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2008.05.19

致道博物館と有元利夫展

本日5/19と明日明後日5/20,21は「酒田まつり」です。
「創始400年酒田まつり」は←こちらで。
今年は創始400年前年祭として大変盛り上がっています。うちの医院も明日の「本祭り」は午後を休診にします。
酒田まつりは元々は「山王祭」と呼ばれ、上と下の山王権現(神仏分離令以後、日枝神社)のお祭りなのですが、昭和51年の酒田大火以後、「酒田まつり」と呼ばれています。

さて、酒田まつりについては実際観に行ってブログに載せるとして、昨日訪れた鶴岡市の致道博物館とそこで5/22まで開催されている「有元利夫の芸術」展について書きます。

鶴岡カトリック教会での素晴らしいオルガンコンサートの後、鶴が岡城址の鶴岡公園の脇に建つ「致道博物館」へ。まずはその脇にある「三昧庵」という食事処へ。今は「グランド・エルサン」というホテルの傘下に入っているようです。
Photo_3おすすめのセット料理にAの「けぇ〜」とBの「くぅ〜」があります。庄内弁でそれぞれ「食べなさい」「食べます」という意味なんです。家内は庄内名物麦きりが主の「くぅ〜」を注文。私は欲張りなので、AもBも少しずつ入って更に今の時期の湯田川の孟宋筍の入ったもうそう汁もついている「食文化膳」。美味しく頂きました。特にここは麦きりが旨いです。うどんなんですが、稲庭うどんよりも太く、讃岐うどんより細く、冷や麦やそうめんと違って生麺をゆでるのでもっちりでふわっとしていてでも腰があるのです。

お腹を満たして、いざお隣の博物館へ。
(財)致道博物館HPは←こちら。
致道館とは元は出羽庄内酒井家の藩校です。博物館と言っても一つの建物ではなく、旧西田川郡役所(旧の鶴岡地方を西田川郡と呼び、旧の酒田地方は飽海郡と呼ばれた)、庄内藩主ご隠殿、絵画展示棟、酒井氏庭園、旧鶴岡警察署などの複数の施設を併せたものです。
Photo_4Photo_5まずは、重要文化財の西田川郡役所建物です。旧石器時代から明治時代までの庄内地方の歴史、文化などをまとめて展示してあります。
右は、明治時代の薬屋さんの看板。「健脳丸」という商標に思わず惹かれてしまいました。(笑)
今の世にも欲しいお薬ですね。

幕末から明治にかけての激動期は、庄内藩にとっても本当に大きな転換期でしたのでその関係の展示もたくさんありました。西郷隆盛関係の展示もいくつかあります(酒田の南洲神社の方が当然多いのですが)。江戸時代の藩政における最後の庄内藩主である第13代酒井忠篤(ただずみ)の写真を見て、なかなかのハンサムなので驚きました。忠篤は一旦家督を弟に譲り(第14代忠宝)、下野した西郷をしたって鹿児島の西郷の私塾まで家臣を連れて学びに行きます。その後、軍事などの勉強のためドイツに留学し、帰国して再び第15代藩主(正確には庄内藩はない)に戻ります。「南洲翁遺訓」を発行したのは忠篤の力が大きいと言われています。

続く建物は「ご隠殿」。庄内藩主の隠居所を移築したもので、庄内藩関係の鎧、兜、その他興味深いものが陳列されていますが、最も興味深かったのは釣り竿として名高い「庄内竿」と数々の魚拓です。藩主愛用の長さ6~8mにも及ぶ、継ぎ目なしの一本竿など愛好家には垂涎の物でしょう。「ハマちゃん、スーさん」の釣りバカ日誌にも庄内竿は出て来ますが、江戸時代の泰平の世に武道の鍛錬に加えて家臣に釣りを推奨した文化があります。竿や道具を抱えて海岸まで徒歩往復し、竹製の一本竿で鯛などを釣り上げる事を「勝負」と呼び、魚との駆け引きを含め足下の悪い岩場での釣りを「鍛錬の場」として藩士に指導推奨したのです。

さあ、いよいよ本日のメインイベント。
「有元利夫の芸術」展です。
Photo_7Photo_8有元さんの絵をどうこういうほどには芸術を理解していないので、ネットから得られた絵を載せておきます。右側のは「有元利夫の女神たち」という絵や塑像や楽譜(小音楽も作曲しています)や生涯をまとめた本の表紙です。違う表紙の本を持っていたはずなのですが、また買い求めてしまいました。

