« 月刊「SPOON」休刊(廃刊?)へ | トップページ | 3月末の雪 »

2009.03.27

石井理恵ピアノリサイタル in 鶴岡を聴く

3/26(木)、19時開演、鶴岡市文化会館での石井理恵さんのリサイタルに行ってきました。

木曜は午後1時までの診療なので、まずは週一通いのスポーツジムへ。
鈍っている身体を1時間強いじめました。筋肉痛が心地よい。でも冬の間の運動不足と仕事のストレスなどで体重はなかなか減少しません。。。(;;)

ジムからクリニックに戻り1時間程フルートの練習。愛器18Kゴールドはパールフルートの工場にオーバーホールに出したので(工場送りは1年半以上ぶりか)、総銀製C足管で練習。材質の違いだけではなく、歌口が違うので息を当てるポイントも少々違うし鳴りも響きもやや違和感がある。
ドップラーの練習をしていたらあっという間に時間が経ち、自宅に寄って鶴岡へ向かう。
開場時間を過ぎて到着したにもかかわらず、駐車場は余裕がある。観客の少なさを予感。

鶴岡市文化会館は昭和30年代の竣工で、式典なども行う多目的ホールとして作られているため音楽ホールとして音響の良さはあまり望めません。さらに、当時の日本人の体格で設計されているためか、客席は非常に小さく、座ってみた感覚ではおそらく山形県民会館の椅子よりも小さいと思います。椅子の中のスプリングがへたっているため、座るとお尻にゴツゴツした感じがありますが、2時間弱のコンサートならばなんとか我慢出来ます。大柄な外人さんを招待して何時間も座らせておく学会などにはまったく適さない、はっきり言って時代遅れの施設です。
酒田市民会館が、昭和37年竣工の旧会館から平成16年に現在の「希望ホール」になり、本格的なオーケストラピットを兼ね備え、バルコニー席付きの3階席まである素晴らしい音響のホールとなったことと対比して、鶴岡の音楽ホールのあまりの貧弱さは残念なことです。

主催がYBC鶴岡支社ということで、今回鶴岡市文化会館での開催になったのでしょうが、庄内地区でのピアノ単独のリサイタルであれば、中村紘子や上原彩子やラファウ・ブレハッチやアレクセイ・ゴルラッチのリサイタルを行った庄内町の「響ホール」がベストではないかと思います。ピアノの状態とホールの大きさ、ホールのピアノに対する響きなどから考えると、希望ホールはやや大きすぎる印象があります(先日の佐藤七菜子さんのリサイタルでも感じた)。

ホール全体の空間は希望ホールの半分か、せめて2/3くらいしか無い様な印象なのですが座席数は1,247席と県内では県民会館、酒田市民会館希望ホールに次ぐ収容人数なのは驚きです。客席全体を見渡す限りでは800~900席くらいかな?という印象を受けるからです。

開演の19時近くになって客席を見渡しましたが400人入っているだろうか?という人の入りです。これならやはり「響ホール」(満席で520位)でやれば良かったのに、、、と思ったのは私だけでしょうか。

プログラムは、前半が1)バルトーク「ルーマニア民族舞曲」、2)ベートーヴェン「ピアノソナタ第18番変ホ長調」、3)ショパン「3つのワルツ 作品64」、4)リスト=ホロヴィッツ「ラコッツィ行進曲」、後半は5)シューマン「謝肉祭 作品9」でした。
決して響きの良くないホールですが、石井さんのピアノは鳴ります。
ppの繊細な響きから、fffのド迫力の響きまで非常に幅の広いダイナミクス、緩やかで優しい音色から、激しく強い音色と色彩感も多彩です。彼女の演奏で一番感心するのはそのリズム感です。シンプルな一定のリズムは揺るぎがなくどっしりとしていて、テンポ・ルバートや揺れる部分では余裕のある起伏感があり、リズミカルな部分では聴いているこちらの身体も弾むようです。

昨年の酒フィル定期で一緒に演奏した、いわば「身内」のような気持ちも勝手に持っており、身びいき的な部分も否定は出来ないでしょうが、やはり彼女の演奏は聴いていて楽しいし感動します。
選曲も良かったのでしょう。ピアノの玄人以外の人でも楽しむ事ができるように、ショパンのワルツを入れたり、迫力満点の「ラコッツィ」では結構小さいお子さん達(おそらくピアノ教室の生徒さん)も、それまではもぞもぞ落ち着きなく聴いていたのにあまりの迫力の音量と腕の動きの速さにみんな時間が止まったかのように身体の動きを止めてピアノを弾く石井さんを見つめていました。
素晴らしい演奏会でした。

決して多くはない観客でしたが、盛んな拍手に応えてアンコール。
1曲目は、モリコーネの「ニューシネマパラダイス」のテーマの編曲。またまた盛んな拍手に応えて、アンコール2曲目は昨年の酒フィル定期の際にもアンコールで弾いたカプースチンの「8つの演奏会用練習曲」から「フィナーレ」。まるでジャズのようなリズムと激しくビートの利いた演奏に酔いしれました。さらにさらに盛んな拍手に応えて、アンコール3曲目!ショパンの「幻想即興曲」。有名な曲ですが、生で聴くのはかなり久しぶりな感じがします。勢いに任せない、コントロールされた美しい演奏でした。

終演後、バックステージを酒フィルの仲間と訪ね、昨年の定期演奏会が山形県の芸術祭で「優秀賞」を獲った(音楽団体では最上位)ことを報告し、演奏の素晴らしさを讃えねぎらってきました。当然お花はたくさんもらうと予想し、酒フィルからのプレゼントとしてあの「おくりびと」のお酒をお渡ししたところ、笑顔で「堪能させて頂きます」と。
山形市からわざわざ来られたご両親や知人、友人らに囲まれていました。
プログラムが硬軟取り混ぜた感じで良かったことと、演奏時の集中力と音の美しさ、そして「打楽器」としてのピアノの迫力を堪能しました。またいつか共演させて頂きたい演奏家だと思いました。

|

« 月刊「SPOON」休刊(廃刊?)へ | トップページ | 3月末の雪 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74618/44478209

この記事へのトラックバック一覧です: 石井理恵ピアノリサイタル in 鶴岡を聴く:

« 月刊「SPOON」休刊(廃刊?)へ | トップページ | 3月末の雪 »