在京オケがどんなに上手に「ロマンティック」を演奏しても、「おお!さすが、凄いな、上手いな〜」という印象になってしまうのですが、山響がやると(かなり身びいきですが)「ああ、これだよね、蔵王の朝靄、、、木立がゆっくりと現れて、、、スキー場に日が射して来て、霧が晴れ、白銀が輝くんだよ、、、」という感じになってしまいます。

Photo_5特に、スコアの1ページに見て取れるように、弦5部の「ブルックナー開始」の中、ホルンが一人、静かにしかし決然と現れるのです。ホルンの名手、八木さんのほぼ真後ろ、真上で聴く事が出来ましたので、その呼吸や緊張感も自分が演奏しているように味わう事が出来ました。
P席真ん中に座ったために、指揮の飯森さんの正面です。「ロマンティック」の棒を振り出す前、精神を統一させ気持ちを入れた飯森さんは、まず最初に八木さんにアイコンタクト。「いい?」という優しい表情に八木さんは「はい」とクールに応えた様子。そしてコンミスはじめ弦に合図を送って、曲がスタートしました。
mpで始まるホルンのソロ。写真のスコアのように、本当に「たった一人」のソロです。
さすが八木さん。まったく揺るぎのない、聴いていても安心感のある美しい演奏でした。大大ブラボー!です。ブラビッシモです。

曲は、「ブルックナー休止」とか「ブルックナー・リズム」、「ブルックナー・ゼクエンツ」といった有名な手法がどんどん出て来て、盛り上がったり、静かになったり、どきどきしたり、わくわくしたり、ほっとしたり、やすらいだり、、、。特にユニゾンやコーダの部分では、金管が咆哮します。
P席で聴いている、真下にコントラバスがいて、ティンパニは下の右側、トロンボーンとチューバが下の左側にいるので、低音部がごんごん下から響いて来ます。
そしてやはりトランペット。3人とも凄い。トップの井上さん、なんて柔らかい音なんだろう。。。
八木さんだけでなく、1アシふくめ5人のホルン奏者も皆頑張りました。
木管群もすばらしい。この曲ではあまり目立たないけれど難しいクラ。うしろから見ているとお地蔵さんのように(失礼!)動かないクラのお二人も本当に安定感のある演奏でした。
オーボエもブラボー。フルートは、やはりパウエルの木製よりもマテキの18Kの方が足達先生にはぴったりだと思いました。「ロマンティック」の中でフルートの音が輝いていました。
いつもと違って一番遠くにいる弦楽器奏者。
コンマス(最近は「男女同権」意識でコンミスとは呼ばないらしい)の犬伏さんは、先日、酒フィルのトレーナー練習に酒田にお出でいただいて、弦をみっちりご指導頂いたばかり。結構最初の方で私に気付いて下さったみたいで、さりげなくこちらに微笑みをくれたようだったので、軽く会釈したら笑顔で返して下さいました。
対向配置の第2バイオリントップには、最近「山Q」を愛情たっぷりに厳しく指導されている、元都響の平尾真伸さん。『ラ・ボエーム』では、前記神谷さんのうしろ2プルで弦楽器を支えて下さいました。その横には「山Q」の中島さん。ビオラトップは成田さん、後方には別々のプルトですが「山Q」の倉田さんと奥さんのTTさん。チェロはトップがまだ客演ですが、映画「おくりびと」でモックンと同じプルトで隣りで弾いていた渡邊さんが1プルでその後ろに「山Q」の茂木さんと昔からよく知っているシンさんが座っています。あ、第1バイオリンの後方には茂木さんの奥さんもトラで入っています。

山響FCと山響団員との交流会で、一緒に芋煮会をしたり、忘年会をしたりと、勝手に親しくさせて頂いている皆さん。ほとんど顔と名前がわかりますし、お話をした事のない団員の方が少ない位。その上、予定が空いていれば酒フィルの演奏会に賛助出演して頂くこともあったり、トレーナーとしてご指導頂いたり、と本当に深い交流を持たせて頂いている団員の皆様です。

