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2009.04.20

第4回サロン・コンサート

平成21年4月19日(日)、拙クリニックのリハビリ室兼音楽ホール「ジョンダーノ・ホール」にて、第4回目の「サロン・コンサート」を行いました。その準備、その他で2日間ブログをお休みしました。まだ疲れが残っていますが、コンサートのレポートです。
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予約の段階では、40名を切る観客数だったのですが、当日予約なしでいらして下さった方を含めて、最初に用意した客席では足らなくなって椅子を追加する状態でした。

コンサートは、スムーズに、と言いたいところでしたがいろいろとあってバタバタしました。
まずは、山元氏の事情によって前日4/18のリハーサルが無くなりました。結局、本番当日の午前10時過ぎに酒田に到着し、それからチェンバロ伴奏2曲+アンコール1曲、ピアノ伴奏5曲+アンコール1曲の計9曲のリハとなってしまいました。
チェンバロとの合わせは彼も経験が少なく、バロックの演奏法を追求するあまりに2曲+1曲で1時間以上が経ってしまいました。ピアニストのMS嬢も、今回の5曲は全て初めて伴奏する曲なので、不安が一杯。しかし、午後1時半開場、2時開演は決まっているので、可能な限り練習しました。
一番不安だったのは、実は私。
F. ドップラーの「アンダンテとロンド」はフルート二重奏ですが、今まで人前で吹いた事のない「お初」の曲。山元氏との二重奏も初めて。それなのに、リハすべき曲はたくさんあり、主催者としての準備(受付やもろもろ)も考えねばならず、結局散漫な練習というか2回程通して、テンポの揺れるところのピアノとの合わせを確認したのみにとどまりました。
 ぎりぎり12時半過ぎまでリハーサルを行ったので、どこかに食事に出かける時間もありません。「ル・ポトフー」に連れて行こうか、蕎麦屋に連れて行こうか、などと考えていたのに近くのコンビニの弁当とお握りで終わり。あっという間に開場の時間が迫り、ちょっと一息ついたと思ったら既にいらして頂いていた方に入って頂くことになりました。

録音、ヴィデオ、写真、その他の準備、着替えなどしていたらあっという間に開演時間。
少し遅れて開演。
まず前半はチェンバロ伴奏のフルートソロ。
Photo1曲目は、モーツァルト作曲のK.14という極めて若い番号のソナタ。
アマデウス8才の時に作品だそうです。元は、ヴァイオリンまたはフルートのオブリガート付きのピアノの曲だったのを、フルートソナタ用に後世の人が書き直した曲。
とても、快活で、変化に富んだ面白い曲です。

2曲目は、G.P. テレマンのヘ短調のフルートソナタ。
こちらは、家内も練習中から「テレマンにはまった」という感じで乗って練習していました。家内のチェンバロの師匠である新潟の八百板先生のところに習いに行く度に、グレードアップして面白い演奏になってきていました。
演奏後の山元氏の感想も「テレマンが楽しかった!」ということでした。


Photo_2後半の1曲目は、件のF. ドップラー作曲「アンダンテとロンド」。
個人練習はそれなりにやりましたが、何せピアノとフルート2本で合わせたのが本番の2時間前の計30分弱だけ。全然練習が足りず、不安一杯で演奏へ。
それが結果にもろに出てしまいました。練習でも間違えないようなところをボロボロ間違え、高音のFisの音をFに間違ってしまい、本当にたくさんたくさんミスをしました。ただ、曲に対する熱い思いだけは伝わったようで、熱烈な拍手を頂きました。
この演奏は、音ブログの方に公開してしまいました。「251. アンダンテとロンド」をクリックしてお聴き下さい。
相変わらずの「恥知らず」な「自惚れ」コンサートです。(^^;;;;

続いて、日本の歌を3曲、「さくらさくら」「荒城の月」「花」。
後ろで見ていると、観客の皆さん、特に中年以上の女性の反応がとても良かったように思いました。皆さん、自然に体が動き、きっと心の中でフルートと一緒に歌っているんだろうな、と思いました。
「サロン・コンサート」としては、趣味的なフルート曲だけではなく、こういう皆に親しまれた聴きやすい曲も用意すべきだなぁと感じました。

