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2008.12.26

やっぱり凄い!アル・ケッチャーノ

1226ついに来ました冬将軍。昨日午後から大荒れの天気で、今日は朝から拙クリニックの玄関や駐車場の雪かきをしたのですが、庄内特有の海から風に煽られて、すぐにまた地面が見えなくなります。

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この冬一番の寒い日に(朝、出勤時に車のコックピットに表示された車外気温はー3.5℃でした)冷たい雪の話では味気がないので久しぶりにグルメ記事とします。
12/25、クリスマスの夜は鶴岡の『アル・ケッチャーノ』を予約しました。

2年前でしたか、TV『情熱大陸』で取り上げられ、その後も数多くのメディアに登場して、いまや庄内一、いや山形一予約の取りにくいお店になってしまった感があります。それ以前は、ブラッと訪れて黒板に書かれたその日のお勧めメニューの中からパスタを1品選んで食べる、そういう楽しく気軽なお店でした。
テレビで取り上げられた事を深く考えずに、H18年の夏(まだ山形市に住んでいました)、夏休みの一日にぶらっと庄内にドライブをして、「お昼はアル・ケッチャーノで」と寄ってみたところ、店の外にまで並んで待っている人がいてビックリ。
「お昼がだめなら、夕食は?」と聞いたところ、「スミマセン。夜は一ヶ月先まで予約が埋まっています。」と言われてビックリ。それ以来、ちょっと足が遠のきました。

昨年、庄内に移住して私の誕生日(納豆の日)に予約してディナーを頂きました。秋には拙クリニックの地鎮祭を行った際、横浜の両親を湯田川温泉(藤沢周平縁の九兵衛旅館)に案内した翌日、昼食を予約して頂きました。
いずれも満足な食事でしたが、それ以来行っていません。大好きなお店なのに、庄内に住んで1年7ヶ月の間に2回しか行っていませんでした。

前回行ってから1年2ヶ月半、ディナーを頂くのは1年5ヶ月ぶりになります。「アル・ケッチャーノのクリスマスメニューってどんなんだろう?」という期待感が高まっていました。結果的には「さすが奥田さん!素晴らしい!美味しく楽しかった!」という感想で帰って来ました。

折角なのでメニューを全て写真に撮って来ましたので、ここに並べてみたいと思います。

Photo一皿目はブリのお刺身。分厚いけれどたった一切れのブリの切り身が写真のように海を思わせる青いお皿の真ん中に盛りつけられています。回りには庄内の海から作られた塩が撒くようにおかれていて、その塩を付けて食べるというシンプルなもの。ブリの旨さがお塩で際立ちます。メニューの名前は「宇宙の中に浮かんだ一切れの寒ブリと満月の塩」です。

Photo_22皿目は「北海道の天然ホタテと岩手産キャビアのラビオリ仕立て ホタテのヒモとセロリのサラダの食感」というメニュー名。この名前の付け方にも奥田シェフの独創性が十分に表現されています。味はさっぱりしていて、ラビオリ、ホタテの柔らかい食感とホタテのヒモの歯ごたえにセロリのシャキシャキ感が大変音楽的でした。

Photo_33皿目は「米沢の雪菜とサンダニエーレ産の生ハム」。
地産地消を唱え、「地場イタリアン」を謳う奥田シェフですが、今回は同じ山形県でも遠くはなれた(車で3時間かかります)米沢の有名な地場野菜の登場です。生ハムもとても美味しいのですが雪菜の個性の前に負けている印象。生ハムの塩気が雪菜の味付けになっている感じです。雪菜は生のままと少し炙ったものの2種類を一皿に盛っているのも奥田さんらしい手の込みようです。

Photo_44皿目は「飛島沖メジマグロと三川佐藤さんの冬トマトアイコの冷たいカッペリーニ」。
冬に食べる冷製パスタ!美味しかった。メジマグロの海の恵みに、軽い酸味に甘味の強いトマト、本当にこれだけでも料理になるようなトマト、そしてエンジェル・ヘアーのパスタ。好きです!

