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2008.06.12

記念植樹

今日、6月12日(木)、拙医院の平成20年2月の竣工と3月3日の開院を記念した植樹を行います。
612お日柄がよろしいようで。お天気も、こちらは素晴らしい「晴れ」です。
(写真は、本日の院長室からの鳥海山です。空は綺麗な青空。雪もだいぶ溶けて来て山肌もずいぶん露出して来ました。雲ももはや夏の雲の感じですね。)

あんな事件があったばかりで、いつものようなばかばかしい事やどうでもいい些細な事などブログに書くのもはばかられ、黙っているのが一番と思いました。本当に「凶行」の犠牲になられた方は、お気の毒で、可哀想で、、、深甚なる哀悼の意を表したいと思います。
自分が音楽をやっている事もありますが、亡くなられた7名の中で唯一女性の犠牲者となられた方は、芸大の4年生だったと言う事で特に鮮烈に印象に残ります。演奏のパフォーマンスの方を専攻されていたのではなく、ステージや演奏会の演出、企画、音響、録音などといったいわゆる「プロの仕事」を専攻されていたと聞き及びます。なんと、先月、うちのリハビリ室「ジョンダーノ・ホール」で演奏をしてくださった荒川洋さんとも一緒に仕事をされたそうで、「なんということでしょう」と荒川さんも驚き悲しんでおられました。
今、日本には、世界にも類を見ないほどに立派なホールが建っています。昔ながらの多目的「公民館」ステージ的なものを脱して、オーケストラや小アンサンブルやピアノリサイタルなどを強く念頭に置いた、「音響」や「バックステージ」やいろいろな面がはっきり意識された建物が増えています。築40年の旧酒田市民会館を建て替えて平成16年に竣工した「新」酒田市民会館「希望ホール」は、3月のブログでも書いた様に、オペラができるようにちゃんと油圧で上下するオケピットにステージ下の十分なスペース(響きにも影響する)やバックステージの設備、出入りなどもよく考えられた素晴らしいホールです。お隣り庄内町の「響ホール」も500席の中規模ホールですが、プロの演奏家がCDの録音に使うほどのホールです。
器はもちろん大事なのですが、そこで音響や録音の調整をしたり、ホールの反響板の位置や角度を調整したりするのも亡くなられた武藤さんの目指すお仕事の一部だったのでしょう。とても大切な、意味のある、裏方のお仕事です。そのような「皆を幸せに楽しくする」仕事に携わる強い希望を持っていた若者の夢と未来を独りよがりに奪ってしまった犯人には強い憤りを覚えます。

しかし、世の中は、そのような悲惨な事件や悲しみとは別に時間が進み毎日が動いて行きます。
予定通り記念植樹も行われます。
生きている事、仕事ができる事に感謝したいと思います。
悔しい事、悲しい事、嫌な事、落ち込む事、、、人生にはたくさんの「負」の部分がありますが、嬉しい事や楽しい事など「正」の部分もあり、波があるわけです。命を奪われた方には、「負」すらもなくなってただ「無」になってしまうのですから、「負」の部分すら存在する事を受け入れて感謝しなければ駄目だなぁと思います。
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植樹の写真などはうまく取れたら掲載します。
合掌。。。
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植樹途中経過報告。(14時過ぎ)
Photo16時からの「セレモニー」に備えて、すでに木が植えられ始めました。
先端までの高さ4m近い立派な「樅の木」です。
この木は、開院前から「何かお祝いを」と申し出られたこの場所の大家さん、建築士さん、建設会社さんから「寄贈」して頂くという約束になっておりまして、開院3ヶ月を過ぎてようやく植樹の運びとなりましたのでありがたくお世話になります。
Photo_2車寄せの屋上から覗いてみますと、木の先端は車寄せの屋根より高く立派な木です。
樅の木は日本原産らしいですが、ヨーロッパでクリスマス・ツリーとしてよく使われるオウシュウトウヒ(またはドイツトウヒ、ドイツマツ)と似ていたのと、樅の木の学名Abies firmaとオウシュウトウヒの学名のPicea abiesが混同されたのとで日本ではクリスマスといえば「樅の木」となってしまったのだそうです。樅はマツ科モミ属の常緑針葉樹。オウシュウトウヒはマツ科トウヒ属の常緑針葉樹。いずれも固い材質なので、建材やバイオリン、ギターなどの木製楽器の表板に使われるそうです。

