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2008年4月

2008.04.30

山形往復230km

昨日4/29は、記事に書いたように山響首席フルート奏者足達祥治さんのリサイタルを聴きに山形ー酒田往復230kmを運転して出かけて来ました。

その前に、午前中は事務的仕事(自作の名刺印刷追加)などをした後、フルートの練習をしました。5/11の荒川さんのリサイタルにピアニストとチェンバロ奏者をお願いしているのですが、そのリハーサルとして私が笛を吹いてあわせるためです。JSバッハのロ短調ソナタBWV1030とプーランクのフルートソナタです(他に4曲小品ありますが)。どちらも素人笛吹きにはなかなか手強い曲です。名曲で良く知られているので、ごまかしがほとんどききません。でもどうせ合わせ練習をするのなら自分がステージに乗るつもりで吹きたい訳で、そのための予備練習をしました。

お昼ご飯は、すぐ近所に4/15にオープンしたばかりの『スパイスマジック・インディアン・レストラン』。HPはこちらです。酒田市富士見町店の案内は、「店舗案内」をどうぞ!
山形に本店(?)がある、インド人の経営する本格的なカレー屋さんです。
なんで酒田にカレー屋さん?しかもお店でナンを焼いて、まったく本格的カレーです。酒田にはこの店の他に、日本人夫婦がやっている銘店『ナーランダー』があり、インド人夫婦でやっている『シタ』があり、この『スパイスマジック、、、』も平田牧場直営トンカツ屋の近くに1軒あるのに、その上更にうちの近所にもう1軒できたのです。
不思議です。。。
たまたま山形店、寒河江店、酒田松原店を経営する社長が来ていたので、「どうして、人口の少ない酒田に2店舗も構えたのか?」と聞いてみたら、「日本人、カレー、好きな、だから、、、」とインド風日本語でにこやかに答えてくれました。ナマステ〜。
味は絶品です。上記、2店もおいしいカレーを出してくれますが、ここのナンが一番香ばしくて、パリッとしてふわっとして美味しい。カレーも辛さの好みを言うと自在に調節してくれます。昨日は「ややホット」でお願いしてみました。食べてすぐはちょっとピリッとして、爽やかな風味が口の中に広がり、食欲が刺激されて、うまい!と思ってしばらくしてから、頭のてっぺんの方にチリチリと来るような辛み刺激が遅れて来てその後体温が2℃くらい上昇したような感じになります。次回はもうちょっと辛いのに挑戦してみましょう。

午後も少しフルートの練習、貯まっていたHD録画の鑑賞(特にN響アワーとBS-HiV特集の『カラヤンの芸術』)を観て、それからガソリンを満タンにして出かけました。ご存知の様に「道路特定財源」でもめているガソリン代。今は一時的に安くなっていますが、明日5/1からは1リットルあたり25~30円高くなると言われています。
私は、最近は、車を極力使わず自転車通勤で節約、省エネ、エコ、運動不足解消をはかっていますが、ガソリンもできるだけ安くすませいたい。ということで、近くのプリペイドカード式ガソリンスタンドに行っています。ここは、おそらく酒田近辺で最も安い方に入ると思います。現在は、プリペイドカードを使う場合は、レギュラーで1リットル118~9円です。ハイオクでその10円増しぐらいです。特に、昨日火曜日は週に1回の「リットルあたりー3円デー」だったので、ハイオクでも1リットル125円くらいで入れられました。満タン(70l)入れると、プリペイドでもセルフでもない通常のGSより1000円近く安くなります。こうやって節約すべきところは節約しているのですけどね、、、

429429_2さて、午後6時の開場よりも早く着く様に余裕を持って出かけましたので、会場である文翔館議場ホールには5:30過ぎに着いてしまいました。ここのお庭の枝垂桜はまだ残っていました。
写真は、枝垂れ桜と文翔館(旧山形県会議事堂)とチューリップと議場ホール(本日の演奏会場)です。

午後6時半を少し回ってコンサートスタート。
前半は、足達先生のフルートに武田紀代美さんのピアノ伴奏で、シューマンとシューベルト。元々はフルートのための作品ではなく、ロマン派らしい歌心が要求されます。足達先生の笛は、その音色もさることながら流れるようなフレーズ感、ピアノとのアンサンブル。さすがプロオケ首席という感じです。笛が「歌」っていました。聴きながら自然に体が動き笛を吹きたくなるような演奏でした。
後半は、元山形放送(YBC)アナウンサーの板垣幸江さんによる詩の朗読と演奏です。
ドイツ・フライブルグ音大留学後、トゥットリンゲン市立音楽学校でフルート科講師をされていた足達先生なので、ドイツ語の詩を自ら翻訳されたのだそうです。この詩の朗読はとても良かった。目をつむって聴いているとイメージが拡がる感じ。そこにフルート演奏が加わると、イメージを邪魔する事なく、さらにイメージに羽をつけて飛んで行くような印象でした。
最後は、昨日のプログラム唯一のフルートのための曲。ライネッケの「ウンディーヌ」。楽譜も持っていますが、まだちゃんと吹いたことはありません。足達先生の笛は、音楽が豊かで雄弁に歌っていました。ますますフルートが好きになるような演奏で、家に帰ってすぐに笛が吹きたくなるようなコンサートでした。

レストラン欅の太田シェフやアルケッチャーノの奥田シェフを「食の親善大使」に任命して、『食の都 庄内』を大きく謳っています。酒フィル団員の中にも、無農薬の野菜や米を作り、いくつかのレストランに提供している人がいて、ごく身近に食の文化を感じる土地柄です。
しかし、庄内の食の中で私がいくつか不満に思うものの一つとして、「牛タン」を食べさせてくれるお店がないのです。もちろん焼肉屋に行けば牛タンはありますが、私のいう「牛タン」は仙台の牛タンです。前にも書きましたが、山形は河北町出身の夫婦が戦後の仙台で屋台を引いて始めた、牛の舌と尻尾という普通捨てられていた材料を使った料理。ご飯も白飯ではなく、麦飯です。これが酒田にはないのです。山形市には、仙台の銘店「太助」(上記、河北町出身の夫婦が始めたお店)の暖簾分けの店「とだて」があります。
コンサート終了後、1年以上ご無沙汰していた「とだて」に行きました。ご主人も女将さんも顔を覚えていてくださって(昔や良く行きましたから)、酒田に移住した事を伝えると、「な〜に、酒田に住んでんの?」と驚いておられました。「とだて」の牛タン、旨かったです。

(またグルメレポートすると親父に叱られそうですが、、、まあ、ガソリンなど安いところを探したり、自転車通勤をしたりと、「節約」するところはしているということで、、、)

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2008.04.29

フルートリサイタル+α

日付が替わりましたので、今日のことになります。
平成20年4月29日(火・休)、山形市の文翔館議場ホール(山形弦楽四重奏団が定期演奏会を行っている、あの会場です)にて、山形交響楽団首席フルート奏者である足達祥司さんのフルートリサイタルがあります。
リサイタルのパンフレットは←こちらです。

足達先生の2年ぶりのリサイタルになります。シューマン、シューベルト、ブラームス、ライネッケなど、バロック時代に比べるとフルートの為の曲が比較的少ないとされるロマン派時代の作品です。2年前は、フルートソナタの名曲、プロコフィエフに挑まれた足達先生。私の憧れの曲です。いつかは4楽章通して吹ける様になりたい!2年前の足達先生のリサイタルの事は、こちら→平成18年4月16日の記事をどうぞ。(記事の最後の方に、すでに病院勤務医を辞めようと考えている心の動きが記載されていました、、、(^^;;;)

山響の団員は、山Qを初めとして、オケの活動以外にもソロ活動、アンサンブル活動など積極的な方が多くて嬉しいです。オケとしては、定期演奏会以外にもコンサートがたくさんあります。その上、県内外の学校に出張して演奏する「音楽教室」も多いため、練習と演奏で拘束される時間は多いはずです。おそらく3日に1日かそれ以上は山響の仕事が入っているはずです。自分のパートの練習は、当然のようにその「仕事」の時間以外にさらうことになります。人によっては学校で教えたり、個人的に生徒さんを持ってレッスンしています。依頼演奏会も入ります。そうすると、盆暮れ正月を除いて(場合によっては、大晦日も演奏!)ほとんど毎日、練習か演奏をしていることになります。その中で、個人のリサイタルを開くということは容易な事ではありません。
その準備に要する時間、開催の為の手配(会場、人、チケット、宣伝などなど)、資金調達、チラシ作り、練習、リハーサル、、、やることがたくさんありますが、それらを山響の首席奏者としての仕事の合間に自らやるしかない訳です。足達先生の場合は、同じくフルーティストである奥様がかなりの力にはなっていらっしゃるはずですが、それでも楽な事ではないはずです。足達先生くらいの音楽家ならば、最低でも1年に1回くらいはリサイタルを開いてほしいところですが、上記の様な事で2年に1回くらいになっているのだと想像します。
仙台フィルのフルート奏者である友人のY氏も、10年以上前は1,2年に1回くらいソロリサイタルを開いていましたが、記憶する限りこの10年間に「ソロ」活動はないようです。諸般の事情があるのだと思いますが、勿体ない感じがします。一番大きいのは、経済的な問題ではないかと想像します。楽器会社や楽器店などから「後援」をもらいますが、特に金銭的に大きなバックアップがある訳ではないと思います。売れっ子タレントのような音楽家であれば、集客力があり、「儲け」も計算出来るので企業も乗り出して来るでしょうが、実力があっても一般には無名、またはあまり知られない音楽家はたくさんいて、「収益」を考える企業側としてはそういう「一音楽家」のバックアップは何か特殊なコネでもない限り易々とはしないでしょう。

ベートーベン、そのちょっと前のモーツァルトより以前には、自分の作曲や演奏で「金を稼ぐ」という意味での職業音楽家はなく、王侯貴族に召し抱えられたり教会付き(これも結局王侯貴族持ち)の演奏者や作曲者であった訳です。音楽は一般大衆には公開されず、王宮の中だけのものでした。民には民の音楽はありましたが、「クラシック音楽」として我々が知る多くの音楽は王侯貴族のものでした。
職業音楽家の立場が確立しても、彼らは作曲だけで、演奏だけで食べて行ける程の売れっ子とは限りません。演奏旅行やコンサートにはお金がかかります(場所、人の手配だけでも大変)。そこに登場するのは、「パトロン」です。チャイコフスキーに支援を続けたフォン・メック夫人(未亡人)のような立場の人がいてこそ、作曲活動を続ける事ができるのでしょう。

現在の日本のオーケストラの団員は、音楽的にレベルの高い人達でも、そのオケの団員として「お給料」を基本に生活する「サラリーマン」的な部分があります。批判しているのではなく、事実を書いているのです。高くはなくともある程度の生活の保障があります(日本のオケ団員の給与は一部の特殊な例を除くと欧米の有名オケの給与の半分以下、場合によっては3分の一くらいです)。それにプラスアルファ、生徒さんを持って個人レッスンをして言葉は悪いですが「稼ぐ」くらいでしょう。生活がある訳です。家族を養わなければならないのです。「霞を食べて」暮らす事は出来ません。
演奏者として、楽器にも楽譜にも衣装にも、金をかけない訳にはいきません。「商売道具」です。燕尾服や靴の値段など、一般の服に比べると驚くのような値段です。そういった日々の仕事と生活の中で、個人のリサイタルを企画立案実行するというのは並大抵の努力ではない、と言う事が言いたかったのです。

精一杯応援する為に、酒田から聴きに参ります。往復3時間ちょっとくらい大したことではない、それだけの価値のあるリサイタルだと思います。私は、フォン・メック夫人のように経済的に支援出来る訳ではありませんが、音楽を、フルートを愛する者の一人として、プロ、アマを問わず多くの音楽愛好家を支援し応援し共に楽しむ事を最大の目的として、自分の医院のリハビリ室(えっと、『ジョンダーノ・ホール』です!笑)を設置し、そこでのサロンコンサートを企画しているのです。

*****
現時点で開催の決定している、「ジョンダーノ・ホール」のイベントは、、、
○5/11:荒川洋さん(新日本フィル)のミニリサイタル&クリニックです。プーランクのフルートソナタ(ピアノ伴奏)、JSバッハのロ短調ソナタBWV1030(チェンバロ伴奏)他、決定!です。荒川さんのオリジナル作品も演奏して頂くかも知れません。「荒川洋:作品集 2005-2008」は←こちらでご覧になれます。翌5/12は小澤征爾指揮新日本フィルの酒田公演ですが、午前中(平日ですが)に、希望者に個人レッスンを企画中です。
○6/28:上坂学さん(フルートクライス主宰者)のコンサート&講習会&フルート試奏会&楽器無料メンテナンスです。ドップラーのハンガリー田園幻想曲、ほか企画立案中です。上坂先生のお力で、M社のフルート修理室長のI氏(なんと酒田出身!)もいらして下さる予定ですし、M社の18KやPTPなどの試奏も出来る予定です。6/29(日)には希望者に個人レッスンも予定します。

「プロの音楽家」なのですから、それ相応の当然の「ギャラ」が発生します。よって「有料」のイベントです。でも一般的なこういうリサイタルの料金からみれば、およそ「半額」を予定しています。
演奏会場、備品(椅子、スリッパ)、空調電気代、チラシ作成費用、連絡の為の電話FAXメールなどは、当然私の持ち出しです。自分の趣味でもある訳ですから、これで儲けるつもりはありません。というより、確実に「赤字」です。でも大変楽しみです!

