「春分の日」
3/20の庄内地方の「日の出」は05:42、「日の入り」は17:51とのこと。
太陽の上縁が地平線(水平線)を超えたときが「日の出」であり、逆に「日の入り」は上縁が沈んで隠れた瞬間と言うことになっています。ですから太陽の「中心」の「出」や「入り」とは違います。
太陽が出ていた時間は、12時間9分ということになりますから、「昼と夜の長さが同じ日」という訳ではないようです(およそ「春分」の4日前が昼夜の長さがほぼ同じになるのだそうです)。
国際的に見ると「春分」は3月21日と固定している国も多いそうですが、日本では国立天文台の算出する天文学的春分日を元にして閣議決定され、前年2月に官報で告示されています。天文学に基づいて年ごとに国家の祝日を決定している国は珍しいのだそうです。
天文学的に考えると、春分には太陽は真東から上って真西に沈むことになります。
これを赤道上で見ると、太陽は正午に天頂を通過することになります。北極点または南極点から見ると、春分の太陽はちょうど地平線と重なるように「水平に」動き、上ることも沈むこともないということなります。昇る事も沈む事もない太陽、一度見てみたいものです。
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今日は休日なので久しぶりにたっぷり「朝寝」をしました。
クリニックの開院準備、お披露目会、そして開院、さらにオペラの練習と慌ただしい日が続いていたので久しぶりに「何にも予定のない」真の意味での休日です。
遅い朝食を済ませ、私はクリニックに出かけました。昨日までのMRI画像の整理や紹介状への返事の整理などを行い、主要なMRI画像をプリンタで紙にいろいろプリントしてみます。紹介患者の返事に必ずしも画像を添付する必要はないのですが、折角のMRIの所見を如何に無駄なく美しく相手に伝えるかを考え、従来のフィルムへのイメージプリンターによるプリントではなく、普通のパソコンのプリンターで紙にプリントしてみました。コントラスト、明るさ、大きさ、配置などは撮像法に寄ってもかえる必要がありそうです。試しプリントに飽きると、リハビリ室へ行って、ピアノを弾いたりフルートを吹いたりして気分転換が出来ます。ここは私にとってアミューズメントパークのようなところで、「仕事場」という感じがしません。
午後遅く酒田市街中心部に出かけ、椎名誠が愛するワンタンメンのお店「川柳」でワンタンメンを食べ、中心街で買い物をと清水屋デパートに出かけ、足らなくなって来たYシャツを少し購入。1ヶ月遅れの妻への誕生日プレゼントも買いました(これまでゆっくり物色する時間的、心的余裕がなかったため)。
またクリニックに戻ってBSを観てみると、なんとBS-Hiで「ベルフィル」の特集をやっているではありませんか!慌ててHDDへ録画を開始。なんとなんと午後1時から8時まで7時間ぶっ続け放送。フルベンからカラヤン、そして小沢征爾まで名だたるマエストロとベルフィルの演奏の模様を放送していたのです。
自宅のテレビはちょっと古くてBSは入るには入るのですが、きれいに写らないのでほとんど観ないのです。クリニックにいれた新しいテレビは「地デジ」。一般放送も綺麗ですが、BSの映像の美しさと音の素晴らしさは感動ものです。
今、小沢征爾指揮でベルフィルが『悲愴』をやっています。今年の1月に「カラヤン生誕100年記念演奏会」においてベルリンで演奏したもののようです。フルートは尊敬するパユです。ホルンは愛するバボちゃんです。
昨年の10月のとある日、私の携帯に留守電話が入っていました。知らない番号なのですが3回くらいかかって来ているのでなんだろうと留守電を聞いてみると、日本に来ていたラデク・バボラックでした。その事は、私のブログ記事、「バボちゃん」に書いています。
このBSの放送で、バボちゃんは元気にホルンのトップをつとめていました。ちょっと髪を伸ばしてアイドルっぽくなっています。前より少し痩せたかな?元々ハンサムなのですが、より「いい男」に映っていました。あの後、頭痛発作はどうなっているのでしょう。今年、また来日します。うまくすると庄内にも演奏に来ます(アフラートゥスではなく、バボラックとその仲間で)。その時に聞けるかもしれません。
最初はパユやバボラックなどの「映像」に惹かれましたが、すぐに「演奏」そのものにググッと引きつけられることになります。
マエストロ小沢は指揮棒を持たずに指揮をします。スコアも置いてありません。第1楽章の冒頭から凄い表情で、あれ?と思う位、ゆっくりしたテンポです。演奏の前に、リハーサル風景がありました。その中で、小沢さんは名だたる名手ぞろいのベルフィルに対して、「だいたいこんな感じ、というような弾き方は止めましょう」と結構細かく演奏「方法」を指示しています。その結果、チャイコフスキー作曲交響曲第6番『悲愴』が、楽譜に書かれているすべての音符のどれひとつおろそかにする事のない、丁寧な、重みのある、深い演奏になっていきました。難曲『悲愴』といえど、ベルフィルの名手達にとっては、今まで何回も演奏をして「手慣れた」曲になっていたはずです。小沢征爾はそれを忘れる事から始めているようでした。熱演です。ただ、「勢い」で演奏する熱演ではなく、一つ一つの音符を大切に、凄く早いパッセージでもすべての音に想いを込めて演奏するような感じの熱演でした。フルートトップの、現在世界一のフルーティストと言っても差し支えないであろうエマニュエル・パユが顔を真っ赤にして、大きく口を開けて息継ぎをして、fffを吹いています。「100年に一人の逸材」と謳われ「天才」の呼び名をほしいままにするバボラックが目を向くようにpppやfffを奏でています。ベルリン・バロック・ゾリステンでもおなじみの弦の名手達が、食い入るようにマエストロの表情と指先を見つめながら必死の形相で演奏しています。