フルートの山元氏は1976年に芸大に入学したのですが、これらの曲を編曲したのは矢代秋雄という当時芸大の教授(門下生に池辺晋一郎さんなどの優れた作曲家を輩出)で、なんと1976年の4月9日にまだ46才という若さで亡くなられ、それは芸大の入学式の4日後の事だったので、結局お会いする事がなかったという話をされました。
そういう想いを込めた素晴らしい演奏で、ピアノ伴奏も難しいのですが、MS嬢は見事な伴奏を聞かせて下さいました。

最後の曲は、C.シャミナード作曲の「コンツェルティーノ」。これまたフルート吹きには有名な曲です。国立パリ高等音楽院(いわゆるコンセルヴァとワール、「のだめ」が留学した学校)のフルート科の卒業試験用に作曲され、フルート科の教授に献呈されています。1903年ということで、今から100以上前の曲。ただしくは「フルートと管弦楽のためのコンツェルティーノ」という曲名ですが、現代でピアノ伴奏版の方が有名かも知れません。

山元氏のヴィルトゥオーソな技巧が冴え渡り、超高速のパッセージをいとも簡単に端正に吹いて行く彼の演奏を聴いてきて、「やっぱり、プロってのはすげぇんだな〜」などと変な感想を持ちました。

熱烈な(?)拍手に応えて、アンコールを2曲。
Photo_41つ目はヘンデル作曲ト長調ソナタの第2楽章。
2つ目は、J. マスネ作曲「タイスの瞑想曲」。歌劇『タイス』の間奏曲で、故本田美奈子さんの歌でも有名になりました。とても感情のこもった美しい演奏でした。

終演後、「ステキな演奏を聴いて、足が痛いのも治りました!」と言って下さった患者さんをはじめお帰りになる方々がみな笑顔でとても嬉しかったです。「楽しい演奏会でした!また開いて下さい。」とお褒めの言葉も頂き感謝感激でした。
自分の演奏にはホトホト愛想が尽きるような落込みを感じたのですが、終わってみれば「ああ、良かった良かった」という感じになれて幸いでした。

家内のチェンバロを製作し、このサロン・コンサートのため、前日から酒田泊まりがけで久しぶりの楽器調整に来て下さった林さんにも感謝です。
そして何よりも流石の素晴らしい演奏を披露してくれた、小学校時代の旧友山元氏に感謝!です。

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次の「サロン・コンサート」は、6/13(土)の予定です。
昨年も来て下さった、国立市在住のフルーティスト上坂学氏による、「フルートを楽しもう!in 酒田 Vol.2」を予定しています。
フルートのミニ・コンサートとフルート講習会、無料調整会、試奏会、そして希望者への個人レッスンを6/13(土)、14(日)と計画しています。
プログラムなど詳細が決まりましたら、告知致します。

「サロン・コンサート」の前に、5/2(土)には、地元の酒田市立酒田中央高校音楽部による「発表会」的コンサートがあります。入場無料です。
詳細は、またあらためて告知致します。

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コメント

昨日の「サロン・コンサート」、お疲れ様でした。いいコンサートでしたね。
山元さんとの二重奏や奥様のチェンバロとの協演など、山元さんが小学校時代の旧友ということもあり、ファミリー・コンサートのような趣きもあって、すっかりくつろいだ気分で楽しませていただきました。
また、5月2日(土)のコンサートまで御紹介いただき、ありがとうございます。
それにしても、練習から準備、本番の演奏まで、スタッフ不足のなか大変な一日でしたね。次のコンサートでは、何か御協力できることがあれば、遠慮なくお声をかけてください。

投稿: nimrod. | 2009.04.20 20:55

nimrod.さん、コメントありがとうございます。
疲れましたが、お客様よりも自分が一番楽しんでいるのかもしれません。これが「仕事」であればこんなに一生懸命になれないかもしれませんね。
コンサートに来て頂けるだけで大変有り難いです。お手伝いなんてとんでもない!
5/2もお互いに楽しみましょう!(指導者は楽しむのは無理かもしれませんが)

投稿: balaine | 2009.04.21 01:07

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