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2008.04.27

角館往復320km

今年は例年より1週間程開花が早く、しかも駆け足で通り過ぎて行った桜前線。
私の記憶が正しければ、中学3年生の時、今から36年も前に家族で秋田を旅行した時、角館に行った記憶があります。今年は、何故か「角館」、という気持ちになっていました。今年の開花予想として、例年の櫻の見頃から今週末がベストと予想されていたため、4/20ではなく4/27に角館に行く事に決めていました。しかし、最近はインターネットで逐一開花状況が報告されるので手に取る様に開花状況がわかります。数日前ですでに「散り始め」という情報が入っていました。
折角なのでこの2日程はそういう情報に目を通さない様にして、今朝早く角館を目指しました。

新庄方面回りで国道13号線を北上するルートもありますが、距離的にはやや遠回りでも高速道の開通部分の多い7号線回りを選択。酒田〜にかほまで7号線、そこから無料供与区間の「日本海東北道」に乗ります。由利本庄から秋田空港の手前まで無料です。秋田空港を過ぎたら、大曲、北上(東北縦貫道)方面へ向かう「秋田自動車道」になります。大曲ICを降りたら国道13号、続いて105号を北上し角館を目指します。2時間半ほどで角館へ到着。
角館駅から大勢の人が武家屋敷通り方面へ歩いています。駐車場を探しますが、公的駐車場(500円)はどこも一杯。どうせお金払うのだからと、中心部にある個人の有料駐車場に入れる事にしました。

満開は先週の月曜日だったそうです。
Photo有名な武家屋敷通りです。大きな枝垂れ桜もすべて綺麗な葉桜です。所々にわずかに花の残る桜もあるにはあるのですが、ほとんど「新緑」の季節という装い。途中で通り雨が降り、濡れた櫻の木の下を通る時には「桜吹雪」ではなく「雨しずく」になって落ちて来ました。(トホホ)

角館は、「東北の小京都」と呼ばれていますが、江戸時代の武家屋敷が残され黒い木の壁が落ち着きを与えています。櫻の季節以外でも美しい街並です。古い家や街並が残されている所が全国にたくさんあるでしょうが、街の一部がまるで美術館か博物館の様に綺麗に大切に保存され、しかも新しい開発や大きな変化もなく昔の姿を保っている所は多くないでしょう。
Photo_2旧家として保存されているいくつかの家を少し見て回り、その中の「石黒家」で中に入ってみてみました。格式の高い、古い家らしく、いろいろな工夫があります。写真は、欄干の透かし彫りの亀が隣の部屋の灯りで影絵の様になって壁に映し出されているものです。昔の様に蝋燭の灯りであれば、これがゆらゆらと揺れて亀が生き生きと泳いでいる様に見えた事でしょう。
「展示棟」の方を見てみると、なぜか杉田玄白らが翻訳したターヘルアナトミア=「解体新書」のコピーが展示されていました。
Photo_3Photo_4「角館に何故、解体新書?」と思ったら、武家屋敷通りの旧家の一つ小田野家の関係者がこの解体新書の解剖図挿絵を描いた人の一人なのだそうです。

歴史のある街の真の良さというのは、見かけが美しいとか、古い建物が保存されているとか、そういう即物的なものではなく、その歴史に育まれて熟成した文化、そこに育った文化人が示してくれる様に思います。私にとっては、枝垂れ櫻や武家屋敷や綺麗な黒い塀よりも、「解体新書」の挿絵を担当するような学問の道に進んだ人が生まれている街として角館を見直しました。

おまけ
MiniPhoto_2着物を着て和傘を持った家内は、特に年配の女性に注目されていました。中には、「仕事中」と勘違いされて「一緒に写真お願いします」などと依頼されちゃんと写真に納まっていました。単なる着物好きの素人とわかると多くの方が「あら〜、、、」と仰って離れていきました。(笑)
ゆっくり回ってお昼は花場山麓近くの「巴里屋」で野菜中心の和食を頂きました。
「○に上の字」で有名な安藤醸造元(醤油味噌)の本店も角館にあります。帰りには北浦本館で名物「醤油ソフトクリーム」を頂いて来ました。

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2008.04.26

『山桜』を観る

先日ブログ記事にした、藤沢周平原作の映画『山桜』を観に行ってきました。
藤沢周平の「時雨みち」という短編集が元になった美しいお話を、庄内ロケを含む美しい映像と俳優陣の演技で観終わった後に心暖かく爽やかな気持ちになる映画に仕上がっていました。

庄内ロケが多かったため、4/20(日)に三川町のイオンシネマで全国に先駆けて先行上映が始まりました。「山桜 舞台挨拶決定」
初日には、主演の田中麗奈と東山紀之をロケ地鶴岡に迎えて「トークイベント」と映画館での2回の舞台挨拶があったそうです。地元紙山形新聞が伝える先行上映の記事

当日の舞台挨拶のある回の映画は予約券も完売だったため、まあゆっくり観よう、と思っていたのですが、翌日4/21からずっと上映されているのです。全国的な封切りが東京で5/30という予定ですから、庄内だけ1ヶ月以上も早いロードショー。地元の人への特典です。
藤沢周平様々でございます。

ストーリーや映画の内容は、まだご覧になっていない方に「ネタバレ」になるので避けます。映画「山桜」公式サイト
Photo寡黙で実直な武士を、「ジャニーズ」「少年隊」ということから華やかでちょっと軽いという(私個人の勝手な)先入観のある東山紀之さんが、見事に演じていました。本当に台詞が少ないのです。最後の方に少しだけ、5分くらいしか出てこない冨司純子さんの方が余程台詞は多かったと思います。準主役で出番は多いのに台詞がほとんどなく表情だけで演じなければ行けないのですが、演技で非常に雄弁に語っていました。

美しい月山や庄内の風景が散りばめられて、「庄内の人が誇りに思えるような映画になれば、、、」と監督、出演者が語られた通りの映画になっていると思います。映画に関しては素人の私が批評するのもなんですが、ストーリー自体が単純で短いので、1時間45分ほどの長さの割にちょっと冗長と感じられるシーンや無駄なカット割りでは?と思う部分も多少ありました。しかし、原作者の長女である遠藤展子さんのこの文章をご覧頂ければ、私のちっぽけな感想などどうでも良いものだと思われます。藤沢周平の世界「映画『山桜』への思い」をどうぞ。
Photo_2主演の田中麗奈さんもまだあまり着物を着こなした身のこなしではなく、やっぱりジュースのCFの「なっちゃん」という感じの部分の否めませんでしたが、あの目つき、表情などはうまく活かされていたと思います。(写真は、「山桜」公式サイトのフォトギャラリーから拝借)

藤沢作品の映画化としては、黒土三男監督の「蝉しぐれ」、山田洋次監督の藤沢映画三部作「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」「武士の一分」に続く5作目となった訳ですが、初めて主人公が女性でした。豪華絢爛に咲き誇るたくさんのソメイヨシノではなく、山里に一本だけすっと立つ山桜の清々しさ、美しさ、儚さが主人公の人生に重なって見え、観終わった後に気持ちが落ち着く映画でした。


この後、庄内を舞台、ロケ地にした映画は、綾瀬はるかさん主演の女座頭一「ICHI」、(キムタク、東山に続き)ジャニーズの「渋ガキ隊」出身のモックンこと本木雅弘さん主演の「おくりびと」が続きます。特に「おくりびと」では、私は出られませんでしたが酒フィルの仲間がオーケストラのシーンでエキストラとして出演しているのがどのくらい使われているのか、楽しみですね。

今日は、2週間ぶりにオケの練習です。「シベ2」いい曲です。

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2008.04.25

松山城趾と桜、ほか

先週の土日は、酒田周辺の桜も見頃をすぎる頃ということで、慌てて遊佐、旧平田、旧余目、狩川、楯山(旧立川)、そして旧松山と廻って来ました。

Photoその一つ。松山藩大手門と桜。
これは現在、酒田市に合併し組み込まれた旧松山町の「松山文化伝承館」の敷地内に移築されているものです。1781年に築城後、落雷で一旦消失したものを酒田の本間家の寄贈で再建したもの。これ以外の城趾は明治維新後すべて打ち壊されて消失しているそうです。

元々、松山藩のあった旧松山町は、「中山」という地名だったそうです。徳川四天王の一人酒井家の酒井忠勝が鶴ケ岡城に入城し以後、庄内酒井藩は廃藩置県まで存続した訳ですが、庄内一円を治めるにあたり最上川の北岸にある現在の酒田には「亀ケ崎城」という枝城を築きました。酒井忠勝の三男忠恒に中山2万石が与えられ、鶴岡の「鶴」、酒田の「亀」に合わせて目出たい松山と地名を変え、幕府に許されてここに城を築いたのだそうです。一国一城令の時代なので、「松山陣屋」と呼んでいたようですが、このような大手門を持ち本丸、二の丸、三の丸のある2万石には相応しくないほど立派なお城だったそうです。
江戸時代の城の建造物としては県内に現存する唯一のものだそうで、ここに移築されて大事に保存されています。

Photo_2同じく松山文化伝承館の一角に建つ胸像。明治維新期の、つまり松山藩最後の家老と思われる松森胤安のもの。松山の里仁館という藩校建設、存続に大きく関わった人です。その子孫は、今、鶴岡市に松森写真館として続いています(実は私の後輩医師もその家系)。
今、松森胤安が収集していた明治期の貴重なカメラが展示されています。「貴重なカメラがずらり 150点」山形新聞ニュースをご覧ください。

Photo_3この日は、午前中にクリニックでフルートの練習をし、旧平田の手蔵田の堤の桜と鳥海を愛で、余目の「テンテン」で焼きそばを食べた後、旧立川の楯山公園に行き、丘の上の桜の間から写真のように狩川の風車群を眺め、その後に上記松山文化伝承館の桜を愛で、たまたま通った道すがら名もない桜達をたくさん目にして帰りました。

日本人は、何故こうも桜を愛するのでしょう。
四季のはっきりしている日本という国の中でも、もっとも季節感を実感でき「春」を感じるからでしょう。フランス語でも春の事をprintempsプランタン、すなわち「一番目の時間(季節)」と呼びますが、日本人、特に冬の厳しい東北に暮らすものにとって、桜という植物は単なる美しい花を咲かせる木ではなく、雪、寒さ、地吹雪という「負」のイメージの季節から、芽生え、開花、暖かさという「陽」のイメージの季節を迎えるシンボルでもあります。さらに、美しく咲き誇ってもそのまま咲き続けることはなく、数日で散り始め雨や風で一気に散ってしまう儚さ、そして葉桜への変化。その一瞬の美しさ、持続しない美、見逃してしまうと翌日にはもうベストではないという「一期一会」の感覚は、日本人として「もののあわれ」や郷愁の心をそそられます。

今年の桜前線は駆け足で北へ進み、いつもはゴールデンウィークが見頃の弘前公園も既に満開だそうです。明後日行こうと思っている角館はどうなのでしょう。。。ピークは過ぎてしまったようです。
「たそがれ清兵衛」や「隠し剣 鬼の爪」のロケ地になった味のある屋敷も見て来たいと思っています。

おまけ
Photo_4余目の焼きそば屋の近所に住む、オケ仲間KSさんの店舗兼自宅にちょっとお邪魔したときの事。余目や立川の昔の話などいろいろ伺っていたら、なんと明治天皇がKS家の前にちょっとお立ち寄りになった事があったそうで、写真のような大きな石碑が建っていました。表の通りから引っ込んだ所に隠れたように建ててあるので、「これですよ」と説明されなければ気がつく人などいないのではないでしょうか。

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2008.04.23

記念日(家食)と週末の外食

最近はグルメ報告は控えています。(^^;;;
仲間から「あんなもの喰ってちゃ、痩せるわけないよ!」などと揶揄されるのが悔しいからです。(笑)
でも隠れて(苦笑)、美味しいものは時々食べています。
お寿司屋さん、トンカツ屋さん、カレー専門店、和食の店、ル・ポトフー、その流れをくむ料理人のいるフランス料理屋さん、イタリア料理屋さん、ラーメン屋さん、お蕎屋さん、、、平均して週に最低2回ほどは外食しています。
その分、自宅で食べるものは「粗食」になりがち。「春雨ヌードル」も続けています。体重は増減の波を経ながら、今年始めの「人生最大体重」より4.5~5kg程度の減少は持続出来ています。平均で週1回は行けていないのですが、スポーツジムで有酸素運動の他に筋トレもして、筋肉を落とさないようにしているからでしょう。今年は、さらに久しぶりのゴルフに挑戦という課題もあるので練習場(クリニックの向かいにあるの、まだ1回しか行っていない)にも行かなきゃ。

そんな「自宅粗食生活」の中、昨日4/22は丸2年の記念日でした。
422なので、夕食は私の好きなマカロニグラタンに鳥の唐揚げにサラダでした。家内はブラウニーも焼いてくれました。晩酌はなるべく控えてきましたが(酒を飲むのは週に3日位に制限)、気に入って買っておいた美味しそうなワインやシャンパンや貰い物の日本酒やワインなどが貯まって来たので、少し「整理」をしなければなりません。
ということで、昨晩は高畠ワインの「嘉シリーズ」の赤、カベルネ・ソーヴィニヨンを頂きました。初めて飲んだ時から、そのバランスの良さと程よい苦みが気に入っていて何本かおいてあります。「嘉シリーズ」はスパークリングワインも有名なようですが、私自身はこの「赤」が好きです。ワインは弱いのに、ついつい3杯、4杯と頂いてしまういつもの「うたた寝」をしちゃいました。
美味しかった!

