ド○モロビーコンサート in 仙台
10月5日(日)、仙台市にある携帯電話会社の大きな大きなビルの1階ロビーで「無料」のコンサートがありました。10/11~13に開催される通称「せんくら」に協賛したコンサート。
出演は、前半がフルートの高木綾子さん、後半が仙台フィルの金管五重奏でした。
小学5年で始めたフルートですが、高卒後しばらくブランク(たま〜に吹いていましたが)のあったフルート熱を再発させてくれたのは高木さんのCDを聴いてから、というのは以前にも書きました。
女性のフルーティスト、という変な固定概念を見事に覆してくれる、芯の太い、豊かな響き、特にその低音のバリバリというような重い響きと頭のてっぺんに響くような突き抜ける高音。「あ〜、こんな音、自分も出してみたいな〜」というのが、ベルフィル首席のパユとともに私にもう一度真剣にフルートに取り組む気持ちを沸き起こしてくれたのです。
それから、年に最低1回は生で高木さんの音を聴きたい、聴かなければ、とも思います。彼女の音を聴くと「あ〜フルート吹きたい!」という気持ちがわき上がるのです。
午後1時半開場ですが、無料で、先着200名着席、事前情報(電話で確認)によると消防法によって一定以上の人をロビーに入れられないということ。そこで12時前には仙台に着くように朝早く出発。3時間かかってもいいように、9時出発で最上川沿い、新庄経由、東根から関山峠越えという高速道路を使わない往路にしました。
早めに着いたので、コンサートの会場になるドコモ東北ビルを確認し、元仙台市民としては欠かせない牛タンを昼食にすべく、コンサート会場近くの牛タン「利休」として市役所前支店と花京院支店を視察し、駐車場の関係で市役所前支店へ。
一人前では物足りないので、「1.5人前定食」とギターの福田進一さんも絶賛した「極」定食を二人で頂きました。(左が1.5人前の牛タン。9切れ?だったかな。右が「極」定食。前歯だけで噛み切れてしまう、信じられない様な柔らかさと旨味!)
食事を終わって12:30頃。まだまだ余裕はありますが、折角2時間半かけてはるばるやって来て入れないではシャレにならないので、「勾当台公園」で行われていた身障者の方々によるイベント会場をちらっと見学しつつ会場へ。12:45過ぎに着いてみるとすでに100人近くの人が並んでいます!
さすが!と思いつつ列に並びます。ガラス張りのホールはシェイドが降ろされて厳戒態勢(?)。私が並んだ部分はちょうど閉めきりにしてある回転ドアの部分で写真の様にリハ中の姿が拝見出来ました。ラッキー!
13:30開場予定でしたが主催者の予想を超える来場者だったため10分ほど早めに開場。前方の席が確保できました。すぐに200の座席は無くなり、後方には50名を超えると思われる立ち見の席。さらに入場を断られたかわいそうな方々は、ガラス張りのロビーの外から開演を待って立ち見です。
14時過ぎ、地元テレビの女子アナのMCで開演。
高木綾子さんは濃いめのピンクのドレス。新婚旅行から帰国したばかりという(高木さんのブログ情報)ピアノの坂野さんはいろいろ鮮やかな色を使ったデザインドレスで登場。
曲は演奏順に、1)タイスの瞑想曲(マスネ)、2)アンダンテ(モーツァルト)、3)タンゴの歴史から「1900, 1930, 1960」(ピアソラ)、4)トップオブザワールド(カーペンターズ)、5)EARTH(村松崇継)。
クラシックの有名曲あり、タンゴあり、ポップスあり、現代ありでわずか40分ほどの短い時間でしたが楽しいコンサート。周りの観客には、あまりフルート曲も高木綾子さんも知らない方々も多かったようで、高木さんの曲の解説MCに「ほ〜」とか「へ〜」という反応を示している人もいました。「EARTH」の解説のところでは、「この曲、聴いて気に入っていただけましたら、是非お近くのCDショップへ!」という話に笑いも取っていました。
花束贈呈後アンコール。曲は「バイオリンではお聴きになったことがあると思いますが、フルートでは初めてではないでしょうか?」という説明の後、「チャールダーシュ」(モンティ)。軽快な音楽を響かせてくださいました。
高木綾子&坂野のコンビのコンサートは、実はちょうど1年ぶりに聴きました。昨年は山形テルサでの演奏会。「高木綾子フルートリサイタル2007.10.18(山形)」を参照。
2003年に名月荘サロンコンサート、2005年は仙台フィルとのハチャトリアん、2006年は山響とイベール、2007年がテルサカフェコンサート、そして今回と、やはり「1年に1回は生で高木綾子のフルート」ですね。(笑)
フルートの後、休憩を経て、後半は仙台フィルのメンバーによる金管五重奏。MCも慣れたものという感じで観客のハートを掴みます。
5人のうち4人は間違いなく「メタボ」という体型をギャグにして、「我々のメタボリックな演奏を、、、あ、違うか、ダイナミックな演奏をお楽しみください!」という挨拶に始まり、演奏の合間に団員や楽器の紹介もあり。大阪の芸人のノリ(?)できっちり笑いを取るところが凄い!もちろん演奏は素晴らしい!
