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2008.01.27

月山道と山響定期

(写真を追加しました)
昨日は、午前中に写真館、お昼は海鮮市場での「どんがら汁」、午後少し休んで4時前に出かけました。
山形テルサで午後7時開演の山形交響楽団第186回定期演奏会を聴くためです。
酒田ー山形は通常なら車で1時間半で着きますので、少し余裕を見ても5時少し前に出れば間に合うのですが、昨日は1/24の暴風雪よりはましとは言え時折雪が強く降っていましたので早めに出かけました。
山形自動車道は鶴岡ICを過ぎた辺りから、除雪されているとは言え圧雪で路面は全く見えません。車線や路肩を示す線も見えず前を走る車が頼りです。高速道路なのに、場所によっては50~60km/h出すのが精一杯という所もあります。湯殿山ICを過ぎて月山道に入ると雪が一層激しくなり、ライト、ファグランプを点灯しても道は前も右も左も真っ白で目の前も真っ白でどこが道路でどこが路肩なのかもわかりません。わずかに見える前の車のテールライトや雪道の轍を頼りに走って行きます。
以前、本当にホワイトアウトになるような天候の時に月山道を越えて山形市に到達するのに4時間近くかかったこともありました。その時は月山道では時速20~30kmくらいしか出せませんでした。道路が見えないので恐くて走れないのです。

昨日はまだましで、しかもしばらくの間、前を道路公団のトラックが黄色いパトライトをくるくる回しながら走っていたので、その灯りを頼りに着いて行く事ができました。山形テルサに着いたのは18時15分頃。およそ2時間20程かかりました。
ずっと雪の中で恐い思いをしながら運転したので、もう手も肩もパンパンです。目も疲れています。受付では、電話をしておいたので準備をして頂いていた「山響CD第3弾 ブルックナー交響曲第4番」+飯森さんサイン色紙付きを受け取りました。12月の酒田定期の時に先行予約をしていたのですが、この先行予約の人には山響音楽監督の飯森範親氏のサイン色紙がつくのでした。今回は電話予約で2階のバルコニー席を予約していたので、座席に向かいます。山形市内も結構な雪で、積雪も多く、客足は出足が悪いようです。まだ6、7割しか埋まっていません。プログラムを眺めながら運転の疲れよりもこれから始まるコンサートの期待感が高まります。
コンサートの内容は、narkejpさんのブログ記事にいつものように詳しく解説されているのでそちらもご覧下さい。「山響ニューイヤーコンサート〜山形交響楽団第186回定期演奏会を聴く」をどうぞ!

飯森さんのプレトークが始まりました。ようやく会場に着いたお客さんが三々五々と座席に向かう中、本日のプログラムの説明です。定期演奏会ではありますが、「ニューイヤー」的なプログラミングで、前半はヨハン、ヨハン二世、ヨゼフ・シュトラウスのワルツ、ポルカです。
クラシックの曲の中で、何が好きかと聴かれれば、私はシュトラウスのワルツとポルカと答えると思います。でも自ら演奏した記憶はおそらくありません。聴くのはとても気持ちのよい楽しい曲ですが、演奏するのはとても難しいのです。特に「ウィンナ・ワルツ」といわれる、ズンチャッチャの2拍目の「チャ」が早くはいる、「ズチヤァッッチャ」(文字で現すのは困難)のリズムはワルツを踊る経験などまずない日本人にはとても難しいものです。その対策のためなのか、ヴィオラのトップにウィーンはフォルクスオーパ(Volks=国民、Oper=劇場)の団員である川中子紀子さんを客演で迎えていました。隣には山形弦楽四重奏団のヴィオラ奏者でもある「らびおさん」が座ります。左から第1、第2ヴァイオリンが並ぶ場合、次にチェロが来て、上手側にヴィオラが並ぶ配置が多いと思うのですが、今回は左から第1、第2ヴァイオリン、続いてヴィオラ、そしてチェロでした。前半のコンマスは犬伏さん、フォアシュピーラというのでしょうかトップのインに特別客演コンマスの高木さんが座っています。おそらく後半の「新世界から」で交替するのでしょう。第2ヴァイオリンの首席はピアニスト館野泉さんのご子息のヤンネさん、トップサイドはこれまた山Qメンバーの「中爺さん」です。
チェロの首席は、いつもの通り宮城さんですが、トップサイドは邢(シン)広京(グヮンジン)さんです。昔からちょっと知り合いの人で、中国から来日して山響の団員になられています。チェロのソロでCDも一枚出していますが、なんとなくやはり日本人のメンタリティーとは違う香りのする美しいチェロの音色を響かせる方です。山形にお住まいの方はご存知と思いますが、某地元企業のコマーシャルで、フルート首席の足達先生と一緒にテレマンのフルートソナタを「山形美術館」の前でチェロで弾いている「あの人」です。ちなみにテレマンのフルートソナタはこんな曲です。(^^;;;