と言う訳で、昨晩は家食でしたが、先週末はちょいと外(そと)食をしました。
まず日曜の昼に、旧余目町にある、以前から気になっていた「焼きそば屋」に行きました。
PhotoPhoto_2この「焼きそば専門店テンテン」は、昔あって一度消えたお店を地元の人が復活させたものだそうです。メニューは「焼きそば」のみという潔さ。しかも「普通」「中盛り」「大盛り」、更に特大の「特小盛り」に「特大盛り」の5つだけ。
一番安い「普通盛り」が500円で、最も大きな「特大盛り(大盛り3杯分)」が1800円です。
写真は左が普通盛りで右が中盛り(550円)。コストパフォーマンス高いです。味もいい!紅生姜ととソースがテーブルに置いてあって自分で好みでかけます。
午後1時半頃に行ったのですが満員で10分ほど立って待ちました。人気の衰えない店のようです。

夜は、ラ・ルーチェの5周年記念特別メニュー。
先日食事に行った時にオーナーシェフに挨拶しておいたら、ご案内が来たのでその値段の安さ(前菜からドルチェ、コーヒーまで通して一人3800円!)に惹かれて行ってしまいました。
Photo_6Photo_7食事を全部載せても興ざめなので、「黒トリュフ入りリゾット」と「ドルチェ盛り合わせ」を載せます。この他に、「前菜」「サラダ」「旬の魚」「豚ほほ肉の煮込み」そしてエスプレッソ、これで3800円です。当然満足!味もちゃんとしたイタリアンです。このメニューなのでお客さんが多かった割には、店員が少ない為かサーブされるまでに時間がかかったり、飲み物の注文取りがちょっともたついたりという問題はありましたが、肝心のお料理が美味しいので全く気にならず。Anniversaryの前祝いをしてしまいました。

庄内地方の櫻も、本当にそろそろ終わりです。
4/20、富士見町から余目に向かう途中、旧平田地内でしょうか手蔵田あたりでまた堤に並ぶ美しい桜並木を見つけました。
Photo_3桜の本数も多くありませんし、先日の遊佐よりもまだ小さめな若い木です。小さな川の堤にでも美しくその存在感はしっかりとしていました。
ここも廻りによけいなものが少ないのがいいです。見渡しても道路と橋以外に余り人口建造物がありません。電線や電信柱が少ないのが風景を壊さない点で重要です。

Photo_4Photo_5車を停めて並木の下を歩いてみると、晴れた空に美しい鳥海が見えました。堤をちょっと降りて南側から桜と、並木の間から見える鳥海山を撮ってみました。
振り返ると、風に舞い散る桜の花びらはすぐ隣の田んぼ、まだ田植えの準備も始まっていない田んぼの上に薄ピンク色の絨毯のように舞い降りていました。

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2008.04.22

『ジョンダーノ・ホール』で練習

リハビリ室兼音楽ホールの名前はこれに決定!(?)
自分が慣れるためには、とりあえず極力使ってみるのがいいでしょう。
『ジョンダーノ・ホール』

昨日、診療終了後、ピアニストと初合わせをしました。
本番で笛を吹くのは私ではありませんが、ピアニストはうちのホールでうちのピアノに触った事がなかったので、タッチや響きの確認と曲想の理解のための打ち合わせのようなものです。

Poulencsonateプーランクのフルートソナタ。
名曲です。(写真は、プーランク自筆譜、JPランパル協会のHPより)
何年か前に、私がフルート熱を再発したきっかけの一つが、ベルフィル首席フルート奏者のエマニュエル・パユ氏の演奏するプーランクのフルートソナタ、特にその第2楽章を聴いた事です。
同時期に高木綾子さんの演奏で、ピアソラの「ブエノスアイレスの冬」を聴いたこととそのパユの演奏、この2つが私に衝撃を与えました。
ですからこのソナタには思い入れが人一倍。本番で演奏するのは荒川さんですので、ピアニストとはまずテンポ、ダイナミクスなど基本的な事の確認程度。あとは本番直前のリハーサルで荒川さんから指示してもらうしかありません。
ピアニストは、酒田フィル2nd Vn.トップのTS氏の奥様。小柄で可愛らしい女性です。
昨年のJAO酒田大会の際に企画された「街かど音楽祭」でハンガリーから招聘したピアニスト、ファルカシュ・ガーボールの公開レッスンを受講した一人。確かあの時はショパンのスケルツォの何番かを弾かれたと記憶しています。また、H18年に、ハンガリーのソルノク交響楽団が遊佐・酒田を訪れた時に、酒田フィルとガーボールがショパンのピアノ協奏曲を演奏したのですが(私はその時、フルートトップを吹かせて頂きました)、練習でのピアノ合わせはそのS夫人でした。

リハビリホールの床面積100平米=60帖はまずまずの広さですが、ヤマハのG7(今のC7)にはちょっと狭く感じます。蓋を全開にするとffでは大音響。響きが良いのはいいのですが、フルートの伴奏には相応しくありません。蓋を小開きにしたり、閉じてみたり、響きを試してみましたが、結果的に小開きでしかも柔らかいタッチで、弱音ペダルを多用して演奏して頂かなくてはフルートの響きを潰しかねません。
私の笛の音では、音量と言うよりも「響き」という点で弱い部分があります。5/11の荒川さんや6/28の上坂さんのように、プロの奏者であればまた違うでしょう。でもフルートが主役なのでピアノには少し控えめに演奏して頂く必要があります。

あと3回くらいは合わせ練習をしてピアニストにこのホールの響きやバランスに慣れて頂く必要があります。その他に、フォーレの「シシリエンヌ」、ドビュッシーの「小舟にて」、マスネの「タイスの瞑想曲」の練習をしました。

家内のチェンバロ(「カノンのお稽古帳♪」)とは、JSバッハのロ短調ソナタBWV1030を合わせ。
このホールならば、1段鍵盤の音量の小さなチェンバロにも合います。フルートは、ピアノ伴奏の時のように気張って吹き込む必要はなく、いつのまにか古楽器のフラウト・トラベルソのように軽く吹いている自分がいました。
でもバッハは難しいです(プーランクも難しいですけど質が違う難しさ)。

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2008.04.20

名残の櫻とコンサート

太平洋側は雨、風が強く大変だったようですが、日本海側は何とか曇り空で留まっていました。先週の中程で桜の見頃を迎えてしまったため、この週末は散り始め、一部葉桜となったようです。

そんな中、今まで観に行った事がなかった桜を見に行って来ました。
PhotoPhoto_2遊佐町高瀬地区の「中山堤」の桜です。
桜の名所として有名らしく、帰って来てからたくさんのHPやブログを発見しました。
今年の見頃は残念ながら4/16,7辺りだったようで、堤(土手)の小道や洗沢川には桜な花びらひらひら舞い散り流れ積もっていました。それもまた風情があるものでした。
場所が地図入りで解説されているサイトがありました。こちら↓です。
美しい山形・最上川フォーラム「最上川桜街道:水辺の桜みどころ:遊佐町」

個人で書いておられるブログの中から、今年、昨年の見頃を撮られた写真を掲載されているのはこちら↓です。
鳥海温泉郷 〜ゆらり日記〜。何回か泊まったことのある鳥海温泉郷「遊楽里」の番頭さん(?)のブログのようです。
2007年の「中山堤の桜」。お隣、秋田の方のバイク・ツーリング愛好家のようです。

Photo_3Photo_4残念ながら曇り空のため、酒田から見るよりも間近に迫る大きな鳥海山の雪と空と桜という、「白、青、ピンク」のコントラストが今ひとつでした。早くも「来年は、天気のいい日に、満開の内の来よう!」なんて考えてしまいました。
そういえば、あと2週間ほどで「端午の節句」。写真の様に、対岸同士の木にロープをかけて、そこに大きな鯉のぼりを川の上に渡して泳がせていました。これが少なくとも4箇所ほどかかっていましたね。

迫力の鳥海に目を奪われてばかりいないで、右の写真のように洗沢川の下流方向、日本海側向きに「見返って」観ると、これも見事な眺めです。桜の並木は60本程度と、そんなにたいしたことはないのですが、川向こうに並ぶ、まるで江戸末期か明治の頃そのままのような民家の並び、堤防、今も(?)生活用水として使用している事が伺える川縁に降りるために石で作られた階段など、本当に「藤沢作品の映画のワンシーン」に出て来そうな光景です。辺りを見回してみても、ほとんど送電線や電柱が目に入らないのもいいです(裏、というか表に回れば一杯ありましたけれど)。

Photo_5この高瀬地区中山集落の鎮守様や、小道の路端には写真のようにお地蔵様、道祖神様が祀られていました。鎮守の神社の入り口に置かれた大きな石には、「文化庚午」と彫られてあったと思います。
「文化」というのは江戸時代、西暦で言えば1800年代初め頃です。西洋ではナポレオンが活躍し、ベートーヴェンが交響曲第3番「英雄」やピアノ協奏曲第5番「皇帝」を作った頃です。その頃のお社が同じ場所にあるのでしょう。この地区の「民」はその頃からずっとここに土着しているのでしょう。ふっと、藤沢周平の「義民が駆ける」に出て来た、遊佐の民の事を思い出していました。

ーー

そんな、郷愁のこころ一杯になって、夜は仙台フィルの酒田公演でした。
バイオリンの長尾春花さん、ブラボー!!!でした。
なんかまだ「学生」という雰囲気一杯で、思わず応援したくなります。しかも演奏は堂々としたもので、テクニックも音楽性も素晴らしい。さすが「日コン」の優勝者です。
でもまだ18才。大学生になったばかり。
素晴らしいメンデルスゾーンでしたが、これからもっともっともっと素敵なバイオリン奏者になっていって欲しいな、と思いました。

パスカル・ヴェロさんと仙台フィル。
なんと表現したらいいのでしょう。レベルの高い音楽を聴かせてくれますが、何かしっくり来ない感じを持ったのは私だけなのでしょうか。
弦は7-6-5-4-3プルトでしたから、弦だけで50人います。大編成です。迫力があります。音も素晴らしいです。
しかし、最近の山響を聴き親しんだ私の耳には少しの違和感があったことは正直に告白しなければなりません。まとまり感というのでしょうか、一体感というのでしょうか、先日の山響に関する新聞記事をブログ記事にした時に書いた(「独自性と独創性」)ような「緻密さ」というのが感じにくかったように思います。大編成で迫力のあるサウンドを求めれば、緻密さはある程度犠牲にしなければならないものかもしれません。アンサンブルの密度が少し薄くなっても仕方ないのかもしれません。でも、編成の大小に関わらず、パート内、パート間、弦と管のアンサンブル、それこそがシンフォニックオーケストラの魅力だと思います。
いい悪い、正しい間違いの問題ではなく、目指す方向性の違いと言えるのかもしれません。仙台フィルのサウンドには仙台フィルらしさがあるのだ思います。山響のサウンドを聴き慣れた耳には少し違うものを感じました。ウィーンフィルの熱烈なファンが、ベルフィルのサウンドを好まなかったりするのと同じようなものでしょうか。。。?
もしくは指揮者であるヴェッロ氏のフランス人らしい個性が、ドイツ的な緻密さや重厚さよりもフランス的なラテンムードや洒脱さを求めた結果なのかも知れません。飯森さんが仙台フィルを振ったらどうなるのかな〜などと思いました。
誤解のないように書き加えますが、演奏そのものは素晴らしい!弦もあれだけの大人数でppからffのダイナミクスが凄かった。管もオーボエは素晴らしかった。フルートは、、、私の同級生で親友が出ていなかったのですが、カルメンではちょっと息が合わない感じに聞こえました。
「(響きのいい、残響の長い)ホールのせいなんだろうか、、、」と思いながら聴いていましたが、最後までなんとなくしっくり来ませんでした。仙台フィルの人たちにとっては、いつもと違う響きのホールでパッと来て、一回ゲネプロやってすぐ本番、ですから、サウンドを響きを確認するまでいかないのでしょう。前日、仙台市青年文化センターホールでの演奏はどうだったのか知りたいですね。
でも楽しい曲目で、カルメンの谷口睦美さん(声も身体も(失礼)演技も迫力満点)、テノールの小貫岩夫さん(透き通った歌声でちょっと線が細く感じますが美しく切なさを感じさせる)、バリトンの与那城敬さん(相変わらずかっこいい!響き渡るバリトン)の素晴らしい歌声には魅了されました。

昼間に観た、のどかな田舎の散り行く桜の風情と、夜の迫力の音楽。お天気は曇りでぼんやりしていましたが、コントラストの強い一日でした。

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2008.04.19

この週末は、、、

本日は希望ホールで「仙台フィルハーモニー管弦楽団酒田公演」。(公演チラシ)
楽しみなのは、昨年の日本音楽コンクールバイオリン部門1位の長尾春花さんによる「メンコン」、つまりメンデルスゾーンのVnコンチェルト。「長尾春花公式ウェブサイト」
昨年でしたか、仙台での国際コンクールでは6位でしたが、その音楽性とともにその可愛らしさにちょっと注目していたのですが、高校生活最後の年に日本一になり、この春、芸大に進まれました。これからどんどん伸びてゆく才能の、失礼なもの言いながら桜に例えれば5分咲きの頃にあたるのでしょうか、これから益々磨きをかけて満開になる美しさ(もちろん演奏の)を今晩楽しみたいと思います。
その他の演目として、ビゼーのカルメン。
先日の酒フィル主催のオペラで素晴らしいマルチェッロ役を演じ歌った与那城敬さんが出演されます。1年と少し前の酒フィル「ファミリーコンサート」ではカルメンから何曲か演奏しました。これも楽しみです。

明日、4/20(日)、三川町のイオンシネマでは、映画「山桜」の「ここだけ限定」の先行上映と出演者舞台挨拶があるそうです。映画「山桜」イオンシネマ先行上映
藤沢周平原作の「山桜」のHPは、こちら↓です。
映画「山桜」公式サイト
全国の封切りは東京で5/31が最初なのだそうですから、庄内だけ1ヶ月以上も早い上映ということになります。当然、予約チケットは完売!当日券はあるそうなのですが、(朝早く出かけて並ぶ)そこまでして、、、という気持ちはあります。
先日、体脂肪率xx%で話題をさらった「ひがし」こと、元少年隊の東山紀之さんが、藤沢作品によく出てくるちょっと不器用な、真摯で控えめながら剣の腕の立つ、かっこいい役をされたようです。私は原作(「時雨みち」)は読んでいないのですが、映画の「あらすじ」を読むだけで目頭が熱くなりそうなストーリーです。
一般上映されてからゆっくり見たいと思います。

