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2009.06.22

高木綾子コンサート(三枝成彰の時間)、ほか

毎日、仕事以外に何か予定があると、あっと言う間に1週間が過ぎてしまいます。
「てんしさま」による『酒田場所』がもう9日も前の事だなんて信じられないくらいです。

そんな中、
Photo白石まで行って来ました。
片道160km、往復4時間50分かかりました。
高木綾子さんは、そのフルートの音色、テクニック、そして音楽性などから、現代のフルーティストの中でも尊敬するお一人。1年に1回は彼女の音色を「生」で聴きたいと思っています。
一昨年は、山形テルサで、昨年は仙台のNTTビルで、リサイタルがありました。3年前は山響定期に登場してイベールのフルート協奏曲を聴き、4年前は仙台フィル定期でハチャトゥリアンのフルート協奏曲を聴きました。
東京等の大都市圏や、彼女の出身である愛知辺りでは演奏会も多いのですが、東北に来る事は本当に年に1回程度です。酒田ー白石間が遠くても、折角何の予定もない日曜日。「出かけて行かずばなるまい」という感じでした。

Photo_2タイトルの()の中の「三枝成彰の時間」というのは今回で「第54回」とのことで、殊に白石市の「ホワイトキューブ」を会場にオペラ、オケ、歌唱、弦楽器からギターまで様々なソロ・リサイタルを53回もやっています。
(写真はホワイトキューブ外観)

Photo_3三枝さんは、著名な作曲家、音楽プロデューサーですが、昨年3月のTCCオペラ『ラ・ボエーム』酒田公演(オケは酒田フィル)でも大変お世話になった方です。
今日も、三枝さんの司会で高木綾子さんのフルートに與口理恵さんのピアノでのコンサート。
(写真はホワイトキューブのホワイエ。2階に入り口のあるホールに上がる階段の前にはバイオリンを弾く天使?の像)

まず三枝さんが登場。いつもの軽妙な喋り口で観客を和ませ惹き付けます。
ただ、ここで気になる事を言っていました。
「私はフルートという楽器があまり好きではないんです」
「平板な音というか、深みとか憂いがない感じで、作曲家としてはあまり興味を引かれない楽器なんです」
などと仰っていました。
まあ、言わんとする事は一部理解できなくもない。しかし、フルートがそんなにつまらない楽器ならば、日本でピアノの次に売れている楽器がフルートな訳がないでしょう!
会場には高木綾子目的で来た人がほとんどなのですから、フルートを吹いているかフルートに興味を持っている人が多いのに、あえて敵に回すような発言は何を考えて言われたのか?と思いました。
まあ、三枝さんだから許されるんでしょう。。。(笑)

プログラムは、
1)M.マレ:スペインのフォリア
2)G.フォーレ:コンクール用小品
3)C.ライネッケ:ソナタ「ウンディーヌ」
 〜 休憩 〜
4)J.S.バッハ:ソナタロ短調BWV1030 
5)イサン・ユン:エチュードより第5番
6)L.リーバーマン:ソナタop.23

プログラムの意図について三枝さんから質問されて、高木さんは「来た事のない会場なので、自分の好きな曲を選んで持って来た」ということでした。時代もバロックから現代までと幅広く、1)と5)はフルートソロで他の4曲はピアノ伴奏。
彼女の演奏で初めて聴くのは、2)と3)だけで、後はどこかで聴いたことがありました。
しかし、3)もそうですが、特に後半の4、5)の迫力、テクニックは圧巻でした。
お腹が大きくて、袖から舞台に出入りする時は「あ!ハイヒール、大丈夫かな、、、」とこちらが心配になるような感じ(7ヶ月の身重ですよ)なのですが、ちょっと歩きづらい以外はいつもと全く変わりない演奏です。
5)のイサン・ユンは韓国出身の作曲家。現代音楽でキー・ビブラートやボイスやフラッターなど様々な技法を凝らされた難曲です。彼女の音は、その魅力的な渋くて太い低音から、脳天を突き抜けるような高音まで、残響がとても長い「ホワイトキューブ」ホールで鮮やかさを増幅していました。
激烈な高音を出した直後、ホールの中を音がグルングルンと回りながら消えて行くまで数秒はかかっていました。

Photo_5ガラス張りのホールですが、庄内町響ホールの「小ホール」と違うところは、ガラスの壁が微妙にいろいろな角度に向いており、天井にも複雑に角度が付けられていて、音がうまく拡散するように設計されていました。響の「小ホール」では、座る場所によって音が凹レンズによって光を集めるように集中してしまったり、集中する場所がある分、抜けたように聴こえにくい場所があるのとは違いました。

