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2009.07.06

山響 in 「りゅーとぴあ」

平成21年7月5日(日)、新潟市の誇る素晴らしいコンサートホールである「りゅーとぴあ」に行って来ました。酒田の「希望ホール」と違って音楽「専用」の、ワインヤード型の素晴らしい音響と設備のホールです。
ここで演奏会を聴くのは2回目。
初体験は、昨年の「もぎぎオケ」。そのブログ記事は「いまだかつてないコンサート」をご覧下さい。ただし、超長文注意!です。(笑)
昨年のオペラ『ラ・ボエーム』酒田公演で酒フィルのゲストコンミスを務めて頂いた神谷未穂さんに会って来たコンサートです。「もぎぎオケ」には美人の高木姉妹(姉=フルート、妹=バイオリン)も乗っていて、楽屋でちょっとご挨拶だけはしました。

開演16時ですが、15:30から山響団員によるロビーコンサートありとの情報があったので午後3時過ぎには着くように午前11時過ぎ出発。計画通り、鼠ケ関の寿司屋に寄って(このレポートは明日以降に)、予定通り午後3時6分に「りゅーとぴあ」の駐車場ゲートを通過。
電話で予約した「取り置き」のチケットを受け取ってワクワクする気持ちを抑えながら、大ホールへ。

P今回は、”東響定期+α「日本のオーケストラ・シリーズ」ということで、我らが山響が登場なのですが、東響定期会員にチケット販売が優先されていて、電話で問い合わせた時にはS席はほとんど無い状態でした。A席でも音はいいのですが、2階後方か3階席、または2階の横の上の方しか空いていませんでした。P席を聞いてみると、なんと一番前の真ん中が空いているということでそこを予約。
P_2前はトランペット、ホルンの楽譜が読める位。コントラバスやトロンボーンの真上に座っている感じ。うしろは振り向くと、写真の如く、デデ〜ンとパイプオルガンが迫って来ます。
パイプオルガンのある音楽ホールは山形にはまだありません(教会には置いてあるところがありますが)。近い将来、山形県民会館が新築となる時には、是非にパイプオルガン付きのホールを造って頂きたいものです。

新潟の音楽ファンにとっても、山響をりゅーとぴあで聴くのは初めてのはず。
実は新潟県内にも熱心な山響ファンはいらして、山形テルサとか酒田希望ホールなどまで遠征して聴きに来られる事もある。今回は、山形市近郊から7、8名、我々のように酒田からが4名、遠く仙台からも1名、そして地元新潟市近郊在住の山響ファンも数名はいたけれど、ほとんどの観客にとっては山響お初。
Photoということで「初見参!」を印象づけるべく、まずは「ウェルカム・ロビー・コンサート」が1530から。
写真のように、山響の誇る金管群団9名(第2トランペットとチューバはトラの方)での演奏。チューバは今年度から特別首席になられた松下さんです(さる方からご指摘頂き書き直しました)。
ロビーといってもここの音響の素晴らしい事、ビックリしました!
Photo_4写真のように、結構大勢のお客さんが熱心に聴いていました。チケット受付の直ぐ目の前でやっているので、演奏会を聴きに来た訳でもない普通に歩いている人にも聴こえるはずです。山響の素晴らしさが伝わったと思います。

恒例の飯森さんのプレトークでは、山響モーツァルト定期の時のように、トランペット、ホルン、トロンボーンの現代楽器とピリオド楽器およびピイオド楽器もどき(フルートは、木製でも現代の楽器で本当のピリオド楽器ではない)の音を観客に聞かせて違いを説明されました。

1曲目。「魔笛」序曲。
これは先日、「式典チャリティコンサートは成功!」で自分がフルートトップを吹いたので、暗譜する位練習しました。いつもと違って、足達先生を真後ろから観るのも、P席から山響のモーツァルト演奏を聴くのもすべて新鮮でそれはそれでいいものでした。
いつも、テルサや希望ホールの客席で聴いているのとの一番の違いは、音の「時差」でした。
指揮者や観客から観るとオケより後ろに座っているので、ティンパニやコントラバスの音が最初に届きます。つづいて金管楽器、その次に木管、そして弦楽器が一番遠いので一番最後。ワインヤード型とは言っても、音は四方八方に均等に広がるのではなく、設計上はメインの客席側に広がるように考えられているはずですし、天井からつり下げられた反響板もそのように調整されているはずです。
ですから、弦が遅れて聴こえます。
ティンパニやトランペットとは大分「時差」があるのです。