演奏が素晴らしかったのはもちろんの事。
「ロマンティック」が始まってまもなく、第1楽章の段階で、観客の表情や聴く座り姿が前半とは明らかに違っていました。「おお!なんだなんだ、やるじゃないか!」「凄いな、山響、、、」という感じの表情や雰囲気が伝わって来ました。
そしてフィナーレ。新潟のお客様も惜しみない拍手、拍手、拍手。
そして、何度も飛び交う「ブラボー」の声。
演奏そのものに感動した事はもちろんとして、これだけ顔見知りのプロの音楽家の集団なので、身びいきを通り越して、自分も一緒に演奏してような感じ(勘違い?)になりました。

でも、ちょっと不満もあります。
初めての「ロマンティック」は2007年1月。上記写真のスコアに、その日に飯森さんにサインを頂いています。それから2年半が経ち、その間に山響も進化しています。山響を愛する聴衆の一人として、ドキドキ、ハラハラ感よりも、安心感を感じる演奏になっていて、流石だと思います。その分でしょうか、なんだか初々しい気迫が感じられない印象でした。
プロオケに「初々しさ」なんて、大変失礼な言葉だと思いますが、初めて聴いた時の「やった〜!」という団員と観客の一体感ではなくて、ブルックナーを掌中に収めつつある実力派オケに感動した〜という印象でした。
たとえが悪いかも知れませんが、アマオケでも下手くそなりに「熱い想い」や「必死感」の故か聴いて感動する訳です。上手な演奏であればいいのなら、ベルフィルやロンドン響やコンセルトヘボウのCDでも聴いていればいいのかもしれません。

今回の山響は「りゅーとぴあ」初見参ということで、団員も飯森さんもかなり気合いが入っていたと思います。山形で2日のリハをした上で、前日入りして「りゅーとぴあ」でリハをやり、当日GPやっての本番ですから、プロオケとしては十二分な練習量だと思います。それ故の、安心感とか、普通にやればちゃんと行ける感というのでしょうか、眉のつり上がった必死感の少ない、落ち着いた上での「熱い」演奏だったと思います。別ルートで酒田から行かれたSさんは、終演後、聴いていて感動して涙が出そうになった、とおっしゃっていました。
私も感動しました。
山響は凄い!と思います。
もっと凄いオケになって行って欲しいと願っています。でも、我々から遠く離れて行かないで、いつも傍にいるオケでいて欲しいと思います。

素人の甘えた感想でした。。。
音楽の本質とは離れた感想、戯れ言ですが、素直な気持ちでもあります。。。

〜〜〜〜〜
往路で鼠ケ関にて寿司を堪能した我々夫婦は、帰路でも当然のように新潟グルメ。
その事については、明日以降の別稿と致します。v(^^)

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2009.07.05

キャパシティ

この場合は、ホールの座席数などのことではなく、人の能力に関する事である。

自惚れが強いと思われそうだが、私は仕事が遅い方ではない。
脳神経外科医をやっていて、仕事が遅くては話にならない。意識がない人が運ばれて来たら、即座にいろいろな情報(患者さんの年齢、現在のヴァイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数など)、意識障害に至る情報、既往歴や現在服用している薬などの情報、その他の関連する情報)を把握しながら、患者の現状の原因となりうる病態を考えられるだけ考えながら、もっとも可能性の高いもの、もっとも生命の危険の高い病態、もっとも緊急性の高いものから選択しながら(一人の患者さんにおけるトリアージともいえる)、パラメディカルに指示をしながら、どんどん検査を進め、診断に迫りつつ、、、という生活を(2年程前まで)24年続けて来た。
脳外科の手術中には、頭に思い描いたイメージ通りに進む事ばかりではなく、時には思わぬ事態に遭遇することもある。そういう時に、固まってしまっては解決にならない。闇雲に突き進んでも事態を悪化させるだけのこともある。経験がものを言う世界ではあるが、あるゆる可能性を考えながら、その中からすぐに対応出来る、最も安全性の高い事を選択して、「立ち止まらず」進んで行くことによって、事態を好転させ、解決して行く。

