忘年会
師走ともなるとあちこちで『忘年会』というのが、日本の伝統的(?)な年の瀬の姿でしょうか。
しかし、未曾有の金融経済危機と不況によって泊まりがけなどの派手な忘年会はもちろん質素な姿でも「今年はヤメ」というところも少なくないように聞きます。
先々週に早々と地元医師会の忘年会があり新参者としては「義務」と考えて出席しました。
先週末(昨日の事ですが)は、大学医局の同門会の幹事会(幹事にして頂いているので)と総会そして忘年会出席ということで山形市まで行って来ました。同門会関係者(大学の教授や先輩後輩の脳外科医師の他、同門会顧問の大病院院長や大学教授の先生方、大学病院や関連病院の看護師の方々)にこの1年間のいろいろな事に対する感謝と挨拶、新年も変わらぬご指導ご鞭撻をお願いする上で、特に私の場合は開業医1年生として欠かす事の出来ない行事でした。
先輩後輩や医局の秘書さんなど見知った顔と酒を酌み交わすのは楽しい時間ではあるのですが、私は泊まりではなく車で往復だったのでずっとウーロン茶で通しました。それもあって、けっして楽しいばかりの時間ではありませんでした。
さらに、ちょうど同じ日に山形大学のサークル活動としてのオケ(山形大学フィルハーモニーオーケストラ、通称「大フィル」!)の定期演奏会がありました。これには関係者が出演するため前々から聴きに行く予定でしたが、同門会が後から同じ日に組み込まれてしまいました。
「今年は聴けないのか、、、」と諦めかけていたのですが、同門会の「幹事会」が16:30から、「総会」が17:00から、「忘年会」が18:30からという予定になっていたので、「これは行けるかもしれない!」と挑戦してみる事にしました。
16:00過ぎ、同門会会場のGホテルに到着、時間前に人が揃ったので16:30少し前から「幹事会」が始まり、16:55くらいに終わりました。下の階で「総会」が1時間半の予定になっています。私は医局長に断ってGホテルから車で、山形テルサに向かいました。
「大フィル」の定期演奏会は、開場16:00、開演16:30です。
プログラムのうち、1曲目のロッシーニ作曲「セヴィリアの理髪師」序曲と2曲めのハチャトリアン作曲「仮面舞踏会」より抜粋は私の見込みでは16:30〜17:05くらいで、そこから15分の休憩が入って17:20からメインのドヴォルザーク作曲交響曲第9番「新世界より」になるんじゃないかと予測。
テルサに到着したのが17:15で、ちょうど休憩中。ピッタリ合いました!
と言う訳でメインの「新世界から」だけしか聴けませんでした。(写真はメインの交響曲の始まるチューニングの前)
いろいろ小さな事故や大きなミス(?)もありましたし、弦パートだけになった時にだんだん音程が下がって来て、突然木管が入ったときフルートやオーボエの音程が悪いように聴こえましたが、金管が入ってくるとまた全体の音程が戻ってくるという感じで、たくさんの不安定さと不揃いなどもありますが、それはそれで楽しめました。
ただ「上手な」演奏を聴きたいのであれば、プロやCDだけ聴いていれば良い訳で、上手下手の問題ではない、音楽に取り組む姿勢、7,80人という大勢で一つの曲を創り上げる気持ち、その喜びを観に、感じに行くのです。私が所属するアマオケだって団員の力量や練習量にデコボコがありますが、結局は本番に向けて皆が心を合わせて演奏をするという、その姿、心が聴く人の心に響くものを届けるのだと思っています。最終的には演奏技術とか音色とかそういうものだけではない、演奏する魂みたいなものがやはり大事なのだと思います。
アンコールのラデッキー行進曲が終わるや否や私は会場を後にしました。実は、「本日はありがとうございました」というアナウンスの後に、ステージを暗転しペンライトを振りながら『ホワイト・クリスマス』を演奏したらしく、私のようにそれを聴かずに帰った方もいたようですが、家内は「ジ〜ン」としたと言っていました。
師走の夕方18時過ぎの駅周辺は車も多く渋滞で、見込みよりは時間がかかりましたが、18:30過ぎに同門会忘年会会場に戻り、ちょうど乾杯前の来賓の挨拶のところに滑り込みました。その後、学生時代からお世話になった元学長(元医学部教授、医学部長を経て)にもご挨拶し、県立S病院や公立のO病院、N病院、T病院などの院長先生方にもご挨拶。中には私が酒田で開業した事をまだご存知ない方もいらっしゃいましたが、皆、励まして下さいました。
酒田から手術治療のため、N病院、S病院、そして大学病院に患者さんを紹介し、それを元同僚、後輩がしっかり手術して治してくれました。頭を開ける手術など恐いのは当たり前です。それを一生懸命説得して大学病院に紹介し、後輩が綺麗に顔面けいれんを治してくれました。患者さんは酒田に戻って来て、涙を流しながら「先生のおかげです。ありがとうございました!」と感謝の言葉を述べるのですが、「あなた、そりゃ〜違うよ。手術してくれた大学病院の先生に感謝しなくっちゃ!」と言って笑って話が出来たのはとても嬉しかったですね。
適材適所で働くプロフェッショナル軍団である我々同門の先生方には、これからもベストな治療のために患者さんをお願いすることになるでしょう。そういうコミュニケーションもこういう忘年会の大切な役目のように思います。
ずっとウーロン茶で通して、忘年会のお開き20:30過ぎに会場を後にし、ちょっと七日町をぶらついて21時半頃にまた車で酒田に向かいました。
ホテルの外、七日町通りは写真のようにクリスマスシーズンの電飾が綺麗でした。
なかなか面白いタイミングでの行動で、慌ただしくもありましたが、こういうことをおざなりにせず出席する事は大切なのだと疲れた身体に言い聞かせたのでありました。(苦笑)
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