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2009.02.19

「雨水」過ぎて

個人事業主となってみて、病院勤務医の時よりも季節の変わり目、節気などに敏感になった様が気がしている。以前は、冬至夏至春分秋分それにせいぜい立春(+その前日の節分)位しか意識していなかった。
3月3日の「桃の節句」に開院してそれから春夏秋冬季節は巡り、立春を過ぎて今年は2/18が雨水。
「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」
という言葉が由来の様で、春一番が吹き、うぐいすの鳴き声が聴こえ始める土地もあるとされ、また古来農耕の準備を始める目安とされて来た。「雨水」に雛人形を出して飾ると良縁に恵まれると言う言い伝えもあるらしい。

昨年は閏年だった。実は昨年の3月1日が土曜日で開院直前の「内覧会」をやったのだが、前日が2月29日で準備にバタバタしながら「今年は2月が1日多くて助かった〜」と痛感した事をよく覚えている。今年はいつも通り28日なので、2月はあと10日しかない。
本当に「2月は逃げる」である。

ということで、酒フィルのファミリーコンサートの3月1日(日)まであと10日となったのでもう一度告知する。
Dic212b_2このコンサートの目玉は4つ程あります。
1つはプロコフィエフの『ピーターと狼』。
このナレーションを酒田市出身の活動弁士佐々木亜希子さんがして下さる。
そういえば、先日拙クリニックを受診した方が佐々木さんをよく知っていると言う事でチケットを2枚買って下さった。有り難い!

2つ目の目玉は、「2つの『未完成』」。
シューベルトの「未完成交響曲」は、黒沢映画にも用いられたし日本人にも馴染みが深く良く知られている。一方、ボロディンの「未完成」は交響曲第3番で、歌劇「イーゴリ公」や交響詩「中央アジアの草原にて」など有名な曲がある割には知られておらず、プロでも「弾いた事ない」という方もいる位。
この2つの未完成をカップリングで演奏するコンサートはそうそうないと自負している。

3つ目の目玉は、「指揮者体験コーナー」。
題して「振ってみましょう!あなたも「千秋」になれる?!」。曲もドラマ「のだめカンタービレ」のオープニングテーマで使用された、「べと7」=ベートーベン作曲交響曲第7番の一部を、入場時に応募された観客の中から抽選で3名程選んでステージに上がって指揮台の上でオケを指揮して頂くという趣向である。

4つ目の目玉は、「ヴァイオリン体験コーナー」。
これも入場時に希望された方から抽選で挑戦者を選び(楽器に限りがあるので)、中間の休憩時間にホワイエで酒フィルの弦楽器奏者が手ほどきをするというものである。まったく初めての方でも、小学生以下のお子さんでもOKである。

Photo_4そうそう、このファミリーコンサートは、秋の定期演奏会と違って、未就学児童の入場は可能で小学生以下の入場料は無料である(万一、席が一杯の場合は、未就学時は親が抱っこしていただくことをお願いしています)。
写真は明日発行(本日配布)の今週号の「コミュニティしんぶん」5面の「文化」のページから。

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プロでも難しいという、「ピーターと狼」の「小鳥」のフルート。
「(あんなの)難しくてできないよ」とか「(プロでも)そう簡単に吹けるものじゃあない」と言われて、小生の反骨心というか「天の邪鬼」な心に密かに火がついた。

ハープ奏者早川りさ子さんのお父君である早川正昭先生から以前聞いた話では、「プロの奏者は、不得手なフレーズや苦手意識のある部分を何回練習すれば納得するか?」という問いに、いろいろな返答があり中には「600回!」という強(ツワ)の者もいたと言う話だが、大体平均すると「300回は練習する」ということだったという。

昨年の定期演奏会が終わって、3/1の本番までおよそ100日。毎日は練習できない日もあるとしても一日に5回以上練習すれば(5回と言ってもその内容が大切な訳だが)300回はくり返し練習できるだろう、ゆっくりから始めて、上達しなくても慌てず、ごまかしの演奏をなるべくしないようにして、練習ではゆっくりいろいろなフレーズやリズムで繰り返して身体に叩き込むようにして行けば、ヘボ笛吹でもなんとかなるんじゃないかと思ってやって来た。フレーズによっては、1日で20回以上繰り返し練習して来た。部分的には500回以上、ある部分だけ取り上げれば1000回は練習したのではないかと思っている。
昨日の練習で、自己評価「85点」である。
なんとか羽ばたいて木の枝までは行けるようになったけど狼をからかうように上手く飛び回れるかというとちょっと心もとない。もちろん満点を目指して練習しているのだが、あと10日で残り15点分を獲得するのは至難であると思い始めて来た。いや、100点満点なんてプロだってそうそう出来る訳じゃあないんだから、95点くらいでいいじゃないか!位の気楽な気持ちで挑戦したいと思っている。

このほぼ毎日の練習の中で気付いた事がある。
気まぐれにJSバッハのフルートソナタや、ピアソラの「ブエノスアイレスの冬」や、プロコフィエフのフルートソナタなどをちょろちょろと気分転換に吹いてみると、高音が楽に出るようになり、低音が太く鳴るようになった気がしている(あくまで本人の勝手な判断だが)。
「小鳥」の難しい超高速パッセージや、超高音(第3レジスターのHや第4レジスターのC)を練習しているうちに、ソノリテやタッファネル&ゴーベールなどのエチュードをやったのと同じような効果が現れているような気がしている。これは嬉しいことである。

あと10日。ますます気合いを入れて練習したいと思っている。

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PhotoPhoto_2拙クリニック真向かいのゴルフ練習場は昨年暮れで営業を停止しお店を畳んだ。
それから真冬の天候の中の解体作業は遅々として進まない感じであったが、昨日あたりからついにゴルフ場のあの高い、たか〜い網を張っていた電信柱の10倍くらいありそうなコンクリート製の柱の解体が始まったようである。
左の写真は今朝一番の様子。右の写真はお昼過ぎの様子。
よく見ると、左手前から4本目の上半分が取り外され5本面の上端にとりかかっている。長さ40mはあろうかというクレーン車の先からぶら下げられた箱のような物に人が入って作業をしているようである。あんな高いところで、こんな寒い冬に、下が降雪の不安定な土壌で(もちろんクレーン車の足下には鉄板が敷かれて固定されて入るが)作業ができるものである。命知らずだ!
庄内特有の地吹雪の時にはまったく作業が出来ないのは当然としても、日本海に面したこの土地であんな高いところでは突然突風に煽られたりしないのだろうか?
数えてみると、そんな危険な作業を全部で30数本もやらなければこの高い支柱は取り外せないのである。そう簡単に倒せたり外せるようなものなら、ゴルフ練習場の網を支えられる訳がないのは自明だが、なんとも大変な作業だな〜と毎日見ていて心配している(怪我人が出ないのか、、、)。

ここが更地になったあとは、老人保健施設かデイサービスセンターや有料老人ホームなどが2件建設され、さらに何らかの小売業の店舗も建設予定であると噂で聞いた。ゴルフ練習場が1つあるよりは、拙クリニックには追い風の様な気がしているが。。。どうなんだろう。。。
あと2週間で開院1周年である。


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