そういった「職業病」的なものが身体にしみ込んでいるので、脳外科医というのは、のんびり、ゆっくり、まったりが苦手な「人種」かもしれない。
それでも、同じ人間なので、一度にできる事には限界があり、一度に抱えられる仕事量にはキャパシティがあると思う。

ブログの更新が滞っていたのには、もちろんそれなりの理由がある。
最近、お陰さまで、開業1年4ヶ月にして少しは市民に認知されたクリニックになって来たようで、患者さんの数が増えている。新患が1日に10名を超えたり、MRI検査数が1日に12名を超えたり、脳ドックが1日3名(3名を予約の上限としている)となって、昼食の時間に20分休める程度で1日休みなく働いている日もある。もちろん、患者さんの数は「水物」で先週の水曜日の午前中などは新患が「0」で暇だった。でも、そういう「暇」な時は、たまっている「診断書」「介護保険主治医意見書」などの書類書きに追われるのであるが。
「脳ドック」は受診が終わった後に、画像を整理して、ファイル(パソコン上の)を作り、一人一人にレポートを書き、受診コースによっては検査結果をすべて高品位でプリントアウトし、DICOMとjpeg画像でCD-Rに保存し、ファイル(現物の)を作成する。一人あたり受診後の処理に2時間程度はかかるものである。

その上、「脳神経外科速報」という医学専門誌に自分の大学辞職から開業にかかわる顛末の事を書かせて頂いている。すでに6月号、7月号と2話を掲載し、8月号の記事の締め切りが7/3(金)となっていた。8月号の分は5月頃から書き始めながら、1話、2話を受けて少々内容の変更が必要になったので、少し筆が止まっていた。結局6,000字を越え、原稿用紙で16枚相応となった原稿が完成したのは、締め切り日7/3の早朝、朝5時過ぎだった。原稿には写真や図もつけるのだが、いろいろ考えて8枚用意した。

こういう事をしながらも、フルートの演奏(主に練習だが)は自分自身を癒す時間であるし、「ジョンダーノ・ホール」の響きは溜まったストレスを洗い流してくれる感じがするので大切な時間。診療が終わって、ちょっとお休みし、脳ドックのレポートを書き、「依頼原稿」を書き、休憩にホールで練習をする。始める時間が既に午後8時を過ぎたりしているせいもあるが、興が乗ると夜9時過ぎまでやっているので、帰宅、夕飯は午後9時過ぎとなり、遅い時は午後10時近くになることもある。

楽しみでやっているフルートだが、秋(10/25)の酒フィル定期演奏会に向けて、難曲であるメインの交響曲「ドボ7」に挑んでいる。協奏曲は久保陽子さんをお迎えしてのブラームス。序曲もオットー・ニコライの「ウィンザーの陽気な女房たち」に決まり練習している。乗り番はまだ最終決定ではないが、交響曲のトップを吹かせてもらえそうなので更に練習に熱が入る。
その上、11月に、日頃お世話になっているJS先生率いる合唱団『コーロ・プリモ』の創立60周年記念演奏会があり、酒フィルが伴奏で出演することになり、先々週、先週、今週と土曜日は3週続けて「合唱伴奏用オケ練習」。これが曲数が多く、しかも難しい。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」、「ナブッコ」、「イル・トロヴァトーレ」から『鍛冶屋の合唱』、「タンホイザー」、、、すべて超有名な、しかし伴奏は難しい。特に『鍛冶屋の合唱』のピッコロは第3レジスターの最高音のラやシが、しかも32音符の音階で出てくる。まだ十分練習もしていないが、まったく吹けないに等しい状態で全体練習に臨んでいる次第(団内指揮者、タビの親父さん、すみません!)。
その上、さらに、酒フィルCb奏者のM氏が指導顧問を務める酒田C高校音楽部の定期演奏会が7/20(月・祝)にあるので、その賛助出演の練習がある。メインはシューベルトの「未完成」でこれは今年の春の酒フィル「ファミリーコンサート」でも演奏したのでなんとかなりそう。
協奏曲は、山響Cb奏者の柳澤さんで、クーセヴィツキーの「コントラバス協奏曲」。有名だがなかなか生で聴ける曲ではない、とても面白い曲。こちらはトップを吹かせて頂く予定なのであるが、これも冒頭に第3レジスター高音のラ・ラ♯・シ、第4レジスターのド・ド♯という音を出すだけでも難しい部分が8部音符で並んでいる。さらにフルートは数曲賛助する予定なのであるが、高校生の演奏会に「賛助」出演して足を引っ張るわけにはいかないので練習も真剣にやっている。
さらに、その上に、8月のお盆の時期、8/15(土)、16(日)に酒田市交流広場で今年も「街かど音楽祭」があるのだが、酒フィルとしてアンサンブルで出演することになっていて、私はJSバッハの超有名なブランデンブルグ協奏曲第4番を吹くことになり、こちらも練習を始めている。