Photo_55皿目は「カリッと焼いたのどくろとこんがり焼いた長いも」。
庄内が誇る食材の一つ「ノドクロ」。刺身や寿司はもちろん焼いても煮ても旨い魚を、アル・ケッチャーノではカルパッチョにする事が多かったと思いますが、今回は「焼いて」出て来ました。グリルでしっかり焼いて(でも中は柔らかく)、それに付け合わせとして出て来た長いもを焦げ目がしっかりつく程焼いたのがよく合います。更には黒い粒粒が。聞かなかったので確かではありませんが、指に付けて食べてみたところ、炭焼きの「竹塩」ではないかと思います。
さすがの味でした。

Photo_66皿目(さあ、一体何品あるのでしょう、、、)は、「ウンブリア産の黒トリュフと庄内米はえぬきのリゾット」。
クリスマスメニューは、いつものアル・ケッチャーノのお任せフルコースに比べて1.5~2倍くらいの値段。それがこういうところに出ていますね。トリュフが出し惜しみせずフンダンにかかっておりました。はえぬきのリゾットもとても美味しい。香りのぶつかるのを警戒したのか、私的にはチーズがもっとたくさん使われていても良かったかな〜と感じました。

Photo_77皿目、「ファアグラと干し柿のテリーヌ ずっぱいインゲンサラダとカヤの実」。
よく食べるソテーされたフォアグラではなく、パテのようになったテリーヌがしっとりとしていて、しかもフォアグラのソテーのようなしつこさがなく食べやすい。そのスライスの間にサンドされたのが干し柿のスライス。その甘さと苦さがアクセントになってフォアグラのテリーヌと絶妙にマッチしています。添えられたインゲンサラダはその食感に酸味、そこにカヤの実の歯ごたえと軽い渋みがまた味覚を刺激します。一皿にこれだけの味、香りを盛りつけられるのはさすがです。

Photo_148皿目、「山形の特産紅花を打ち込んだスパゲッティ ズワイガニのソースで!」。
メニューにちゃんと「!」が付いていました。
あれ?焼きそばみたいなスパゲッティだな、、、と思いましたが、それこそ紅花が打ち込んである麺なので黄色っぽいのですね。ズワイガニを茹でた汁がパスタに絡んで美味しかった。

Photo_99皿目!「うちのヤギの低温ロースト 生ハムの香りをうつしたクリームソース」。
ここまで来ると、男性の私でも結構苦しくなって来ました。一皿一皿はピッコロなのですがさすが9品目です。でもバラエティに富み、味の変化が豊富で、同じ皿の中にもいろいろな世界が広がるのでまったく飽きが来ません。
さすがのアル・ケッチャーノ。全席予約で満席ですが、これだけの料理を次々に運んでくるフロア係も大変です。食事を始めてここまでで1時間40分くらい経っています。でも次の皿の間が間延びせず、かといって次々に責め立てられるように料理が運ばれて来る事もなく、なかなかのタイミングで出て来ます。そしてメインの前の皿が「ヤギ」。
ちょっと重くないのかな、と不安に思いましたが、低温ローストなので上級のローストビーフよりも柔らかくしかもサラッとしていました。クリームソースも美味でしたが、ここまでに白と赤のグラスワインで気持ち良くなっていて「生ハムの香り」というのはよくわかりませんでした。

Photo_1010皿目、メインの料理です。私が頼んだのは「ハンターより ウサギの一皿 オリーブとドライトマトのタップナードソース」です。家内は牛で、「A4ランクの米沢牛のグリルタリアータ 秘密の調合のハーブマスタードとクレソンサラダ」でした。
ウサギのお肉など滅多に食べないのでよくわかりませんが、他の獣の肉のどれにも例えたり比較できない感じです。カモとも違いますし、牛や馬とはまったく違います。低脂肪、低コレステロールと健康に良いお肉のようです。また食べたいと思わせる味ですが、「ハンターより」と表現されているように猟師さんが獲って来ないと食べられないのでしょうね。

Photo_11今回のクリスマスメニューは「10品」と聞いていたのですが、クリスマスカードにプリントされたメニューには、さらに「消化作用のあるエメラルドグリーンのスープ」と「クリスマスに開店するドルチェのワゴンサービス」そして「食後のお飲物」とありました。
ちょっとフロア係が混乱したのか、我々のテーブルには予定になかったラ・フランスのシャーベットが運ばれて来て(写真の左の背の低いシャンパングラス)、その後に「エメラルドグリーンのスープ」が来ました。これは小松菜とキュウリのスープということで本当に消化に良さそうです。

女性の目を釘付けにしていたのは、ドルチェのワゴンサービス。
我々のテーブルよりも先に来られて食事が早く進んでいるお隣や後ろなどにワゴンが運ばれ、奥田シェフ自らがドルチェを次々に運んで来て、客の好みを聞いて切り分けてお皿に盛っていました。

Photo_12Photo_13全部で7品のドルチェをシェフ自ら切り分けて下さいます。奥田さんが左利きだと言う事が初めて分かりました。
ティラミスにはシェフ自らクルミを砕いたものとココアパウダーをかけて下さったのでその際に少しお話も出来ました。