面白かったのは、17時開演の時はまだ日が高く(なんせ、昨日は「夏至」でした)、終演近い19時過ぎてようやく日が暮れてくると、ホールの外から採り入れられる「外光」が変わる事によって、ホールの外もホールの中も雰囲気が変わる事。そして微妙に角度の付いたガラスの壁に、私が座っていた観客席の丁度中央辺りからは、ステージの高木さんが右にも左にも写っていて、ステージ上の本物以外に「分身の術」を使ったような高木さんが同時に5、6人見られたのも面白かったですね。

アンコールは、ドビュッシーの「シリンクス」ともう一曲は「EARTH」(彼女の委嘱により村松崇継氏が作曲)でした。

Photo_6いつものように長い三枝さんのお話のために、たった6曲+アンコール2曲なのに、終演は19時半。それからサイン会までしてくださいました。7ヶ月の身重で2時間半のステージをこなし、さらにサイン会なんてとは思いましたが、ファンとしては有り難い事です。

Photo_7この写真、拡大してよく見ると、サインをしている高木さんの向こう側に、「フルートを吹く天使」が写っているではありませんか。気付かずに撮影して後から見て感動してしまいました。
高木さんは御主人が日本酒ソムリエですし(あ、もちろんプロのトロンボーン奏者で)、リサイタルの度に山形の美味しい日本酒などを差し入れさせて頂いていたのですが、さすがに妊婦に酒はないだろうと思い、来る途中の道すがら、旧櫛引町(あの有名店「アル・ケッチャーノ」の近く)の産直にて求めた安いさくらんぼ(佐藤錦)を道の駅のビニールの包みのままお渡ししてしまいました。美味しそうな高級なサクランボは箱詰めされていて、大きくて荷物になるだろうと考え、気軽に帰りの新幹線でつまめるような小さいパックを高木さんと與口さん用に求めたのですが、◯◯円と値札も付いたままで渡してしまい、恥ずかしい限り。

でも、白石まで出かけた甲斐の十分にあるコンサートでした。
やはり彼女の生の音はいいですね。私は彼女のフルートの音色を聴いた2000年頃に、ながらく眠っていたフルート熱に火がついたのですから、これを絶やさないようにするために、彼女の音を聞き続けなければと強く思いました。
三枝さんにもご挨拶出来て嬉しかったです。
「オペラの緞帳が上がる前に、三枝さんが『今日演奏して下さる酒田フィルハーモニーの団員の中には、このオペラに出たくて、大学病院を辞めて酒田で開業した人までいるんです。演奏する側にとってもそれほどに魅力的なオペラなんですね。』と紹介されたのが、この私です。」
と自己紹介したら、「ああ〜、あの時のドクター!」と思い出して下さり、「奥さん、僕、奥さんの車で送ってもらったよね。」と家内も忘れていた事を覚えていて下さいました。オペラが終わって、希望ホールのホワイエで打ち上げをし、二次会会場に向かう時にJS先生と三枝さんを家内のちっこい軽自動車で会場にお連れしたのでした。

昨日(6/21)は、このコンサートだけではなくいろいろいいことがありました。
酒田を出発する前にクリニックで一仕事(パートの事務員の面接試験)をして、昼食は鶴岡(旧羽黒)の穂並街道「緑のイスキア」へ。Photo_8Photo_9左は先日頂いてとても気に入った「ポッコンチーニ」付きの前菜。
家内はスープコース。先日はとても美味しいミネストローネだったのですが、6/21から冷たいビシソワーズに変わっていました。家内はビシソアーズが大好き。しかもオーナーの鹿児島(?)の友人から一昨日届いたばかりの新ジャガを使ったそうです。

Photo_10パスタの写真は撮り忘れましたが、アマトリチャーナ。タマネギの甘さがうまうまです。
そしてピッツァはこの水牛のリコッタチーズを使った「リピエーノ」(包み焼き)です。リコッタチーズとモッツァレラにハム、バジルなどが入っていてウマウマ。具の入っていない「耳」の部分も、生地の美味しさが味わえて良かった。
リコッタチーズから出るのか、ちょっと水っぽい部分が「?」だったけど、こういうものなのだろうか。

Photo_11Photo_13左は私のドルチェ。エスプレッソコーヒーとともに頂いたのはマスカルポーネチーズを使ったティラミスーと何だか名前を忘れたとても甘い何とかビアンコ?パンナコッタ。
右は家内のドルチェ。だだちゃ豆のジェラートとだだちゃ豆の入ったロールケーキ。

Photo_14こんな美味しいものを頂いて、太陽は燦々と明るい光を降り注ぎ、お店の玄関前の田圃は稲がすくすく育って行っています。明るい気分になります。「緑」のイスキアですね。

