「山響ホリデーコンサート」
1月12日(月・祝)、「成人の日」。
真室川町中央公民館で表記コンサートがあったので、酒田からはるばる聴きに行って来ました。
「おもしろいぞ、オーケストラ」〜楽しい語りと解説で〜
というもので、指揮は佐藤寿一氏、司会・語りに劇団山形の平野礼子氏を迎え、前売りで一般1500円、高校生以下500円という破格の値段での楽しいコンサートでした。
曲目は、1)ヨハン・シュトラウスⅡ/喜歌劇「こうもり」序曲、2)プロコフィエフ/音楽物語「ピーターとおおかみ」(語りに平野氏)、そして3)ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調作品67「運命」でした。
真室川中央公民館は入り口が3階にあり、観客席はなかなか立派な造りですが、ステージはいわゆる小中学校の体育館のステージと同じような物で、バックステージなどはありません。響きは決して悪くはありませんが(鶴岡の文化会館よりは響きがあると思いました)、後方が白いスクリーンなので管楽器の反響などはほとんどない状態でした。
山響は、数多くのスクールコンサートをこなしており、もしかするとどんな環境でも演奏できる(演奏せざるを得ない)順応性と言うか対応力も全国一ではないかと思います。
このコンサートを聴きに行った第一の理由は、「ピーターとおおかみ」。
3月1日(日)に庄内町「響ホール」で開催する酒フィルファミリーコンサートで取り上げる曲の一つで、指揮の寿一さん(酒フィルの指導指揮もして頂いた事があり面識がある、私の高校の2年後輩)と山響がどのように演奏するのかを勉強させてもらいに伺ったのです。酒フィル団内指揮者、ライブラリアン&チェロ奏者、オーボエ奏者、フルート奏者&インペク(小生の事)とその家族の総勢7名、車2台で庄内から出かけて行きました。
真室川に向かう途中、鮭川村で『池之家』という店に立ち寄り昼食。
私と団内指揮者(タビの親父さん)は、写真の「鮎蕎麦」に舌鼓を打ちました。軽く素焼きにしてかけ蕎麦にいれた鮎の香りが繊細で大変美味しかったです。
ここ『池之家』さん(HPはこちら)は、蕎麦以外にいろいろな料理が頂けますが、まずはその店の佇まいが素晴らしい。蔵座敷もありますが、蕎麦を頂いた普通の座敷も昔ながらの天井の高い、古い襖絵のある大きな座敷でした。
ここに立ち寄った訳は、実はこの池之家さんがかつて酒フィルの指導指揮もされていた高橋誠也氏の実家なのです。高橋誠也さんのプロフィールは「ここ」でご覧頂けます。
故前田幸一郎氏や小林道夫氏に指揮法や宗教音楽、伴奏法を師事され、「東京J.S.バッハ合唱団」を設立され常任指揮者をされています。酒フィルを指導されていたのは20年くらい前の話なので私は直接面識はないのですが、タビの親父さんがこの店に皆を案内してくれました。
酒田から鮭川村まですでに1時間以上かかって、更に真室川は15分程「奥」に入って行く感じ。予想よりは雪は少なかったものの、車輪が滑るのを感じながらのちょっとスリリングなドライブでした。
会場より30分位前に着いたのですが、すでに10名以上並んでいました。
入り口近くで寿一さんにばったり。思いがけずコンサート前に挨拶ができました。
『ピーターとオオカミ』は「子供のための交響的物語」とプロコフィエフが副題を付けている通り、子供を対象とした音楽ではあるのですが、譜面はとても大変です。とても「子供用」ではありません。
特に「小鳥」のフルートは大活躍ですが、難度の高いアルペジオや高速のパッセージが断続的に続きます。「あひる」のオーボエも幅広い音域をこなす必要があります。オーボエの指使いに悩んでいた当団のMS嬢を伴って舞台袖に行ってみると、フルートの足達先生、竹谷さんにお会いでき、山響オーボエ奏者の佐藤麻咲さん(この方もMS嬢ですね)を呼んで来て下さいました。
コンサートの始まる直前に不躾に押し掛けたにもかかわらず、にこにこと演奏上の疑問点などにお答え下さいました。ありがとうございました!わたしは、足達先生に演奏上の疑問点をお伺いするレベルには達していないため、ご挨拶だけして遠慮しました。「小鳥」が羽ばたくどころか、まだ殻をようやく破って出ようとしている段階で、羽も広がっていないのです、私の場合。(一応、楽譜と楽器も持って行っていたのですが、終演後は雪の中を皆さん急いで撤収しお帰りの様子だったので、終演後のご挨拶も遠慮しました)
でも、普段練習で苦労している部分も、結局、真面目にサラって可能な限りきちんと吹くしかないのだということと、難しい部分に気を取られて疎かになっていた緩徐部分や伸ばしの処理などたくさん勉強になりました。本番まであと1ヶ月半あるので、毎日練習すれば、たどたどしくも羽ばたけるのではないかと思っています。
プロコ以外の曲では、まず「こうもり」。
新年に相応しいヨハン・シュトラウス二世の有名な序曲で、聴きながら思わず身体がスイングするようでした。寿一さんの全身で現す喜びの音楽がステキでした。
メイン?は『運命』。
しかし、普段あまりクラシックに馴染みのない人や子供を対象としたコンサートだったので、第1テーマや第2テーマ、楽章ごとの分析、3楽章から4楽章へ途切れずに突入する新しさ、当時はまだ珍しい楽器だった、ピッコロ、コントラファゴット、そしてトロンボーンを初めて交響曲に取り入れたベートーベンの斬新さ、革新的なことなどを、司会の平野氏と指揮の寿一さんのやりとりで解説していました。
アンコールはピチカート・ポルカ。
これまた楽しく弾む音楽。外は雪がまた強く降り出していましたが、新春を祝う幸せな音楽の時間でした。閉演後、平野さんに挨拶し、袖にいらした団員にも挨拶をして会場を出ましたが、自家用車で来た多くの山響団員と駐車場でまた挨拶。「気をつけてお帰り下さ〜い!」という感じで真室川を後にしました。
さ、「小鳥」、練習するのみ、さらうしかありませんね。
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先日の「ニューイヤー」、『管組』のリハ録音も恥知らずにもまた公開しました。
「メヌエットリハーサル」です。良かったらお聴き下さい。大バッハ様もきっと寛大な心でお許し下さる事と。。。(^^;;;;
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