酒田の花見〜日和山公園〜
屋形船で花見と洒落こんだ後、回復したお天気に誘われるように、船から眺めた「日和山公園」に行ってみました。
ここは、酒田市内では一番の花見の場所として知られており、平日夜や休日ともなるとたくさんの人で賑わいます。
平日の午後3時頃ではこんな感じ。
広々とした芝生と広がる桜並木のコントラスト、そしてここの名物の一つ「木造六角灯台」。
昨日の記事にも書いたように明治28年から酒田の宮野浦に設置されていましたが、戦後現在の灯台に更新を譲り、この公園に移築されて保存されています。現役ではないけれど、現存する日本最古の木造灯台と言われています。
近づいてみてみましょう。
そう大きくはありません。可愛らしい感じすら受けます。
これが明治28年から昭和33年まで現役だった木造灯台も今はここ日和山公園の一角で余生を過ごしています。
この灯台からの光が、酒田沖を航行する船の安全を守っていたのかと思うと感慨深いものがあります。
陽当たりのいい部分、冷たい風の辺りやすいところなど、同じ公園内でも開花の状態は8分から散り始めと左があるようです。
近づいて撮ってみました。
日和山公園には「文学の散歩道」があり、有名な歌人、俳人などの石碑がたくさん建てられています。
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写真は、山形(上山)出身の歌人斎藤茂吉の碑。
「おほきなる 流れとなれば
ためらはず
酒田のうみに そそがむとする」
昭和22年に茂吉が酒田で詠んだ歌です。
この他に、松尾芭蕉の超有名な句
「暑き日を 海にいれたり 最上川」
と
「温海山や 吹浦(ふくうら)かけて ゆふ涼み」
の2つの石碑もあります。
元禄2年(西暦1689年)に酒田滞在中(伊東不玉という医師宅に泊まったらしい)に詠んだとされています。
この他に、与謝蕪村、吉田松陰、正岡子規、若山牧水、竹久夢二など、酒田に縁があって立ち寄った人たちの歌や文章が石碑になって置いてあります。
かつての酒田の繁栄の基礎を気付いた、川村瑞賢の銅像や、北回り航路の千石船の何分の1かのレプリカが池の中に飾ってあったり、見所の豊富な公園です。酒田港の一部や日本海、最上川を眺めることのできる見晴らしと、かすかに香る桜の花、そして花見客を当て込んだ屋台の数々。
ようやく酒田にも春が来たと、少々冷たい風に吹かれながら感じていました。
日和山公園のすぐ近くに、映画『おくりびと』のロケ地の一つ、「NKエージェント」社屋に使われた旧割烹小幡がありますが、先週から中を一般開放(100円の清掃協力金)しています。見物してきた話はまたあらためて書きましょう。
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