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2008.02.23

MRI講習会第2日目

昨日に続き、MRIの操作勉強会でした。
技術者、技師、私の3名で朝から夕方まで、お昼休み1時間20分を挟んでみっちりお勉強しました。
昨日教わったコンソールの操作法を中心に、MRIのいくつかの撮像法、T1, T2, FLAIRにMRAを、撮像条件(スライスの厚みやスキャンする幅、画質など)を変えてトライです。
今日は私の脳も撮ってもらい、5年前に手術を受けた慢性副鼻腔炎の状態をチェックしてみました。両側の上顎洞の炎症はまずまず落ち着いていますが、左上顎洞の前方上方に粘膜の肥厚と貯留液を認めます。そして、両側の篩骨洞、蝶形骨洞、前頭洞は粘膜肥厚と液貯留がまだあまり改善していません。最近、軽い鼻風邪か鼻炎を起こして、ずっと鼻の調子が良くないと思っていたら「案の定」でした。
さらに本日頚椎、頸髄の「撮り合いっこ」をしてみたら、なんと頚椎の4、5番あたりが少しずれて椎間板がややはみ出していて、頚椎症、軽度の脊椎管狭窄を起こしていました。
頭痛や肩こり、頸部のこりはこれら「も」原因の一つでしょう。若くないってことだなぁ〜。

頸動脈MRAは大丈夫。2親等以内にくも膜下出血患者がいる人に未破裂脳動脈瘤がある確率は、そうではない人の数十倍高いという報告もあります。私の場合、実母が7年前にくも膜下出血になっているので、その時すぐにMRI, MRAを撮ってみたことがあります。その時には脳動脈瘤はありませんでした。しかし、2年前になかったところに新たに脳動脈瘤が出来て(de novoという)、それが破れてくも膜下出血を繰り返した患者なども経験したことがあり、「7年前になかった」という事は「現在大丈夫」という保証にはまったくなりません。MRAの結果は、、、、
脳動脈瘤はありませんでした。(ほっ)

MRIの操作訓練をしながら、ついでに自分の脳や頸動脈や頚椎を調べられるのは役得というのでしょうか。自分で金出して(借金ですが)買ったんだからいいですよね。
そして、PACSにと準備した、最新のMacProと30"のシネマディスプレイの凄さ!
がこれです。
Photoディスプレイの大きさは、キーボードやボールペンと比較するとご理解いただけるでしょうか?
画面の左側は、脳のT2強調像のBW反転画像(頭の大きさほぼ実物大になっています)。
通常、白く写る脳室などの水の多い成分は黒く、通常黒く写る空気を含む鼻腔などは白く写る「反転」像です。それにより、脳の断面はまるで解剖図の様に鮮明に見えます。ちょうど、両目と内耳、中耳の高さなので、耳の神経から続く三半規管や蝸牛が見えます。
画面の右側は、赤色でグラデーションをつけた脳の血管の3次元再構成像。これは自動的にくるくる回転している最中の一こまになります。
このPACSの画質も自慢です。

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コメント

これはすごい!画面で見ると、写真の上方が顔面でしょうか。眼球が入る空洞は、ほぼ球形なのですね。へぇ~。すごいすごい。

投稿: narkejp | 2008.02.24 09:50

narkejpさん、コメントありがとうございます。
そうです、画面の情報が顔の方です。真ん中より少し下の両脇には耳たぶが見えています。
「まん丸」なのは、眼球そのものなんです。これは1スライスが6mmなので、ちょうど赤道面で切れていないため、レンズにあたる水晶体は見えていません。眼球が入る空洞は「眼窩」と言って円錐形に近いのです。まん丸の眼球の後ろに少し太めの紐状に見えるのが「視神経」で眼球の両脇に後ろについている細い線上のものは眼球を動かす筋肉です(これも切った場所でもう少し太く見えたりします)。
そうか!MRIの断面の解説ブログでも書くと面白そうですね。
でも、我々にとって、「おお!」と驚くのは実は右側の赤い血管の方なんです。

投稿: balaine | 2008.02.24 10:44

≫もう若くないってことなんだなぁ〜

私が頸椎症で入院したのは30代半ばだったのですが、「お年寄りの病気なんですけどねえ」と主治医さんに言われたときは、ちょっとショックでした(笑)
まあ私は、生まれつき神経が通っている隙間(名前を覚えられませんでした(^^;))が狭かったらしいんですけど。

その3年後に股関節形成不全で入院したときも、整形外科の病棟は、おじいちゃん・おばあちゃんでいっぱいでした。
病室でいろんな話を聞くのも楽しかったです。

お年寄りの病気が多いので、なんとか体を若返らせようと、運動を始めました。毎日とはいきませんが、続けたいと思っています。

投稿: えがお | 2008.02.24 11:53

えがおさん、これまで首を傷める様な怪我も病気もしていなかったので、ちょっとショックでした。で、振り返ってみると私ももう50才。若くないというのは当たり前なのでした。。。(sigh)
身体は毎日鍛えないとなぁ〜。。。。

投稿: balaine | 2008.02.25 01:01

>我々にとって、「おお!」と驚くのは実は右側の赤い血管の方なんです。
うふふ。こちらの方は、なんか血管みたいだなぁ、くらいしかわかりません。頭蓋骨ごしに血管が見えるというのもすごいことですが。脳大動脈でしょうか。

眼球が自由に動くためには、やはり球形のほうが合理的なのでしょうね。そして、眼球を満たす液体の圧力を考えても、球形が理想…うまくできているものですね!理系人間は、そんなところで思わず感動してしまいます。

投稿: narkejp | 2008.02.25 21:30

narkejpさん、見えている血管は、両側の内頚動脈から、両側の前、中大脳動脈とその分枝です。さらに、後方循環と呼ぶ、椎骨ー脳底動脈から両側後(こう)大脳動脈も写っています。脳動脈瘤ができやすい、ウィリス動脈輪を中心に写し出しています。
人間の身体は、本当に「なんでこんな風にできているのだろう?!」と驚く程、よく出来ています。進化の過程で今の形になって来たのでしょうが、眼球が「まん丸」になったのは、ダーウィン説から見てどの動物辺りからなのでしょうね。蛙はもうまん丸、かな?

投稿: balaine | 2008.02.26 01:40

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