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2008.04.17

音楽ホールとしてのリハビリ室

音楽会の告知の記事に書いた「某医院のリハビリ室」(笑)のことです。

PhotoPhoto_2リハビリ室の外観です。緑色の建物がリハビリ室で、横の大きな窓のあるオレンジ色の壁の建物が医院のメイン部分になります。
リハビリ室には医院の玄関とは別に入れる様に南面にドアを3つ設け、ここを入り口にすることができますが、この「前庭」はまだ未完成です。現在、お庭の設計段階です。ここに草木、花、そしてハーブを栽培するのも楽しみです。

Photo_5リハビリ室には、診察治療用ベッド、マッサージ用ウォーターベッド、机、パソコン、車いすが置いてありますが、それは医院からの入り口側に寄せてあります。今後、赤外線治療器、牽引装置などが入る予定です。
面積の3/4を占める部分には、医療の講演会、勉強会を行う為に使う椅子が並べてあり、リハビリ室の一つの大きな目的である『サロンコンサート』用のグランドピアノ(Y社のG7というもの)とチェンバロが置いてあります。入り口のドアのカーテンを開け、部屋の電気を点けるとこのような雰囲気ですが、、、

Photo_3Photo_4カーテンを閉めて、部屋の電灯を調節(蛍光灯を消し、黄色い白熱灯だけで薄暗く)すると、この写真の様にまるでどこかの蔵の中か、地下にある小コンサートホールの佇まいになります。
これが私が思い描いていた「音楽室としてのリハビリホール」です。

まだ名称、愛称が決まっていません。
Photo_6鯨をロゴマークにした上は、やはり「鯨のホール」=『Balaine Hall』でしょうか。
演奏がお上手に出来る、上手だね〜、の庄内弁「じょんだのぉ」をもじって『ジョンダーノ・ホール』とイタリア語っぽいのは駄目でしょうか。
(名前よりも中身、そこで何をするかが大切なのは当然ですが、「名は体を現す」といいますから、、、笑)

ここがチェンバロに書いてある言葉を実現する部屋なのです。
"Musica Laetitia Comes Medicina Dorolum"
「音楽は 喜びの友 悲しみの薬」

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2008.04.16

音楽会告知第2弾(多数)

新しいシーズンを迎えて、またいろいろ楽しいコンサートが目白押しです。

これから酒田で開催されるコンサートを書き並べてみましょう。
・4月19日(土):仙台フィルハーモニー管弦楽団酒田公演
・5月9日(金):山形交響楽団庄内定期(指揮:飯森範親、Pf:仲道郁代)
 当然、仲道さんのピアノとメインのラフマニノフの交響曲第2番が楽しみです。
・5月12日(月):小澤征爾&新日本フィルハーモニー交響楽団酒田公演
 オーボエの古部さん(先日新潟で聴いた「もぎぎオケ」にも出演)によるオーボエ協奏曲(「のだめ」で有名になりましたが、ニ長調のフルート協奏曲と同じです)とメインのチャイコの6番「悲愴」(酒フィルの昨年の定期のメイン、私がフルートトップを吹かせてもらいました、荒川さんがトップです)が楽しみ。小澤さんで「悲愴」というと、先日BS-HiVでみたベルフィルの「カラヤン生誕100周年記念コンサート」で小澤さんが選ばれて「悲愴」を振った、あの熱演が思い出されます。
・12月20日(土):山形交響楽団庄内定期(指揮:工藤俊幸、二胡:チェン・ミン)
 5月以降、ちょっと間があいて先の話になりますが、劉文金 二胡協奏曲「長城随想」とメインのブラームス 交響曲第3番が楽しみです。

6月〜11月の間では、希望ホールで大きなプロオケのコンサートはありませんが、11/16(日)には酒田フィルの定期演奏会があります。今回の目玉は、山形市出身のピアニスト石井理恵さんを迎えてのチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番とシベリウスの交響曲第2番です。
庄内地区に目を拡げると、上記以外には8月1日(金)に鶴岡市文化会館で山形交響楽団庄内定期演奏会があります。これは第4回モーツァルト定期と同プログラムです。ただし、私は8/1〜8/3、香川県高松市で開催されるJAO全国大会(昨年は酒田で開催)に参加する予定。
ずっと先、来年の話になりますが、3月14日(土)に鶴岡市文化会館で山響の庄内定期演奏会があります。

山形市で開催されるコンサートまで目を拡げると、当然たくさんあります。
まずは山響の定期演奏会とモーツァルト定期です。
・7月13日(日):山響第190回定期(指揮:飯森範親、Vn:川久保賜紀)
 これの目玉は、川久保さんによるバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番と「またも!」チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」です。酒フィル、新日フィル、山響の「悲愴」、どう違うでしょう?(酒フィルを比較の対象に入れるんですか?>おれ)
・8月23日(土):山響第191回定期、目玉は山響客演指揮の阪哲朗さんによるオールフランス物。実は、8/1〜8/3のJAO高松大会で阪さんとはお会いすることになる予定です。楽しみ!
・10月10日(金):山響第5回モーツァルト定期
 これの最大の目玉はなんといっても、フルート首席足達祥治さんによるモーツァルトのフルートとハープのための協奏曲。平日の夜7時開演となると、午後の診療を5時には切り上げて駆けつけざるを得ません。でもそれだけの価値がある演奏会です。
・11月22日(土):山響第192回定期(指揮:飯森範親、Vn:神尾真由子)
 これの目玉は当然昨年のチャイコフスキー国際コンクールバイオリン部門において諏訪内晶子さん以来、日本人二人目の優勝者となった神尾さんによるベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲ですね。
・12月25日(木):山響「第九」演奏会(指揮:飯森範親、合唱:県民有志)
 「第九」です。何も説明の必要ありません。

オケ以外のクラシック音楽関係となると、山Q(山形弦楽四重奏団)の定期公演などたくさんあります。
・7月9日(水):山Q第28回定期
 幸松肇の「弦楽四重奏のための4つの日本民謡第2番」というのが楽しみですが、平日の夜なので酒田から聴きに行くのはちょっと厳しいですね〜。
第29回、第30回定期は10〜11月と来年の1〜2月頃の予定だそうです。

そして、そしてソロリサイタルは、、、
・4月29日(火・休):足達祥司フルートリサイタル2008、文翔館議場ホール
 フルートの師匠の一人(師匠って言っても、足達さん主催のフルート夏合宿に参加しただけですが)、足達先生の2年振りのソロリサイタル。休日ですし、これは聞き逃す訳には行きません!
・5月5日(月・休):木島由美子作品発表会Vol.2、山形テルサ3階アプローズ
 作曲家木島さん(HNうにさん)の作品を山響メンバーや歌手達が演奏する楽しみな会です。うにさんのHPは、UNI'S WORLDヘようこそ!作曲家 木島由美子へどうぞ。
・6月29日(日):ジョイントリサイタル〜ブラームスに浸る!〜、文翔館議場ホール
 ソロではありませんが、山響Vnの城香菜子さん、チェロの渡邊研多郎さんにピアノとビオラを加えて、ブラームスの世界です。なかなかオールブラームスというのも興味深いです。「ブラームスはお好き?」です。はい。

上記の日程をみてみると、9月だけぽっかり空いています。
9月、、、何かなかったっけ、、、
あ!大切な事を忘れていました!
私も開催の実行委員に名を連ねている「ラデク・バボラックと仲間達庄内公演」。あの天才ホルン奏者バボちゃんのコンサートを「希望ホール」大ホールでやるのでした。
9月25日(木)夜です。

そして、ここまでは言わば前振りで(は?)、ようやく告知第2弾の話。
5月11日(日):酒田市富士見町の某医院(笑)のリハビリ室「バレーヌ・ホール」(仮称)において、「荒川洋フルート・ミニリサイタル&クリニック」開催します。
現在、鋭意、チラシ作成中ですので、完成したら「告知第3弾」でここに掲載します。

6月28日(土):酒田市富士見町の某医院(笑、笑)のリハビリ室「バレーヌ・ホール」(くじらのホール)(仮称、笑)において、『フルートを楽しもう!Vol.1 in 酒田』をフルート奏者にしてフルート・クライス主宰者の上坂学さんをお迎えして行います。
 上坂先生のフルートリサイタルとフルート奏法の講習会(すごくためになる事を請け合います!)がメインですが、非公式ながらムラマツフルートの試奏(14KとかPTPなど)とムラマツのフルート修理室の専門家による無料フルート調整会(楽器メーカー問わず)を予定しています。

やるぞ〜!

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2008.04.14

お花見

春の遅い東北地方にもようやく柔かく暖かい春の陽射し。まだ毎日ではないので、薄手のコートを着て出かける日も少なくありません。
昨日、日曜日お昼からはコート不要のよいお天気に回復したので、酒田の桜の名所の一つである「日和山公園」に行ってみました。
Photoデジカメを忘れて出かけてしまい、携帯電話のカメラでの写真です。(トホホ)
港に近くちょっと小高い場所にある為、風が吹くとまだまだ冷たい感じはありますが、陽射しが当たっている限りは大丈夫。多くの家族連れや仲間同士でシートを敷いて思い思いに花見を楽しんでいます。

「日和山公園」は、その昔、船頭衆が朝な夕なに日和を見た港近くの丘の跡が公園になっているのですが
、現存するものでは最古のものと考えられている(文献上は寛政6年(1794年)に記載あり)「方角石」の置かれた場所からは、港、最上川、日本海、出羽三山、鳥海山が見渡せます。

Photo_2かつて「西の堺、東の酒田」と言わしめた「北前船」の重要な貿易港であった酒田を再現すべく、小型の北前船が常置されています。お舟の向こうには、これまた日本最古の木造灯台と言われる六角灯台が見えます。
Photo_3Photo_4櫻は木によって開花の状況がまだ揃わず、蕾の多い木から3分〜5分程の開花状況のものもまだたくさんありますが、中には7分からほぼ満開の木もありました。

Photo_5屋台、出店も多く、人出もなかなかのものでしたが、この「イイダコ丸ごと入りたこ焼き」は初めて見ました。なんだかたくさん人が並んでいたのと時間に余裕があったので私も並んでみました。味は、まあ、イイダコの入ったたこ焼きでした(まんまですやん!)。関西出身ではありませんが、西日本歴の長い私ですから、お好み焼きやたこ焼きなどの「粉モン」にはちょっとうるさいです。私には普通のたこ焼きの方が好みです。あ、山形で売ってる「マヨタコ」(マヨネーズ入りたこ焼き)は好きですよ。

Photo_6「日和山公園」の近くに「日枝神社」があります。
今年、元日に「三社参り」をした一つ。酒田の鎮守です。
この赤い鳥居に掛けられた御神額は明治時代のもの。当時の陸軍大臣であった西郷隆盛の書になるものだそうです。今年のNHKの大河ドラマ『篤姫』は当たり!のようですが、西郷隆盛(配役は小澤征悦、あの小澤征爾氏の息子さん)の出番がどんどん多くなって来ているようです。徳川幕府の終焉期を生きた「天璋院」の生涯を描くドラマですから、西郷ドンはとても重要な登場人物な訳です。
以前、本ブログで書いた酒田の「南洲神社」や庄内藩士による「南洲翁遺訓」など、西郷さんと縁の深い酒田ですが、その鎮守の神社の鳥居の額が南洲翁揮毛によるものであることは酒田市民でも知っている人は少ないようです。

市内を走る新井田川堤にも桜並木があり、まだ多くは3分〜5分咲きと言う感じで満開まではまだ数日から1週間程かかりそうですね。酒田にもようやく春がやって来ました。

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2008.04.13

プレコン報告

昨日の記事に書いた様に、庄内町「響ホール」小ホールで午後7時から、松尾俊介&福田進一のコンサートがありました。

Photo_7演奏中の写真は撮れませんので、開演前のステージの写真です。
「小ホール」は平面図で見れば「まん丸」というか天井の高さが7,8mの円柱状の部屋で、椅子をずらっと並べても200席程度の大きさです。酒フィルは結構練習場としても使っています。響きは悪くはありませんが、その形状から座る場所、演奏する場所によって変な響き(増幅される様な、集音される様な変な感じ)のする場合もあります。
 プログラムは前半は松尾さんのソロ。後半は松尾さんと福田さんのデュオ。
最初に、「第2回庄内国際ギターフェスティバルin響」の音楽監督である福田進一さんのご挨拶。松尾さんの紹介と、8月のフェスティバルの招待ギタリスト、講師、そして8/26〜8/31の6日間毎日のコンサートなどイベントの紹介です。
ざっと紹介すると、8/26(火):福田進一&エドゥアルド・フェルナンデスDUO、8/27(水):大萩康司と仲間達(池田慎司、金庸太、L.ブラーボ)、8/28(木):ギター協奏曲の夕べ(飯森範親指揮、山形交響楽団と福田進一、E.フェルナンデス、大萩康司、松尾俊介、葉登民、李成雨、沖仁)、8/29(金):日中韓の若手ギタリストによるシンポジウム、8/30(土):沖仁〜真夏の夜のフラメンコ(余目駅前ひろば)、8/31(日):ファイナル・ガラ・コンサート(参加者全員)、という贅沢な盛りだくさんのイベントです。あえて、敢えて言うなら、第1回と違うのはスケジュールが合わずに村治佳織さんが参加出来ない事が残念です。「第1回」の事は、2005.8.29の記事ファイナル・ガラ・コンサートをご覧下さい。

