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2008.11.12

「白さんズ」

本来、家内のブログ記事の材料になる、うち「にも」お邪魔しに来てくれる白い猫二匹。愛情を込めて「小さい白さん」と「大きい白さん」、二人合わせて「白さんズ」と呼んでいます。

私は子供の頃から大の動物好き。犬や猫以外、何でも近づいてナデナデしたりしていました。
でも生き物はいつかは死ぬ運命にあるので、なかなか自分で動物を飼う気になれません。
一番最初の「死」のショックは、博多時代、小学校4年生の頃でしたか。転勤して行く同じ団地に住む友人が買っていた真っ白な手乗り文鳥。その名も「ミッチ」。
貰い受けた私にもすぐになついてくれて、団地の4階まで階段を上がる私の足音を聞いただけで、帰りを喜んで騒がしくなっていたというミッチ。私がいるときは篭から出して狭い団地の部屋の中でフリーにしてあげる事もよくありました。
私の肩にとまって、そちらに顔を向けると(綺麗な話ではありませんが)私のつばを口からチュッチュチュッチュとなめていたミッチ。

ある朝、篭の中の巣から落ちて死んでいました。
私はショックで、悲しくて、悲しくて、、、
『ミッチの死』という作文を書いた事を覚えています。どんな内容だったかは忘れました。
博多の小学校にある動物小屋でチャボとうさぎを飼っていましたが、私は飼育係になっていて夏休みの間もほとんど休まず学校に行って餌をあげたり世話をしていました。でも自分で動物を飼う気には、「ミッチの死」以降なかなかなれませんでした。
その後、医師になり、たくさんの「死」を見つめて来ました。昭和59年、卒業して医師になってまもなく受け持った患者さんの死は今でもはっきり覚えています。悪性脳腫瘍の子供でした。彼は、まだ「ヒヨコ」以下の私の事を「先生」とは呼ばず、「おにいちゃん、おにいちゃん」と呼んでくれていました。一生懸命助けたいと思いました。最後は私も彼の心臓マッサージをしました。でも助けてあげられませんでした。
その後、一体、何人の患者さんの死に立ち会い、何枚の「死亡診断書」を書いて来たのでしょう。
受け持ちの患者さんがあまり亡くならないですむような診療科もあります。一年に一枚の死亡診断書も書かなくてすむような診療科もあります。脳外科は、脳卒中、脳腫瘍、重症交通外傷など死と直面している患者さんが多い科なので、数えた事はありませんがこれまで(H19年初頭まで)200枚は書いて来たんじゃないかと思います。
「死」というものは、「おくりびと」の儀式のように厳かなものではありますが、そこには喪失と敗北があるだけで喜びはありません。ですから、動物を自分で飼うということにはためらいがあります。

でも今でも動物が好きな事には変わりありません。犬と猫なら犬派なんですが、最近は猫好きが回りに多い事もあり猫愛にも目覚めて来たようです。
今の借家に引っ越して来て1年半近く経ちましたが、「白さんズ」がしょっちゅう来るようになったのは最近の事。他の猫達とともに、たま〜に見かけたり、夜、近所を徘徊する姿を突然目にしたりという関係だったのですが、家内の愛情(餌?)のおかげで最近は毎日うちにやって来ます。

今朝、出かけようと玄関を出て庭の方を見た瞬間、私は大声を上げて笑ってしまいました。すぐに家に戻り家内に外を見るように告げました。
それは、、、

Photoまるで「双子」のように、隣の家の倉庫の白いトタンの壁の脇に並ぶ「白さんズ」。朝陽を浴びて、壁に反射して、暖かいのだと思いますが、白が白に同化しています。
影がとってもおもしろい!
そして二匹とも眩しそうに目を細めて私の方をジロリ。
(だんな、これからお出かけですかい?まあアンジョウやっておくれやす)
とでも言ったのでしょうか。。。

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コメント

私の家族も動物好きです。小鳥、亀、猿、ネコ・・・と飼っておりましたが、ここ10年は何もおりません。ネコさんは、二匹ともに家出して帰って来ませんでした。サルさんは親類がペットショップで購入したものの世話が大変ということで、我が家に縁あって家族の一員となりました。13年間一緒に過ごしました。

死。必然的にお訪れると分かっていても日常的には深く考えておりませんでした。やはり死を意識することで、前向きな生き方が出来る様に思いました。気付きを与えていただき、ありがとうございます。

演奏会まで秒読みですね。子供会、仕事が絡んでおりますが、何とか希望ホールへ向かう覚悟です。たのしみ♪


投稿: KEN | 2008.11.12 22:17

これは・・・本当に楽しい・・ツーショットですね~ (^-^)

思わずプッと吹いてしまいました。

いつもと一味違った お優しい一面を拝見致しました (^_^)v 

投稿: kokutan | 2008.11.12 22:24

し・白さん・・・
そこが暖かいのですね。
しっかり温まってくださいね。
温まりながらも、無視しないで、しっかりとお見送りをしているところが良いですね。
(おっ、旦那さんをしっかり見送らねば!)(奥方には、いつもいつもお世話になっております。これからも、どうぞご贔屓に・・・)