そして山形自動車道の月山湖脇を通るとき、ちょうど午後2時の噴水が高々とあがりました。
「今日、なんかついてるね!」と思わされます(単純)。

白石から戻って来る時、山形自動車道を山形市から寒河江方面に走っていた午後8時40分頃、今度は大きな花火が見えました。何発も何発も上がっています。どうも「さくらんぼ祭り」に合わせた花火大会だったようで、寒河江SA脇の「最上川ふるさと総合公園」で打ち上げられていた模様。寒河江ICを過ぎたところから寒河江SAにかけて走行していると、まるで花火の中に突っ込んで行くような錯覚に陥りそうでした。
高速道路を走りながら花火見物。。。なかなか得難い経験。これもついてました!

ということで、なかなかブログの更新もままならない日々が続いていましたが、昨日はたっぷりと休日を謳歌し、素晴らしい音楽を聴き、楽しい一日でした。
(脳ドックのレポート、やらなくちゃ、、、)

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コメント

ああ、うらやましいです!
私はおととしのコンヴェンションで高木さんの音を聞いて以来、彼女の演奏会の機会を狙うようになったのですが、未だ実現せず・・・です。
高木さんのブログに、頂いたさくらんぼは帰りの新幹線の中で食べてしまった、と書かれていたのですが、balaineさんの差し入れだったのですね。

投稿: kimuchimilk | 2009.06.22 23:00

あの花火は全国的なキャンドルナイトにあわせた
イベントでして、只今開催の花のイベントの
唯一夜のイベントでした。それもちょうど、15分くらいの花火、
偶然にしてはタイミングよく花火に出会え
ましたね!その前に会場の公園はキャンドルの灯りのみで
音楽を聴きながら、そして最後に花火という内容でした。
耳にとっても悪そうなので自宅より拝見しましたが。。。

投稿: ボリジ | 2009.06.23 00:49

kimuchimilkさん、お久しぶり?です。
CDもいいですけど、やはり生ですね。生音は凄いです。
高木さんで私が一番感銘を受けるのは、その集中力の凄さ、音楽に入り込む雰囲気です。並の音楽家ではありませんよ、やはり。
是非、生演奏を聴くチャンスを作って下さいね。
(しかし、さくらんぼのパックの表面にでかでかと「◯◯円」と貼ったまま渡してしまったので本当に恥ずかしい、、、)

投稿: balaine | 2009.06.23 19:22

ボリジさん、先日は詳細なメールありがとうございます。メールに返事もしないでこちらにコメントするのも変な話ですがお許し下さい。
そうですか、わずか15分の間だったんですね。それは本当についてました!
山形北インターから山辺町を過ぎて来るあたりで「花火」が遠くに見えました。方向音痴の同乗者は「あっち、◯◯ワールド?」とか頓珍漢な事を言ってました。(笑)
寒河江SAで見たら凄い迫力だったでしょうね。

投稿: balaine | 2009.06.23 19:26

三枝さんは、フルートがあまり好きじゃないんですか!?
今、来月のコンクールに向けて練習しているのですが、自由曲が三枝成彰作曲「交響組曲 機動戦士Zガンダム」なんです。
1stが、とにかく高音域ばかりで、6連符の連続、しかもその中に高音のCが入ってたりで、息が続きません(><)
なるほど、そういう訳ですか…と思ってしまいました(笑)
でも、すごくかっこよくていい曲ですよ(^^;

投稿: Rin | 2009.06.24 22:20

Rinさん、まあ、三枝さん特有の、半分ジョークだと思いますが、作曲家として魅力ある楽器はオーボエやクラリネットと言っておられました。三枝さんはフルートを(上手には)吹けないのだと思います。
私はフルートは、自由度の高い楽器だと思います。歌う事ができる楽器とも言えると思います。音色でもテクニックでも勝負出来ます。
「合奏」の中では、他の楽器にとけ込む演奏もありますが(オケではバイオリンと一緒に高音のメロディを奏でる事が多いですね)、通常は音域も音色も飛び抜けた効果を作曲家は期待するのでしょう。その「ガンダム」での超高音6連符もきっとそういう効果を期待した部分でしょうね。
そういえば、以前、「ハリーポッター」とか「スターウォーズ」をファミリーコンサートで演奏した時、同じように超高音の高速パッセージが出て来て、対応出来ないからピッコロで1オクターブ下げてやろうかとパートで話し合った事を思い出しました。ジョン・ウィリアムズもフルートを吹いた事がないのでしょうね。

投稿: balaine | 2009.06.25 05:22

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