さて、第1部。
松尾俊介さんが一人で登場。挨拶代わり(?)にまず最初の曲は、バリアス・マンゴレの「大聖堂」。
最初はまだ乗り切れていない感じでしたが、すぐに「自分の世界」に没入して静かな会場にギター一本の素朴で時に激しく時に物悲しい音が響きます。
MCで、第1回のフェスティバルで最優秀受講生に選ばれた話、曲の話などをされた後、2曲目はポンセの「3つのメキシコ民謡」。
優しい響き、強い響き、爽やかな響き、複雑な響き、、、
3曲目は、ブローウェルの「HIKA〜武満徹の思い出に」。最近でこそ武満作品はよく取り上げられる様になりましたが、生前は日本よりも海外、特にヨーロッパで注目されていたようです。武満さんが12年前に亡くなられた時、フランスなどの新聞では普通の紙面で武満の死を悼む記事を大きく取り上げた話、ブローウェルが武満の死を悼んで、「エレジー=悲歌=HIKA」という日本語名のタイトルの曲を作った事などを話されました。迫力の演奏でした。
4曲目、1部最後は、ポンセの「南のソナチネ」。特に終曲の「祭り」では、ギターならではの和音、リズムの変化が面白く、聴く者の心をドキドキさせてくれる様な演奏でした。

インターミッションの後、第2部。
Photo_8(写真は松尾さんのCDと8年程前に出た福田さんのベストアルバム、、、髪型が、、、お若い、笑)
福田さんの松尾さんに対する眼差しが、大事な弟子でギター仲間を守る様な、慈しむ様な優しい視線でまずそれが印象的でした。
曲目は、グラナドス作曲の「12のスペイン舞曲集より」。
まず最初に福田さん編曲で、第2番「オリエンタル」と第8番「アストゥリアーナ」。
福田さんのギターは普通のギターの調弦のままながら、松尾さんのギターはチェロの調弦に変えてあるとの事。6本しかない弦の調弦を変えて2本のギターで演奏すると12本の弦の綾なす音によってこんなにも違う世界が広がるものかと、感動。素晴らしい響き。
続いて、同じくグラナドスの「12のスペイン舞曲集より」から、今度はM.リョベート編曲で第11番「サンブラ」と第6番「ホタ」(演奏順)。松尾さんのギターはまた違う調弦。福田さんはいつものト短調調弦。「わたしはいつも楽さしてもらってます」と大阪人らしい発言で笑いを取ります。
2本のギターが奏でる複雑なハーモニーが今まで知らなかった世界を体験させてくれます。
最後にブローウェルの「4つのミクロピエサス」。
これも2本のギターでしか表現出来ない、絡み合う旋律、奏であうハーモニー、わずかなズレが生み出す美。プログラム全体を通して聴いていてドキドキ、ワクワクするような演奏でした。

Photo_3ほぼ満席の会場の大きな拍手を浴びて、お約束のアンコール。二人で2曲演奏された後、まだまだという拍手に二人で挨拶されて福田さんが松尾さんに何事が耳打ち。
松尾さん一人がステージに残り、「今日のプログラムではいわゆる超有名曲というかポピュラーな曲を弾いていなかったので、、、」と最後に「アルハンブラの思いで」。最後の和音が会場から消えて行くまで皆静かに耳を澄ませて、そして拍手。
ギターのディスクは10枚以上持ってはいますが、フルート吹きにとってはあまり耳にしない曲も多いのですが、ギターならではの世界を堪能致しました。
(写真は終演後のサイン会のお二人です)

Photo_4私は「掟破り」かも知れませんが、松尾さんのサインを松尾さんのCDに頂いた後、福田さんには写真のCDのジャケットにサインを頂きました。
これは、フルーティスト高木綾子さんの『海へ』というCDです。武満徹の作品「Toward the Sea」という曲をアルバムタイトルにしたものですが、4年前に高木さんと福田さんがスイスの修道院で録音し、3年前に発売されたCDです。昨年の秋に山形テルサで開かれた「高木綾子フルートリサイタル」(←私のブログ記事参照)の時に、綾子さんに頂いていたサイン。そこに福田さんのサインを加えて頂きとても嬉しかったです。

サイン会の後、地元の実行委員の人達に打ち上げに誘われたのでほいほいと付いて行きました。
Photo_5問題ありかもしれないので、少し写真小さめです。
打ち上げは楽しく、気がついたら日付が替わりそうになっていました。昨年でしたか、福田進一さんのアランフェス協奏曲(オケはドイツのヴュルテンベルクフィルで指揮は飯森範親さん)が『レコード芸術』の特選に選ばれたお祝いの席で、呑んで酔った福田さんの素敵な姿(と私は思う)を飯森さんがブログに複数枚掲載しました。単なる酔っぱらいのおじさんという姿ではありましたが、周りの人に気を遣い、周りを楽しませ、自分も徹底的に楽しむ福田さんの真骨頂をみた気がしました。
京都人の松尾さんは、「あれがなければいい人なんですがねぇ、、、」と親しみを込めて言っておられましたが、テレビ番組「ヒミツの県民ショー」を見る思いでした。関西に於ける、大阪と京都との複雑な関係が現れておりました。内緒の話ですが(大阪の人は怒らないで下さいね)、京都生まれの松尾さんは子供の頃、変なことをしたり言ったりすると「大阪の人みたいになるよ」とか「大人になって大阪の人みたいになってもいいの?!」と言われた事があったそうです。
ギター演奏では師匠と弟子であり美しいハーモニーを響きを聴かせて下さった素晴らしいアーティストのお二人ですが、ギターや音楽から離れると(解放されると、とも言えますか)こんな素顔を見せて下さって楽しい宵でした。

代行車で帰宅したら、0時半近くで即効ベッド行きになってしまいました。
このプレ・コンサートシリーズ、次は6月、響ホールではなく、藤島(鶴岡市)の「明治記念館ホール」(私がフルート演奏をしたところ、ブログ記事「庄内音楽フォーラム」参照)で開催されます。また楽しみな音楽会が一つ増えました。

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2008.04.12

庄内国際ギターフェスティバル・プレコンサート

今日は、3/22の記事で紹介した『第2回庄内国際ギターフェスティバルin響』のプレ・コンサート第2弾があります。チラシはこちら「松尾俊介&福田進一」リサイタル
福田進一さんは言わずと知れた国際的なギタリスト。このフェスティバルの音楽監督です。
松尾俊介さんは、パリのエコールノルマルやコンセルヴァトワールで学び、首席卒業後、日本で活動。H17年の『第1回庄内国際ギターフェスティバル』でセミナー受講生中、最優秀賞を穫られています。H17年の酒フィル定期では、福田さんの「アランフェス協奏曲」の練習代弾きとして我々とも一緒に演奏しておられますが素晴らしいギタリストです。

ギターフェスを告知し、盛り上げるためのプレ・コンサートの第2弾として本日お二人の演奏を聴けるのは楽しみでなりません。

(独り言:ギターと言えば、武満作品やピアソラ作品をフルートとギターでいつかやってみたいな〜、、、)

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2008.04.11

マスターズ開幕

世界中のゴルフ愛好者の憧れのゴルフ・トーナメント、『ゴルフの祭典』、「マスターズ」が開幕しました。ゴルフに興味のない方、知らない方にはどうでもよいお話をします。

最近でこそゴルフコースから遠ざかっていますがちょっと昔は結構燃えていました。あるコースに所属しているのですが年会費だけ納めて4年近く行っていませんし、最後にプレーしたのは鶴岡のコースでH17年9月のことですので、もう2年7ヶ月もゴルフをしていないことになります(考えてみて自分で驚きました!)。

Photo今朝は少し早く目が覚め、「そういえば、今日開幕だったな、、、」と早朝からテレビをつけてみました。美しいコース、緑の中に様々な花が咲き誇ります。緑の芝生、白いバンカーの砂に赤や黄色の花達のそのコントラストが映えます。(写真はネットから)

「マスターズ」が開催される「オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ」は、アメリカのジョージア州オーガスタという小さな街にあります。H5年、私は一人でこの街を訪れました。目的はもちろん「オーガスタ・ナショナル」です。当時、ペンシルバニア州ピッツバーグ(最近注目の演歌歌手ジェロの出身地、投手の桑田が引退でボールをピッチャープレートに置いた、パイレーツの本拠地『スリーリバースタジアム』もピッツバーグですね)のピッツバーグ大学に留学中でしたが、医学部の同級生がオーガスタの研究所に留学中だったので彼を訪ねて行きました。
ピッツバーグからアトランタまで飛行機、空港でレンタカーを借りてオーガスタまでドライブ。宿泊は彼のアパート(幸い、彼はチョンガーでした)。さすがに本選のチケットは手に入らなかったので、練習日(水曜日だったと思う)に行きました。練習日なら、チケットも手に入りやすく、値段も安かったように記憶しています。

はじめてオーガスタ・ナショナルの門をくぐるときは興奮しました。
その少し前に、パソコンゲーム(現在のようなゲーム専用機ではない)で『遥かなるオーガスタ』というゴルフシミュレーションゲームにかなり熱を上げていました。当時としてはよく出来たソフトで、フェアウェイやグリーンのアンジュレーションまでかなり本物に近づけている感じでした。毎年テレビではマスターズを見ていましたし、そのゲームですべてのコースを記憶していました。
Amennしかし、本物のコースを歩いてみるとそれはゲームの世界とは月とスッポンでした。まずフェアウェイのうねりとか高低差に驚きました。ティーグランドからグリーンまで割と平らで多少傾きがある位にしか感じていなかったのですが(ゲームの中では実際に歩いておらず、ティーショットを打ったら次は第2打地点にいるのですから当然です)、たとえば1番ホールを歩いてみると、ティグランドからすぐにぐぐっと下がっていて、フェアウェイ脇を歩いていくとまもなく、ティグランドもグリーンも見えないくらい、人間の身長分以上に凹んでいるところがあることがわかります。
グリーンが高速で、アンジュレーションがきつく、ホールによってはピンから10mくらい離れた所に落下したボールがほとんど真横に転がってホールに入ってしまう事すらありますし、ちょっと短めに落ちてしまうと手前に転がってグリーン手前の池に転がり落ちてしまう事すらあります。それは、テレビで見ていても実際に自分がプレーしてみない事には実感できませんが、凄い!と思ったのはフェアウェイの芝です。歩くと、ふかふかの絨毯の上を歩いているような感じです。手入れが行き届き綺麗に刈り揃えられたフェアウェイは日本の普通のゴルフコースのグリーンよりも綺麗です。そして柔らかいのです。
こればっかりは実際に行って、歩いて、触って体験しなければわかりません。まさに「百聞は一見(触)にしかず」なのです。

世界中のゴルファーが『聖地』とあがめ奉り、アマからプロまでゴルフを知るものなら皆が憧れるゴルフコース。歴史と伝統(数々の名選手による名勝負や名プレー)がなせる技です。
現代は、テレビで、そしてインターネットで、すぐに映像まで、最近では動画まで手に入る時代です。バーチャルにそこに行った気分になれます。Google地図では、衛星画像で本物の鳥瞰図が手に入ります。しかし、あの日、H5年のマスターズ練習日、私は「本物はやはり凄い!本物は実際に見て触れなければ駄目だ!」とあの素晴らしいゴルフコースから教えられました。以来、私は「本物」を見て聴いて触れることにそれまで以上に一生懸命になったと思います。音楽も同じです。

マスターズを見ていたらゴルフがしたくなって来ました。
今年は、3年ぶりにコースに出ようかな。。。

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2008.04.10

音楽会告知第1弾

3月3日に開院したうちの医院のリハビリ室(まだ愛称が決まっておりません)。
PhotoPianoグランドピアノ(ヤマハのG7の中古ですが鍵盤は象牙です)とチェンバロに椅子とスリッパを50組(もっと椅子はあります)用意してあります。

リハビリ用医療機器は今後少しずつ揃えて行く予定ですが、地域の方々を対象に脳卒中や脳の健康についての勉強会や講演会を行う予定にしています。そして、設計の段階からいろいろな音楽会を企画したいと考えて来ました。
それを、いよいよ実現することになります。

まずは、平成20年5月11日(日)。
翌日、5月12日(月)は酒田市民会館「希望ホール」で小澤征爾氏指揮で新日本フィルハーモニーのコンサートが予定されています。その「新日」のフルート奏者荒川洋さんにうちのリハビリ室で小さなリサイタルを開いて頂くことになりました。荒川さんについてはこちら↓。
「荒川洋さんの公式HP」
いろいろ素敵な企画を考えています。詳しい事は、近日中に「告知第2弾」でお知らせします。

さらに、平成20年6月28日(土)。
日本のインターネットで最大と言われるフルート関連サイト『フルート・クライス』の創始者兼管理者にしてフルーティストである上坂学さんに、うちのリハビリ室でリサイタルとフルート講習会を開いて頂くことになりました。上坂さんについてはこちら↓。
「フルート・クライスHP」
ご自身が企画して出演する「クライス・フルート・ソロイスツ」は140回に及ぶ地道な演奏活動を続けていて、その他にも様々なコンサートをやっていらっしゃいます。中でも、『フルートを楽しもう!』というフルート演奏法の講習会は素晴らしいものです。私自身、H16年に東京まで出かけて参加しましたが、「目から鱗」とはまさにこの事!という感じ。疑問や不安の多かったフルート奏法にこの企画で得た事を元に私なりの自信(まだまですけど)が得られました。
東京ではこれまで7回開催しているこの『フルートを楽しもう!』という企画、大阪でも7回、金沢で1回開催されていて、今年それぞれ第8回と第2回が予定されています。実は東北ではまだ一度も行われていません。参加した経験から、是非上坂先生の考え方(クライスではこれを「上坂教」とすら言っているようです、笑)を広く知ってもらいたいと思い、数年前からこの企画を是非山形で、という気持ちを持ち心に暖めていました。この度、自分でホールを持つ事ができたので、是非うちで!ということになりました。
目下、演奏曲目や講習会のやり方など鋭意企画準備中ですので、詳細が決まり次第、ここでまた告知させて頂きます。

楽しみです!