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記念植樹、無事終了しました(16時過ぎ)。
Photo_3Photo_4Photo_5私を含めて4名で、医院のシンボルツリーであるこの樅の木の根本に土を入れました。記念のプレートは正面に張って頂く事にしました。木の根がしっかり張るまで数年は支えが必要なのだそうです。下草は明日以降に植えられることになりました。
植樹の後、建築設計士さん、建設会社社長さんと営業の方、大家さんであるC社の社長さんと常務さん、関係者(記念植樹を見に来てくれたうちのスタッフとそのお子さん2名を含む)を「ジョンダーノ・ホール」にお招きして家内とJSバッハを少しだけ演奏しました。
その後、地元のコミュニティ新聞社の取材がありサロンコンサートにかける私の思いを熱く語りました。どういう記事になるのか楽しみです。

612_2リハ室前の庭も大分出来上がって来ました。土の部分に小さな木を上、芝の部分に芍薬、バラ、ハーブ類、それから季節に会わせた花を植える予定です。
植樹された木の回りや歩道との境の小さな花壇スペースにも花を植える予定です。
季節に合った草花が美しく育つようにしたいものです。

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コメント

記念植樹は何を植えるんでしょう?次の記事で明らかになるのでしょうが。今日は宮崎も久しぶりに雨があがりました。本船も最近はガ-デニングにも凝っていて、最近は釣りの後はホ-ムセンタ-通いです。

投稿: Kaiyoumaru | 2008.06.12 12:24

Kaiyoumaruさん、どうも!
というわけで「樅の木」でした。小生はガーデニング、全くわかりませんの、いろいろ教えてください。
よろしくお願いします!

投稿: balaine | 2008.06.12 19:43

シンボルツリーは樅の木だったのですね。
元気いっぱいな若木。これからどんな生長を見せてくれるのでしょう。

バラも芍薬もいろんな品種があるので、いったいどれが選ばれるのだろうと楽しみです。
バラだと音楽家にちなんだ名前がつけられているのもありますね。
我が家には「ジャクリーヌ・デュ・プレ」しかいませんが、お気に入りの花です。

投稿: ふなゆすり | 2008.06.12 23:23

いつもありがとうございます!

世の中激変なのでしょうか。生きている意味を深く考える今日この頃です。

今度時間がありましたら記念樹を見に参ります。最近は会社と学校の毎日です。たまには富士見町にれっつ・ごーいたします♪

投稿: けんちゃん | 2008.06.13 01:38

気になっていることがあるのですが。小さな木を植える土の部分と、芍薬などを植える芝土って、土壌改良してある土なのでしょうか?写真を拝見すると、山のマサ土みたいな感じがするのですが。上から下まで山砂ですか?
木や芝を植えるだけであれば今の土で大丈夫かと思うのですが、花木、草花を植える箇所は土づくりをしないと栽培管理が大変になるかもしれません。
砂質の土であれば、黒土のような根性悪ではないと思うので、土壌改良もしやすいかな・・

投稿: ふなゆすり | 2008.06.13 08:23

ふなゆすりさん、ありがとうございます。
何をどう植えるのか、専門家に相談しながら、これから考えます。バラや芍薬を植えるとすれば、今張ったばかりの芝の部分を切り取るようにして、土を入れ替えてやるのだと思います(芝のところは砂だけですね)。
リハ室前の庭だけではなく、植樹したところも、看板のところも、自転車置き場の後ろ側も、歩道と駐車場の境のところも、小さな花壇は全部で5カ所もあるので、統一性を持って季節性を持ってプランを練りたいと思っています。
でも、私、ガーデニングとか経験ないんですよね〜。

投稿: balaine | 2008.06.13 10:55

けんちゃんさん、いろんなことのある世の中ですが、そういうときこそ音楽だと思います。上手下手関係なく、「祈りの気持ち」で音楽を一生懸命する、でいいのではないでしょうか。
どうぞ、「レッツ・ゴー!」してください。そのままMRI室にお連れいたしますよ。(^^

投稿: balaine | 2008.06.13 10:57

ショッキングな事件が起こり、その中でも芸大の女子学生さんが亡くなられたことに、私も特に悲しみを覚えていました。
そして、容疑者が同じ県出身であることにもかなりショックを受けました。
・・・世の中の方々には「たかが音楽」という部分もあるかもしれませんが、「されど音楽」だと思っています。楽しく美しく、心に響く音楽で、子どもたちの心を育てていきたいと、強く思ったことでした。


そして、素敵なお庭が完成しそうですね。
患者さんとしてお世話になるのは難しそう(^o^;)ですが、11月に酒田に伺えたら、拝見しに行くのもいいなあと今から妄想(笑)しています。
・・・本当に、生きていることに感謝、ですよね。

投稿: えがお | 2008.06.14 22:41

えがおさん、たくさんコメントありがとうございます。
我々に出来る事は、自分の陣地で自分に与えられた仕事、役割を理解して、それを精一杯する事、これだけですね。
自分にやるべき仕事があるという事は感謝感謝です。

投稿: balaine | 2008.06.15 11:01

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