« 山響ファンタジックコンサート | トップページ | 「光のページェント」(仙台) »

2007.12.24

さようなら、「シネマ旭」

今日は、クリスマス・イヴ。皆さんはどんな日を過ごしていらっしゃいますか?

私は、12/21の「山響団員・FC会員合同忘年会」から出ずっぱりで、今日酒田に帰って来るまでいろいろなイベントに参加してきました。12/22は「山響ファンタジックコンサート」、医局同門会の忘年会があり山形に2連泊しました。
折角だから、12/23(日)に山形で何かないかな〜と思っていましたら、表記のように山形市七日町中心街にある映画館が閉館になるため、最後の記念上映会があるというのです。幸い、無料の整理券が手に入り、12/23の10時に「シネマ旭」に向かいました。

「シネマ旭」の前身「旭座」は1917年創業で90年になります。今の建物になって50年以上になるそうです。1階と2階で2スクリーンありますが、満席で800の座席数。最近では、余程のヒット映画でもない限り、客席はガラガラ。混む事を覚悟で行った映画でさえ余裕で座れてしまう低迷振り。それは、やはりアメニティの低さ。客席の広さの割にはスクリーンは横8mとそんなに大きくない。空調が悪くて冬場は寒いためコートを足に掛けないと震える位。専用の駐車場はなく、街中の駐車場と提携はしていても映画一本観るためにはやはり何がしかの駐車場代を払わなければなりません。最近流行の駐車場完備の「シネコン」のアメニティには全く敵わない訳です。
Photo_2(特徴ある波形の天井、「最後の日」で「無料」でも満席にはならない、この程度の人の入り。山形の中心部はどうなるのでしょう、、、)
昭和32年の裕次郎登場、35年の全盛時には800の客席数に対し1200人も入った事があったそうです(今なら消防法違反かもしれませんが)。
映画が庶民の夢で大きな娯楽であった時代から、最近の様にDVD全盛、テレビも有料チャンネルで映画観放題となって、街中心部にあるべき文化の香り高い硬派の映画館は消え去り、ショッピングモールとくっついたシネマコンプレックスで映画のヒット状況に応じて、客席数の大きいものから小さいものまで8〜10もの大小のスクリーンを持って運営しています。「シネマ旭」の経営母体であったM社から引き継いだMO社でも、山形市北部の新しい新興住宅地に新しいシネコンを作るのだそうです。
Photo(古い映画館らしい緞帳が時代の流れを物語ります。マスコミも4社程カメラが入って取材していました)
10時から閉館記念式典が行われ、M社社長、山形市長の挨拶に続き、50年以上シネマ旭と共に仕事をして来られたM社元社長の挨拶がありました。最後はこの歴史ある映画館の存続を果たせなかった思いを「悔しいです」と涙ながらに吐露され、閉館に至るまでにいろいろあったのだなあと思わされました。

酒田市の中心街がそれなりに頑張っていてもお客の足は少なく、三川町にあるJ社をはじめとするショッピングモールには庄内のみならず日本海側の秋田県南の人まで集客する時代です。酒田市と鶴岡市あわせて人口27万人程いるのにもかかわらず、両市の街中に映画館は今はありません。みんな、三川町のI社のシネコンに行くのです。
山形市の人口が25万、周辺の市町村をまとめて約40万人いても古くからある映画館は無くなってしまいました。市中心部にシネコンが2つ、そして郊外に大きなシネコンが新しくできる代わりに、大げさに言ってしまえば文化の殿堂のような由緒ある映画館が閉館されるのは寂しいという言葉だけでは不十分です。やはり「悔しい」となるのでしょう。
今後は、何らかの形でこの建物は残し、演劇やコンサート会場として使う道を模索しているようです。

この映画館に私が初めて来たのは、山形大学医学部受験の時でした。2日間の試験の前日だったか、初日の夜だったかは忘れました。「合格確実」と太鼓判を押されていたT大学医学部の受験に失敗して、失意のどん底で「できれば山形なんか住みたくないな〜」と正直に思っていた時でした。夜7時にはシャッターが降りてしまう、昔の山形市中心街。何もする事が無くて、一人寂しく歩いていて映画館の灯りが私を惹き付けました。たしか「パニック・イン・スタジアム」という映画を観たと記憶しています。以来、およそ30年の間にいろいろな映画を楽しみました。
この日、最後の上映は、山形に大変縁が深く興行的にも成功した、宮崎駿アニメの秀作「おもひでぽろぽろ」と、この映画館最大のロングラン(丸1年)の最大のヒット作「タイタニック」でした。私は、10:30からの「おもひでぽろぽろ」を楽しみました。映画が始まる時に、パチパチと拍手が沸き起こりました。感慨深く終わった時にもパラパラでしたが拍手がありました。昔、映画館ではこうやってよく拍手が聞かれたものです。