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2008.04.09

独自性と独創性

似たような言葉です。
実は英語にすると、どちらも"originality"ですから、同じ意味かもしれません。

本日の山形新聞夕刊の7面「文化欄」に、先日3/29の「すみだトリフォニーホール」で開催された『地方都市オーケストラ・フェスティバル』での山響の活躍の事が書かれてありました。その見出しは、
「見えて来た山響の特質、方向性」であり
「「小ささ」逆手 緻密な響き」であり、小見出しに
「独自性 聴衆の興味と両立も」
となっています。
さすが新聞。見出しだけで内容がおよそわかります。小見出しの「聴衆の興味と両立も」だけは山響の最近を知らない方にはわかりにくいでしょう。

音楽監督飯森範親氏の企画立案で昨年度から始まったモーツァルト・シンフォニー・サイクル「アマデウスへの旅」の事を指しているものだと思います。ノンヴィブラート奏法やトランペット、ティンパニに古楽器を用い、ホルン、フルートなども古楽器ではないものの18世紀当時に近い音の再現に合うような楽器を使用しています。年に3回、オールモーツァルトプログラムだけで定期演奏会を組んでいます。8年かけて、モーツァルトの交響曲全曲演奏(全曲録音、そしてCD化)に挑んでいます。
一つ一つの事、たとえばノンヴィブラート奏法とか楽器とかモーツァルトの交響曲全曲演奏とかは、決して世界で唯一、初めての事ではありません。全曲演奏録音も多分どこかの楽団がやっているでしょう。
そういう意味では、ユニークとか独自性があるとは必ずしも言えません。しかし、正規楽団員の数が多くない、専用のコンサートホールを持たない、専用の練習場もない、一地方都市の、どちらかというと弱小オケが、収容人数は多くないけれど(客席数約800)響きの良い同じホールで、録音する事を前提に年3回モーツァルトだけのコンサートを企画し、これを8年間続けていくという、「独創的」な演奏会を行うという「独自性」。その独自性とともに結果的に成長を続けるオケを目の当たりにして、単なる演目の興味だけで聴衆を引きつけるのではなく、その実力で地元山形市だけではなく広く山形一円から仙台、新潟まで、中にはこのモーツァルトシリーズのために東京から山形まで演奏会に足を運ぶ(当然、山形市に一泊の覚悟で来られる)人を作ってしまったほどの人気(実際、当日券なしで前売り完売のコンサートもありました)ぶり。

物事は、「企画」「立案」「実行」すべてが揃わなければなかなか成功しない訳ですが、まさにすべてが揃った演奏会シリーズになっていると思います。シンプルなわかりやすいメロディで構成されるモーツァルトの世界は、演奏する側からすれば大変恐い演目です。ミスをすれば誰でもすぐにわかってしまいます。アンサンブルが乱れるとすぐにわかってしまいます。音程が不安定ではすぐに濁った響きになってしまいます。耳の肥えたウルサい聴衆ばかりではない、むしろ「オラが街のオーケストラ」と自慢に思い愛しているだけに少々甘い点を付けることが多いであろう山形の聴衆でさえも、モーツァルトの音楽では濁りや乱れはすぐにわかってしまいます。そういう「恐い演奏」を行っている中で、演奏会の度に山響の演奏は緻密さを増し、音は透明感を増し、豊かなニュアンスの表現力が加わっている事がよく感じられるのです。
簡単に言えば、モーツァルトの演奏を繰り返す事で楽団としての実力がアップしたということです。
それが、大編成で挑むようなブルックナーの4番「ロマンティック」すら55人の小規模編成で、大音響による「迫力」よりも透明なハーモニーとアンサンブルの緻密さによる「凄み」と言うものを聴く者はいやでも感じる訳で、今回の東京公演でも山響の最近の躍進と実力を聴衆の耳に刻んだに違いありません。

それが今回の新聞見出しにもなっている「小ささを逆手に 緻密な響きを聴かせた」と言う事なのでしょう。それが山響のoriginalityと言えると思います。

翻って、うちのオケ、酒フィルです。
山形市よりも人口の少ない、11万都市の酒田、周辺の鶴岡、庄内町、遊佐、三川など含めても30万ちょっと。お隣り秋田の象潟、にかほ、由利本庄まで含めても40万くらいの背景人口の中で、特に若者、若年青年労働者層の少ない地方都市で、オーケストラのメンバーを揃えるのも大変です。
毎週の練習には、真面目な人は毎回顔を出していますけれど、おおよそ全団員の7割が揃えばいいほうです。管楽器は元々ソロパートなのですが、仕事の都合などがそれぞれに入れば、先週のようにシベリウスの2番の練習に、オーボエ1人、フルート1人、クラ1人、ファゴット0、ホルン2人、という有り様です。コントラバスは3名の団員がいるのですが、うち1名は車で1時間かかる街に住んでいて、現在ほぼ休団中。交響曲でコントラバスが2本で済む曲ってどの位あるのでしょうか。
団員の中からは、「背伸びしないで、団員数、実力を考えて身の丈にあった選曲をすべきでは」とか「演奏会の度に、不足する団員をエキストラで補って、どこに酒フィルの色が出せるのか」という批判的意見が毎回出て来ます。それは正論であり、理解できる当然の意見だと思います。
ですが、団員が少ない、特に弦が少ない、管が練習に揃わない、パーカッションの正団員がいない、ということで、挑戦する演奏曲目をハナから限定してしまっては「楽しみのためにやっているアマオケ」の楽しみが減少し、練習の面白みが乏しく感じます。いろいろ議論して、なんとか現団員数で練習に対応でき、本番には少しのエキストラを加えれば十分挑戦可能な曲という形で選曲していくことになります。あまりたくさんのエキストラに頼っていては、酒フィルの独自性と言うものがなくなると言う考えはわかりますが、じゃあ、「酒フィルの独自性って何?」と問うと、的確に表現できるような「そのようなもの」すら元々ないのではないかと思います。
オペラの音楽監督をしてくださった三枝成彰氏が、いみじくも言った「存在する事自体が不思議なオケ」である酒フィルは、その存在の危うさ、独自性がどこにあるのか不明な点がその存在意義と言ってしまっては言い過ぎでしょうね。

山響の事を誇らしく書かれた地元新聞の記事を読んで、確かにオペラ「ラ・ボエーム」全幕を演奏したけれど、酒フィルの独自性は乏しかったような、個々の演奏者の満足に終わり、楽団としての成長があったのか(私はあったと思っていますが)疑問の残る一大イベントであったと言う風に考える必要もあるのではないかな〜と感じています。
でも、あの調性もリズムも棒(タクトの振り方)も目まぐるしくまさに猫の目のように変化する楽譜についていけるようになった楽団員達は、まだ2回しか練習していませんが「シベ2」の練習においてもその成長が感じられると思っているのは私だけでしょうか。

今日、4/9、酒田鶴岡では「ソメイヨシノ」の開花宣言がありました。
庄内ではようやく今週末から来週にかけて「お花見」の季節です。

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2008.04.07

いまだかつてないコンサート(今日も長文)

4/6(日)、新潟市の白山にある「りゅーとぴあ」にそのコンサートを聴くために出かけました。
片道約160km。一部高速道路もあるのですがたっぷり3時間かかります。
午前中に出かけ、新潟でお昼ご飯と言う予定。向かったのは、「とんかつ政ちゃん」。
福井から新潟にかけて、「ソースカツ丼」という文化があります。新潟市中心部、古町にある「とんかつ太郎」の事は昨年の9月のブログで書きました。
「新潟、タレかつ、そしてチェンバロ」をご覧ください。「政ちゃん」に行くのは、実は25,6年ぶりのはずです。医学部の学生時代、私は硬式テニス部に所属していて、東北地区(含む新潟)各大学医学部と定期戦をやっていました。新潟大学医学部テニス部とも毎年行ったり来たりで試合をしていたので、2年に1回は新潟に遠征していました。その時に、新潟出身の同級生おすすめの店としてみんなで「とんかつ政ちゃん」に行って、20代前半の男子としてはガツガツとかつ丼を食べた訳です。
その同級生が今新潟市内で整形外科の開業をしていて、新潟に行くのでメールでそんな懐かしい話をしたところ、同じ店がちょっと品よく変わってほとんど同じ場所にあると言う事を聞いたのです。しかも、今やチェーン店を5、6軒持つ有名店になっているようです。

PhotoPhoto_2写真左は「政ちゃん」の「並かつセット」(セットにはサラダとデザートがつく)。右は「三枚かつ」のどんぶり。トンカツのどんぶりはこの他に「特製」(ご飯の中でカツが2段重ねになっているらしい)と女性または小食の人向けの「ミニかつ丼」があります。
「三枚かつ」はその名の通りロースかつが3枚載っています。それだけ。キャベツもなし。もちろん、普通のかつ丼のように卵でとじたりタマネギや三つ葉が載ったりしていません。「並」は、大きさに多少の不揃いはあるもののロースかつが5枚載っていました。揚げたてのカツをちょっと甘めのタレにつけ、ご飯にもタレが少し回しかけてあります。

美味しいかつ丼を食べて気分は高揚。気温も上がっていたので汗をかきました。
コンサートの開演は16時。まだまだ時間があるので、新潟港の「朱鷺メッセ」の31階展望台(無料)に行ってみました。
Photo_3Photo_4左の写真は、日本海を臨み水平線の所にぼんやりと佐渡島の島影が見えます。写真の中の右寄り上方、海沿いにちょっと高い建物がいくつか建っているのが確か新潟大学医学部歯学部および附属病院です。
その近くの海岸近くで某国による拉致が行われたのです。横田めぐみさんは今から31年も前の昭和52年に学校からの帰り道にこの近くで拉致されてしまったのです。とてもいいお天気でのどかな日和、日本海も冬の荒々しいグレイの姿を消して、穏やかな青い海です。そんな風景を眺めながら忘れてはならないあの事件、未解決の拉致事件の事を考えました。
右側の写真は、信濃川に沿って発達した新潟市街地。手前から2番目の橋が有名な「万代橋」。4番目の橋のすぐ右側に本日の目的地である「りゅーとぴあ」があります。
Photo_5まだ時間があったので会場そばの白山神社にお参りし、少し咲き始めた白山公園の桜を愛でました。酒田よりはやはり開花が早いですね。
そうこうしているうちに15時を回ったので、会場へ。「りゅーとぴあ」の本名(?)は新潟市民芸術文化会館というのですが、その名前の由来は、新潟の代名詞「柳都」と「ユートピア(理想郷)」を結びつけて考えられたのだそうです。昨年10周年を迎えたばかりの比較的新しい、ゴージャス!と呼びたくなる複合施設です。昨年9月の家内のチェンバロ発表会は小さな部屋(と言っても軽く100名は入る)でしたが、今回は初めて「大ホール」に入ります。
Photo_6「場内での写真撮影は固くお断りします」と言われたのですが、開演前だからいいでしょ、と会場係のおねいさん達の目を盗んで隠し撮り(?)です。ワインヤード型のおもしろい座席配置で、私が座ったCブロックは、2階席ながら正面でステージからもそう遠くはなく「S席」でした。
パイプオルガンの前に「で〜〜ん!」とでっかいスクリーンがつり下げられており、ステージ後方下手側にイギリス国旗、上手側にフランス国旗が掲げられていました。これが本日の「いまだかつてない?」コンサートの仕掛けの一部なのでした。

 16時少し前、楽団員がステージに上がって来ます。というか、そのかなり前、およそ20分程前からヴィオラ奏者が一人、続いてファゴット奏者が一人、ステージ上で練習を始めていました。さらに10分位前には、今回はるばる新潟まで3時間かけてやって来た目的の一つである、フルートの高木綾子さんがトップの座席に座って練習を始めてしまいました。さらにオーボエのお兄さん(セカンド)、クラなど木管楽器奏者がかなり前から入っていたのです。オーボエトップの古部さんも早々と着席です。高木綾子さんは今夜の演目の一つである「ベト7(しち)」(関西では「べーしち」というらしい)のフルートの有名な目立つフレーズを少し小さめな音で練習されていましたが、響きの良いホールなので2階席までバンバン届いていました。(笑)
 16時ちょうど、N響首席オーボエ奏者にして、「オーケストラ楽器別人間学」などの多数の著作を持つ文筆家であり、指揮者でもある「もぎぎ」こと茂木大輔さんの登場です。実はプログラムを見て私は軽いショックを受けていたのでありますが、「もぎぎ」は私より2才も年「下」だったのです。演奏に入る前にマイクでMCです。今日のコンサートの趣向、目的などを説明してくださいます。その時点でほぼ満員の、やや緊張気味にこれから始まる演奏に身構えていた観客は少し柔らかい気分になります。
一昨日のブログに引用記載したように、今回の演目は1814年2月にベートーヴェン自身の指揮で交響曲第8番を「初演」した時のプログラムの再現を試みたものです。前年に発表した交響曲第7番(べとしち)が大成功を収めたため、頻繁にアンコール公演があり、この第8番初演の「前座」になんと「べとしち」を持って来たのです。

