医者として嬉しい事
4月も3日目になります。
県立日本海病院と市立酒田病院の統合の影響か、紹介患者さんや新患が増えた様な印象があります。
患者さんがどの位来られるかというのは、再診予約以外は予測がつかないものなので、午後の診療時間4時間の間に2人しか来られない暇を持て余すような日もあれば、午前の診療時間3時間半で20人近く来られてそのほとんどが新患でまったく休む間もなく朝9時前から午後1時半くらいまで診療するような日もあります。
忙しいとやはり気持ちがイライラしてきたり、なんとなく焦る気持ちが起きて余裕がなくなります。
そんな中、心が落ち着きを取り戻したり、喜びを感じて嬉しくなる事があります。
それは、自分自身が手術などで治療をした患者さんが元気で訪ねて(多くは紹介状を持って)来て下さる時です。
「先生に命を助けて頂きました」
「命の恩人にまた会えて嬉しいのぉ」
「あの節は本当にお世話になりました」
「先生のお陰でこんなに長生きさせてもらっております」
「こんなに元気になりました」
「これからもよろしくお願いします」
、、、等々
医者冥利に尽きる瞬間です。
破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血の人、脳腫瘍の人、未破裂脳動脈瘤の人、大学病院で内視鏡による経鼻的下垂体手術を行った人、大学病院で脳動脈瘤の手術をした人、、、
開院して1ヶ月になりますが、噂を聞いてご自分で探して来られた方や、病院の脳外科から紹介されて来た方などすでに2桁の数になろうとしています。
昨日も、H11年、そう9年前に私が大学病院で執刀した方が元気なお顔を見せて下さいました。
「午後に家内も連れて来ます。最近もの忘れが多くて心配なので診て下さい。」
と脳動脈瘤と脳腫瘍の2つの手術を受けて、現在何の後遺症もなく元気なその方は自分よりも奥さんの病状の事を心配しておられるくらいでした。
緊急入院されたり、手術をしたり、その時はその瞬間を乗り越えるのに精一杯です。もちろん何か治療をする以上は、患者さんのその後の人生を引き受けている訳ですから「治療後の人生」や「今後の治療」についても思いは馳せますが、真剣にその瞬間にベストの治療をするのに必死なところがあり、たとえば5年後、10年後の事までは具体的には考えられません。
今回開業して、自分が治療に関わった、自分が執刀した患者さん達が、元気に(元気な人しか来れないという考え方もありますけど、、、)再び顔を見せて下さる事は本当に嬉しい事です。
医者をやって来て24年も経ちますといろいろな事がありましたが、良かったな〜、うれしいな〜、と思わせてくれるのは、元気な患者さんの姿そのものです。
これからも頑張ろう、忙しくて気が立っていても優しい笑顔でやって行こう、と思わせてくれるのは患者さんなのですね。
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コメント
そうか、そうなんですね。だったらそんなに遠慮しないで、元主治医さんに、元気な私の近況をもっとお知らせします(^▽^)
投稿: @むーむー | 2008.04.03 12:09
@むーむーさん、そうですよ。遠慮なんて不要です。すぐに電話連絡して、受診の予約をしてください。N先生も喜ばれると思いますよ。(K平市は遠いのかな?)
医者と言う人種の多くは人から頼りにされる事をいやがる人はほとんどいませんね。喜ぶ人の方が多いと思います。
投稿: balaine | 2008.04.03 18:12