つまり、先週、今週あたりで人前で演奏する曲として練習しているのだけで、12、3曲に上るという状況になっている。
昨日、土曜日にしては患者さんも多く診療終了が午後1時半、片付けて昼食に行ったのが、午後2時過ぎ、その足で、酒田C高校の練習に参加し午後4時半まで練習。この時点でも頭痛が酷く、私にしては珍しく鎮痛剤を服用して練習に参加。
その後、メールで提出した「脳神経外科速報」の原稿が早くもpdfで校正稿となって送られて来たので、それを校正。そこで、写真を別のものに変えたい気持ちが起きて、新しく2枚の写真を投稿用に作成。そうこうしている内に午後6時を過ぎたので自宅に戻って軽く夕食を摂り、午後7時からの酒フィル練習に参加。9時までみっちり練習。
その後、自宅に戻らず、クリニックに戻って、石原裕次郎の『富士山頂』を観ながら、脳ドックのレポート作成に取り組み、ある程度の目処がついたのが深夜0時過ぎであった。

実は、今日も午前中から酒田C高校の合同練習が計画されていたのだが、もう一人のフルートも練習に出られないという連絡を受けていたので自分は行かなくては、、、と思っていたが、朝起きた時から身体が少しだるく、まだ頭痛がするのでサボらせて頂いた。>Mさん、すみません。

無理をして練習に出ても良かったのだが、実は今日は新潟まで車で行く。
山響が「りゅーとぴあ」でブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」を演奏するのである。2年と半年ぶりの山響の「ロマンティック」。
今年の1月にはブルックナーの「5番」を聴き、この7/25には山響庄内定期酒田公演でブルックナーの「3番」も聴ける。同じ年に、同じ交響楽団で、同じ指揮者によって、違うホールでブルックナーの交響曲を3、4、5番と3曲も聴けるチャンスなどまずはないと思い、本日の新潟行き、忙しく疲れている中にも頑張って決行する。

ぎりぎり、自分のキャパシティ内の行動、ということで。。。(笑)

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2009.07.01

7月になりました!

7月1日(水)。
このブログを始めて迎える5回目の7月、私の誕生月です。
2008,2007,2006,2005年と振り返ってみると、この5年間の環境の変化がわかります。

酒田市内のN病院に勤務していた2005年。
大学病院で講師〜准教授として勤務した2006年。
酒田に移り開業準備を始めていた2007年。
酒田で3月に開業して7月から脳ドックを始めた2008年。
そして今年2009年もちょうど半分が終わってこれから後半です。

クリニックの「ジョンダーノ・ホール」を使ってのサロン・コンサートは今年既に2回できました。8月にはプライベートながらも「小演奏会と脳に関する講演」という本来私が望んでいた形のものが出来ます。
Photo_2(写真は、昨年9月、鶴岡のお寺「金浄寺」さんでやらせて頂いた『脳からみた心の癒し方』という講演の風景)
脳や脳卒中、脳と心、生活習慣病と脳卒中といった脳に関する勉強会を、無料で公開して行う形で「ジョンダーノ・ホール」を活用したいと言うのが、開院前からの私の考えなのですが、なにせ全部(企画立案実行)一人でやらなければなりませんから、なかなか緒に就けずにいる訳です。
でも年内に必ず実現したいと思っています。