Photo_7前半のプログラムにはいろいろな趣向が凝らされていて(ポルカ「狩」ではパーカッションはもちろん指揮者の飯森さんまで小型ピストルを隠し持っていて、「パ〜〜ン!」と鳴らしたり)楽しいものでした。(1/27山形新聞朝刊の記事より。飯森さんの振り向き方、完璧ですね!笑)
「ピチカート・ポルカ」は、昨年夏の山響定期で客演指揮者の阪(ばん)さん(京都生まれながらご両親が山形県出身者)が振った時、アンコールで演奏したのを聴きましたし、先日鶴岡でS銀行130周年記念コンサートでは、山響名誉指揮者の黒岩さんも降りました。先日のオペラ「ラ・ボエーム」宣伝を兼ねた「街かどコンサート」(新春街かどコンサートの記事参照)でも、酒田C高校の音楽部が演奏しました。4者4様というか、高校生の演奏を比較に入れては行けないかも知れませんが、間の取り方、テンポ、リズム、、、全部が違うのです。楽譜に書いてある事は同じはずなのに面白いものですね。
前半最も期待していたのはAn der schoenen, blauen Donau、そう「美しき青きドナウ」です。8ヶ月程前、ブダペスト、そしてウィーンを流れるドナウ河を見て来ましたが、けっして「青く」はありません。でも、オーストリア人にとっては「第二の国歌」とも言われるこの曲は、やはり名曲です。チェロ首席の宮城さんとホルン首席の八木さんのソロが響きます。「ズチヤァッッチャ」の2拍目と3拍目である「チヤァッッチャ」は、第2ヴァイオリンとヴィオラが担当しています。この「内声」のパートが弦5部のちょうど真ん中に位置するような配置だったのだなと一人勝手に納得しながらその「チャッチャ」を音と奏者の動きで楽しんでいました。いや〜、やはり名曲です。

