篤姫と南洲翁
西郷南洲翁の事について、これまで何度かこのブログで触れてきました。
心から南洲翁を尊敬されている方や、南洲翁遺訓を元に勉強会を定期的にされている庄内南洲会の方々などに比べれば、私の知識などは付け焼き刃のミーハー的なものです。
1年近く前になりますが、今年のお正月に酒田の南洲神社に初めてお参りしました。「敬天愛人」の書を買い求め、額に入れて玄関に飾っています。
その時点では、ある意味で、西郷南洲翁は、徳のある見上げる人という感じを持っていました。
今、佳境を迎えているNHK大河ドラマ『篤姫』。
先週の日曜、今週の日曜と録画していたのを観ることが出来ましたが、観ながら涙が出て来て困りました。篤姫から徳川慶喜助命嘆願の手紙を受け取りそれを読んだ時に官軍参謀長西郷の見せる、本来の心優しく熱い人間としての顔。さらに島津斉彬公から篤姫へ宛てた手紙を西郷に届け、身分の低かった西郷を取り立てて教え育て薩摩藩を代表する藩士にした今は亡き島津公のこころを思い出させ、江戸城総攻撃を止める決断をするシーン。
どこまでが史実に忠実なのか、どこからが脚本なのかわかりませんが、西郷役の小澤征悦の演技が素晴らしくて引込まれ、涙してしまいました。「小澤征爾の息子」などという肩書きももういらないですね。素晴らしい演技、素晴らしい役者さんです。
それにしても、官軍の江戸総攻撃を、勝海舟と西郷隆盛の会談で「無血開城」となり、江戸市中が火の海になる事が避けられた、無益な戦火が防げたという史実に変わりはないのですが、薩摩出身の篤姫がこれほどまでに関与していたとは驚きでした。
亡き島津公の後を追って殉死しようとしたり、月照和尚と入水自殺を計り助けられたり、2度も島流しをされたり、既に何度も「身を捨てた」人として、徳川幕府を徹底的に叩きのめし新政府による新しい世の中を造り上げるための礎として命をかけたのでしょう。その強い決心を本当に篤姫の手紙が変えさせたのだとしたら凄い事です。11/23の回と11/30の回の両方とも、生島が、勝が篤姫の手紙を届け、それを読んだ時の西郷の反応は感動的でした。観ていて熱いものがこみ上げてくるのを堪えることが出来ませんでした。
150年近く経って、その行動が、その想いが人を感動させ、感激させる人というのはやはり凄いな〜と思いました。
しかし、我々と同じ人間であり、ただ「見上げる」だけの人ではないのだと、今は思うようになっています。
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