「あれれ?大丈夫?昨日もここでリハしたと聞いたけど、まだここの音響に慣れていないのかな?」と疑うような雰囲気もありました。実際、なんとなくまだ手探り状態の演奏であるような印象もありましたが、おそらく通常のS席で聴いている人にとっては、素晴らしく揃った演奏だった事でしょう。

2曲目、モーツァルトの交響曲ヘ長調 K.76。
いわゆる「第◯番」というのがついていない曲です。フルートはなし。ホルンも2本だけ。
第1バイオリンが8人という小編成です。ティンパニはピリオド楽器。ホルンもトランペットもピリオド楽器。聴き慣れていない新潟の聴衆には、ノンヴィブラートの弦楽器とピリオド楽器の響きがどのように感じられたでしょう。「モーツァルト定期」と同じく、女性団員は各々思い思いの華やかなドレス姿で観るにも鮮やかでした。
私も、4年前でしたか、まだモーツァルト定期が始まる前に飯森さんの企画でノンヴィブラートを聴いたとき、ちょっと違和感がありました。あの当時は楽団員もまだ慣れていない感じもあり、ヴィブラートをかけない「難しさ」というのがあったはずです。実際、P席から眺めると聴衆の表情とか聴いている姿勢がよく見えて、「うん?なんだ、これ?」的な表情の人もチラホラ見えたと思います。

20分休憩。
Photo_6ついに「ロマンティック」です。
これを聴くために、酒田から片道160km、3時間(中条から高速あり)かけて来た訳です。
2年半前に山形テルサでの山響定期で初めて「生」を聴きました。その演奏は録音され、山響レーベルのCDも出たので買いました。
ブルックナーの「4番」は、特に山響に合っているように思います。宮城県境に蔵王、内陸と庄内の間に月山などの出羽三山、秋田県境に鳥海山、新潟県境に朝日連峰、福島県境に吾妻連邦、、、と本当に「山」に囲まれた「山」「形」です。ブルックナーの音楽は、生まれ育ったオーストリアの気候、風土の影響を大きく受けていると思います。オーストリアの冬季オリンピック開催地インスブルックと姉妹都市である山形市は、蔵王という本州最大級のスキー場を控え、どこか似たような風土だと思います。
在京オケがどんなに上手に「ロマンティック」を演奏しても、「おお!さすが、凄いな、上手いな〜」という印象になってしまうのですが、山響がやると(かなり身びいきですが)「ああ、これだよね、蔵王の朝靄、、、木立がゆっくりと現れて、、、スキー場に日が射して来て、霧が晴れ、白銀が輝くんだよ、、、」という感じになってしまいます。

Photo_5特に、スコアの1ページに見て取れるように、弦5部の「ブルックナー開始」の中、ホルンが一人、静かにしかし決然と現れるのです。ホルンの名手、八木さんのほぼ真後ろ、真上で聴く事が出来ましたので、その呼吸や緊張感も自分が演奏しているように味わう事が出来ました。
P席真ん中に座ったために、指揮の飯森さんの正面です。「ロマンティック」の棒を振り出す前、精神を統一させ気持ちを入れた飯森さんは、まず最初に八木さんにアイコンタクト。「いい?」という優しい表情に八木さんは「はい」とクールに応えた様子。そしてコンミスはじめ弦に合図を送って、曲がスタートしました。
mpで始まるホルンのソロ。写真のスコアのように、本当に「たった一人」のソロです。
さすが八木さん。まったく揺るぎのない、聴いていても安心感のある美しい演奏でした。大大ブラボー!です。ブラビッシモです。