当時の交響曲演奏会は、今よりももっとずっとくだけていて、演奏の最中におしゃべりをしたり飲食したりは当たり前、お気に入りの旋律が出てくると演奏中にもかかわらず拍手をしたり口笛をならしたりしたのだそうです。楽章間の拍手は、現代の交響曲演奏会では「御法度」のように考えられています。4楽章を通してひとつの作品を演奏するその間に拍手が入ると、指揮者もオケも緊張感が崩れてしまう(観客の拍手を無視して演奏する訳にも行かないでしょうし、客席を向いて拍手に応えない訳にはいかないでしょうから)というのがそのいい訳です。しかし、当時は楽章間の拍手は当たり前。拍手が多ければ、今演奏したばかりの楽章をすぐにアンコールする、という事もあったようです。
「もぎぎ」は文献でお調べになったのでしょう。「8番初演」のその日の「7番」では、あの美しい旋律の第2楽章終了が万雷の拍手が沸き、すぐに2楽章がもう一度演奏されたのだそうです。MCで茂木氏は「今日の演奏が良かったら2楽章終了後に拍手をしてください。拍手が多ければアンコールするかもしれません。」と言って「べとしち」は始まりました。序奏部分は遅めに感じました。フルートとオーボエに引っ張られて「たったらん、たったらん」というあの「べとしち」独特のリズムが刻まれていきます。写真にみえるパイプオルガン前の巨大スクリーンには、「もぎぎ」作と思われる曲の解説などが演奏の進行とともに映写されます。「第1主題はかくかくしかじか」「これが第2主題でかくかくしかじか、、、」と言う感じです。とてもいい試みです。「べとしち」を良く知っていても(酒フィルで定期演奏会で3年半前にやりました)とても勉強になります。

2楽章は素晴らしい。観客は素直で大拍手。立ち上がってBravo!を叫んでいる方もいました。指揮者「もぎぎ」はヴィオラ首席の飛澤氏に「もう1回、いい?」とお願いするような仕草(演技)を入れ、2楽章のアンコールが始まりました。するとスクリーンに「第2楽章、アンコール」の文字。思わず会場は爆笑です。結局、2楽章全部は演奏せず途中で終えて、3楽章、4楽章と続きました。こんな調子で演奏の最中ず〜っとスクリーンに解説が出て来ます。「のだめ」で有名になってしまった歓喜の4楽章が終わったら凄い拍手。もぎぎも奏者を立たせて讃えます。まるで、本日のメインの演奏が終わりこれで今日はおしまいと言っても良い位。ところがこれが本日の演目4つのうちのまだ一つ目なのです。

ちょっと興奮が静まった所に2曲目。
曲は、3重唱曲「おののけ、不敬な者ども」作品116。
生まれて初めて聴きました。指揮者の「もぎぎ」もこの演奏は聴いた事がなかったし、普通のCDには入っていないので通常聴いたことのある人はいないのだと言っていました。演奏する前に聴いておかない訳にはいくまい、と「ベートーヴェン全作品集」というCDを買ったのだそうです。この3重唱曲が聴ける上に、おまけとしてその他のベートーヴェンの全作品演奏が付いてくるととぼけた事を言っておられました。ソプラノ、テノール、バスの3重唱をオーケストラが支える、歌劇形式です。内容は「昼のメロドラマ」的などうでもいいような話。当時のウィーン音楽界の中心人物であったサリエリを作曲の師にしていたベートーヴェンが、オペラの作曲法の宿題として作ったものらしいということでした。
先日、オペラ「ラ・ボエーム」で素晴らしい歌手達の歌声を聞いたばかりだったためか、それとも会場が歌にはあまり向かない響きなのか、お三方の歌声は正面2階の私の席にはあまり響いて来なかったように感じました。曲もあまり面白くない。滅多に演奏されない曲を生まれて初めて生で聴く、という意味以外にあまり価値は感じませんでした(ベー様、もぎぎ様、ご免なさい)。


15分の休憩の後、3曲目が初演再現の「第8番」です。
「運命」の5番、「田園」の6番、「べとしち」の7番、そして「歓喜の歌、第九」の9番という巨人達の間にひっそりたたずむ可憐な乙女の様な8番。名曲です。快活でユーモア溢れる作品を再現するオケは非常にレベルが高い「もぎぎオケ」です。それもそのはず、コンマスはN響ヴァイオリニストの永峰高志氏。フォアシュピーラに磯絵里子さん。先日オペラで我々のオケのゲストコンマスを務めてくださった神谷未穂さんの従姉妹にして「Duo Prima」というVnデュオの相棒です。その神谷未穂さんはセカンドヴァイオリンのトップ1プル(トップは都響セカンド首席の遠藤香奈子さん)に座っています。チェロトップは藤村俊介氏、ビオラは先ほども名前を出しましたが飛澤浩人氏、コントラバスは市川雅典氏、ティンパニは久保昌一氏と主要なところはほとんどN響メンバーで固めてあります。フルートトップは高木綾子氏ですし、オーボエトップは古部賢一氏(新日本フィル首席)と有名どころを招集しているのは「もぎぎ」の人徳でしょう。
交響曲第8番は、確かにアマオケでも取り上げる所は少ないかも知れません。とても面白くていい曲なのですけど。終楽章のコーダ、スクリーンには「コーダのコーダ」との解説。それまで曲の中に仕掛けられた様々な工夫を一気に解き放つかの様な、シンプルな音の繰り返し。これでもか、と「チャン、チャン、チャン、チャン」と続いて続いてついに終わります。

 メインの8番が終わって、拍手をしながら「ああいいコンサートだったな〜」となるところが、これで3曲目。まだ次があります。そしてこれも生の演奏を聴く事は滅多にない(私は生まれて初めて)「戦争交響曲(ウェリントンの勝利)」です。
「もぎぎ」が『舞台上で華やかな進軍や大砲が再現する一大絵巻「戦争交響曲」』と表現した様に、上の写真に見えるスクリーンとイギリス、フランス両国国旗がここで大きな仕事をします。この交響曲は、戦争でウィーンから多くの貴族が逃げ出してしまいパトロンの不足する苦しい経済状況の中、仲間と共謀してウェリントン卿を讃える曲を引っさげてイギリスに渡って金を稼ごうという目論みで作られたもののようです。フランス軍に勝ったイギリスを讃美するため、というよりも、実はご機嫌をとることで、一儲けをたくらんだメルツェルという今風にいえばプロデューサーから依頼を受け、この曲の創作にあたったのです。
当時、オーストリアはフランスと10年間も戦争を続けていました。国内は疲弊し経済的にも精神的にも打撃をこうむりました。そんなさなかオーストリアの同盟国イギリスが有名なウェリントン将軍の指揮によりスペインで勝利を勝ち取ります。オーストリア中がその勝利を喜びました。そこで、メルツェルが作った音楽をベートーヴェンが編曲して「ウェリントンの勝利~戦争交響曲」ができあがったというわけです。編成は大がかりで、メイン・オーケストラの左右にイギリス軍、フランス軍役の軍楽隊として大砲(中太鼓)、銃(ガラガラ)、信号ラッパ(トランペット)、そして軍楽隊の小太鼓が登場します。中太鼓による大砲の音は迫力で「ド、ドーン」「ダ、ダ〜ン」「ドンド、ドーン」「ダダ、ダーン」と左右から鳴り響き、ステージ後ろのスクリーンに現れた戦争シーンの中で鳴っているようです。この曲の為だけに、舞台下手の奥でイギリス軍の小太鼓を叩き、上手の奥でフランス軍の小太鼓を叩くという演出。軍楽隊のパーカッションとラッパの人は曲の進行と共に舞台裏で演奏したり、舞台上に現れたり、進軍ラッパを吹いた後は、オケのトランペット席に移動して4人のトランペット奏者として活躍したりと動きも頻繁です。途中でイギリス国歌「God save our Queen」が流れたり、フランスの敗北を現す様にフランス進軍の曲が短調になったりと芸が細かいというか、ここまで媚びるか?!という曲です。後ろの国旗が悲しくも映えます。しかもスクリーンでは、イギリスの進軍を観客が讃える様に「拍手、敬礼」という指示が出され、フランス軍の進軍に対しては「ブーイング、拍手?」という指示が出ます。当時の聴衆の反応を再現する為の指示のようですが、当日の観客はほとんどが「もぎぎ」の指示に素直にしたがっていました。(素晴らしい!「もぎぎ」の指導力?)

現実問題として、その初演はメルツェルの狙い通り大当たりだったようです。ウィーン市民はフランス軍に対する恨みを晴らす爽快な音楽として大歓迎。演奏会も何度も繰り返し開催され、メルツェルもベートーヴェンも大儲け。今で言うミリオンセラーでしょう。
貧困にあえぎ、音楽界からつまはじきにされつつあったベートーヴェンの名声はこの「戦争交響曲」がきっかけで絶頂期を迎え、広く世に知られることになったのだそうです。後の世に名曲と賛美され、「のだめ」ではテーマ曲にすらなってクラシックに疎い人でも耳にする機会の多くなった「ベトしち」。そのヒットのきっかけが、実は「べー様の駄作」と言われるこの「戦争交響曲」だったことは今や忘れ去られた事実で、今回のまさに「いまだかつてない」コンサートはその初演をほぼ忠実に再現した、歴史的意味の深い、クラシックファンとして楽しい経験となる演奏でした。


4/6(日)夜の神谷未穂さんのブログ(「ヴァイオリニスト未穂のダイアリー」をどうぞ)にも高木綾子さんのブログ(「高木綾子の<*フルート& Diary*>」をどうぞ)にも、新潟の演奏会が終わって東京に戻る新幹線の中で読んだ「もぎぎ」の新刊『拍手のルール』のことが取り上げられていました。お二人とも、新幹線の中でのプチ・打ち上げ(要するにお酒)が写っているのはご愛嬌ですね。
2_24/10発売のこの『拍手のルール』は当日会場で先行販売され、終演後茂木氏のサイン会もありました。私はせっかく片道3時間、往復6時間もかけて酒田からやって来たのですから、と楽屋を訪ねて神谷さんにご挨拶。驚いて頂けたようです。(超が付く美人の神谷さんと我々の差が少しでも小さくなる様に写真は小さめです、、、笑)
2楽屋では美しい高木姉妹にもお会い出来ましたし、神谷さんには持参した色紙(写真、3/16のオペラ出演者、音楽監督の三枝さんからミミ役の大貫裕子さん、指揮者の中橋健太郎佐衛門さんなどのサイン)に「コンミス神谷さん」のサインを加えて頂きました。(左下の方、バイオリンの形も入っています)。
幸せな気分いっぱいになりました。

終演が18:30とたっぷり2時間半のコンサート。
楽屋に伺ってホワイエに戻ったら「もぎぎ」のサイン会の最後の方。並んでサインもゲットしました。
Photo_2Photo_3その時点で19時を過ぎていたため、私の医学部の同級生(最初に書いた開業整形外科医)の実兄がやっている新潟でも有名なお鮨屋さん「寿司清」に寄って食事をして帰りました。私が握りの「日本海」、家内はちらしの「佐渡」を頂いて満足。
それから酒田まで約160km。自宅に帰ったのは22時半を回っていました。
ちょっと疲れましたが楽しい一日、なによりも凄いコンサートでした。v(^^)

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2008.04.05

週末は音楽三昧

開院5週目が終わります。
まだまだ落ち着きませんが、少しは慣れて来ました。
24時間態勢で救急医療に携わっている病院勤務の脳外科の先生方には本当に申し訳ないのですが、開業を決めた大きな理由である音楽活動もなんとかやっています。

3/16の興奮のオペラが終わって、先週から秋の定期演奏会に向けての練習が始まりました。
今日は、シベ2の2回目でした。先週はとりあえず4楽章を通して、1、2楽章の練習をしたので、今日は3、4楽章。フルートは、最低音が第1レジスターのDで。最高音は第4レジスターのCです。普通のフルートの出せる音域をフルに使います。しかも、第3レジスターのAとHのトリルがあって大変(AとBのトリルなら楽なんですが)。

今日は、BS-HiVで朝からほぼ一日中「カラヤン特集」をやっています。ずっとHDDに録画していますが凄い演奏ばかりです。今度まとめて観るのが楽しみ。

明日は、久しぶりにちょっと遠出する予定。
そういえばお正月に秋田に行ったのと、2月にモーツァルト定期で山形市に行った位で、この2ヶ月近く酒田から全然出ていないような気がします。タイヤもようやくノーマルに履き替えたました(2週間くらい前に履き替えても良かったのだけど、たいてい3月末か4月頭に雪が降ることがあるので)。
明日は新潟に行きます。
「りゅーとぴあ」でN響のオーボエ奏者にして「オーケストラ楽器別人間学」など数多くの著作を持つ「もぎぎ」こと茂木大輔氏の指揮するオケ、通称「もぎぎオケ」のコンサートがあり、幸いチケットが手に入ったのではるばる車で片道3時間(?)かけて聴きにいく訳です。ついでに新潟のうまいもんを探訪して来たいものです。
この「もぎぎオケ」には、先日のオペラでゲストコンマスを務めてくださった神谷未穂さんも出演されます。また私の好きなフルーティスト高木綾子さんもフルートで出演、さらに綾子さんのブログによるとそっくりの美人姉妹である妹さんの菜月さんもVn.で乗るらしい。
ベートーベンの交響曲の7番と8番のダブルに、「戦争交響曲(ウェリントンの勝利)」と「おののけ、不実な者よ」というソプラノ、テノール、バスの三重唱と管弦楽のためのop.116も演奏されます。
この新潟の公演と同じものである、三鷹市の「風のホール」のサイト、「もぎぎのオーケストラ『くわしっく鑑賞ガイド』Vol.5」から引用します。

「ナポレオン戦争時代の絵画や、描写されている状況の解説等を背後のスクリーンに投影しながら解りやすく聴いて頂けます。貴重なチャンスであると言えるでしょう。
この演奏会が大成功したために、7番は頻繁にアンコール上演されました。翌1814年の2月には「7番」とともに「交響曲第8番」が早くも初演され、「おののけ、不敬なものよ」という、オペラを思わせるベートーヴェンには珍しい3重唱曲も演奏されています。
今回の「交響曲徹底解説シリーズ」は、この7.8番に「戦争交響曲」を合わせた、初演プログラム・ダブル再現演奏会です。人気の第7番、舞台上で華やかな進軍や大砲が再現する一大絵巻「戦争交響曲」、そしてその空気の中で初演されたベートーヴェン最大のユーモア音楽である第8番を、一気に上演します。」

