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2008.04.27

角館往復320km

今年は例年より1週間程開花が早く、しかも駆け足で通り過ぎて行った桜前線。
私の記憶が正しければ、中学3年生の時、今から36年も前に家族で秋田を旅行した時、角館に行った記憶があります。今年は、何故か「角館」、という気持ちになっていました。今年の開花予想として、例年の櫻の見頃から今週末がベストと予想されていたため、4/20ではなく4/27に角館に行く事に決めていました。しかし、最近はインターネットで逐一開花状況が報告されるので手に取る様に開花状況がわかります。数日前ですでに「散り始め」という情報が入っていました。
折角なのでこの2日程はそういう情報に目を通さない様にして、今朝早く角館を目指しました。

新庄方面回りで国道13号線を北上するルートもありますが、距離的にはやや遠回りでも高速道の開通部分の多い7号線回りを選択。酒田〜にかほまで7号線、そこから無料供与区間の「日本海東北道」に乗ります。由利本庄から秋田空港の手前まで無料です。秋田空港を過ぎたら、大曲、北上(東北縦貫道)方面へ向かう「秋田自動車道」になります。大曲ICを降りたら国道13号、続いて105号を北上し角館を目指します。2時間半ほどで角館へ到着。
角館駅から大勢の人が武家屋敷通り方面へ歩いています。駐車場を探しますが、公的駐車場(500円)はどこも一杯。どうせお金払うのだからと、中心部にある個人の有料駐車場に入れる事にしました。

満開は先週の月曜日だったそうです。
Photo有名な武家屋敷通りです。大きな枝垂れ桜もすべて綺麗な葉桜です。所々にわずかに花の残る桜もあるにはあるのですが、ほとんど「新緑」の季節という装い。途中で通り雨が降り、濡れた櫻の木の下を通る時には「桜吹雪」ではなく「雨しずく」になって落ちて来ました。(トホホ)

角館は、「東北の小京都」と呼ばれていますが、江戸時代の武家屋敷が残され黒い木の壁が落ち着きを与えています。櫻の季節以外でも美しい街並です。古い家や街並が残されている所が全国にたくさんあるでしょうが、街の一部がまるで美術館か博物館の様に綺麗に大切に保存され、しかも新しい開発や大きな変化もなく昔の姿を保っている所は多くないでしょう。
Photo_2旧家として保存されているいくつかの家を少し見て回り、その中の「石黒家」で中に入ってみてみました。格式の高い、古い家らしく、いろいろな工夫があります。写真は、欄干の透かし彫りの亀が隣の部屋の灯りで影絵の様になって壁に映し出されているものです。昔の様に蝋燭の灯りであれば、これがゆらゆらと揺れて亀が生き生きと泳いでいる様に見えた事でしょう。
「展示棟」の方を見てみると、なぜか杉田玄白らが翻訳したターヘルアナトミア=「解体新書」のコピーが展示されていました。
Photo_3Photo_4「角館に何故、解体新書?」と思ったら、武家屋敷通りの旧家の一つ小田野家の関係者がこの解体新書の解剖図挿絵を描いた人の一人なのだそうです。

歴史のある街の真の良さというのは、見かけが美しいとか、古い建物が保存されているとか、そういう即物的なものではなく、その歴史に育まれて熟成した文化、そこに育った文化人が示してくれる様に思います。私にとっては、枝垂れ櫻や武家屋敷や綺麗な黒い塀よりも、「解体新書」の挿絵を担当するような学問の道に進んだ人が生まれている街として角館を見直しました。

おまけ
MiniPhoto_2着物を着て和傘を持った家内は、特に年配の女性に注目されていました。中には、「仕事中」と勘違いされて「一緒に写真お願いします」などと依頼されちゃんと写真に納まっていました。単なる着物好きの素人とわかると多くの方が「あら〜、、、」と仰って離れていきました。(笑)
ゆっくり回ってお昼は花場山麓近くの「巴里屋」で野菜中心の和食を頂きました。
「○に上の字」で有名な安藤醸造元(醤油味噌)の本店も角館にあります。帰りには北浦本館で名物「醤油ソフトクリーム」を頂いて来ました。

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コメント

2年前の4月27日角館に行きましたが、
この年は記録的な豪雪の影響と、4月に入ってからの降雪や寒の戻りで、まだ蕾だったことを覚えています。(桜は三回目、通算で角館はおそらく8回は入っています。)

角館は街並みだけで十分楽しめるので、お目当ての桜が空振りでも退屈されなかったと
思います。

武家屋敷を中心に人力車も出ていますから、
“モデルさん”がお乗りになっていたら
一層注目を浴びたのでは?

投稿: 潤 | 2008.05.01 22:19

潤さん、コメントありがとうございます。
角館の桜祭りは人出予想が「100万人」などとどこかに書かれていたので、渋滞や駐車場なしを覚悟して行ったのですが、スムーズに着いて、条件の良い駐車場をくるくる回って探す余裕がありました。
例年GWまでギリギリに枝垂れ桜が残っているようですが、今年はもう完全に終わり。弘前城ももう葉桜です。
GWの人出、観光客を当て込んでいた人たちにはお気の毒な事ですが、相手は自然ですからね。人間が勝手に桜に合わせてお祭りをして、金を稼ごうとしているだけですから、人混みの苦手な私にとっては、心に余裕を持ちながら街並を鑑賞できて良かったです。
さすがに人力車に乗る程の勇気というか、、、でも普通の方に「モデル」として3人くらい写真を撮られていました。(^^

投稿: balaine | 2008.05.02 18:24

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