Photo_9Photo_10Photo_11この3枚の写真は、いずれもフルート奏者(主にフラウトトラベルソ)の有田正広さんのCDのジャケット写真に有元利夫の絵が使われている物を並べました(このシリーズはもう少しあります)。中には、私の中学の同級生でバイオリンの古楽奏法の第1人者若松夏美さん達とのアンサンブルもあります。

展示された絵の数は30枚足らずで、ササッと観てしまえば5分で終わる様な展示です。しかし、一枚一枚の絵から、語りかけられる物語があり、聞こえて来るような音楽がある独特の世界をもっています。一通り観終わった後も、私は中央のソファに座り、お気に入りの何枚かをぼーっと眺めていました。
館内には有元利夫が作曲した「ロンド」というCDの曲が流れていて、そのハープ1本の音楽が絵と大変マッチしていました。

Photo_6この他には、写真のような「田麦俣多層民家」が展示してあり、中は2階までくまなく見て回る事ができました。
台所(だいどころ)を「でどこ」と庄名弁発音表記で記してありました。ちなみに、美味しいものは「んめもの」といいますし、御馳走は「ごっつぉ」と発音します。
Photo_12鶴岡は隣町なのに、この博物館の7つの建物をくまなく見て回ったのは初めてでした。

オルガン演奏に感動し、麦きりと豆おこわと孟宋汁に感激し、有元さんの絵に再び強く感銘を受け、楽しい一日になりました。

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コメント

有元利夫さんという方の絵なんですね。
一度見たら忘れられない個性で、絵にもちろん見覚えはあるのですが、おかげさまで絵と画家名が一致しました。
若くして亡くなったんですねえ。残念です。画家って歳を重ねると作品が段々変わるから、その変化も見たかったです。

balaineさんの、今の生活を始められての収穫?の一つが、ああ、こういう時間なんだろうなあと、勝手に考えました。
GWに意を決して仙台までは行きましたが、やっぱり山形は本腰入れて訪ねてみたいと思いました。
美味しいもの、いっぱい、ありそっ!(←結局こっちか!?)riceballbottlenoodle

投稿: リスペクト | 2008.05.19 17:41

リスペクトさん、お久しぶりですね。
有元さんは、広島のお隣り、岡山は津山市の生まれなんですよ。確かにもっと長生きして素晴らしい作品をたくさん残して頂きたかったですね。作曲もしているんですよ。

山形は、ライシャワー元駐日大使だったかが「山の向こうにもう一つの日本があった」と表現した土地です。
松島のような全国区のもの、ここにしかないものをあげろ、と言われると、フルーツを中心とした食べ物になってしまうのですが(蔵王のお釜だって地図上は宮城県)、食べ物でしたらその土地に行かなくても得られますからね。逆に言うと、その気になって来ないと一生来るチャンスも無い土地かも知れません。
また知らない人には「山形」と一括りにされるかも知れませんが、山寺や蔵王のある山形市を始めとする村山地区と上杉の城下町米沢を中心とする置賜地区と酒田・鶴岡の庄内地区は「まったく別の県」と考えて頂いた方が良い位、文化も言葉もそして地理的(距離も遠い)に違います。
米沢から酒田まで車で行こうと思ったら、部分的にある高速道路を使っても片道2時間半〜3時間かかるんですよ。

投稿: balaine | 2008.05.20 05:12

私も有元さんの絵のジャケットのCD持ってます。どんな人かなと気になってた人でした。お若くして亡くなってたなんて残念ですね。曲のイメージを絵にするとこんな感じなのかと思って聴いていました。

投稿: kiriya | 2008.05.21 09:11

kiriyaさん、コメントありがとうございます。
有元さんの奥様は(多分、芸大美術の同級生か後輩)、お元気でどこかの教授をされているようです。奥さんの絵(また全く作風の違うもので、月山などの山の絵でした)も一緒に展示されていました。
天才は、30代でなくなるんでしょうか?(モーツァルト、シューベルト、ビゼーなど音楽家に多い)このユニークな独特の世界観のある絵、好きなんです。

投稿: balaine | 2008.05.21 13:43

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