凄い、としか言いようがなく、このブログを書きかけていた私はそのままテレビの前に文字通り釘付けになっていました。
去年の12月2日、酒フィルの定期演奏会で、メインにこの『悲愴』を演奏したのです。ブログ記事『何十億もする楽器』を参照ください。
その時の演奏は、音ブログ「214. Pathetique-1a.」などで聞くことが出来ます。私はフルートトップを吹かせてもらいました。パユの姿を観ながら私は心の中で演奏していました。
しかし、この『悲愴』も、先日の『ラ・ボエーム』も、最後は死を迎えて終わるのですね。
酒フィルは、2つ続いた演奏会で、悲しく死を迎える演奏をしたことになります。それも悪くはないのですが、次は明るい歓喜の声や勝利の歌で終わるような演奏もしたいものです(と言いながら今年の定期演奏会のメインはすでに「シベ2」と決まっているのですが)。
番組の最後に、小沢さんは演奏終了直後、万来の拍手とブラボーの嵐を浴びながら、ベルフィル団員に対して天井を指差し、天国のカラヤンのおかげで今のベルフィルがある、カラヤンに感謝しましょう、というような事を言っていたという話がありました。
素晴らしい話だと思いました。
さすが、マエストロ小澤征爾です。
昨年、5月にウィーンのコンツェルトハウス内ですれ違う時に、ギョロっと目で見られました。「中央ヨーロッパのタビ」5月7日、ウィーン2日目をご覧ください。
今年の5月に新日本フィルを率いて、酒田「希望ホール」に登場します。楽しみです(チケットが手に入れば、、、ですが)。(^^;;;
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コメント
毎日見ていたのですが色々忙しく投稿しておりませんでした♪ 申し訳ございません。
私も何気なくTVをつけたら「悲愴」が流れておりました。1楽章の途中から聴きました。酒フィルの演奏と5月の希望音楽祭のことが頭をよぎりました ^^
くじ運がよろしくないので抽選はダメかも知れませんが 今朝申し込みの投函をしました。(大断言で演奏会の席が当たった!ととなえます・・・先生の分も!)
小澤征爾さん著の「ボクの音楽武者修行」の文庫本に 弟の幹雄さんからサインを頂いたのは前回の小澤さんの演奏会の時でした。出来ればその横に征爾さんからも・・・と夢を見ている私でした。 まずは当てないと!
投稿: けんちゃん | 2008.03.20 21:39
BS-HiVでやった『悲愴』、本当に凄い演奏でした。
やはり小澤征爾さんは凄いんだな〜とあらためて思いました。「ボクの、、、」読み終わったのか、読みかけなのか、忘れました。探してみます。
ボクもサインもらいたいな〜。
投稿: balaine | 2008.03.21 14:05
おはようございます。
思い出し投稿ですが 幹雄さんからサインを頂いた時に「おー懐かしい本ですね!実はこれは兄の征爾が書いたというより私がゴースト・・・・でほとんどを書いた様な・・」と笑って語りかけてくれたのでした。
幹雄さん征爾さん 素晴らしい心の温かい方なんですね。お話を聞いて思いました。
是非 ご一緒にサインを頂きましょう♪
投稿: けんちゃん | 2008.03.22 07:17
お久しぶりです。超遅レスになってしまいましたが、この時の「悲愴」がブルーレイになり、今日届きました。早速鑑賞しましたが、私も画面に釘付け、身じろぎも出来ずに最後まで一気に見てしまいました。
あのベルリンフィルの本気の熱演と、それを引き出す小澤さんの気迫。すばらしい演奏を見事にパッケージしたソフトです。是非、購入をお勧めします。もしかしたら、安永さん、最後のコンサートマスター姿になったのでしょうか。
ちょっと前ですが、さくらんぼコンサートも巣晴らしかったです。「ロマンティック」のCDに飯森さんのサインも頂き、宝物がまた増えました。
暑い中、お忙しい様で、体調を崩さぬよう、ご留意下さいませ。失礼します。
投稿: yamyam | 2008.07.29 00:06
yamyamさん、コメントありがとうござます。
そうですか、あのブルーレイお買い求めになったのですね。「永ちゃん」が宣伝しているソ○ーのブルーレイですが、買っても再生装置を買わなきゃだめです。
「え?!だめなぁのぉ?」
私はBS-HiVをHDDの高画質に録画したので当分これで我慢します。
そうですか、、、「ロマンティック」もお求めになったのですね。あの演奏を録音した山形テルサで私も家内も聞いておりました。私たちの呼吸も(聞こえないけれど)そのCDには入っているのす。
私はまだ「さくらんぼコンサート」に出かけたことはないのですが、なかなかの人気のようですね。
投稿: balaine | 2008.07.29 14:56