『山桜』を観る
先日ブログ記事にした、藤沢周平原作の映画『山桜』を観に行ってきました。
藤沢周平の「時雨みち」という短編集が元になった美しいお話を、庄内ロケを含む美しい映像と俳優陣の演技で観終わった後に心暖かく爽やかな気持ちになる映画に仕上がっていました。
庄内ロケが多かったため、4/20(日)に三川町のイオンシネマで全国に先駆けて先行上映が始まりました。「山桜 舞台挨拶決定」
初日には、主演の田中麗奈と東山紀之をロケ地鶴岡に迎えて「トークイベント」と映画館での2回の舞台挨拶があったそうです。地元紙山形新聞が伝える先行上映の記事
当日の舞台挨拶のある回の映画は予約券も完売だったため、まあゆっくり観よう、と思っていたのですが、翌日4/21からずっと上映されているのです。全国的な封切りが東京で5/30という予定ですから、庄内だけ1ヶ月以上も早いロードショー。地元の人への特典です。
藤沢周平様々でございます。
ストーリーや映画の内容は、まだご覧になっていない方に「ネタバレ」になるので避けます。映画「山桜」公式サイト
寡黙で実直な武士を、「ジャニーズ」「少年隊」ということから華やかでちょっと軽いという(私個人の勝手な)先入観のある東山紀之さんが、見事に演じていました。本当に台詞が少ないのです。最後の方に少しだけ、5分くらいしか出てこない冨司純子さんの方が余程台詞は多かったと思います。準主役で出番は多いのに台詞がほとんどなく表情だけで演じなければ行けないのですが、演技で非常に雄弁に語っていました。
美しい月山や庄内の風景が散りばめられて、「庄内の人が誇りに思えるような映画になれば、、、」と監督、出演者が語られた通りの映画になっていると思います。映画に関しては素人の私が批評するのもなんですが、ストーリー自体が単純で短いので、1時間45分ほどの長さの割にちょっと冗長と感じられるシーンや無駄なカット割りでは?と思う部分も多少ありました。しかし、原作者の長女である遠藤展子さんのこの文章をご覧頂ければ、私のちっぽけな感想などどうでも良いものだと思われます。藤沢周平の世界「映画『山桜』への思い」をどうぞ。
主演の田中麗奈さんもまだあまり着物を着こなした身のこなしではなく、やっぱりジュースのCFの「なっちゃん」という感じの部分の否めませんでしたが、あの目つき、表情などはうまく活かされていたと思います。(写真は、「山桜」公式サイトのフォトギャラリーから拝借)
藤沢作品の映画化としては、黒土三男監督の「蝉しぐれ」、山田洋次監督の藤沢映画三部作「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」「武士の一分」に続く5作目となった訳ですが、初めて主人公が女性でした。豪華絢爛に咲き誇るたくさんのソメイヨシノではなく、山里に一本だけすっと立つ山桜の清々しさ、美しさ、儚さが主人公の人生に重なって見え、観終わった後に気持ちが落ち着く映画でした。
この後、庄内を舞台、ロケ地にした映画は、綾瀬はるかさん主演の女座頭一「ICHI」、(キムタク、東山に続き)ジャニーズの「渋ガキ隊」出身のモックンこと本木雅弘さん主演の「おくりびと」が続きます。特に「おくりびと」では、私は出られませんでしたが酒フィルの仲間がオーケストラのシーンでエキストラとして出演しているのがどのくらい使われているのか、楽しみですね。
今日は、2週間ぶりにオケの練習です。「シベ2」いい曲です。
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コメント
こんにちは。「ジョンダーノ・ホール」での演奏会はいかがでしたでしょうか。当方は、当日、山響の定期演奏会に行ってきました。ラフマニノフ、良かったですね。
そうそう、先日ようやく先行上映されている映画「山桜」を観て来ました。なかなかていねいなつくりで、音楽も良かったです〜(^_^)/
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投稿: narkejp | 2008.05.12 06:46
narkejpさん、コメントとTBありがとうございます。
私もTBします。
月日の経つのは速いもので、この記事を書いたのはすでに2週間以上前です。「山桜」が山形で先行上映され始めたのは、3週前のことです。
朝日村に映画に出て来た「あの」山桜、実在しますので今度機会があれば観に行きたいと思っています。
投稿: balaine | 2008.05.12 12:13