東京は霞ヶ関にあった山形県のアンテナショップが、来年春に銀座に移るに際し(もともとは年内開店の予定が飲食部門に応募が不調だったらしい)、2階に飲食店をいれるのですが、県関係者からの強い誘い(お願い?)によって「アル・ケッチャーノ」が入る事になったそうです。
噂では、春の開店に合わせて奥田シェフが家族も連れて東京に移住する(軌道に乗るまでは東京で本腰を入れる?)という事でしたが、本人に確認したところ、東京には月に2、3回は行くもの、普段は本店「アル・ケッチャーノ」にいるとのことでした。
県のアンテナショップとしては、土日の人通りが官公庁街の霞ヶ関からは比べ物にならない銀座に打って出る以上(相当なお家賃の高さらしい)、大きな目玉になるものが欲しいのは当然でしょう。全国的に有名になり、東京辺りから「アル・ケッチャーノ」で食事をするためにわざわざ庄内に旅する人がいる位のお店なのですから、その誘客力に期待が集まるのもやむを得ないのでしょう。

今回、クリスマスというイベントとして久しぶりに予約を取って訪れた「アル・ケッチャーノ」。料理の素晴らしさはもちろん、開店以来の生え抜きフロア係のAさんがご家庭の事情で関東地方に戻られて以降、ちょっと心配だったスタッフですが、若いのに皆素晴らしく、コースを通して遊園地の様々なアミューズメントを楽しんでいるような、心地よさと楽しさが感じられました。
一皿一皿にいろいろな思いが詰まっていて、客を飽きさせる事なく、客の楽しむ心をくすぐりながら、実はお料理を出している奥田シェフ自身が楽しんでいるんじゃないかと思いました。客を楽しませる事を楽しむ、とでも表現すればいいのでしょうか。
一流の音楽家にも共通する資質と才能を見た思いがしました。また、ドルチェを供する時のナイフの使い方やその手さばきなどを見ていて、「この人が外科医を志したら名外科医になったんだろうな〜」と感じました。
実際、料理と手術には共通点が多いと思います。
材料の準備、始まりから完了までの全体を通しての計画、手際の良さ、アイデアとイマジネーションの豊かさ、確実な手技、勉強に裏打ちされ訓練に培われた技術とその応用、何かトラブルが起きても即座に対処できる迅速さと器用さ、全体を統括する指導力と人間性、、、
いろんな料理の名シェフというのは皆名外科医になりうる人なのではないかな、と思います。

久しぶりに訪れて、アル・ケッチャーノは、奥田シェフはやっぱり凄い!と感嘆しました。

オマケの写真。
1226_3今日の昼休み時間に駐車場の雪かきをする家内。昼は私はアポイントがあったので除雪作業はしませんでした。
私も朝、診療開始時間前に玄関前などを一生懸命除雪したのですが、寒くて顔が「北国の赤ホッペの坊や」みたいになってしまいました。折角、掻いた雪もすぐに風が吹いてまた地面が見えなくなるのです。本当に大変です!

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コメント

アル・ケッチャーノ
庄内の有名なレストラン

お料理さすがおいしそうです

庄内の食材を上手に使っていて
うれしいですね

投稿: ryuji_s1 | 2008.12.27 13:51

何年か前、まだTVで有名になっていないときに、ワイフの上司の勧めがあり夫婦でランチに行ったことがあります。その時は比較的、入りやすかったのですが、もう簡単ではないのですね。

マエストロ・シェフ範親さんも名外科医になりうるのですね。

私も今度生まれて来るときは、名シェフか名外科医になれる様に今世をしっかり生きて行きます。

今年もあとわずか。寒さもこれからが本番。あっという間の2008年でした♪

337159です! ^^

投稿: KEN | 2008.12.27 18:42

ryuji_s1様、コメントありがとうございます。
貴サイトを拝見致しました。
料理は「想像力」と「愛」ですね。

投稿: balaine | 2008.12.28 09:53

KENさん、今年も残り少なくなりましたね。
まだまだ荒天が続きますが、もう仕事納めされましたか?
私は明日まで仕事です。頑張ります!

投稿: balaine | 2008.12.28 09:54

337400番

昨日が仕事収めでした。今日は17時から忘年会参加です。

色々とお世話になった2008年でした。ありがとうございました。

良い年をお迎え下さい。

来年もよろしくお願いいたします。

投稿: KEN | 2008.12.28 14:11

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