通常のオケのコンサートではなかなか聴けない曲の組み合わせに工夫の凝らされた企画、そして美しいバイオリニスト神谷さんに美人高木姉妹の出演と楽しみな事ばかりです。


本当に、昼夜を問わず働いている病院勤務の脳外科医の先生方には敬意を表します。しかし、仕事は一生懸命して、オフは音楽を中心にしっかり人生を楽しむ、これが開業理由の一つなのですからお許しいただきたいと思います。
メリハリをつけて、週末は音楽三昧です。

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2008.04.04

診療所で見つかった脳疾患

MriMri2(いや〜、ブログ記事を書こうと思いながら、BS-HiVでクジラの特集番組をやっていたので見とれてしまいました。
何せ"balaine"=ひげ鯨の代表格のザトウクジラ、コククジラ、そして地球上最大の哺乳類シロナガスクジラの素晴らしい映像のオンパレードでしたので。。。
体長15m弱のザトウで体重30トンですって!写真は1月末に当院に搬入中のMRI主装置。これで重量14トン。この2倍もの重さの生き物って、想像を絶します。それとうちのMRI室を泳ぐザトウクジラ2頭の写真です。
番組ではザトウクジラの食事のシーンや毋子クジラの泳ぎなど、思わず息をするのも忘れるくらいの感動的な映像。シロナガスに至っては、体長30m、体重150トンですって!美しい,迫力の映像に瞬きも忘れました。さすがNHK!さすがBS-Hivision!
アルゼンチンのガラパゴスとともに、今日の放送で出て来たメキシコのバハ・カリフォルニアは死ぬまでに一度は訪れてみたいと前々から思っている所です。いつか実現するぞ〜!)
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さて、開業して1ヶ月が過ぎました。
この1ヶ月の間にたくさんの疾患の診断がつき、必要な方は総合病院脳外科に紹介して手術や入院治療になっています。緊急入院や手術の必要性の低い患者さんは当院で経過観察をしたり薬による治療をしています。
平成20年3月3日〜3月31日そして4月1,2日の丸1ヶ月(実質26診療日、うち7日は半ドン)の間にMRIを施行して見つかった脳疾患を数の多い順に列挙します。

慢性期多発性脳梗塞およびラクナ梗塞:12名(既に治療中で紹介された症例も含む)
アルツハイマー型および脳血管障害性認知症:6名(治療中、紹介された症例も含む)
パーキンソン病およびパーキンソン症候群:5名(治療中)
くも膜のう胞:3名(経過観察)
慢性硬膜下血腫:3名(うち2名手術、1名は慢性期)
脳梗塞急性期:2名(総合病院に紹介入院)
ラトケのう胞:2名(精査中)
てんかん及び症候性てんかん:2名
未破裂脳動脈瘤:1名3個(経過観察)
くも膜下出血(破裂脳動脈瘤):1名(総合病院に入院手術)
髄膜種:1名(精査中)
下垂体腫瘍:1名(精査中)
聴神経腫瘍:1名(精査中)
脳内脂肪腫:1名(経過観察)
松果体部腫瘍(腫瘤):1名(経過観察)
コレステリン肉芽腫:1名(経過観察)

これらの患者さんの他に、私が以前執刀した患者さんの中では、破裂脳動脈瘤手術後:4名、未破裂脳動脈瘤手術後:2名、下垂体腫瘍手術後:2名、聴神経腫瘍手術後:1名が主な疾患でした。

診断治療しているこれらの多くの疾患の中で、MRIがなくても診断が可能なのは、「パーキンソン病」と「てんかん」位だと思います。MRIではなく、CTでも正確に診断が可能なのは「慢性硬膜下血腫」と「くも膜下出血」くらいだと思います。
パーキンソン病もてんかんも診断を確実にする上でMRIがあった方がいいかと問われれば、あった方が良いに決まっています。軽症外傷例では、頭部または頚部の単純X線検査のみを行った症例もいます。結局、画像診断なしに診断治療が可能であったのは、一部の頭痛くらいです。
この他に、MRIやMRAでは明らかな異常所見の見つからなかった「めまい」や「頭痛」の患者さんがいます。結局1ヶ月の間に行った120強のMRI検査において、上記のように明らかな脳神経疾患や救急脳疾患が60例近く診断できました。逆に、MRI上、明らかな脳腫瘍や脳梗塞は「ない」と確実に診断できた頭痛やめまいの患者さんには、「命に関わる脳の病気はない」「薬による治療で経過を見ても大丈夫」と自信を持って治療が行えます。

開業に当たって、CTやMRIなどの高額な診断用医療機器の導入をどうしようか悩みました。画像診断なしでもきちんとした診療は行えます。しかし、わずか1ヶ月の間に上記の様な多くの診断例がある事を考えれば、頑張ってMRIを導入して開業した事が正しかった事は明らかです。
2頭のザトウクジラが優雅に泳ぐMRI室はこれからも多くの患者さんの診療に役に立ってくれる事でしょう。

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2008.04.03

医者として嬉しい事

4月も3日目になります。
県立日本海病院と市立酒田病院の統合の影響か、紹介患者さんや新患が増えた様な印象があります。
患者さんがどの位来られるかというのは、再診予約以外は予測がつかないものなので、午後の診療時間4時間の間に2人しか来られない暇を持て余すような日もあれば、午前の診療時間3時間半で20人近く来られてそのほとんどが新患でまったく休む間もなく朝9時前から午後1時半くらいまで診療するような日もあります。
忙しいとやはり気持ちがイライラしてきたり、なんとなく焦る気持ちが起きて余裕がなくなります。
そんな中、心が落ち着きを取り戻したり、喜びを感じて嬉しくなる事があります。
それは、自分自身が手術などで治療をした患者さんが元気で訪ねて(多くは紹介状を持って)来て下さる時です。

「先生に命を助けて頂きました」
「命の恩人にまた会えて嬉しいのぉ」
「あの節は本当にお世話になりました」
「先生のお陰でこんなに長生きさせてもらっております」
「こんなに元気になりました」
「これからもよろしくお願いします」
、、、等々

医者冥利に尽きる瞬間です。
破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血の人、脳腫瘍の人、未破裂脳動脈瘤の人、大学病院で内視鏡による経鼻的下垂体手術を行った人、大学病院で脳動脈瘤の手術をした人、、、
開院して1ヶ月になりますが、噂を聞いてご自分で探して来られた方や、病院の脳外科から紹介されて来た方などすでに2桁の数になろうとしています。
昨日も、H11年、そう9年前に私が大学病院で執刀した方が元気なお顔を見せて下さいました。
「午後に家内も連れて来ます。最近もの忘れが多くて心配なので診て下さい。」
と脳動脈瘤と脳腫瘍の2つの手術を受けて、現在何の後遺症もなく元気なその方は自分よりも奥さんの病状の事を心配しておられるくらいでした。

緊急入院されたり、手術をしたり、その時はその瞬間を乗り越えるのに精一杯です。もちろん何か治療をする以上は、患者さんのその後の人生を引き受けている訳ですから「治療後の人生」や「今後の治療」についても思いは馳せますが、真剣にその瞬間にベストの治療をするのに必死なところがあり、たとえば5年後、10年後の事までは具体的には考えられません。
今回開業して、自分が治療に関わった、自分が執刀した患者さん達が、元気に(元気な人しか来れないという考え方もありますけど、、、)再び顔を見せて下さる事は本当に嬉しい事です。
医者をやって来て24年も経ちますといろいろな事がありましたが、良かったな〜、うれしいな〜、と思わせてくれるのは、元気な患者さんの姿そのものです。
これからも頑張ろう、忙しくて気が立っていても優しい笑顔でやって行こう、と思わせてくれるのは患者さんなのですね。

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2008.04.01

エイプリル・フール

悪い冗談だと思いました。
一日早い「4月1日」だと思いました。
私の自宅のすぐ近所、クリニックからも遠くない場所で殺人事件が起きました。
ニュースで報道されましたので詳細は避けますが、非日常の出来事が日常の近所で発生する、世の中にはまさに「想定外」の事があるんだな〜とあらためて実感いたしました。

クリニックを開院して丸4週間が経過し、少し落ち着いて参りました。
木、土が半日なので実質20.5日で160人を超える新患に受診いただきました。一日平均8人の新患数はまずまずと言えると思います(多ければいいと言うものでもありませんし、少なければ少ないで困ります、、、)。MRIは4人に3人くらいの割合で撮像しています。検査が多い理由は、1)MRI検査を希望して来られる新患が多い、2)他院からMRI検査を主目的に紹介される方が多い、3)他院での治療を受けていて中にはその診断や治療に不安を持っている方がいる、4)問診、神経学的診察などの結果、積極的に「MRIを撮る必要がない」と断言できる患者さんは多くない、というようなことになります。
脳ドックなどのように、特に問題点はないと思っているが健康診断のためにMRI検査をするということになると保険診療扱いではなく「自費」になります。しかし、上記のような理由で医師がMRI検査の必要性を認めた場合には保険診療になりますので、一般の保険本人または家族は3割負担で、高齢者は1割負担で検査を受けることが出来ます。
しかも、大学病院や大きな総合病院と違って、いろいろな部門でのMRI検査が詰まっていないため、予約なしで受診当日に検査を受けて結果もMRI診断の経験豊富な医師が(一応、私のことです、、、(^^;;;)検査終了後すぐに説明できる点が大きなポイントになっています。

本日から、公式に「日本海総合病院」がスタートしました。山形県立日本海病院と酒田市立酒田病院が統廃合されて、主に救急医療と急性期疾患を扱う日本海総合病院(旧県立日本海病院)と主に回復期疾患とリハビリテーションを扱う日本海総合病院酒田医療センター(旧市立酒田病院)になるのですが、計画通りの機能分担が果たせるようになるのは実は平成23年4月から、つまりまだ3年先のことです。
2つの病院を統廃合して機能分担するためには、組織だけではなくハード、つまり建物を変えなければなりませんが、これには時間とお金がかかる訳です。
昨日までの県立日本海病院を増改築して、病床を増やし、手術室を拡張し、MRI検査などの新しい機器を導入し、救命救急センターを作って、より急性期疾患に特化した進化した第3次医療機関となるために3年を要します。旧市立酒田病院もこれまでの総合病院をすぐに「回復期・リハビリテーション」に特化した施設には出来ないので、3年かけて改築する訳です。

この3年間の間、両病院の「脳ドック」はなくなると聞いています。統廃合に合わせて医者の数が増えず、脳外科の救急を担う施設は北庄内では日本海総合病院一つになってしまうからです(余目病院という徳洲会系病院がありますが、ここには脳外科の常勤はおらず秋田大学から月に一人派遣されているだけです、でも脳ドックはやっているように聞き及んでいます)。

「脳ドック」というのはただMRIを撮れば済むようなものではありません。
MRI検査は中核をなしますが、問診、神経学的診察、血液検査、心電図、更に頸動脈の超音波検査やMRIによる頸動脈撮影などが加わります。そしてこれを「経験豊かな医師(特に脳外科医がベスト)」がじっくり読影して診断し、生活習慣に関する指導や注意を行い、場合によっては投薬、その他の治療など治療方針を決定するのです。
今はさすがにないでしょうが、一頃関西の方で名ばかりのいい加減な脳ドックがはやっていたそうです。いわく「うちは2万5000円で脳ドックができまっせ!」というものです。MRIを持っていて、でも脳外科専門医も神経内科専門医もいない病院で、脳ドックの看板を掲げ、安い料金を売り物に受検者を集めて、検査をやった結果はアルバイトで放射線科医にMRIの読影診断をさせて、手紙で被検者に送りつけると言うものです。
笑い話のようですが、大阪のある社長さん(70才代後半)がこの「似非脳ドック」を受けて、受け取った手紙に「多発性脳梗塞」と書かれていたたため、健康に自信のあった方がショックを受け、どこかの大学病院の脳外科に「先生、わたし、脳梗塞と診断されましたんや!治してくなはれ!」と駆け込んだというのです。そこの脳外科医は手紙と結果のフィルムを観て、「70才にもなればこのくらいの所見の人はたくさんいますよ。現在、症状もないのだからこのまま様子を見ましょう。」と告げたのだそうで、「あの脳ドックは何だったんだ!」という事になったと聞きました。

人間ドックにしろ脳ドックにしろ、船の「ドック」を語源にしている以上、専門的な詳しい検査が出来て、しかも何か異常があった場合にはそこで治せるか、治す対処の仕方がわかるようでなければ困る訳です。ですから「脳ドック」というのは、手間がかかるとともに「責任」が重大なのです。そういった強い意識がなければ「脳ドック」など安易にやっては行けないと私は思っています。やる以上は一人の検査と読影と診断と結果説明に合計で2時間から検査項目によっては2時間半はかかるものだと考えています。
日本海総合病院への移行に伴って北庄内に脳ドックがなくなる事は私も憂慮しています。病院脳脳外科医からも私のところで脳ドックをやってもらえないかという希望は聞きました。開院してまだ間もなくで、私自身、スタッフなどが地に足をつけて診療が出来る体制が整い十分に準備ができたら始めたいと考えていますが、もうしばらく、早くても5月の連休明けくらいまでは、、、と思っています。脳ドックをやるためには外来診療時間を減らして、「脳ドック専門の時間」を組まなければならないと思います。(別に専門の時間を組まなくても出来るかもしれませんが、片手間にはやりたくないのです)

「脳ドック受けたら、なんだかよくわからないけれど脳梗塞と言われて何か薬を飲まされたけどこれは何ですか?」などというようなことが、ここ庄内では絶対にないようにしたいと思っています。「あの脳ドックは何なんだ?!」と言うような事のないように、正しい、真実の脳ドックを考えて準備したい、とエイプリル・フールの日に、まじめに考えました(つまり、嘘ではありません、真面目な話、です、、、)

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