後半のドボルザーク交響曲第9番「新世界から」もいろいろと書きたい事はありますが、心の中にとどめておきましょう。一つだけ、第2楽章のあの有名な「と〜おき〜 や〜まに〜 ひ〜はお〜ちて〜」という、よく小学校で「下校の時間になりました」の校内放送のバックに使われる哀愁漂うメロディ、日本人の大好きなメロディはエキストラのオーボエ&コールアングレ担当の竹谷智さんです。全観衆の目と耳がすべて竹谷さんのコールアングレに集まっている様に感じました。そんな時、いくらプロとは言え、そんなに難しいフレーズではないとは言っても、誰もが知っている有名な旋律の完全なソロを吹くというのはどんなプレッシャーがかかるのだろうという邪念が入ってしまい、祈るような気持ちで聴いていました。しかし、いざその音楽が始まると、ただその美しさ、哀愁漂う雰囲気に心が穏やかになって行きました。山響のオーボエ首席であった竹谷さんが昨年退団して、現在オーボエ首席は正式にはまだ空席なのだと思います。ようやく決まったとの話も聞きましたが、今回も首席は佐藤麻咲さんという若い女性の客演奏者でした。竹谷智さんは、山響退団後、元々やっておられた「山形チェンバーミュージシャンズ」や「ベルク木管五重奏団」などの活動の他、アマオケの指揮(米沢フィルの指揮を何回かされています)やオーボエの客演奏者として活躍されていますが、やはり山響にいて欲しい音楽家だなぁとこの第2楽章を聴いていて思いました。3/16のオペラ「ラ・ボエーム」では、酒フィルのエキストラ奏者として竹谷さんにコールアングレを担当して頂くことになっています。すでに2回程、指揮者練習に参加するため酒田まで来て頂いています。
「新世界から」の4楽章が静かに終わって、少し間を置いてから凄い拍手、そしてブラボー、ブラボー。飯森さんが一度袖に引っ込んで2回目の登場の時、当然の様にまず竹谷智さんを一人立たせてその演奏を讃えます。観客も竹谷さんに大きな拍手。ブラボーの声もまた2つ3つ飛びました。なんだか私まで胸が熱くなるのを覚えました。
4楽章の最後はホルンも凄かったし、トロンボーンも燃えていたし、トランペットの井上さんは「ワァオ!」というような強く美しい音で咆哮していました(まるでチェコフィルのケイマルさんのようでした、、、笑)。弦も弓から火を噴くのではないかという「熱い」演奏で、犬伏さんのヴァイオリンの弦が「バチン!」という結構大きな音と共に切れてしまいました。なかなか見る事のない、第1プルトから最後尾の第5まで一人ずつヴァイオリンを前列の奏者と交換しながら、弦の切れた楽器を後ろに回して行く様子が見れてそれも楽しからずや、と言う感じでした。山響ではコンサート用のスペア楽器を用意していないという事で(犬伏さん談)、第5プルトインの人が袖に引っ込んですばやく弦を張り替えて戻って来るという技を見せていました。これもブラボー!です。

「一つだけ」などと断りながら、長々書いてしまいました。興奮しました。
コンサート直後の交流会では飯森さんがお話をされていました。山響FC企画の「山響グルメツアー」に誘われていたのですが、すぐに帰らないと1/27(日)は朝からまたオケの練習があります。
往路は月山道でくたくたになったので、帰路は「新庄回り」に変更。国道13号もツルツルで、尾花沢あたりに来ると積雪量も降雪量もやはり「豪雪地帯」という感じでした。ここでもやはり前を走る車のテールランプを頼りに必死でハンドルを握りしめて車を走らせます。新庄を過ぎて国道47号にはいって一路西へ、酒田を目指す道に来ると、夜中の22時過ぎということもあって交通量も減ります。部分的にツルツルで雪の積もった道路の対向車線に大型トラックがグヮ〜ンと来ると恐怖を感じます。結局、2時間30分程かかって我が家に到着したときは、もうすぐ日付が変わろうかという真夜中。
いくら愛する山響の演奏会を聴くためとは言え無謀だったかな、とちょっと反省しましたが、その演奏は、前半の楽しさ、後半の充実感、など往復5時間かけて雪道で恐い思いをしながら、食事もコンビニの肉まんやサンドイッチとおにぎりを車内で済ませて我慢しても「行って良かった!」と本当に思うコンサートでした。

ただ、真冬の山形通いはちょっと考えようかなとは思いますね。(^^;;;

本日のおまけ写真。
Photo完成間近のクリニック、玄関の脇に当たる場所から背の高い窓が据え付けられた待合室の東面とサロンコンサートも行いたいリハビリ室の南面です。ここに前室的に小さな庭を作ります。天気の良い日はここでお茶でも飲みながら待って頂いたり、診療時間外にはリハビリ室の窓を開いて、中で演奏する音楽が庭で聴ける様にしたいと考えています。

