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2008.02.17

医学と音楽

今日のN響アワーの副題でした。
聖路加国際病院の名誉院長である日野原重明氏がゲスト。なんと明治44年生まれの御年96才で現役のお医者さんです。あまりに有名なこの方についてはあまり触れませんが、私がこの方のお年に達するまではまだ46年もあります。自分勝手に少なくとも90才までは生きる事にしているので、まだまだ先の話。一杯やりたい事がありますが、真面目にやって行けばきっとできるだろうなぁ、と思っています(生きてさえいれば、、、ですが)。

最初に、ベートーベンのPコン5番「皇帝」。ピアニストはアレクセイ・ゴルラッチ。この人、昨年7月に庄内町響ホールで聴きました。その時の印象は、ショパンは鮮烈で華麗で素晴らしかったけれどバッハなどに関してはちょっと?というのが正直な感想でした。この人の演奏での「皇帝」を出して来た池辺晋一郎さんの意図は何だったんだろう。「皇帝」の名演は数多くあるけれど、私にとって「皇帝」といえば、ルドルフ・ゼルキンの演奏になってしまいます。ゴルラッチ氏のようなこれから将来のある人には酷ないい方になるかも知れませんが、ゼルキンのあの演奏に比べると格が違うと言う感じでした。

番組の後半、チェロ奏者の故徳永兼一郎さんが日野原さんの作ったホスピスで、癌によってこの世を去るおよそ1ヶ月前に、家族、友人、弟子達の前で行った最後の演奏会のシーンがありました。おそらく癌の脊椎骨転移によってでしょう、下半身が効かなくなってベッドの上で練習していたそうです。
カザルスの「鳥の歌」を弾き終わって、弓を持ったまま涙を拭い静かに車いすのまま下がって行ったそうです。あと1ヶ月で命の火が消えるという時期の演奏。壮絶なシーンでした。

「音楽療法」という言葉、考えがあります。私はあまり安易に「音楽療法」という言葉は使いたくありません。
音楽が人の心、精神に与える影響についてはもはや議論の余地はないところ。
それと、医学における治療の方法、手段を表す言葉「療法」をくっつけたものです。考えとしては、宗教に近いものがあります。よくモーツァルトを聴かせ続けたぶどうから美味しいワインが出来たとか、酒蔵でずっとモーツァルトを流していたお酒だとかいう話を聞きます。全く同じ条件で、「聞かせた酒」と「聞かせなかった酒」を科学的に(人間の主観だけでなく)評価して比較検討しなければ、音楽でお酒がおいしくなるのかどうかは判断できません。ただ、人間以外に生命体に音楽の持つ特殊な周波数や音のエネルギーが何らかの影響を与えうるという事は十分考えられる事です。「音楽療法」というのは、音楽の持つエネルギーを病気の治療に役立てようという考え方です。「音」エネルギーとしての物理的な物も含まれるかも知れませんが一般的には、人の精神に与える影響、端的に言ってしまえば「癒し」の効果を考えている物でしょう。
しかし、人間の心、精神というのはそんなに単純な物ではなく、音楽もそんなに簡単なものではありません。ある人には心地よい音楽でも他の人には苦痛に感じる物もあるでしょう。音楽を聴けば誰もが心が晴れる訳でもありません。悲しい気持ちの時に元気な曲を聴くとすこしうきうきする人もいるでしょうし、かえって気分が落ち込むこともあります。要するに、音楽による効果を科学的に証明したり、統計学的に検証する事が大変困難で、科学になりにくいが故に「胡散臭さ」を否定しきれない面がある様に思います。

本日の番組ではその辺りの突っ込んだ話は一切無く、ちょっと肩すかしでしたが、そういう難しい話は避けた感じもしました。96才の日野原氏の「超然」とした感じですませてしまった様な印象です。
日野原さんがちらっと仰っていた、「音楽は通常、元気な人、健康な人が音楽会に聴きに行くもの」という話です。心や身体が病んでいる人にも必要である、むしろ健康な人よりも無くてはならないと考えられる音楽が、そういう本当に必要なはずの人から離れているのが「ふつう」の事である不思議さ。音楽家も若いうちはそんな事を考える余裕は少なく、自分の技術を磨き、または世の中で有名になる事に必死な訳ですが、ある程度功なり名とげて来てから病院や老人ホームでの「無料」コンサートなどのボランティアをやっている人もいます。アマチュア音楽家にも、病院、ホスピス、老人ホームなどでの活動を地道にやっている人達もいます。私も、「院内コンサート」という名前の演奏をこれまで数回(オケ、バンド、フルートカルテット、フルートソロなど)やってきました。
演奏して教えられるのは、やはり音楽は人の心を動かす力があるということ、みんなに影響を与えなくても、たった一人か二人でも喜んでもらえれば演奏する側としてうれしいということでした。中には涙を流して感激される方もいらっしゃいます。その時々、人々、おかれた状況や感情によって同じ音楽でも受け手によって変わるのがわからないところであり、おもしろいところです。

「音楽療法」などと大上段に振りかぶらずに、これからも人の心に届く様な音楽をやって行きたいな、と思いました。新医院のリハビリホールでの音楽活動も楽しみです。
ちなみに、サロンコンサートに使う予定のリハビリ室に何かいい名前を付けてみたいのですが、「こんなのどう?」という素敵な案をお持ちの方はコメントにお寄せください。
(「タマネギ−ホール」などという実在するちょっとふざけた感じも悪くないな〜、笑)

突然ですが、今日の一句
「温暖化 どこさいったの 今日も雪」

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コメント

月並みに・・・
バレーヌホール
良く響くのでミスもバレナイ・・違うって!
発音も正しいかどうか??ですが(笑)

ふと思ったのですが
balaineとbrain・・・
イメージが何か似てますよね・

地名 富士見町 ⇒不死身鳥 ⇒不死鳥 
黒木フェニックスホール
このリハビリ室に入った人は、再び羽ばたく!

すみません。遊んでしまいました。


 

投稿: ♪ふえ♪ | 2008.02.18 09:02

昨夜たまたま放送を聞いてましたが、途中で眠りについていました。リハビリホールのお名前♪ふえ♪さんに同感♪そしてアルケチャーノのような地元らしいお名前や奥様のお名前を♪なんていかがでしょうか?奥様のお名前の漢字にもしかして「音」が?勝手な推測です。

投稿: ボリジ | 2008.02.18 15:34

♪ふえ♪さん、ボリジさん、ありがとうございます。
フェニックスといえば、なんだか両親の故郷、宮崎のゴルフコースみたいかも。
「ジョンダノ・ホール」とか「メッケ・ホール」とか駄目かな〜?
庄内弁で「じょんだの」=上手だね、「んめっけぇ」=うまい、おいしいという意味です。「アル・ケッチャーノ」っぽいでしょ?もう少し考えを練った方が良さそうですね。(^^;;;;

投稿: balaine | 2008.02.18 18:39

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