もう一つ実現したいのは、「山形弦楽四重奏団」の庄内定期(?)。
山響の団員3名(Vn, Va & Vc)と6/11のブログ記事にも書いたVnのK嬢の4人で構成されている「山Q」こと、山形弦楽四重奏団。そのHPは「こちら」です。
200911114ハイドン、モーツァルト、ベートーベンなどの定番の弦楽四重奏曲の他、庄内出身の作曲家佐藤敏直氏の弦楽四重奏曲、そして幸松肇氏に委嘱した「弦楽四重奏のための最上川舟唄」(今年1月に『世界初演』)など、弦楽演奏好きにはたまらない意欲的な演奏を「継続」しています。(写真は「山Q」のHPのトップの写真を拝借)

山形交響楽団が山形にあったからこそ「山Q」が出来たと言えます。結成以来9年の間にメンバーの交代などもありましたが、年4回の定期演奏会の他にも山形県内にとどまらずその活動の範囲を少しずつ広げて行っている団体です。「弦楽四重奏なんてマニアック」という人もいます。確かにピアノソロとかバイオリンソロやフルートソロなどはそれほどクラシック通ではなくても馴染みがあるでしょう。オーケストラとなると、実際の演奏会を聴きに行く機会は少ないとしても、テレビなどでも見たりすることがあります。
弦楽四重奏団となると、余程好きな人でもない限りは、「私はどこそこの○○四重奏団が好きです」なんて言葉はなかなか出て来ないでしょう。でも、バイオリン2本、ビオラ、チェロ各一本というのは、ある意味で「音楽の基本」の形だと思います。教会の聖歌隊や合唱でも4声(ソプラノ、アルト、テノール、バス)に分かれます。オーケストラも「弦5部」といって、第1バイオリン、第2バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスになっていて、チェロとコントラバスはユニゾンで同じ音(実音は1オクターブ差がある)を弾いて厚みを出したりしています(もちろんCbだけ全く別の動きをする事もたくさんありますが)。
フルートの世界でも、フルートだけのアンサンブルで曲が多いのはフルート四重奏です。場合によってはアルト・フルートやバス・フルートを加えて演奏する曲もあります。

こう考えてみると、弦楽四重奏は演奏の基本的な形であり、決してマニアックな世界ではないのです。小型の場合は40人から大編成だと80人にも及ぶオーケストラを揃えるのに比べれば、4つの楽器と4人の奏者がいれば成り立つ音楽なのですから、むしろ敷居が低いとも言えます。ただ、この編成の音楽に興味を持って「かぶりついて」来る音楽愛好家となるとそれほど多いとは言えないでしょう。

音楽、特に声楽、合唱の盛んな庄内地域で、弦楽をやっている人はもちろん興味のある人は数に限りがあります。私の所属する市民オケの酒フィルの他は高校の音楽部、鶴岡中心の市民の弦楽愛好家(酒フィル団員も重複して、中には指導的な立場にいる方もいるようです)などでしょうか。
Sakataそれだけに、「庄内で弦楽四重奏を聴く機会」を増やしたいと思っているのです。(写真は、一昨年の秋、酒田市美術館での山Qのミニコンサートの様子を伝える、「コミュニティしんぶん」の記事から)
最初のうちは「ジョンダーノ・ホール」を演奏会場にしていて、そのうち60~70人定員のジョンダーノ・ホールでは入りきれない程の観客が集まるようになって、希望ホールの小ホールとか庄内町の響ホール(小ホール、ゆくゆくは大ホール)などで「山Q」の演奏会が定期的に開かれるようになるといいなぁ〜、、、と遠い目で数年後の事を考えています。


夢想するだけは誰でも出来ますが(いや、本当は、夢想すらしなければ何も始まらないでしょうけど)、今年も後半にはいった今、実現に向けて具体的な企画立案をしなければ実行まで行かないだろうという事を改めて考えた7月1日でした。

さて、今週末、7/5(日)は新潟の「りゅーとぴあ」で山響の「ブルックナー4番」。
2年ぶりの山響のブルックナー4番(山形テルサの定期)。
「5番」は今年の1月に山形テルサで聴きました。「3番」は7/25に山響庄内定期酒田公演があります。
「りゅーとぴあ」での山響は私にとってお初。楽しみです!

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