曲は、「ブルックナー休止」とか「ブルックナー・リズム」、「ブルックナー・ゼクエンツ」といった有名な手法がどんどん出て来て、盛り上がったり、静かになったり、どきどきしたり、わくわくしたり、ほっとしたり、やすらいだり、、、。特にユニゾンやコーダの部分では、金管が咆哮します。
P席で聴いている、真下にコントラバスがいて、ティンパニは下の右側、トロンボーンとチューバが下の左側にいるので、低音部がごんごん下から響いて来ます。
そしてやはりトランペット。3人とも凄い。トップの井上さん、なんて柔らかい音なんだろう。。。
八木さんだけでなく、1アシふくめ5人のホルン奏者も皆頑張りました。
木管群もすばらしい。この曲ではあまり目立たないけれど難しいクラ。うしろから見ているとお地蔵さんのように(失礼!)動かないクラのお二人も本当に安定感のある演奏でした。
オーボエもブラボー。フルートは、やはりパウエルの木製よりもマテキの18Kの方が足達先生にはぴったりだと思いました。「ロマンティック」の中でフルートの音が輝いていました。
いつもと違って一番遠くにいる弦楽器奏者。
コンマス(最近は「男女同権」意識でコンミスとは呼ばないらしい)の犬伏さんは、先日、酒フィルのトレーナー練習に酒田にお出でいただいて、弦をみっちりご指導頂いたばかり。結構最初の方で私に気付いて下さったみたいで、さりげなくこちらに微笑みをくれたようだったので、軽く会釈したら笑顔で返して下さいました。
対向配置の第2バイオリントップには、最近「山Q」を愛情たっぷりに厳しく指導されている、元都響の平尾真伸さん。『ラ・ボエーム』では、前記神谷さんのうしろ2プルで弦楽器を支えて下さいました。その横には「山Q」の中島さん。ビオラトップは成田さん、後方には別々のプルトですが「山Q」の倉田さんと奥さんのTTさん。チェロはトップがまだ客演ですが、映画「おくりびと」でモックンと同じプルトで隣りで弾いていた渡邊さんが1プルでその後ろに「山Q」の茂木さんと昔からよく知っているシンさんが座っています。あ、第1バイオリンの後方には茂木さんの奥さんもトラで入っています。

山響FCと山響団員との交流会で、一緒に芋煮会をしたり、忘年会をしたりと、勝手に親しくさせて頂いている皆さん。ほとんど顔と名前がわかりますし、お話をした事のない団員の方が少ない位。その上、予定が空いていれば酒フィルの演奏会に賛助出演して頂くこともあったり、トレーナーとしてご指導頂いたり、と本当に深い交流を持たせて頂いている団員の皆様です。

演奏が素晴らしかったのはもちろんの事。
「ロマンティック」が始まってまもなく、第1楽章の段階で、観客の表情や聴く座り姿が前半とは明らかに違っていました。「おお!なんだなんだ、やるじゃないか!」「凄いな、山響、、、」という感じの表情や雰囲気が伝わって来ました。
そしてフィナーレ。新潟のお客様も惜しみない拍手、拍手、拍手。
そして、何度も飛び交う「ブラボー」の声。
演奏そのものに感動した事はもちろんとして、これだけ顔見知りのプロの音楽家の集団なので、身びいきを通り越して、自分も一緒に演奏してような感じ(勘違い?)になりました。

でも、ちょっと不満もあります。
初めての「ロマンティック」は2007年1月。上記写真のスコアに、その日に飯森さんにサインを頂いています。それから2年半が経ち、その間に山響も進化しています。山響を愛する聴衆の一人として、ドキドキ、ハラハラ感よりも、安心感を感じる演奏になっていて、流石だと思います。その分でしょうか、なんだか初々しい気迫が感じられない印象でした。
プロオケに「初々しさ」なんて、大変失礼な言葉だと思いますが、初めて聴いた時の「やった〜!」という団員と観客の一体感ではなくて、ブルックナーを掌中に収めつつある実力派オケに感動した〜という印象でした。
たとえが悪いかも知れませんが、アマオケでも下手くそなりに「熱い想い」や「必死感」の故か聴いて感動する訳です。上手な演奏であればいいのなら、ベルフィルやロンドン響やコンセルトヘボウのCDでも聴いていればいいのかもしれません。

今回の山響は「りゅーとぴあ」初見参ということで、団員も飯森さんもかなり気合いが入っていたと思います。山形で2日のリハをした上で、前日入りして「りゅーとぴあ」でリハをやり、当日GPやっての本番ですから、プロオケとしては十二分な練習量だと思います。それ故の、安心感とか、普通にやればちゃんと行ける感というのでしょうか、眉のつり上がった必死感の少ない、落ち着いた上での「熱い」演奏だったと思います。別ルートで酒田から行かれたSさんは、終演後、聴いていて感動して涙が出そうになった、とおっしゃっていました。
私も感動しました。
山響は凄い!と思います。
もっと凄いオケになって行って欲しいと願っています。でも、我々から遠く離れて行かないで、いつも傍にいるオケでいて欲しいと思います。

素人の甘えた感想でした。。。
音楽の本質とは離れた感想、戯れ言ですが、素直な気持ちでもあります。。。

〜〜〜〜〜
往路で鼠ケ関にて寿司を堪能した我々夫婦は、帰路でも当然のように新潟グルメ。
その事については、明日以降の別稿と致します。v(^^)

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