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2008.05.24

1年経ちました

昨年、酒田に引っ越して来たのは5月20日。(そういえば、「酒田まつり」の午後〜夜で住宅街は静かだった記憶があります)
ほぼ1年が経ちました。
昨年は4月一杯まで大学で准教授職を勤めさせていただき、それからGWも含めて約3週間の休暇を取りました。連休中に早川りさ子さんの名月荘でのコンサートを聴き、5/6から5/16まで、一世一代の大旅行とも言える9泊11日の中央ヨーロッパ(ウィーン、ザルツブルグ、ブダペスト、プラハ)の旅をして来たのです。
それから酒田に転居して一息ついたのがちょうど1年前の平成19年5月24日。その日のブログ記事は「挑戦。前へ!」です。
こちらでお世話になったUクリニックやM病院での、お気楽(?)な雇われ医師生活ではなく、自分の診療所を持って独立しようと決断した時でした。それから開院の今年3月3日まで、9ヶ月と2週間ほどの期間に本当に様々なことがあり、いろいろな人に助けていただき、今日を迎えているのだなあとしみじみ実感します。

2年前は何していたのかなぁ?
平成18年5月24日のブログ記事は、「情けない話」です。ああ、こんな事書いていたんだな。このときは、大学病院で働いていました。

3年前は何していたのかなぁ?
平成17年5月24日のブログ記事は、「広い視野を持つ事」です。この時は、N病院に勤務していました。
そうそう、「脳ドック」に対して、「脳外科医の失業対策」だとか「金儲け主義」だとか、データを曲解した上での独善的な主張を展開していた人に対して強く反論していた頃だったなあ。あの人は今でも「脳ドック」を脳外科医の失業対策などと思っているのだろうか、、、人間の性格なんて簡単には変わらないからなあ。。。

開業して当院で初めて見つかったくも膜下出血の患者さん。お亡くなりになったそうです。。。
うちを初診しその日のうちにMRIを撮って診断がつき、その日のうちにN病院脳外科に紹介し入院し治療が開始されました。発症から1週間ほど経っていたせいか、N病院で行った脳血管撮影で「脳血管攣縮」が起きていたので即時の開頭手術(クリッピング)は得策ではないと主治医は考え、血圧を下げて鎮静剤を持続投与して破裂から2週間が過ぎる安定期を待つ「待機手術」を計画したそうです。
手術をしようと計画していた2日前に再破裂が起きてしまったのだそうです。ご自分の足で歩いて来た人が、2回目の出血で大きな血腫が出来て意識不明となり(JCSで100~200)、主治医としては脳圧降下剤を投与し減圧開頭手術をするしかなかったそうです。まだ若い人だったので体力があったのか、それから1ヶ月は持ちこたえ、先日亡くなられたそうです。
くも膜下出血は、そのほとんどが脳動脈瘤の破裂が原因です。この方の様に、まだ若いのに、破裂するまでは全く正常に日常生活を送り、子供がいて、仕事をしているのに、破れたら命を失うのです。この世から消えてしまう病気なのです。

重症のくも膜下出血で亡くなる患者さんをたくさん、たくさん治療して来た脳外科医は、「破れる前に見つけられないのか」「破れる前に治療出来ないのか」「普通の健康診断の様に、入院しなくても、痛い思いをしなくても簡便に動脈瘤が見つけられないのか」と考えて、その結果がMRIとMRAを検査の中心とする「脳ドック」だったのです。これが普及して正しい治療(←これが大事ですけど)が行われれば、上記の様にまだ若く、高校生や中学生の子供を残してこの世からいなくなってしまう無念な方が少しでも減るのではないでしょうか。この考えは間違っているのでしょうか。
折角、まだ軽症のうちにうちのMRIで診断がついたのに残念です。運命と言ってしまえば仕方ありません。この「未破裂のうちに治療する」という考えは「正しい」と信じるからこそ、私もいよいよ「脳ドック」を始める事にしました。
3年前の今日の記事に書いている様に、何でもかんでも検査して手術する、などという考えは今も持っていません。そういう検査を「希望する人」にだけ行い、「必要な人」にだけ治療を行う、ただそれだけです。

4年前の今日?
このブログを始めたのが平成17年1月だったので、4年前の記事はありません。

1年前に開業を決意したのだったなあ、と考えながら過去の記事を見ていろいろ考えました。
人生は不思議です。

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