畜産という分野にいると、人間のお医者様が少し羨ましくなることがあります。

投稿: ふなゆすり | 2008.11.12 22:46

白さんズの写真に、癒されました。
とっても素敵で、可愛らしい写真ですね(*^_^*)

我が家には、セキセイインコがいます。
私が教えた言葉をしゃべっては、家族を和ませてくれます(#^.^#)
家族全員の肩を周遊して、本人(本鳥?)は満足しているようです(笑)

文鳥の件も、悪性脳腫瘍のお子さんの件も、優しいお人柄が溢れていて、涙が出そうになってしまいました。

私の母は8年前に、クモ膜下出血を発症したのですが、早めの発見と処置で、1ヶ月の入院で、後遺症も残らず、リハビリの必要もなく退院出来ました。通院もほとんどせず、おかげさまで、今も、元気に暮らしています。母のクモ膜下出血は、時間の経過などにより、もしかしたら、死と隣り合わせの病だったことを思うと、主治医の脳外科の先生はもちろんですが、母の治療にかかわってくださった全ての先生に感謝しています。

偶然、こちらのブログを見つけて、時々コメントさせて頂いていますが、脳外科の先生と存じ上げていますのに、balaineさんなどと軽々しく、お呼びして申し訳ございません。

フジコ・ヘミングさんとモスクワ・フィルの演奏曲、モーツァルトです。
正直申し上げると、あまり、クラシックに詳しくなくて…
確かにチケットは高かったのですが、どうしても、この演奏は聴いてみたかったのです。今から楽しみにしています。

投稿: 優 | 2008.11.12 23:15

追記ですいません。

寝ながら思い出していましたが、サルさんは15年半一緒にいました ^^

あ~懐かしい。熱帯地方の出身なのに冬場が厳しいこの地で頑張って生きてくれました。
本来、自然で暮らすのが一番なのにペットショップに回されてかわいそうな人(猿)生だったと思います。色々と教えられることもありました。 感謝。

投稿: KEN | 2008.11.13 01:35

KENさん、いやいや、「猿」もですか!しかも15年も!
おそらく猿は犬以上の知能と感情を持つので「家族」としての愛情、愛着は強かったでしょうね。
11/16のチケットですが、できれば私から買って頂けると嬉しいです。。。なんとかお時間を作って下さい。
チャイコのPコンのフルートソロ、今から緊張してます!(^^;;;;

投稿: balaine | 2008.11.13 02:27

kokutanさん、え?!いつも優しい、ですよ。(^^;;;;
猫はその土地、家になついているようで、必ずしも我々になついている訳ではないのでしょうが、外出先から帰って来るのをどこかで(向かいの家の玄関やその周り)見張っていて、車を駐車場に入れている間に、サササッとうちの玄関前に来て、後ろ姿で「お帰り!」「ちょっと遅いんじゃないですかい?」「食事、お待ちしてましたよ」と語ってくれます。(笑)

投稿: balaine | 2008.11.13 02:34

ふなゆすりさん、そうですか〜。。。畜産関係でしたっけ。可愛い動物達を我々は「うまい」の「まずい」のいいながら食べて生きているんですよね〜。
白さんズとは毎日会話にならない会話をしています。(^^

投稿: balaine | 2008.11.13 02:45

優さん、フジコ・ヘミングとモスクワフィルのコンサート、楽しみですね。モーツァルトのPコン、いい曲ですよ。
県民会館の音響が良くない点だけがちょっと勿体ないですね。1500人規模の会場は県民会館だけですが、音響の面から言えば、1300弱の酒田市民会館希望ホールが県内一だと思うのですが。。。
私の母も7年前にくも膜下出血で倒れました。山形大学の同門の先輩の先生が横浜の病院に勤務しておられ、手術をしてもらって助けて頂きました。まだ50代半ばなのにその先生は昨年癌で他界されました。80才を超えた母はまだ元気にしております。
人生は、、、いろいろです。
人の物真似をするインコ、いいですね。欲しい!子供の頃観た「ドリトル先生」の映画、大好きでオウムが欲しくなりました。(笑)

投稿: balaine | 2008.11.13 03:01

白さんズ、実に傑作写真です!二匹が絶妙のコンビネーションで、表情がまた、笑えます(^o^)/
私のアレルギーの原因となっている我が家のアホ猫も、いざいなくなると、それはそれで寂しいだろうな、と思います。今は、なんとも横着な格好で、ヒーターの前で寝そべっています(^o^)/

投稿: narkejp | 2008.11.13 21:29

narkejpさん、コメントありがとうございます。
白さんズはまだ性別も年齢も不詳です。
おそらく向かって右側(小さい白さん)が、お母さんではないかと考えています。毛並みが悪く、すこしヨボヨボしていて、目が悪そう、いつも目やにがたくさんです。最近栄養状態が良いので(笑)、すこし太りました。
左(大きい白さん)が子供なんじゃないかなと思います。二匹一緒の時はいつも遠慮気味の行動で、小さいさんに制御されたり怒られたりして尻尾を巻いてすぐに逃げて行く、気の弱い(顔は強面なんですが)大きいさん。
まだ性別未確認です。
一度獣医さんに見せたいと家内は考えているのですが、篭に入ってくれないので様子を見ているところです。

投稿: balaine | 2008.11.14 03:21

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