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コメント

いや〜、すさまじい強行軍ですね。私も元鶴岡市民ですので、地吹雪の中で何度も怖い思いをしていますが、さすがに夕方出発・夜帰着という経験はありませんね。今回は事故なく良かったですが、怪我などされては大変です。どうぞ、余裕の日程でお出かけください(^_^)/
ところで、二階バルコニー席というのはまだ経験がありませんが、どんな感じなのでしょう。なんだか、映画で見るロイヤルボックスみたいですね。

投稿: narkejp | 2008.01.27 20:45

narkejpさん、コメントとTBありがとうございます。
山形市と酒田市の間は結構頻繁に往復しておりまして、夜中の2時、3時の移動もありましたし、早朝5時、6時の移動もしました。これからはもう少し気をつけます。(^^;;;
さて、バルコニー席ですが、まずテルサの場合は一区画が4席なので出入りが楽である点が一つ、前の方であれば指揮者の顔の表情が見えたり、演奏者の表情がよくわかります。また、弦のtuttiの一人一人の表情がよく見えて、パートごとの役割などがとても理解しやすいですし、後ろの管楽器奏者も前に重ならずによくお顔が見えます。
問題点は、上手に座るか下手に座るかによって、同側の一部が全然見えなくなります。昨日は下手に座っていたので、ハープ奏者とパーカッション(金鎚や鉄砲の人)もほとんど見えませんでした。その代わり、対向するチェロの宮城さんやコントラバス4人の表情や演奏法(弓の動き)などはつぶさに観察できました。
一度お試しください!(^^)

投稿: balaine | 2008.01.27 21:24

26日の演奏会の様子、地元紙で拝見しました。ちょうど飯森氏がピストルを撃ちはなった〔鳴らした♪〕カッコイイ写真入りで♪列車の警笛を吹かれたりとのこと。その記事の下には酒田の寒ダラ汁の話題。新聞とbalaine先生のブログで拝見したら次は是非会場で聞きたい♪という気分。新聞、ブログが与える影響の大きさ感じてます。雪道の強行突破で駆けつけるお気持ち、わかります。近いのに・・・まずは落ち着いたら今度は家族と共にと思います。

投稿: ボリジ | 2008.01.28 00:24

山響定期お疲れ様でした♪ 私は家事都合で行けませんでした。残念!

27日は消防出初式と寒鱈祭りを見て来ました。その前にbalaine先生に教えていただいた清水屋の○びしまで チラシを食べて満腹なこともあり どんがら汁はいただきませんでした・・・・。トホホホ。ライオンズクラブのテント前で○○ハウスの社長さんに食べていけ~と声をかけられましたが また後でと帰って来た次第です。

来年は 寒鱈祭りも山響の演奏会 そしてグルメツアーにも参加出来る体勢作りを構築したいと思います。(ちょっと堅苦しい表現ですいません。)よろしくお願いいたします。

投稿: けんちゃん | 2008.01.28 00:58

ボリジさん、Y新聞、やはりいいですね〜。
お母様いかが?ボリジさんご本人の体調もお大事に。

けんちゃんさん、出初め式、見たかった〜!私は朝からずっとオペラの練習でした。途中でオケの仲間は2時間程、消防団員として式に参加するため抜け出してました。
「健康な体作りと脳管理はKクリニックへ!」(笑)

投稿: balaine | 2008.01.28 09:29

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ニューイヤー・コンサートというのは、本来はお正月に開かれる演奏会のことでしょうが、新春一月に開かれる演奏会がニューイヤーコンサートを名乗っても、格別な不都合はないでしょう。わが山響(山形交響楽団)の第186回(1月)定期演奏会は、飯森範親さんの指揮で、ウィンナ・ワルツとドヴォルザークの「新世界」交響曲というプログラムです。今回は26日の土曜日、雪の中を、夜の部に出かけました。会場近くのレストランで、妻と一緒に軽く夕食をすませ、山形テルサ・ホールへ。 前半の幕開けは皇帝円舞曲からです。コンサートマス... [続きを読む]

受信: 2008.01.27 20:47

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