90年の歩みに幕を降ろして古き良き映画館がまた消えてしまいました。
12/23、「シネマ旭」閉館。


|

« 山響ファンタジックコンサート | トップページ | 「光のページェント」(仙台) »

コメント

連日の投稿失礼いたします。

実は今日 三川に映画を観に行きました。マリと子犬の物語。涙腺の弱い私にはハンカチがなくてはならない映画でした。

映画といえば 5月に第九シーンのエキストラで出演した「おくりびと」の出来上がりも楽しみです。マエストロのワンシーンにかける音楽に対する厳しさと情熱が思い出されます。今日の映画を見ながら エキストラの演技やカメラアングルなど 余計なことを考えていました。スクリーンに映らない部分も見えて来ました ^^

本日の地元Y新聞に 酒フィルがN病院でミニ演奏会をした記事が出ておりました。

不況の街酒田ではありますが 文化と食材と人間の暖かさを感じる街だと思います。今日も人生の勉強をした(?) 私でした。

投稿: けんちゃん | 2007.12.24 21:08

けんちゃんさん、どもっす!
「おくりびと」楽しみですね。
私も酒田を愛する者の一人として、なんとか中心街の衰退を食い止めて、人の賑わいの戻る街になって欲しい、したいという気持ちがあります。

投稿: balaine | 2007.12.24 22:57

残念なお話ですね。映画は映画館で観るのが一番!映画館で見るように作ってる!DVDじゃあ旨味半減以下!です。

当地にもシネコン勢力に押される市街地の映画館が幾つかあります。
それらは2つのグループに分けられます。
1つは「シネマ旭」館タイプ。前宣伝で話題となった、メジャーな映画を上映し続けています。同じように行く末が案じられる現状です。
椅子も小さく座り心地も悪く、往年の映画館が混みあった時代に対応した様式の劇場です。

もう一つのグループは、同じように市街地にあるのですが、メジャーな映画に拘らず、と言うか、単館系の映画中心です。椅子も当地の自動車会社製のゆったりシート仕様にしたり、前後列間隔を広くしたり…
あっ、1000円デーを大きな映画館とは違う曜日にしたり、年間パスを作ったりも。で、最近の邦画ブーム、単館系作品ブームにのって、対応して、小回り良くして、ちゃんとカラーを確立し生き残っております。

私、多分年間20本くらい見ますが、半分は企業?努力・工夫を頑張ってる小さな映画館を利用しています。

投稿: リスペクト | 2007.12.26 10:34

リスペクトさん、コメントありがとうございます。
企業努力は大切ですが、先立つものが必要なのですよね。その映画館はおそらくM社の息がかかっているのでしょう。
そういえば、今度の日曜だったかテレビで「武士の一分」やりますね!いい映画です。庄内のことを思い出しながらご覧下さい。
しっとりとした映画の間にやかましいCFが入るのは困ったものですが、タダで観れるのだから仕方ねんだかのぉ?姉役の桃井かおりさんの庄内弁もおもっしぇかもの。
こちらばご覧くだっしぇ。
http://www.ichibun.jp/
せばの!

投稿: balaine | 2007.12.26 11:26

はじめまして!
シネマ旭のタイトルに足を止めてしましました。
女子高生だったころ、七日町の小劇場通いしてた映画大好き少女でした。
シネマ旭には思い出がいっぱいあります。
独身のころ「T2」をひとりで見に行ったり、または友達と「JFK」なんかも見に行ったし、最近ではダンナと「たそがれ清兵衛」を見に行ったりもしました。他にもたくさん(笑)
シネマ旭ってなんかホッとする劇場でした。
あの古さが歴史を感じさせるし懐かしい郷愁を誘うんです。
さよならなんですね。なんかさびしい。
これも時代の流れなんですね。
またお邪魔しますね。

投稿: alice | 2007.12.27 01:25

aliceさん、こんにちは。コメントありがとうございます!
IグループもJ社も、やっている事は悪い事ではないのですが、日本全国で地方都市の中心商店街を破壊し、米国化の商業圏を作り、日本の文化を破壊していると思います。
いくら木を植えたって駄目だと思います。
自分たちが被害を及ぼした中心部における文化活動や教育活動に対して、文化的、経済的に大きな貢献をして帳消しと言う感じでしょうかね。
困った困った、とか、悔しい、とか、寂しい、と言っているだけでは駄目なんでしょうね。どうしたらいいのかな〜。

投稿: balaine | 2007.12.27 12:53

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74618/17464907

この記事へのトラックバック一覧です: さようなら、「シネマ旭」:

« 山響ファンタジックコンサート | トップページ | 「光のページェント」(仙台) »