ヘンデルの「水上の音楽」では、山形県内のお寺さんの息子さんというトランペットの森岡さんのピッコロ・トランペットが輝かしく響きます。昨年5月にプラハの教会で聴いた、元チェコフィルのケイマルさんのピッコロトランペットの響きを思い出しました。金管五重奏は、同じ五重奏でも木管とはガラッと違う音楽になります。金管楽器を選ぶ人がそうなのか、金管楽器を吹いているとそういう人になるのかはわかりませんが、皆さん、どことなく体育会系な雰囲気を漂わせ明るく、強そう(笑)です。
「サウンド・オブ・ミュージック」「ウェストサイド・ストーリー」と元吹奏楽部指導者でもあり、
ダンス・ミュージカル好きの家内のツボを突く選曲もあり、隣の家内は後半の方がさらに乗っていたようです。
「コンサート中は、写真撮影、ビデオ録画、録音は硬くお断りします」と3、4回アナウンスがあり、ちょっとしつこいくらいでした。会場の雰囲気を記録したかったので、すべてが終了し観客がはけてからステージを撮影してみました。
「星条旗よ永遠なれ」(スーザ)で始まり、最後アンコールは「イェスタディ」(ビートルズ)で美しく終わりました。MCもたっぷりとあったため終了は16時をとっくに回っており、山形で用事があったため、演奏終了後、まっすぐ山形市に戻りました。1年点検の車を代車に交換して、復路は高速道、月山道経由で酒田に戻ったら19時を過ぎていました。
週にただ1日の貴重な休みですが、10時間出ずっぱりでゆっくりは出来ませんでした。しかし、「利休」の牛タンに高木さんのフルート、仙台フィルの金管五重奏と幸せな時間を過ごせました。
この1週間ほどは、「フルートの追っかけ」となります。
昨日10/5高木さんのロビーコンサートに続いては、10/10(金)山形テルサでの山響「モーツァルト定期」での足達先生独奏のモーツァルト「フルート&ハープ」協奏曲(ハープは内田奈織さん)を聴き、そして10/13(月・祝)はまた仙台に出かけ、「仙台クラシックフェスティバル」におけるコンサート。5月にサロンコンサート第1回で演奏していただいた新日本フィルの荒川洋さんのフルートに、昨年脳外オケで共演していただいたN響のハープ奏者早川りさ子さんで、またまたモーツァルトの「フルート&ハープ」協奏曲です。
昨年あたりから、自分の老い先の事など考えたりします。フルートは何歳くらいまで元気に吹けるだろうか、とか。管楽器は、肺や気管支など呼吸器の運動能力がしっかりしていて、頭と手がしっかりしていれば「定年」というのはないでしょうが、やはり70歳代を超えての自在な演奏は厳しい感じがあります(ニコレやグラーフの最近の演奏を聴いても、、、)。
死ぬまでに、プロでもアマでもオケをバックにモーツァルトのフルート協奏曲3曲を吹きたい、吹けるといいな♡、と思っていて、特に「フルート&ハープ」は昨年楽譜を購入し、時間を見つけてはチョコチョコと練習もしています。超絶技巧を要する訳ではなく(元々、ハープを弾く新婦とフルートを吹くその父親の貴族のためにモーツァルトが作曲したのですから)、技巧的には難しくはありません。しかし、音楽としては奥が深く、取り組めば取り組むほど難しくなる印象です。ある程度の技巧を持っていて、逆に難しい事は何も考えずに、ただ「音を楽しむ」「演奏を楽しむ」という吹き方が出来ればそれだけでモーツァルトの音楽は十分なのかもしれません。能力の乏しい者ほど、その音楽の深さや掴まえようのない高みに足がすくむのかもしれません。音楽を知れば知るほど、演奏をすればするほど、難しくなるのがモーツァルトの音楽と言っても過言ではないかもしれません。
でも、死ぬまでに一度はホールで演奏したいな〜と夢物語を見続けたいと思います。(苦笑)
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