« シミュレーションと脳以外の放射線検査 | トップページ | 4日前 »

2008.02.27

MRI検査続きと模擬患者さん

今日は、朝から模擬患者さんをお願いして、受診から会計終了までを実際に即して行いました。
医院の土地の大家さんにあたる会社の社員、建設会社社員、医療コンサルタントが手配してくれた人、製薬会社社員など午前中だけで8名の模擬患者さんが来て下さいました。新患なので、問診票に記載をお願いし、持参して頂いた本物の保険証を使って情報の入力、受付の段階で問診票に基づいた情報入力(受診の目的、既往歴、アレルギーの有無などなど)をします。その段階でアイコンが「受診手続き中」から「診療待ち」に変わります。それを見て、診察室に患者さんを呼び入れます。
主訴を聞き、いろいろな付随する情報を得て、診察(神経学的検査をする場合もあれば、ベッドによこになってもらって腹部の触診、打診、聴診をする場合もあります)をします。その所見を元に次に何をするかを考えます。
頭痛があり脳のの病気が心配だという方にはMRIルーチン(T1, T2, FLAIRのみ)を勧めます。この組み合せだけであれば(MRAやDWIをしなければ)、検査時間そのものは8分程度です。患者さんにMRI検査の諸注意を与え、指示戔を渡して、MRI室に誘導し、MRIの検査ベッドに横たわってから終わって出て来るまでは、約15分位で終わります。1番目の患者さんがMRIに向かった後、2番目の患者さんを診察に招き入れます。手のしびれを感じる事があるという50歳代後半の男性。明らかな神経学的脱落症状はなく、まずは頚椎のX線検査を行ってみる事を勧めます。1番目の患者さんはMRI室内で検査進行中です。MRIコンソール上、続く検査は「予約」が出来るので、どんどん検査を進めて行く一方で隣の部屋でX線検査です。技師一人ではだめなので私も診察室から操作室に出向いて一緒に位置決め、線量調節、そして撮影を行います。
1撮影したら私はすぐに診察室に戻り、3番目の患者を招き入れます。技師は今撮ったイメージングプレート(フィルム代わり)をCRに挿入します。ちゃんと写真が撮れているのを確認してDICOM dataをPACSに送信します。3番目の患者さんは高血圧の治療中で頭痛とめまいを訴える患者さん。高血糖を指摘されたこともあるけれどその後放置していたという設定。院内で出来る採血検査の、血糖値、HbA1c、尿一般検査を指示します。指示戔を出して処置室の前でお待ちいただきます。その間に、1番目の患者さんのMRIが終了して既にPACSに送られています。電子カルテでは「検査終了」のアイコンになっています。2番目の頚椎X線もPACSに送られ、電子カルテ上「検査終了」になっています。その時点で、4,5,6番目の受診手続きが終了して「診察待ち」になっています。
検査の説明を先にすべきか、受診待ちを先に見るべきか迷う所です。まずはすでに終わった検査の説明をして、一人でも多くの患者さんを「診察終了」状態にしようと考えました。4,5,6番目の患者さんにはお待ちいただき、1番目の患者を再び診察に招き入れます。30"シネマディスプレイでMRIの説明です。特に問題となる所見は見当たらず、現時点で何か治療を必要とするものはない。頭痛については、我慢できない様な痛みがあるときだけ頓服で鎮痛剤を服用するよう、多用連用しないよう注意を与え、処方箋発行して診察終了です。次に、2番目の患者を招き入れ、頚椎X線の結果を説明。多少軽度の骨変形があるものの、今の段階では心配ない事、もし症状が進行したり、何か変化があって心配であれば頚部のMRIで頚椎、頚随を調べましょう、と言う事を説明し、末梢神経障害に対するお薬を処方して診察終了です。同じ様に、4、5、6番目の患者さんを診察し、血液検査(院外)や予約のMRI検査やいろいろな指示を出し、処方をし、説明をし、次回受診の予約をし、診察を終了します。その間に、7番目、8番目の患者さんも受付終了し「診察待ち」になります。7番目の患者さんは、右手のしびれを訴えます。病歴から右肩のOAに関連した末梢性の可能性もありますが、家族に脳卒中があり自らも脳卒中を心配しています。しかし、神経学的検査からは頚随または末梢の病変を考えさせるという事で、頚部MRIを勧めこれを指示します。8番目の患者さんは比較的突然の頭痛を訴えて受診。くも膜下出血を考えなければなりませんが、どうも副鼻腔炎があるとのこと。鼻炎もあるようです。必ずしも「アテ」にはなりませんが、髄膜刺激症状を調べても異常はありません。頭部X線検査を行う事を勧め、これを指示します。また、技師と私の二人で、MRI検査患者とX線検査患者を切り盛りします。そして結果でてこれを説明し、処方し、診察を終了し、会計をし、終わり、です。

昨日の「予行」を経ての「シミュレーション」だったのでそれほどオタオタはしませんでしたが、電子カルテの入力で手間取ったり、処置室での採血業務の流れが滞ったり、検査技師への負担が重なったり、いろいろ反省する事はありました。昼食、休憩を挟んで午後も数名の模擬患者さんで同じ様にシミュレーションを行いました。
私はちょっと出かける用事があり、スタッフと電子カルテ指導者とコンサルタントで「反省会」です。頭で考えていては気がつかない、抜けや不足が実践してみてたくさんわかりました(たとえばX線検査室に、脱衣駕篭がおいてなかったとか、診察ベッドに枕が用意されていなかったなど)。
シミュレーションは明日も続きます。そしてまた反省会をして改善をはかり、2/29に最終チェック、3/1にお披露目会、3/2は日曜日、そして3/3(月)を迎えるという段取りです。


Dwi2こちらは一昨日のブログで解説したDWI、ディフュージョン撮像です。
その原理からしても解像度は悪いのですが、極々超急性期の脳梗塞を捉える事ができる検査です。この写真は正常者のDWIなので特に異常所見はありません。そのうち、異常所見のあるDWIがあれば掲載しましょう。
PhotoMRIの断面。左が普通のT1強調像で、右は反転T2強調像です。ちょうど「中脳」という部分の高さでのスライスになります。真ん中にある「ミッキーマウス」のような、下が割れたハートのような部分が「中脳」です。その前の部分、画面ではミッキーマウスの耳の間とその上は、脳底槽と呼ばれる脳脊髄液のある部分です(両側前頭葉と両側側頭葉と中脳の大脳脚で囲まれた部分)。その脳底槽内に、視神経交叉と下垂体茎が写っています。右側の反転T2では、本来流動する血液のため無信号に写る血管が白く見えるため、造影剤を使っていないのに造影した血管が写っている様に見えます。
Photo_2こちらは同一人物の脳の断面で、両側の視床や大脳基底核のスライスです。
両側の側脳室の前角(真ん中の前の方に羽を拡げた様な形の黒い部分)の両側にある尾状核頭やその両側にある「レンズ核」(正しくは、被殻(ひかく)、淡蒼球を合わせた解剖学的構造が「レンズ」の様に見える部分)を通るスライスです。
高血圧性脳出血の1番の好発部位「被殻」と2番目の好発部位「視床」が含まれ、中大脳動脈領域のラクナ梗塞の最も起きやすいレンズ核線条体動脈の通る部位でもあるため、脳卒中の時に最も目にする断面になります。パーキンソン病に対する定位脳手術で、古くは淡蒼球の凝固破壊術、最近では微小電極による電気刺激術でもこのスライスに入る部分に電極を挿入するため、脳外科医にとって最も馴染みのある断面と言えます。

さて、現在のアクセスカウンターは19万7500を超えています。
20万アクセスまで、あと2500を切っています。開院日である3/3まであと5日間ですので、一日のアクセスが平均で500あれば到達しそうです。それ以上のアクセスを頂いてしまいますと、3/2に到達するかも知れません。1ヶ月くらい前には「絶対無理」だと思っていた20万アクセスが目前に迫って来て驚きです。
よろしくお願い致します。(^^)


|

« シミュレーションと脳以外の放射線検査 | トップページ | 4日前 »

コメント

昨夜は電話ありがとうございました。
開院準備は順調のようですね。山形に帰省の折は是非、訪問させて戴きます。

投稿: kaiyoumaru | 2008.02.28 09:27

コミュニティ○んぶんに載っておりましたね♪ いよいよですね。おめでとうございます。そして よろしくお願いいたします。

3月3日に20万アクセス達成も 間違いありません!

私はこれから打ち合わせでアルコール消毒です。昨夜もコーラスで消毒しました。果たして消毒が健康のために効いているのか 先生に診断していただく時が来ました。 ^^

投稿: けんちゃん | 2008.02.28 18:34

kaiyoumaruさん、こちらでははじめまして!
わざわざ宮崎から「ドンペリ」をお送りいただきありがとうございます。宮崎ならば、完熟「金柑たまたま」とか「太陽のタマゴ(マンゴー)」などもありますね、、、あ、決しておねだりしている訳では、、、H知事があまり宣伝するものですから。
庄内には、「だだちゃ豆」「庄内メロン」「ささにしき」「平牧三元豚」「庄内平柿」「刈屋梨」などがあり、内陸に行けば「佐藤錦」はじめとするサクランボに「ラ・フランス」はじめとする洋梨もあります。物々交換ということで。。。(笑)

投稿: balaine | 2008.02.28 19:29

けんちゃんさん、ありがとうございます。
「コミ新」まだ見てません。
アルコール消毒も大概にしておいた方がいいですよ。うちで採血と頸動脈エコーと脳および脳血管MRIすれば、消毒のし過ぎもすぐにわかっちゃいますよ〜。(笑)

投稿: balaine | 2008.02.28 19:32

先生ありがとうございます。

検査よろしくお願いいたします。

消毒前に書店に行ったら「一個人」という雑誌で 保存版特集-至福のクラシック が目に入り購入しました♪

まだ中身を吟味していませんが カラヤンの帝王学などが載っていました。それよりも購入の動機は パラパラとめくって見ていた時に武満徹さんが出ていたからです。理由はそれだけですが・・・・。書棚の肥しにならない様に きちんと読みます。^^

安部公房や武満徹 昔から何となく惹かれるのでした・・・。

投稿: けんちゃん | 2008.02.29 02:01

けんちゃんさん、今の私には一般書を見る余裕がございません。たまに「人生の王道」を開きます。
実は医院の職員全員に「人生の王道」を1冊ずつ差し上げました。私の心を伝えたいと思ったのです。
明日、内覧会です。お花をたくさん頂きました。どうぞ遊びにいらしてください。

投稿: balaine | 2008.02.29 16:21

balaine先生ありがとうございます。

私も「人生の王道」をいつでも読み返せる様に 常時近くに置いて置く様にいたします♪

投稿: けんちゃん | 2008.02.29 18:20

けんちゃんさん、もっけだ!
昨日はおいで下さりありがとうございます。多くの来訪者のお相手をしなければならないため、十分にお話が出来ず申し訳ありませんでした。
これからもよろしくお願いします。

投稿: balaine | 2008.03.02 00:21

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74618/40295347

この記事へのトラックバック一覧です: MRI検査続きと模擬患者さん:

« シミュレーションと脳以外の放射線検査 | トップページ | 4日前 »